JPH0649827A - 砂防ダム用放水装置 - Google Patents

砂防ダム用放水装置

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JPH0649827A
JPH0649827A JP17896692A JP17896692A JPH0649827A JP H0649827 A JPH0649827 A JP H0649827A JP 17896692 A JP17896692 A JP 17896692A JP 17896692 A JP17896692 A JP 17896692A JP H0649827 A JPH0649827 A JP H0649827A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】河川の水位に追従して赤土含有量の少ない表面
水を少量づつ取水放流し、それによって砂防ダムの貯水
量を減じておいて降雨時の貯水量を確保し、結果的に、
赤土の流出を防止する放水装置を提供する。 【構成】砂防ダムBの側面に取り付けた上下方向のガイ
ド材1に、上下方向にスライドするごとく枠体2を取り
付ける。枠体2には浮体5a〜5dを固定する。また、枠体
2に、上下方向に滑動可能に呑口6を支持する。呑口6
には、伸縮管7と排水管8とを順次接続し、排水管8の
下端をダム放出口Cに接続する。枠体2と呑口6間に
は、呑口位置調節装置9を配置する。複数個の浮体5a〜
5dの底面の位置を異ならしめ、そのうちの少くとも1つ
は吃水線とほぼ一致する高さにくるようにすると、全体
の浮力が失われない。また、呑口6の出口付近に取水量
調節装置10を備えておくと、取水量の調節が困難となる
のを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤土沈澱用貯水池とし
て利用され、赤土が下流へ放流されるのを軽減するため
の砂防ダムに設置される放水装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】南西諸島、特に沖縄本島では、山地開発
による土壌流出(いわゆる赤土汚染)が大きな社会問題
になっている。河川から流出した濁水の赤土は河口付近
の海底に堆積するとともに、潮流に乗り拡散せしめられ
る。また、堆積した赤土は強風時の波浪により再浮遊
し、潮流および吹送流に乗り拡散せしめられ、汚染域を
広げて行く。この赤土汚染はサンゴの生息や漁業に被害
を与えている。特に、サンゴの消滅はサンゴ礁を観光資
源とするリゾート観光業界にとっては深刻な問題であ
り、二酸化炭素を吸収できる唯一の動物であるサンゴ生
息域の消滅は地球環境上からも問題である。この赤土汚
染を少しでも減らすために、赤土沈澱用貯水池として利
用される砂防ダムを河川に設置することが行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】砂防ダムを設けた場
合、ダムは赤土により目詰まりとなり満水状態を余儀無
くされ、降雨により赤土の濁流はダムを越流して流出す
る。従って、依然として赤土の流出を防止し切れない。
本発明は、河川の水位に追従して表面水を少量づつ取水
放流できるようにした砂防ダム用の放水装置であって、
これを砂防ダムに設置することによって赤土含有量の少
ない表面水を少量づつ取水放流し、それによって砂防ダ
ムの貯水量を少しづつ減らしておいて降雨時の貯水量を
確保し、結果的に、赤土の流出を防止し得る赤土沈澱用
貯水池の機能を持たせるようにしたものである。
【0004】本発明の砂防ダム用放水装置は、砂防ダム
Bの側面に取り付けた上下方向のガイド材1と、該ガイ
ド材1に上下方向にスライド自在に取り付けた枠体2
と、該枠体2を所定水位に位置させるために枠体2に固
定された浮体と、前記枠体2に上下方向に滑動可能に支
持した呑口6と、該呑口6に接続した伸縮管7と、上端
を該伸縮管7に、下端をダム放出口Cに接続するととも
にその上部を前記枠体2に固定した排水管8と、前記枠
体2と呑口6間に取り付けた呑口位置調節装置9とを有
することを特徴とするものである。
【0005】前記浮体は、吃水線直下より上における水
平断面積が増加するごとく配置されていることが好まし
い。
【0006】前記呑口6の出口付近に、取水量調節装置
10を備えておくとよい。
