JPH065039A - フロッピーデイスク - Google Patents

フロッピーデイスク

Info

Publication number
JPH065039A
JPH065039A JP18891592A JP18891592A JPH065039A JP H065039 A JPH065039 A JP H065039A JP 18891592 A JP18891592 A JP 18891592A JP 18891592 A JP18891592 A JP 18891592A JP H065039 A JPH065039 A JP H065039A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disk
liner
floppy disk
fiber
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP18891592A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Matsuhisa
倶之 松久
Akihiro Horiie
彬宏 堀家
Koji Kimura
幸司 木村
Jiro Inoue
二郎 井上
Osamu Yamaguchi
修 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KITASEN KK
Teijin Memory Media KK
Original Assignee
KITASEN KK
Teijin Memory Media KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KITASEN KK, Teijin Memory Media KK filed Critical KITASEN KK
Priority to JP18891592A priority Critical patent/JPH065039A/ja
Publication of JPH065039A publication Critical patent/JPH065039A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維屑、毛羽などの発生がなく、クリーニン
グ性に優れたライナーを有し、リフターが不要でクリー
ニング性の経時変化のないフロッピーデイスクを提供す
る 【構成】 フレキシブルな磁気デイスクと該デイスクを
内蔵するカートリッジとからなるフロッピーデイスクで
あって、該カートリッジはプラスチック成型体と繊維材
料からなるライナーとからなり、ライナーは単糸繊度が
0.6デニール以下のポリエステルなどの長繊維により
磁気デイスクと接する面が構成された織編物からなる厚
み方向に弾性を有する布帛から構成されており、ライナ
ーはそれ自体の弾性により磁気デイスクに弾性接触する
ように設けられており、リフターなどの弾性押圧手段が
設けられていない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フロッピーディスクに
関し、さらに詳しくは、磁気記録層を基体フィルム上に
形成したフレキシブルディスクと、該ディスクを内蔵す
るカートリッジとからなるフロッピーディスクの改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】フロッピーディスクは、使用が容易で小
型、低価格かつ信頼性が高いことからパーソナルコンピ
ューター、ワープロ、インテリジェント端末などに広く
使用され、今後も大きな需要の拡大が見込まれている。
【0003】従来、フロッピーディスクは一定条件下に
管理されたコンピューター室やオフィスなど良好な環境
下で使用されていたが、最近は、作業場、商店、家庭な
どの広範囲の温度、湿度条件で、しかもクリーン度の劣
る環境で使われることが多くなってきた。かかる苛酷な
条件下においても、高い信頼性をもって作動することが
フロッピーディスクの必須条件である。
【0004】また一方、一層の高密度化を狙って、デー
ター転送速度アップや、電磁特性の向上のためディスク
