JPH064991A

JPH064991A - スピンドルモータ

Info

Publication number: JPH064991A
Application number: JP4188765A
Authority: JP
Inventors: Osamu Mitsuyasu; 治光安
Original assignee: Nidec Corp
Current assignee: Nidec Corp
Priority date: 1992-06-23
Filing date: 1992-06-23
Publication date: 1994-01-14

Abstract

(57)【要約】【目的】クランプマグネットの厚み寸法にばらつきを
有していても、その影響を受けることなく、均一な磁気
的吸引力が得られると共に、小型化を図ること。【構成】ハウジングと該ハウジングに対して相対的に
回転自在であるハブ部材とを具備し、ハブ部材には、記
録ディスクを磁気的に吸引保持するクランプマグネット
が設けられているスピンドルモータである。クランプマ
グネットはハブ部材を回転軸線方向へ穿設した貫通孔に
装着されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光・磁気ディスク等の
記録ディスクを回転駆動するスピンドルモータについ
て、特に記録ディスクを磁気的に吸引保持するクランプ
マグネットを具備したスピンドルモータに関する。

【０００２】

【従来の技術】図５は、例えば光ディスクを回転駆動す
るスピンドルモータであり、全体のうち左側半分を示し
た断面図である。図において、ａは、ハウジングであり
ディスク駆動装置に固定される。ｂは、光ディスクｅを
装着して回転駆動されるハブ部材である。ｄは、ハブ部
材ｂと一体に固定されたシャフトであり、軸受ｋ，ｍに
より回転自在に支持される。更に、軸受ｋ，ｍはハウジ
ングａの円筒部ｒの内周面に装着される。また、ハウジ
ングａの円筒部ｒの外周面にはステータｆが設けられて
いる。

【０００３】ハブ部材ｂは、クランプ部ｊとロータヨー
クｈとから構成されている。クランプ部ｊの上面におけ
る、環状に形成された溝底面ｑには、クランプマグネッ
トｃがクランプヨークｎを介して装着されている。ま
た、ロータヨークｈの内周面には、前記ステータｆに対
向して環状に配置されたロータマグネットｇが装着され
ている。ハブ部材ｂに装着された光ディスクｅは、図に
示すように、シャフトｄにより回転軸線と同軸状に位置
決めされると共に、クランプ部ｊにおける外周縁上面の
基準面ｐにて高さ位置決めされ、クランプマグネットｃ
の磁気的吸引力により保持される。そして、光ディスク
ｅは、ステータｆとロータマグネットｇとの相対回転に
より、ハウジングａに対して回転駆動される。

【０００４】光ディスクｅに対するクランプマグネット
ｃの磁気的吸引力は、実質上、クランプマグネットｃの
着磁ばらつきよりも、むしろ光ディスクｅとクランプマ
グネットｃとの間隙ｓによるばらつきの影響のほうが大
きい。このため、この間隙ｓの寸法を、ばらつきのな
い、均一な値に保つよう管理することが必要となる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述のスピンドルモー
タによれば、クランプマグネットｃがクランプ部ｊの上
部に装着される構成となっている。このため、クランプ
部ｊを精度良く仕上げても（即ち、基準面ｐと溝底面ｑ
とを所定精度に仕上げても）、クランプマグネットｃ自
体の成形厚み寸法（図における回転軸線方向の厚み寸
法）のばらつきのほうが大きいことから、実質上、間隙
ｓの管理はクランプマグネットｃの寸法管理に負うこと
となる。しかしながら、クランプマグネットｃ自体の製
造上の理由から、寸法精度を追求することは困難であ
る。現実は、このようなばらつきを予め考慮して必要以
上の磁気的吸引力が得られるように設定されている。