【0007】
【作用】本発明の砂防ダム用放水装置Aは、図1に示す
ように砂防ダムBの水中に設置され、排水管8の下端は
ダム放出口Cに接続される。この放水装置Aには浮体が
備えられているから、その浮力により枠体2部分は砂防
ダムB内で浮いており、その呑口6から赤土含有量の少
ない表面水が少量づつ流れ込み、これに接続されている
伸縮管7と排水管8とを通ってダム放出口Cから放流せ
しめられる。したがって、砂防ダムBの貯水量は少しづ
つ減って行き、降雨時の貯水量を確保することができ
る。また、呑口6からは表面水が取水されるから、砂防
ダムBの底の方は比較的静かな状態が保ち続けられる。
したがって、砂防ダムBの底に沈澱している赤土が攪
乱、浮遊することは少なく、結果的に、赤土が砂防ダム
Bから流出するのを軽減することができる。
【0008】ところで、呑口6からの取水放流により、
あるいは、降雨により、砂防ダムBの水位Lは変動する
が、本発明の砂防ダム用放水装置Aはその水位Lに追従
する。すなわち、浮体により浮いている枠体2の位置が
水位Lの変動に応じて変化するが、その際、枠体2は砂
防ダムBの側面に取り付けられている上下方向のガイド
材1に沿って上下方向にスライドする。
【0009】呑口6の高さ方向の位置を調節したい場合
には、呑口位置調節装置9を作動させる。これにより、
呑口6の入口の位置を必要に応じて上げたり、下げたり
することができる。呑口6の位置が高い場合には、少量
の水が呑口6に流れ込み、逆に、呑口6の位置が低い場
合には、多量の水が呑口6に流れ込むことになる。この
ように、呑口位置調節装置9を作動させて呑口6の高さ
方向の位置を調節することにより、取水量を容易に調節
することができる。なお、呑口6と排水管8との間には
伸縮管7が接続されているので、呑口6の高さ方向の位
置調節による上下動は該伸縮管7により吸収され、その
変動が排水管8に影響を及ぼすことはない。
【0010】排水管8は、ごみ等が途中に支えて詰まる
のを防ぐため、太目にしてある。従って排水管に働く浮
力はかなり大きい。通常少量づつ放水する場合は、呑口
6がわずか水面下に位置するようにその位置を調整す
る。このとき、排水管8の中はほとんど空間で、浮力が
働いている。放水量を増加する場合は、呑口6の水位を
少し下げる。すると、排水管8内の水量が増し、浮力が
失われ、枠体2は下がり呑口6はますます下降し、さら
に放水量が増加し、砂防ダムBの貯水量は急激に減少す
る。これを防ぐため、吃水線直下より上における浮体の
水平断面積が増加するごとく浮体が配置されている。こ
のため、枠体2が下がり呑口6の水位が下がると、浮体
の浮力が急に増加して呑口6が必要以上に下がるのを防
止することができる。
【0011】呑口6の出口付近に取水量調節装置10が備
えられていると、呑口6から表面水が取水されて伸縮管
7、排水管8へと水が流れ込んだ場合においても、浮い
ている枠体2が急に降下し、この枠体2とともに降下し
た呑口6に、さらに多量の水が流れ込んで放水量(取水
量)の調節が困難となるのを防止することができる。す
なわち、放水量(取水量)を調節するに当たっては、ダ
ム放出口C近くで排水管8を絞るのが普通であるが、こ
のようにすると、排水管8内は絶えず満水状態にあり、
浮いている枠体2は急に降下してしまう。したがって、
枠体2とともに降下した呑口6に多量の水が流れ込んで
放水量(取水量)を調節することが困難となるが、本発
明の場合のように呑口6の出口付近に取水量調節装置10
を設けてその位置で取水量を調節するようにすると、放
水量(取水量)の調節が困難となるのを防止することが
できる。
【0012】
【実施例】本発明の砂防ダム用放水装置の実施例を添付
の図面に基いて説明する。図1は、砂防ダム用放水装置
Aの使用状態を示す側面図である。図1に示すように、
砂防ダムBの側面に上下方向にガイド材1を配設し、該
ガイド材1には上下方向にスライド自在に枠体2を取り
付ける。ガイド材1に対して枠体2を上下方向にスライ
ド可能ならしめるためには、例えば、図2に示すように
枠体2の側面にこれから突出するごとく一対のスライド
ローラ3,4を設け、両スライドローラ3,4でガイド
材1を挾み込むようにするとよい。図示実施例では、砂
防ダムBの側面に左右2本で1組となるようガイド材
1,1が配置してあって、これに対応させるべく一対の