の回転速度を2倍ないしそれ以上に高める動きがある。
高速回転時の信頼性を高めることは、さらに高度な課題
である。
【0005】フロッピーディスクは、前述の通り円板状
に打ち抜かれた磁気記録媒体であるフレキシブルディス
ク(以下「ディスク」という)と、それを内蔵するカー
トリッジとから構成されており、該カートリッジの内側
には、磁気記録媒体上のゴミを除去する機能を備えたラ
イナーが内張りされており、ディスクが回転すると、上
下のライナーとディスクとが適度に接触し、媒体上の異
物が除去される構成となっている。
【0006】例えば、3.5インチフロッピーデイスク
の構造を図示した図1を用いて説明すると、上部のシェ
ル(サイド1側)1および下部のシェル8(サイド0
側)から構成される硬質ケース内に、ドライブ側からの
回転を可能とならしめるメタルハブ4を両面接着テープ
5により装着した磁気デイスク6を組み込む。磁気デイ
スク6と上下のシェル1および8の間に、クリーニング
用ライナー3Aおよび3Bが介在し、弾性押圧手段とし
て固着されているリフター7の弾力性によってライナー
を磁気デイスク6の表面に弾接することにより、磁気デ
イスク表面のクリーニングを行う。磁気デイスクカート
リッジをドライブに装着するときには、シャッター9が
開き、ヘッド挿入口11A、11Bにヘッドが挿入さ
れ、ドライブから取り外し時にはシャッタースプリング
10により、シャッター9が自動的に閉まる機構になっ
ている。
【0007】最近のフロッピーデイスクでは、種々の苛
酷な条件下、例えば、温度、湿度、塵埃下で高い信頼性
が要求され、このためにエラーの低下が重要な課題とな
ってきている。エラー発生の原因の1つにはデイスクに
付着するゴミがあり、デイスクの回転により、ライナー
とデイスクが適度に接触し、デイスク上のゴミが効率的
に除去される構成になっている。
【0008】3.5インチなどの硬質ケースを使用する
場合には、図1に示すようにリフター7のような弾性押
圧手段ににより、ライナー3A,3Bをデイスク6の表
面に強制的に弾接させてデイスク表面に発生する異物を
除去せしめる方法が一般的に用いられている。このリフ
ター7としては厚さ約75μmないし125μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムを用いる例が多い。リ
フター7は、その一端の固定端が硬質ケースに接着剤や
両面テープなどで固定され、他端を所定の折り曲げ角度
でもって立ち上げ自由端とした構成で、自由端がライナ
ー3A,3Bをデイスク6に弾接させる作用を営む。こ
のようにカートリッジ内においてリフターは不可欠の構
成部品となっている。
【0009】しかしながら、従来のリフターは、プラス
チックフィルムまたは金属板からなっており、プラスチ
ックフィルムよりなるものは、経日によるへたり現象を
起こしやすく、特に60〜90℃の高温条件下を経ると
折り曲げ角度が急速に0°に近づき、デイスクとの接触
が充分でなくなり、クリーニング効果が急速に低下しエ
ラー低減効果も大幅に減少する。
【0010】他方、金属板からなるリフターは、ライナ
ーを介してもデイスクとの接触が強くなりすぎる傾向が
あり、アンロードウエアーを引起しやすい欠点がある。
これらの点からリフターの改良が種々検討されている。
【0011】ところで、エラーの原因となるデイスク上
に付着する異物としては、外部からカートリッジ開口部
を通じて侵入する砂ゴミ、ホコリ、などがあり、一方で
はディスクに付着している研磨カスなどがある。さら
に、本来はクリーニング機能を発揮すべく使用されてい
るライナー自体も短繊維素材であるため発塵し、繊維状
のゴミや、繊維の切れ端である毛羽が発生してフロッピ
ーディスクの信頼性に大きな影響を与える。
【0012】ライナーとしては、主にレーヨンやポリエ
ステルを主体とする繊維からなる不織布が一般に用いら
れている。不織布はその製法により、ラテックス系のバ
インダーを使用したバインダー系不織布と実質的にバイ
ンダーを使用しないノーバインダー系の不織布とに大別
される。
【0013】バインダー系不織布は、長さ50mm前
後、太さ約1.5デニールの短繊維をカーディングし、
ウエブ化した後にゴム系の樹脂エマジョン等で樹脂加工