【０００６】これに伴い、クランプマグネットｃには、
形状の大きなものや、磁束密度の高い材料を用いること
から、スピンドルモータの製造コストを押し上げ、小型
化（特に薄型化）を図ることが困難な状況となってい
る。このように従来のスピンドルモータにおいて、何等
かの解決策が望まれていた。本発明は、従来技術に存し
た上記のような問題点に鑑み行われたものであって、そ
の課題とするところは、クランプマグネットの厚み寸法
に多少のばらつきを有していても、その影響を受けるこ
となく均一な磁気的吸引力が得られると共に、装置の小
型化を図ることが可能なスピンドルモータを提供するこ
とである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のスピンドルモータは、ハウジングと、該ハ
ウジングに対して相対的に回転自在であるハブ部材とを
具備し、該ハブ部材には、記録ディスクを磁気的に吸引
保持するクランプマグネットが設けられたスピンドルモ
ータにおいて、前記クランプマグネットは、前記ハブ部
材を回転軸線方向へ穿設した貫通孔に装着されているも
のである。

【０００８】

【作用】クランプマグネットが装着されるハブ部材の部
位は、貫通孔となっている。このため、クランプマグネ
ットをハブ部材に装着する際、この貫通孔の一方の開口
部（記録ディスク装着側）に、記録ディスクとクランプ
マグネットとの間隙寸法を規定するスペーサ部材をあて
がっておき、貫通孔の他方の開口部からクランプマグネ
ットを挿入して固定することができる。記録ディスクと
クランプマグネットとの間隙寸法は、このスペーサ部材
の厚み寸法により規定される。従って、クランプマグネ
ットに厚み寸法のばらつきを有していても、上記間隙寸
法へ影響を与えることはない。また、クランプマグネッ
トはハブ部材の貫通孔に装着されることから、クランプ
マグネット自体の厚み寸法が、ハブ部材の厚み寸法内に
含まれる。このため、実質上ハブ部材の厚み寸法は増加
せず、もって小型化（薄型化）が図れる。

【０００９】

【実施例】本発明に従うスピンドルモータの一実施例に
ついて、図１乃至図４を参照しつつ説明する。図１は、
記録ディスクとして、例えば光ディスク（以後、ディス
クと呼ぶ）を回転駆動するスピンドルモータを示し、そ
の全体のうち左側半分を示した断面図である。また図２
は、図１のスピンドルモータを、図の上側から下側へ向
かって見た状態を示す平面図である。更に図３は、図１
のスピンドルモータの一部を拡大して示す断面図であ
る。なお、これらの図において、同一の部位・部材につ
いては同一の番号が付してある。

【００１０】図１乃至図３において、１はハウジング、
２はハブ部材、３はディスク、４はシャフト、５及び６
は軸受、７はクランプマグネット、８はステータ、９は
ロータマグネットである。ハウジング１は、アルミニウ
ム材から形成されており、略円盤状のベース部１３と、
円筒部１２とが一体に形成されてなる。ベース部１３
は、図示省略のディスク駆動装置に固定される。円筒部
１２の内周面２１には、一対の軸受５及び６のそれぞれ
外輪部が固定され、また円筒部１２の外周面２２には、
ステータ８が環状に配設されている。ステータ８は、電
磁鋼板を所定枚数を積層して形成されたコア５１と、こ
のコア５１に巻回された電機子コイル５２とから構成さ
れる。電機子コイル５２の（図示しない）端末リード部
は、ベース部１３の上面に貼着された可撓性の回路基板
２５へ電気接続され、この回路基板２５はスピンドルモ
ータ外部（図１における左方向へ延びる）へ導出され
る。軸受５及び６の内輪部には、シャフト４がはめ込ん
で固定され、これによりシャフト４は、ハウジング１に
対して回転自在に支持される。

【００１１】ハブ部材２は、ディスク３を吸引・保持す
るクランプ部１５と、回転駆動を担うロータヨーク１０
とが一体的に構成される。クランプ部１５はアルミニウ
ム材を用いた浅皿形状をなし、内径部１９における回転
中心部にはシャフト４が固定されている。またクランプ
部１５の内径部１９と外径部２６との間には、（図２に
示される）略扇状をなす貫通孔４０が、環状に４箇所等
配に設けられている。この貫通孔４０は、いづれも回転
軸線５０方向に穿設されている。そして貫通孔４０に
は、貫通孔４０の開口形状に対応したセグメント状をな
すクランプマグネット７が４個はめ込まれて固定されて
いる。クランプマグネット７の下面には、鉄鋼材等の磁
性材料により形成されたクランプヨーク１４が貼着され
ている。

