JPH0649788A - ポリエステルフィラメントロープの製造方法 - Google Patents

ポリエステルフィラメントロープの製造方法

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JPH0649788A
JPH0649788A JP21881992A JP21881992A JPH0649788A JP H0649788 A JPH0649788 A JP H0649788A JP 21881992 A JP21881992 A JP 21881992A JP 21881992 A JP21881992 A JP 21881992A JP H0649788 A JPH0649788 A JP H0649788A
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JP
Japan
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rope
strength
axis
angle
strand
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JP21881992A
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English (en)
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Yuji Noda
裕司 野田
Shiro Kumakawa
四郎 熊川
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロープ強力および耐摩耗性に優れたポリエス
テルフィラメントロープの製造方法を提供すること 【構成】 エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単
位とするポリエステルよりなり、単糸デニール15de
以上、150℃における乾熱収縮率10%以上、破断強
度と破断伸度の積が130以上であるフィラメントを用
い、ロープ軸1′とこれを構成するストランドの軸2′
のなす角度θ1 を25度以下にして撚る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルフィラメ
ントロープの製造方法に関し、さらに詳しくは、ロープ
強力および耐摩耗性に優れたポリエステルフィラメント
ロープの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレンテレフタレートを主たる繰り返
し単位とするポリエステルフィラメントは、温度や湿度
などの環境変化に対する寸法安定性、耐光性、耐摩耗性
がよく、ナイロンに比し、低伸度、高比重であることか
ら、係留ロープ、曳航ロープなどの船舶資材、延縄、底
曳、定置漁業などの漁業資材、その他梱包資材など各種
分野のロープ材として広く使用されている。しかしなが
ら、従来のポリエステルフィラメントは、ナイロン、ポ
リエチレンなどと比較して単位重量あたりの強力が低い
欠点がある。
【0003】このため、ポリエステルフィラメントロー
プの強力を向上させる試みとして、破断強度と破断伸度
の積を大きくするとともに、繊維間摩擦係数を小さくす
ることなどが、特開昭54−64129号公報において
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この提
案の方法では、ロープ強力の向上は高々20%に止ま
り、ナイロンとの強力差を充分にクリアーするに至って
いない。一方、係留ロープ、曳航ロープ分野において
は、近年ナイロンロープの切断時のスナップバックによ
る作業員の負傷などの問題が発生し、ロープ伸度の低減
および耐摩耗性の一層の向上が望まれるようになってい
る。
【0005】そこで、本発明は、ロープ強力および耐摩
耗性に優れたポリエステルフィラメントロープを提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の問題点に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、ポリエス
テルフィラメントロープの特定の製造方法を採用するこ
とにより、耐摩耗性を低下させることなく、ロープ強力
を大幅に向上させることができることを見出し、本発明
に到達した。
【0007】本発明は、エチレンテレフタレートを主た
る繰り返し単位とするポリエステルよりなり、(A)単
糸デニール15de以上、(B)150℃における乾熱
収縮率10%以上、かつ(C)破断強度(g/de)と
破断伸度(%)の積が130以上であるポリエステルフ
ィラメントを用い、ロープ軸とこれを構成するストラン
ドのストランド軸のなす角度、すなわちストランド角度
を25度以下にすることを特徴とするポリエステルフィ
ラメントロープの製造方法を提供するものである。
【0008】本発明においては、エチレンテレフタレー
トを主たる繰り返し単位とするポリエステルよりなるフ
ィラメントを用いるが、「主たる」とは一部、通常10
モル%以下、エチレンテレフタレート以外の繰り返し単
位を含んでいてもよいことを意味する。かかる繰り返し
単位を構成する共重合成分としては、例えば、イソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、ヒドロキ
シメトキシ安息香酸、ジエチレングリコール、テトラメ
チレングリコールなどを挙げることができ、さらにトリ
メリット酸、ペンタエリスリトールの如き、3官能また
はそれ以上の多官能化合物を、熱可塑性を損なわない範
囲で共重合せしめてもよい。また、かかるポリエステル
には、必要に応じて着色剤、安定剤の如き添加剤を含有
させることもできる。