して、乾燥、圧密処理をして製造される。従って、繊維
間の交絡、密度が高くなり、ライナーとして使用した時
には、繊維状の脱落物は少なく、また打抜加工によって
形成したライナー端部から毛羽の発生が少なく、良好で
ある。
【0014】しかしながら、ウエブが、硬く仕上るた
め、ゴミの拭き取り、及び内部への取り込み性能が劣
り、またある場合には、バインダー樹脂凝集物の脱落が
起る。デイスクから拭き取りきれなかったこれらの異物
に磁気ヘッドが乗り上げると一時的なエラー、すなわち
テンポラリーエラーが起る。
【0015】一方、ノーバインダー系不織布は、例えば
レーヨンとポリプロピレン繊維を水流ないしカーディン
グでウエブ化し加熱圧密処理、加熱エンボス処理を部分
的に施して製造される。このタイプの不織布は、繊維間
の交絡が粗であるため、摩擦作用によって繊維屑が発生
しやすく、またライナー打抜端部での毛羽の発生が多
く、長い毛羽が磁気ヘッドに噛み込まれた場合には、大
きな信号の欠落が起り、エラーとなる。また、加熱エン
ボス又は溶着で生じたポリマー塊の脱落も異物原因の一
つとなる。反面、柔らかく粗な構造のウエブは良好なゴ
ミの拭き取り性を示し、ある種のフロッピーディスクド
ライブないしは、特定の使用環境下では、テンポラリー
エラーが減少する結果が得られている。
【0016】従来技術には、バインダー系不織布のバイ
ンダー付着量を極力低減させようとする試みもあるが、
クリーニング性の向上に伴ない毛羽発生が大となる傾向
がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繊維屑、毛
羽などの発生が少なく、クリーニング性に優れたライナ
ーを有し、リフターが不要でクリーニング性が経時変化
しないフロッピーディスクを提供することを目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、フレキシブル
な磁気ディスクと該ディスクを内蔵するカートリッジと
から構成されるフロッピーディスクであって、該カート
リッジは、プラスチック成型体と繊維材料からなるライ
ナーとから構成され、ライナーは、少なくとも磁気ディ
スクと接する表面が単糸繊度にて0.6デニール以下の
長繊維により構成された織編物からなる厚み方向に弾性
を有する布帛であり、ライナーはそれ自体の弾性により
磁気デイスクに弾性接触するように設けられており、リ
フターなどの弾性押圧手段が設けられていないことを特
徴とするフロッピーディスクである。
【0019】本発明のフロッピーデイスクは、ライナー
として、クリーニング性が優れ厚み方向に弾性を有する
特定の布帛を用い、これ自体の弾性によりデイスクを弾
性支持するものであり、そのカートリッジ内面にリフタ
ーを有しない。このため従来の使用に伴う問題、すなわ
ち経日、特に高温下に置かれたことによるヘタリからく
る接触不充分によるエラーの発生などの問題がなくな
る。さらに、リフター材が不要となり、また貼付工程の
省略をはかることができ、生産面、コスト面でも有利で
ある。
【0020】なお、ライナーには、ゴミ拭き取り性のよ
い特定の織編物からなる布帛を用いているので、クリー
ニング効果も優れたものとなる。すなわち、本発明によ
り、長期に安定した優れたクリーニング作用を奏するフ
ロッピーデイスクが、従来より簡単な構成で実現でき
る。
【0021】ところで、ライナーがデイスクに全面接触
すると、クリーニング作用は向上するが、駆動トルクが
大幅に上昇するので、一部接触するようにする構成が好
ましい。かかる構成としては、カートリッジ内面に部分
的な適当な高さの突起を設け、その上にライナーを布設
し、この部分で弾性接触させる構成などが採用できる。
【0022】本発明において、ライナーは、少なくとも
磁気デイスクと接する表面が、単糸繊度にて0.6デニ
ール以下の極細長繊維により構成された織編物からなる
厚み方向に弾性を有する布帛を用いる。
【0023】前述の如く、従来用いられていたライナー
は、短繊維からなる不織布を用いているため、バインダ
ー樹脂又は熱エンボス等による繊維間の交絡点の形成が
必須である。それにも拘らず、繊維屑、毛羽、バインダ
ー塊などの問題から逃れ得ない。これを避けるため本発