スライドローラ3,4も左右に(図2では上下に現われ
る)それぞれ設けてある。また、1本のガイド材1に対
して上下2個所で係合するように一対のスライドローラ
3,4は図1に示すように上下1組となるように設けら
れている。
【0013】前記枠体2内には、これを所定水位に位置
させるための浮体を固定する。枠体2に対する浮体の配
置状態を図4〜図7に示す。図4は平面図、図5は正面
図、図6は右側面図、図7は左側面図である。これらの
図面から明らかなように、浮体は1つの枠体2に対して
複数個配置されている。すなわち、図4において右側に
現われる2つのコーナー部分には、図6に示すように同
じ形をした同じ大きさの浮体5a,5aが左右対称になるご
とく配置され、両浮体5a,5a間には1つの浮体5bが配置
されている。また、図4において左側に現われる部分に
は、図7に示すように同じ形をした同じ大きさの浮体5
c,5cが左右対称になるごとく配置され、両浮体5c,5c
間には1つの浮体5dが配置されている。そして、図4に
おいて右側に現われる2つの同じ浮体5a,5a、図4にお
いて左側に現われる2つの同じ浮体5c,5c、前記浮体5
a,5a間に位置する1つの浮体5b、前記浮体5c,5c間に
位置する1つの浮体5dの上面はすべて同じ位置にある
が、それらの下面(底面)は5aが最も下に、5bと5dとが
最も上の同じ位置にくるように、その高さを異ならしめ
てある〔図5〜図7参照〕。特に、浮体5bと5dの下面
(底面)は放水装置Aの吃水線とほぼ一致する高さにく
るように位置させてある。これは吃水線直下より上にお
ける浮体の水平断面積が増加するようにするためであ
る。1つの枠体2に対して浮体を複数個配置し、しかも
吃水線直下より上における浮体の水平断面積が増加する
ように浮体が配置されていると、後で詳しく述べるよう
に呑口6から表面水が取水されて伸縮管7、排水管8へ
と水へ流れ込んだ場合においても、吃水線より上に位置
する浮体の浮力により全体の浮力が失われることがな
い。
【0014】枠体2の内方であって6つの浮体5a, 5a,
5b, 5c, 5c, 5dで囲まれる空間部分には、逆らっぱ状の
呑口6を上下方向に滑動可能に支持せしめ、該呑口6の
下端である短い管6aに伸縮管7を持続する。そして、こ
の伸縮管7の下端には図1,図3に示すように排水管8
の上端を接続し、その下端は図1に示すように砂防ダム
Bの側面底部に設けられたダム放出口Cに接続する。な
お、実施例では、排水管8を曲管8aとホース等の可撓管
8bの2本からなるものとし、排水管8の上部である曲管
8a部分を枠体2の底部に固定した場合を例示する。
【0015】枠体2に対して呑口6を上下方向に滑動自
在に支持するに当って、実施例では図3に示すように呑
口6の外方に90度の間隔を置いて4本のガイド材6bを
垂直方向に配置する一方、各ガイド材6bの長手方向の外
端縁を枠体2にそれぞれ回動自在に定着したガイドロー
ラ2aの溝に嵌入させることにより支持した場合を例示す
る。なお、図3においては、1本のガイド材6bに対して
ガイドローラ6cは上下一対となるように配置してある。
【0016】そして、枠体2とこの呑口6間には、呑口
位置調節装置9を取り付ける。実施例における呑口位置
調節装置9は、呑口6の直上において枠体2より上方に
突出するハンドル9aと、その雄ネジ9bに螺着せしめられ
た円盤状のプレート9cと、該プレート9cと呑口6の上端
開口部の周囲に形成されているフランジ6cとを所定の間
隔を保ためしめて連結させるための複数本の吊ボルト6d
とで構成されている。この場合においては、ハンドル9a
を左右いずれかの方向に回すことによりプレート9cが水
平状態を保ちながら上下いずれかの方向に移動せしめら
れ、複数本の吊ボルト6dによりこのプレート9cと連結さ
れている呑口6も上下いずれかの方向に移動せしめら
る。したがって、枠体2に対する呑口6の上端開口部の
位置を必要に応じて自由に調節することができる。な
お、実施例の場合には、呑口6の上下動が90度の間隔
を置いて4個所に配置されているガイドローラ2aにより
支持されながら行われることになる。呑口位置調節装置
9は実施例に示すものだけに限定されるものではない。
例えばシリンダを枠体2に固定し、その作動により呑口
6を上下動させるようにするなど、種々の手段を採るこ