【００１２】クランプ部１５の外径部２６の（図１にお
ける）上面２０は、ディスク３がスピンドルモータに装
着される基準面である。ディスク３がハブ部材２に装着
されると、この基準面２０にディスク３のメディア部３
０が当接される。これによりハブ部材２は、ディスク３
のディスク駆動装置における高さ寸法を位置付けする。
そしてディスク３の磁性体部３１の孔部３８が、シャフ
ト４の外周面１１により挿入され、従ってディスク３は
回転軸線５０に対して同軸状に支持される。ディスク３
の磁性体部３１の下面３３には、回転軸線５０方向に間
隙ｓを介して、クランプマグネット７の上面３５が相対
向して配置されている。これによりディスク３は、この
クランプマグネット７による磁気的吸引力にて保持され
る。

【００１３】ハブ部材２におけるロータヨーク１０は、
鉄鋼材により円筒状に形成されている。ロータヨーク１
０の（図１に示す）上側端部は、クランプ部１５におけ
る外径部２６の段付形状部５５へはめ込まれて固定され
ている。またロータヨーク１０の内周面２３には、環状
に配置されたロータマグネット９が接着により固定され
ている。ロータマグネット９は、ステータ８のコア５１
と磁気的中心部が合致するように位置決めされて設けら
れている。従って、ステータ８とロータマグネット９と
の相対回転により、ハブ部材２はハウジング１に対して
相対回転駆動される。

【００１４】本実施例のスピンドルモータにおける、ク
ランプマグネット７の上面３５と、ディスク３の磁性体
部３１の下面３３との間隙ｓは、例えば直径５インチの
光ディスクの場合、０．４ｍｍ程度である。この間隙ｓ
を均一値に保てる、管理されたスピンドルモータを組み
立てる場合について、以下、図３を併せ用いて説明す
る。図３（ａ）は、ハブ部材２のクランプ部１５の部分
を拡大して示す断面図であり、スペーサ部材４４を装着
した状態を示している。また図３（ｂ）は、スペーサ部
材４４を示した断面図である。図３（ｂ）に示すよう
に、スペーサ部材４４は略円盤状をなし、胴部４７と鍔
（つば）部４８とから構成される。またスペーサ４４の
中心部には、シャフト４に対応した孔部９９が設けられ
ている。スペーサ部材４４は、その全体をプラスチック
材により成形されており、その内部には、鉄鋼材等の強
磁性材料によるドーナツ状ヨーク６６が、回転軸線５０
に対して同軸的に保持されている。図３（ａ）におい
て、スペーサ部材４４を、シャフト４と孔部９９との位
置決めにより、クランプ部１５へ装着しておく。する
と、鍔部４８の、図３に示す下面４５が、クランプ部１
５の基準面２０に当接する。即ちスペーサ部材４４は、
この下面４５から、図３に示す回転軸線５０方向の胴部
４７の下面４６まで、即ちｔの寸法距離を規定している
と共に、これら二面の平行度も併せ規定することとな
る。

【００１５】図３のｔは、図１における間隙ｓと、ディ
スク３の磁性体部３１の（半分の）厚み寸法と、を合わ
せた寸法を示している。従って、スペース部材４４のｔ
が予め所定の精度でもって形成されていれば、図３に示
すように、スペース部材４４をクランプ部１５に取り付
けた後、クランプマグネット７を貫通孔４０へ矢印の方
向（図に向かって上方向）にはめ込み、奥当たりさせる
だけで容易に精度良い間隙ｓが実現できる。この時クラ
ンプマグネット７は、スペース部材４４のドーナツ状ヨ
ーク６６により、プラスチック材下部６９を通して、磁
気的吸引力を得て装着することができる。このため、貫
通孔４０の周壁に接着剤を予め塗布しておけば、クラン
プマグネット７をクランプ部１５へ容易に装着、固定す
ることができる。また、スペース部材４４にはプラスチ
ック材を用いているために、クランプ部１５を傷付ける
ことがない。このように、クランプマグネット７に厚み
寸法のばらつきを有していても、間隙ｓには何等影響を
与えることがない。しかも図５に示した従来例のスピン
ドルモータにおいて、クランプ部ｊの溝底面ｑの平行度
精度を得るための加工を、本発明のスピンドルモータで
は、その必要を生じない。さらに本発明のスピンドルモ
ータによれば、貫通孔４０内にクランプマグネット７
（クランプヨーク１４も含めて）が収容されるため、ハ
ブ部材２の厚みが増えることがない。