明においては長繊維からなる織編物を使用する。
【0024】その際、単糸デニール0.6デニールを超
える長繊維を用いて作成した平織及び綾織の織物の場合
には、織物表面を摩擦することによって発生する毛羽及
び樹脂塊の発生は大きく良化したが、クリーニング性に
おいて、不織布に比べ劣ったものしか得られなかった。
同じ繊維を用いてトリコット編物を作成し、同様に評価
したところ、やはり表面摩擦によって発生する毛羽及び
樹脂塊の発生は良化したが、クリーニング性において不
織布よりも劣るものしか得られなかった。
【0025】これらの織編物をライナーとして用いたフ
ロッピーディスクにおいて、磁気ヘッドをデイスクにタ
ッチさせない(アンロード)状態でデイスクを長時間、
回転させた際に、ライナーとの接触部でデイスクにレコ
ード盤状の擦れキズ(アンロード・ウエアー)が多くの
場合に発生した。剛性の強い単繊維と織編構造の関係で
ライナー表面とデイスクとの局部摩擦が強く働くためと
思われる。
【0026】これに対し、本発明による0.6デニール
以下の極細繊維を用いると、布帛表面には極細繊維のル
ープからなり、厚み方向に弾性を有する微細凹凸が形成
されており、デイスクに付着した微細なゴミの拭き取り
性が高く、さらに布帛内の繊維表面積が大となるため、
拭き取られたゴミが繊維間に安定に取り込まれ、脱落す
ることがなく、ゴミの保持性に優れた繊維が得られる。
ところで、フロッピーデイスク用ライナーのクリーニン
グ性は、これらゴミの拭き取り性と保持性の総合された
特性である。このため本発明においては、クリーニング
性の良好な単糸繊度が0.6デニール以下、好ましくは
0.5〜0.03デニールの極細繊維からなるマルチフ
ィラメントを用いる。
【0027】また、本発明のライナーは、長繊維を用い
ているので、布帛表面を摩擦した場合に繊維屑や毛羽の
発生は起こらない。さらに、短繊維不織布で問題となっ
たポリマー塊やバインダー樹脂塊の脱落が起こらない。
また、バインダー樹脂によるライナーの硬化や表面の平
滑化などが起こらず、これらは全てテンポラリーエラー
の減少に良好な結果をもたらす。
【0028】さらには、単糸デニールが細いため、かつ
単糸間に適度な空隙を有することができるので、ライナ
ー表面はデイスクに対しソフトタッチとなり、磁気ヘッ
ドアンロード時に、デイスクの摩耗は起らない。
【0029】なお、本発明の布帛は、単糸繊度が0.6
デニール以下の極細繊維100%により構成されること
は必ずしも必要でなく、他の糸と交織・交編して布帛と
することもできる。
【0030】カートリッジ内面へ貼り付けるための布帛
の所定形状への断裁時に、ホツレや毛羽のはみ出しが起
こる場合には、常温でのパンチングの代わりに、熱溶断
またはレーザーカットなど繊維を部分融解させながらカ
ットする方式を用いることが好ましい。これによってカ
ートリッジ開口部からの毛羽のはみ出しが防止され、フ
ロッピーデイスクの品位が良好に保持される。
【0031】本発明の布帛に用いる繊維は、単糸繊度が
0.6デニール以下の極細長繊維である。その製法とし
ては、例えばポリマー紡糸液を紡糸口金から吐出して紡
糸する際に極細状態に細化させる方法、紡出糸条をフロ
ー延伸して細化し極細繊維とする方法、海島型複合繊維
の海成分を溶解除去する方法、接合型複合単繊維を割裂
する方法等をあげることができる。
【0032】0.6デニール以下の長繊維としては、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル等の合
成繊維、レーヨンなどの再生繊維、アセテート等の半合
成繊維を使用することができる。これらの繊維は単独で
も、また2種以上の成分からなる複合繊維であってもよ
い。特に、ポリエステル繊維ないしはポリエステル繊維
とポリアミド繊維との複合繊維を用いると耐久性が良好
で、フロッピーデイスクとして長い時間使用しても単糸
切れや発塵などが起こりにくく好ましい。
【0033】かかる長繊維は、カートリッジ開口部相当
位置からの毛羽のはみ出しを抑えるために熱融着を利用
した断裁が有利に利用できるので、熱可塑成分が50重
量%以上であることが好ましい。
【0034】本発明の織編物を構成する長繊維の形態と