とができる。
【0017】逆らっぱ状の前記呑口6の出口付近、例え
ば、径の小さくなる付近に、取水量調節装置10を備えて
おくとよい。呑口6の取水量を調節するためには、呑口
6の出口付近の径を小さくなるようにすればよく、例え
ば、図8に示すように呑口6の出口付近にドーナツ盤状
の中ぶた10a をかぶせることにより、呑口6の取水量を
容易に調節することができる。
【0018】その他図面において、図面符号11(図2)
は、枠体2の上面に全体にわたって張られたエキスパン
ドメタルなどからなる網体、図面符号12(図1)は、枠
体2の側面に張られた網体であり、いずれも本放水装置
Aの使用中において呑口6から流木その他の塵芥が流れ
込むのを防止するためのものである。
【0019】次に、実施例に示す放水装置Aの使用方法
を詳しく説明する。この放水装置Aは、図1に示すよう
に砂防ダムBの水中に設置され、ホース8の下端はダム
放出口Cに接続される。この放水装置Aには6つの浮体
5a,5a,5b,5c,5c,5dが備えられており、そのうちの
少くとも4つの浮体5a,5a,5c,5cの浮力により枠体2
部分は砂防ダムB内で浮いている。そして、その呑口6
から赤土含有量の少ない表面水が少量づつ流れ込み、管
6a、これに接続されている伸縮管7、さらに、曲管8aと
ホース等の可撓管8bとからなる排水管8を通ってダム放
出口Cから放流せしめられる。したがって、砂防ダムB
の貯水量は少しづつ減って行き、降雨時の貯水量を確保
することができる。また、呑口6からは表面水が取水さ
れるから、砂防ダムBの底の方は比較的静かな状態が保
ち続けられる。したがって、砂防ダムBの底に沈澱して
いる赤土が攪乱、浮遊することは少なく、結果的に、赤
土が砂防ダムBから流出するのを軽減することができ
る。
【0020】呑口6からの取水放流により、あるいは、
降雨により、砂防ダムBの水位Lは変動するが、この放
水装置Aはその水位Lに追従する。すなわち、6つの浮
体5a,5a,5b,5c,5c,5dのうち少くとも4つの浮体5
a,5a,5c,5cの浮力により浮いている枠体2の位置が
水位Lの変動に応じて変化するが、その際、枠体2は砂
防ダムBの側面に取り付けられた上下方向のガイド材1
に沿って上下方向にスライドする。したがって、枠体2
は傾くことなく安定して水位Lに追従することになる。
【0021】呑口6の高さ方向の位置を調節したい場合
には、呑口位置調節装置であるハンドル9aを左右いずれ
かの方向に回す。すると、雄ネジ9bを介してプレート9c
が水平状態を保ちながら上下いずれかの方向に移動せし
められ、複数本の吊ボルト6dによりこのプレート9cと連
結されている呑口6も上下いずれかの方向に移動せしめ
られる。したがって、枠体2に対する呑口6の上端開口
部の位置、すなわち呑口6の高さ方向の位置を自由に調
節することができる。呑口6の位置が高い場合には、少
量の水が呑口6に流れ込み、逆に、呑口6の位置が低い
場合には、多量の水が呑口6に流れ込むことになる。こ
のように、ハンドル9aを左右いずれかの方向に回して呑
口6の高さ方向の位置を調節することにより、取水量を
容易に調節することができる。なお、呑口6と排水管8
との間には伸縮管7が接続されているので、呑口6の高
さ方向の位置調節による上下動は該伸縮管7により吸収
され、その変動が排水管8に影響を及ぼすことはない。
【0022】上述したように、実施例においては1つの
枠体2に対して浮体が5a〜5dで示すように複数個配置さ
れ、しかも浮体5bと5dの下面(底面)は放水装置Aの吃
水線とほぼ一致する高さにくるように位置せしめ、吃水
線直下より上における浮体の水平断面積が増加するよう
にしてある。このようにすると、呑口6から表面水が取
水されて伸縮管7、排水管8へと水が流れ込んだ場合に
おいても、吃水線より上に位置する浮体5b,5dの浮力に
より全体の浮力が失われることがない。呑口6に水が流
れ込んで伸縮管7、排水管8内が満水状態になると、水
が流れ込む前に比べて浮力は急に小さくなり、複数個の
浮体の全体の浮力が失われることになる。この現象が起
ると、浮いている枠体2は急に降下し、この枠体2とと
もに降下した呑口6に多量の水が流れ込んで放水量が急
激に増大する。ところが、複数個ある浮体のうち図面符
号5bと5dで示すように浮体の下面(底面)が放水装置A