【００１６】次に図４は、本発明に従うスピンドルモー
タの別の実施例を示し、クランプ部１５の上方向から下
方向へ向かって見た平面図である。図４（ａ）及び図４
（ｂ）は、セグメント状のクランプマグネット７をそれ
ぞれ６個、クランプ部１５に配設したもので、個々のク
ランプマグネット７は回転軸線方向にＳ極Ｎ極が着磁さ
れている。図４（ａ）では、Ｓ極とＮ極とが交互に配置
され、図４（ｂ）ではＳ極とＮ極とが１８０度点対称状
に配置されている。これらは、同じセグメント状のクラ
ンプマグネット７を、自由な組み合わせにより貫通孔４
０へ装着することで、ディスク３への磁気的吸引力を任
意に変更できることを示している。即ち磁気的吸引力
は、図４の（ｂ）のほうが、（ａ）に比べて大きく（強
く）なる。

【００１７】以上、本発明に従うスピンドルモータの一
実施例について説明したが、本発明の主旨を逸脱しない
範囲で設計変更乃至修正等自由である。クランプマグネ
ット７はセグメント状のものを用いて説明したが、これ
に限定されることはない。またクランプマグネット７が
装着される貫通孔４０の形状や数量等設計するスピンド
ルモータを考慮して任意に選定できる。この他、ハブ部
材２を本実施例では、ロータヨーク１０とクランプ部１
５とを別体として扱ったが、一体形成されていても構わ
ない。さらに本実施例では、アウターロータ形式のスピ
ンドルモータとしたが、インナーロータ形式のスピンド
ルモータとしてもよい。

【００１８】

【発明の効果】本発明のスピンドルモータによれば、ハ
ウジングと、該ハウジングに対して相対的に回転自在で
あるハブ部材とを具備し、該ハブ部材には、記録ディス
クを磁気的に吸引保持するクランプマグネットが設けら
れたものにおいて、クランプマグネットが、ハブ部材を
回転軸線方向へ穿設した貫通孔に装着されている構造を
有している。このため、次のような効果を奏する。

【００１９】クランプマグネットの厚み寸法にばらつき
を有していても、これに左右されずディスクとクランプ
マグネットとの均一な間隙寸法を得ることができる。こ
のため品質の安定したクランプ力（磁気的吸引力）を得
ることができる。そして、必要以上のクランプ力を要し
ないため、スピンドルモータの小型化が図れる。あわせ
て、クランプマグネットは、ハブ部材に穿設された貫通
孔に装着されるため、クランプマグネットの厚み寸法
が、そのままハブ部材の厚み寸法に加えられることがな
く、実質上、小型化（薄型化）が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るスピンドルモータの断面
図である。

【図２】図１に示したスピンドルモータの平面図であ
る。

【図３】図３（ａ）は、図１に示したスピンドルモータ
の要部拡大断面図である。また図３（ｂ）は、スペーサ
部材の断面図である。

【図４】図４（ａ）は、本発明に係るスピンドルモータ
の他の実施例を示す平面図、図４（ｂ）は、本発明に係
るスピンドルモータの更に別の実施例を示す平面図であ
る。

【図５】従来のスピンドルモータの断面図を示す概略図
である。

【符号の説明】

１ハウジング２ハブ部材３ディスク４シャフト５，６軸受７クランプマグネット８ステータ９ロータマグネット４０貫通孔４４スペーサ部材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ハウジングと、該ハウジングに対して相
対的に回転自在であるハブ部材とを具備し、該ハブ部材には、記録ディスクを磁気的に吸引保持する
クランプマグネットが設けられたスピンドルモータにお
いて、前記クランプマグネットは、前記ハブ部材を回転軸線方
向へ穿設した貫通孔に装着されている、ことを特徴とす
るスピンドルモータ。