しては、極細繊維を用いた布帛のクリーニング性を高め
るべく内部に存在する微小空隙孔の径を大きくするとと
もに厚み方向に弾性を得るため、極細繊維に捲縮加工を
施した捲縮加工糸が好ましく使用される。捲縮加工の条
件は公知のものが用いられ、例えば仮撚加工を施して、
捲縮を付与するものでは、仮撚加工温度150〜210
℃の範囲のものが使用される。また、接合型複合繊維
(分割型複合繊維)を割裂するものではポリエステルと
ポリアミドとからなる異繊条複合糸を用い、該複合糸を
構成するサイド・バイ・サイド方式の複合繊維の捲縮加
工による捲縮と、それに伴う異繊条複合糸の収縮を利用
して空隙孔を形成するような糸条を用いることが好まし
く例示される。
【0035】ライナーに帯電防止効果をもたせるため、
導電性の繊維と混合して織編したり、繊維又は布帛状態
で静電防止処理を施すことも有効に行われる。
【0036】本発明において、ライナーは、前記のよう
な長繊維を用いた織編物からなる布帛から構成される
が、織編物の組織としては、クリーニング性を高め、厚
み方向の弾性を得る観点から、該極細長繊維の浮数が多
い組織が好ましく、さらには、厚みが0.2mm以上の
ものが好ましく、織物においては、例えば2/2ツイ
ル、3/1ツイル、破れ斜文などの斜文織組織;5枚
(以上)朱子などの朱子織組織が例示される。編物にお
いても、浮数の多い組織に編成するものが好ましく、経
編物としては1/4サテン、1/3サテン、フレンチパ
イル組織など、また、丸編物としてはスムース、モック
ロデイ組織などを具体例としてあげることができる。
【0037】これらのいずれの組織においても、少なく
ともライナーの磁気デイスクと接する表面には、該極細
長繊維が65%以上配置されることが好ましい。極細繊
維が65%未満では、布帛表面に存在する0.6デニー
ルを超える繊維が多くなってクリーニング性が劣り、ま
た剛性の強い単繊維による摩耗が大きくなるためであ
る。
【0038】また、ゴミの保持性を高めるべく繊維間の
空隙を増すためには、得られた布帛を仕上加工する際
に、該布帛を緯方向のみならず、経方向にも積極的に収
縮させる加工も好ましく利用される。
【0039】ライナーの厚さは、カートリッジの種類に
よって、磁気ディスクと2枚のライナーが収納される内
部空間の厚さが異なるため一概には規定しえないが、一
例として3.5インチカートリッジの場合には0.2〜
0.3mmの範囲が好ましい。ライナー厚さが0.2m
m未満では、ライナーとデイスクとの接触が十分でなく
クリーニング性能が劣る。本発明のライナーはリフター
の部分で強制的にライナーを持ち上げ、デイスクとライ
ナーとを接触させる機能となっていないので、ライナー
厚みは厚めに設定できる。ただし、0.3mmを超える
場合には、ライナーとディスクが密着しすぎ回転トルク
が高くなってデイスクの回転に要するドライブの負荷が
過大になり好ましくない。ライナーの厚さ測定は、JI
S L1096−1979に準じて行い、加圧7.0g
/cm2 にて測定する。
【0040】以上のような、本発明のライナーを用いる
と、発塵性が少なく、ゴミの拭き取り性および保持性に
優れておりライナー表面の極細長繊維によって形成され
るループによる弾性によりデイスクと適度な接触が得ら
れ、テンポラリーエラーの低減化効果が大きい。従っ
て、従来型のライナーでは不可欠とされていたリフター
がなくても、ライナー自体の弾性により充分なクリーニ
ング効果が得られるのである。しかもリフターを有しな
いので、リフターのヘタリ現象による高温下の経日によ
るテンポラリーエラーの増加の問題が解消されるととも
に、前記のとおり生産面、コスト面でも有利となる。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例1 ポリエステル(PET)とナイロン6(重量比50:5
0)とからなる分割型複合織繊(75デニール/20フ
ィラメント、16分割/フィラメント)のフィラメント
糸を用いて、該フィラメント糸に予め200T/mの先
撚を付与し、次いで温度180℃オーバー・フィード率
0.5%の条件で仮撚加工を行い、部分的に分割剥離を
行わしめた捲縮加工糸を経糸、緯糸に用いて経密度16