の吃水線とほぼ一致する高さにくるように位置させてあ
ると、呑口6に水が流れ込んで浮いている枠体2が降下
しようとしても、吃水線よりも上にある2つの浮体5b,
5dの浮力により枠体2はそれ以上降下しない。したがっ
て、呑口が急に降下することを阻止することができ、急
に降下した呑口6に多量の水が流れ込んで放水量が急激
に増大し、貯水量が急激に減るのを防止することができ
る。
【0023】また、実施例においては、呑口6の出口付
近に取水量調節装置であるドーナツ盤状の中ぶた10a が
かぶせられているが、呑口6の出口付近にドーナツ盤状
の中ぶた10a がかぶせられていると、呑口6から表面水
が取水されて伸縮管7、排水管8へと水が流れ込んだ場
合においても、浮いている枠体2が急に降下し、この枠
体2とともに急に降下した呑口6に多量の水が流れ込ん
で放水量(取水量)の調節が困難となるのを防止するこ
とができる。すなわち、放水量(取水量)を調節するに
当っては、ダム放出口C近くで排水管8を絞るのが普通
であるが、このようにすると、伸縮管7、排水管8は絶
えず満水状態にあり、浮いている枠体2は急に降下して
しまう。したがって、枠体2とともに降下した呑口6に
多量の水が流れ込んで放水量(取水量)を調節すること
が困難となるが、実施例に示すように呑口6の出口付近
にドーナツ盤状の中ぶた10a をかぶせておいてその位置
で取水量を調節するようにすると、放水量(取水量)の
調節が困難となるのを防止することができる。
【0024】
【発明の効果】請求項1記載の放水装置を砂防ダムBに
設置すると、河川の水位に追従しながら赤土含有量の少
ない表面水を少量づつ取水放流することができるから、
降雨時の貯水量を容易に確保することができるのみなら
ず、砂防ダムBの底に沈澱している赤土が攪乱、浮遊す
ることはほとんどなく、結果的に、赤土が砂防ダムBか
ら流出するのを軽減することができる効果がある。
【0025】請求項2記載の発明によれば、放水量が急
激に増大して貯水量が急激に減るのを容易に防止するこ
とができる効果がある。
【0026】請求項3記載の発明によれば、放水量(取
水量)の調節が困難となるのを容易に防止することがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である砂防ダム用放水装置の使
用状態の一例を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例である砂防ダム用放水装置の平
面図である。
【図3】本発明の実施例である砂防ダム用放水装置の内
部構造を示す正面図である。
【図4】枠体に対する複数個の浮体の配置状態を示す平
面図である。
【図5】枠体に対する複数個の浮体の配置状態を示す正
面図である。
【図6】図5の右側面図である。
【図7】図5の左側面図である。
【図8】呑口の出口付近に取水量調節装置を備えた一例
を示す拡大図である。
【符号の説明】
1…ガイド材、 2…枠体、 5a〜5d…浮体、 6…呑
口、 7…伸縮管、8…排水管、 9…呑口位置調節装
置、 10…取水量調節装置、B…砂防ダム、 C…ダム
放出口。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砂防ダムBの側面に取り付けた上下方向の
    ガイド材1と、該ガイド材1に上下方向にスライド自在
    に取り付けた枠体2と、該枠体2を所定水位に位置させ
    るために枠体2に固定された浮体と、前記枠体2に上下
    方向に滑動可能に支持した呑口6と、該呑口6に接続し
    た伸縮管7と、上端を該伸縮管7に、下端をダム放出口
    Cに接続するとともにその上部を前記枠体2に固定した
    排水管8と、前記枠体2と呑口6間に取り付けた呑口位
    置調節装置9とを有することを特徴とする砂防ダム用放
    水装置。
  2. 【請求項2】前記浮体は、吃水線直下より上における水
    平断面積が増加するごとく配置されていることを特徴と
    する請求項1記載の砂防ダム用放水装置。
  3. 【請求項3】前記呑口6の出口付近に、取水量調節装置
    10を備えたことを特徴とする請求項1記載の砂防ダム用
    放水装置。
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