0本/2.54cm、緯密度86本/2.54cmで2
/2ツイル(綾)組織の織物を得た。
【0042】得られた織物を分割処理剤〔テトロシンO
EN 3%、山川薬品(株)製〕を使用した、温度30
℃の処理浴の中で60分間処理をし、さらに水酸化ナト
リウム3g/lの処理浴の中で、70℃、30分間処理
し、水洗中和して複合糸の分割剥離を促進して、織物内
部に微細空隙を作るとともに単糸間の集束を抑えたのち
乾燥させた。乾燥後のヒートセット織物の厚さは0.2
7mmであった。
【0043】得られた織物を3.5インチ用ライナーの
形状に熱溶断し、これをリフターを取り除いた3.5イ
ンチフロッピーディスク用カートリッジの成形体の内面
に必要箇所を加熱融着して設け、リフターを有しないフ
ロッピーデイスク用カートリッジを得た。なお、織物の
成形体内面への配置に際しては、成形体内面のリフター
用突起上に適当な厚みの合成樹脂フィルムを接着して、
この部分のみで織物がデイスクに適当な接触トルクで強
制的に弾性接触するように調整した。
【0044】一方、Co−γ酸化鉄とバインダー等を7
5μmのポリエステルフィルムの両面に塗布、乾燥さ
せ、スーパーカレンダー処理後、3.5インチに打ち抜
いた磁気記録デイスクを作成し、前記フロッピーデイス
ク用カートリッジ内に収納して3.5インチフロッピー
デイスクを得た。得られたフロッピーデイスクの性能を
表1に示す。
【0045】実施例2 ポリエステルとナイロン6(重量比50:50)とから
なる分割型複合織繊(50デニール/20フィラメン
ト、16分割/フィラメント)のフィラメント糸を用い
て、該フィラメント糸を実施例1と同じ条件で仮撚加工
を行い、部分的に分割剥離を行わしめた捲縮加工糸を用
い、編機ゲージ28の丸編機によりスムース組織により
編成し、該編物を実施例1と同じ条件で分割処理を行
い、編物を40%収縮させ仕上げた。得られた編物の厚
さは0.25mmであった。得られた編物を用いて実施
例1と同様にしてリフターを有しない3.5インチフロ
ッピーデイスクを得、実施例1と同様にその性能を調べ
た。結果を表1に示す。
【0046】実施例3 2枚筬よりなる36ゲージトリコット編機を用い、前筬
にポリエステルフィルム糸32デニール/64フィラメ
ントを、後筬にポリエステルフィラメント糸20デニー
ル/12フィラメントを通して、1/3サテン組織(筬
の振り表示:前筬1,2/3,4;後筬1,2/1,
0)の編地を得た。該編地を常温により精練、リラック
ス、乾燥セットを行って仕上げた。編物厚さは0.25
mmであった。
【0047】得られた編物を用いて、実施例1と同様に
してリフターを有しない3.5インチフロッピーデイス
クを作成し、その性能評価を行った。結果を表1に併せ
て示す。
【0048】実施例4 実施例1にて得られたフロッピーデイスクを50℃の恒
温槽にて1週間熱処理し、エラーレートの評価を行っ
た。結果を表1に併せて示す。
【0049】比較例1 ポリプロピレン(PP)とレーヨンとからなる、太さ
1.5デニール、長さ50mmの短繊維を用いたノーバ
インダー型市販の不織布(Veratec社製#930
3)を常温で打抜断裁を行い、以下実施例1と同様にし
てリフターを有しない3.5インチフロッピーデイスク
を作成し、その性能評価を行った。結果を表1に併せて
示す。
【0050】比較例2 カートリッジ用プラスチック成型体の片面(0面)側に
125μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム製
のリフターを取付けた以外は比較例1と同様にしてフロ
ッピーデイスクを作成し、その性能評価を行った。結果
を表1に併せて示す。
【0051】比較例3 経糸、緯糸として、ポリエステルフィラメント糸(75
デニール/36フィラメント、単糸繊度2.08デニー
ル)を用いて定法により仮撚加工を施こし、該仮撚加工
糸に200T/mの追撚を施こしたものを用いて織物組
織として実施例1と同様の組織を構成し、該織物を通常
の仕上加工法により仕上げた。得られた織物の厚さは
0.25mmであた。この織物を用いて比較例2の如く
リフターを取り付けた以外は実施例1と同様にして3.
5インチフロッピーデイスクを作成し、その性能評価を
行った。結果を表1に併せて示す。
【0052】比較例4 ポリエステルフィラメント糸〔50デニール/24フィ
ラメント(単糸繊度2.08デニール)〕を用いて定法
により仮撚加工を施こし、該仮撚加工糸に200T/m
の追撚を施したものを用いて、実施例2と同様の編物に
構成した。該織物の厚さは0.25mmであった。この
編物を用いて比較例2の如くリフターを取り付けた以外
は実施例2と同様にして3.5インチフロッピーデイス
クを作成し、その性能評価を行った。結果を表1に併せ
て示す。
【0053】比較例5 比較例2で得たフロッピーデイスクを50℃の恒温槽じ
て1週間熱処理し、エラーレートの評価を行った。結果
を表1に併せて示す。
【0054】
【表1】
【0055】なお、フロッピーディスクの性能評価に用
いた各測定値の測定法は、下記の通りである。 <クリーニング性>エラーレート 3.5インチのフロッピーディスクをサーティファイし
てトラック品質の良好な2,000枚を選び出す。市販
のドライブFD−1135Cを用い、00〜79トラッ
ク全面に2HD256フォーマットでDB6信号をベタ
書きし、±100ns(ナノ秒)タイムマージン下、リ
トライ0で信号を読みとる。フロッピーディスク1枚に
つき、1箇所でも読取不良があるとこれをNGとしてカ
ウントする。全2,000枚につきこのWrite−r
eadテストを行って不良枚数を数え、測定枚数で除し
て、不良率(エラーレート)を算出する。なお、エラー
の主体はテンポラリーエラーである。
【0056】デイスク上ゴミ個数 サーティーファイを行ったフロッピーデイスクの1面側
を上にしたままデイスクを水平に引き出す。8倍の拡大
鏡下で1面側のデイスク面を観察し、繊維状、樹脂状砂
ゴミ状それぞれのゴミの数をカウントする。10枚のデ
イスクの平均をもってゴミ個数とする。
【0057】<断裁性>ヘッドウインドウ毛羽 サーティーファイを行ったフロッピーディスクのヘッド
ウインドウ部(開口部、0面側及び1面側)を目視観察
して、毛羽のハミ出しをディスク10枚についてチェッ
クして下記のようにランク付する。
【0058】A:全く毛羽のハミ出しが認められない。 B:1ミリ長程度の毛羽≦2本/フロッピーディスクで
あり、かつ2ミリ長以上の毛羽なし。 C:2ミリ長以上の毛羽が10枚中0〜2枚存在。 D:2ミリ長以上の毛羽が10枚中に3枚以上存在。
【0059】<デイスク摩耗性>アンロードウエア 磁気ヘッドを取外したFD1135Cドライブにフロッ
ピーディスクを装着して常温にて連続30日(1500
万パス) 回転させ、これを3枚について行う。ライナー
によるデイスクの擦れの状態をトラック00〜79の範
囲につき目視観察し、キズ( 細い円周状のスクラッチ)
の程度により下記ランク付する。
【0060】A:全くキズつきなし B:3枚中1枚に軽いスクラッチ発生 C:全般的に軽いスクラッチ発生 D:2〜3枚に強いスクラッチ発生
【0061】
【発明の効果】以上にように、本発明のフロッピーデイ
スクは、長繊維を用いた織編物からなるライナーを用い
ることにより、従来型の短繊維不織布からなるライナー
の欠点である、自己発塵性(繊維屑、樹脂塊)と、短繊
維端部に起因するヘッドウインドウ、すなわち開口部か
らの毛羽のハミ出しを解消したものである。
【0062】さらに、本発明のフロッピーデイスクは、
長繊維として0.6デニール以下の極細繊維を用いるこ
とにより、布帛表面にゴミの拭き取り性の高いループを
形成させるとともに、内部空隙を適正化させることがで
き、ゴミの保持性を高め、リフターなしでも優れたエラ
ーレートを示すものである。その結果、従来型のフロッ
ピーデイスクの欠点であるリフターのへたりによるクリ
ーニング性の経時低下の問題を解決したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】3.5インチ磁気デイスクカートリッジの例を
示す組立図である。
【符号の説明】
1 上部シェル 2 センタープレート 3A、3B ライナー 4 メタルハブ 5 両面接着剤付きテープ 6 磁気デイスク 7 リフター 8 下部シェル 9 シャッター 10 シャッター・スプリング 11A、11B 磁気ヘッド挿入口
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】実施例3 2枚筬よりなる36ゲージトリコット編機を用い、前筬
にポリエステルフィラメント糸32デニール/72フィ
ラメントを、後筬にポリエステルフィラメント糸20デ
ニール/12フィラメントを通して、1/3サテン組織
(筬の振り表示:前筬1,0/3,4;後筬1,2/
1,0)の編地を得た。該編地を常温により精練、リラ
ックス、乾燥セットを行って仕上げた。編物厚さは0.
25mmであった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 幸司 東京都港区虎の門1丁目8番11号 帝人メ モリーメデイア株式会社内 (72)発明者 井上 二郎 石川県能美郡根上町大浜町コ141番地 株 式会社キタセン根上工場内 (72)発明者 山口 修 石川県加賀市大聖寺上福田町ロ131番地 株式会社キタセン大聖寺工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレキシブルな磁気ディスクと該ディス
    クを内蔵するカートリッジとから構成されるフロッピー
    ディスクであって、該カートリッジは、プラスチック成
    型体と繊維材料からなるライナーとから構成され、ライ
    ナーは、少なくとも磁気ディスクと接する表面が単糸繊
    度にて0.6デニール以下の長繊維により構成された織
    編物からなる厚み方向に弾性を有する布帛であり、ライ
    ナーはそれ自体の弾性により磁気デイスクに弾性接触す
    るように設けられており、リフターなどの弾性押圧手段
    が設けられていないことを特徴とするフロッピーディス
    ク。
JP18891592A 1992-06-24 1992-06-24 フロッピーデイスク Withdrawn JPH065039A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18891592A JPH065039A (ja) 1992-06-24 1992-06-24 フロッピーデイスク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18891592A JPH065039A (ja) 1992-06-24 1992-06-24 フロッピーデイスク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH065039A true JPH065039A (ja) 1994-01-14

Family

ID=16232115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18891592A Withdrawn JPH065039A (ja) 1992-06-24 1992-06-24 フロッピーデイスク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH065039A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07220449A (ja) * 1994-01-28 1995-08-18 Nec Ibaraki Ltd 磁気ディスク板クリーニング方法および装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07220449A (ja) * 1994-01-28 1995-08-18 Nec Ibaraki Ltd 磁気ディスク板クリーニング方法および装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU628415B2 (en) Nonwoven fabric
US5311389A (en) Hydroentangled fabric diskette liner
JPH03132984A (ja) フロッピーディスクジャケット用ライナー
JP2008155359A (ja) ガラス基板鏡面加工用研磨布及びその製造方法
JP3774302B2 (ja) 研磨用布帛
JPH065039A (ja) フロッピーデイスク
JPWO2009060985A1 (ja) 布帛および複合シートおよび研磨布およびワイピング製品
US20100173573A1 (en) Polishing pad and method of manufacturing the same
JPH05217326A (ja) フロッピーデイスク
EP0495235B1 (en) Liner for floppy disk jacket
JP5463648B2 (ja) 織物ワイパ
JP3336374B2 (ja) 磁気記録媒体等の製造に用いるクロス
US5398151A (en) Diskette liner
JPH07141817A (ja) ディスクカートリッジ
JP3675355B2 (ja) 磁気ディスク研磨用織物
JPH119540A (ja) ワイピングテープ
JP2005344233A (ja) 研磨用織物及び磁気記録ディスク基盤研磨用テープ
JP2001179595A (ja) 磁気ディスク研磨用織物
JPH11276398A (ja) ワイピングテープ
JP2002273650A (ja) 研磨布
JP2899940B2 (ja) クリーニングディスク
JP4432177B2 (ja) 磁気ディスク研磨用織物
JP2003228825A (ja) 磁気ディスクテクスチャー加工用基布
JPH11276397A (ja) ワイピングテープ
JPH01199371A (ja) フロッピーディスクライナー用不織布

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990831