【0009】本発明により得られるロープは、かかるポ
リエステルを製糸して得られるポリエステルフィラメン
トを原糸とするものであるが、単糸デニールが太く、乾
熱収縮率の高いことが重要であり、具体的には、(A)
単糸デニール15de以上、好ましくは20〜30d
e、(B)150℃における乾熱収縮率10%以上、好
ましくは15〜25%の二つの条件をまず満足すること
が必要である。単糸デニールが15de未満、および/
または乾熱収縮率が10%未満ではロープ強力の向上を
はかりつつ、耐摩耗性の低下を抑制することが困難であ
る。
【0010】(B)150℃における乾熱収縮率10%
以上のポリエステルフィラメントは、固有粘度を0.8
以上、好ましくは0.9〜1.5とし、高倍率延伸、1
0%以下のリラックス率、170〜220℃の熱セット
を組合せることにより得ることができる。ここで、固有
粘度は、溶剤としてオルトクロロフェノールを使用し、
25℃で測定して得た粘度より求めたものである。ま
た、乾熱収縮率はJIS−L−1017(1983)に
準じて測定するものである。
【0011】本発明において用いるポリエステルフィラ
メントは、公知の方法によって製造することができ、例
えば、紡糸延伸工程を連続工程または非連続で行う方
法、1段または2段以上の多段で延伸する方法、加熱ロ
ーラー、加熱プレートなどによる接触加熱または加熱気
体浴を用いる非接触加熱方式などによる延伸加熱方法な
ど各種方法を組合せて行うことができる。
【0012】さらに、ポリエステルフィラメントの延伸
加熱にあたっては、その破断強度(g/de)と破断伸
度(%)の積が130以上、好ましくは140〜180
にすべきである。破断強度を如何に高くしても破断伸度
との積が130に達しないフィラメントではロープ加工
後の強力維持率が低く、ロープ強力の向上は充分でな
い。破断強伸度を如何に高くしても破断強度との積が1
30に達しないフィラメントではロープ加工後の強力維
持率は高くなるがロープの絶対強力が充分ではなくな
る。
【0013】破断強度と破断伸度の積を高くするために
も、ポリエステルフィラメントの固有粘度を0.8以
上、好ましくは0.9〜1.5とするのがよい。破断強
度と破断伸度の積が130以上のフィラメントは、例え
ば最大延伸倍率の80%以上の高倍率延伸、10%以下
のリラックス率、170〜220℃の熱セットを組み合
わせることにより製造することができる。なお、破断強
度および破断伸度は、JIS−L−1017(198
3)に準じて測定する。
【0014】次に、本発明においては、前記のようなポ
リエステルフィラメントを必要本数引き揃えて、合撚糸
機、張り撚り機、ストランダーなど任意の装置を用い
て、撚糸構造ロープ、芯鞘構造ロープなど公知の構造の
ロープに編索する。さらに、好ましくは乾熱ヒーター、
スチームヒーター、高周波セッターなどにより、熱セッ
トする。
【0015】本発明においては、かかるフィラメントロ
ープの製造方法において、前記ポリエステルフィラメン
トを用い、これから得られるストランドの軸とロープ軸
とのなす角度、すなわちストランド角度を25度以下、
好ましくは20〜10度の撚り構造にすることが重要で
ある。
【0016】これを図面を用いて説明する。図1は本発
明の実施態様の一例であり、本発明におけるロープの撚
り構造の一例を示す。図1において、1′はロープ軸、
2′はロープを構成するストランド2のストランド軸、
3′はストランドを構成するコード3のコード軸、4′
はコードを構成するフィラメント4のフィラメント軸を
示す。ロープ軸1′とストランド軸2′を平面投影した
ときの最大角度がストランド角度θ1 である。以下同様
にストランド軸2′とコード軸3′のなす角度がコード
角度θ2 、コード軸3′とフィラメント軸4′のなす角
度がフィラメント角度θ3 である。通常、θ1 ≒θ2
θ3 となるように構成されるので、最終工程の角度
θ1 、すなわちストランド角度を本発明のように定め
る。
【0017】編索構造ロープにおいては、ロープリード
を次式(1)に従い、ストランド角度を近似させる。 θ1 =tan-1(π×D/リード長)・・・(1) (ここで、Dはロープ直径)
【0018】一般に、ロープ撚り数、またはリード長
は、ロープの力学特性、耐摩耗性、風合いなどに大きく
影響し、これらの特性をバランスさせるため、本発明に
おいては、前記ストランド角度を25度以下とする。
【0019】すなわち、本発明者らによる種々のロープ
の強力向上に関する検討の結果、原糸強度X(g/d
e)とロープ強度Y(g/de)は、前記ストランド角
度をθ1 としたとき次式(2)に集約できることが判明
した。 Y≒A×X×(cosθ1 N ・・・・(2) (ここで、Nは撚糸、編索などの工程数であり、単なる
引き揃えはこの工程数には含まない。Aは繊維間摩擦係
数などによる応力集中関連係数であり、通常、0.9〜
1.0の範囲の値である。摩擦係数減によりAの値は大
となりロープ強力は向上するがこの効果は高々10%で
ある。)
【0020】式(2)によりロープ強力向上のために
は、ストランド角度θ1 を減ずる効果が極めて大である
ことが理解できる。特に大型船舶の係留ロープ、曳航ロ
ープなど、編索工程の多いロープにおいて効果が大き
い。一方、θ1 を減ずるに従い、耐摩耗性が徐々に低下
することも知られており、これを防止するために、本発
明の条件を満足するポリエステルフィラメントを用いる
ことが必須であり、θ1 と組み合わせることによって始
めて、ナイロンとの強力差をカバーできるような高強力
かつ耐摩耗性の良好なポリエステルフィラメントロープ
が製造できるのである。θ1 が25度を超えるとロープ
強力向上効果は少なく、ナイロンとの比重をカバーでき
るような比強度を有するロープはできない。また、θ1
を25度以下にすることにより、ロープ切断時のスナッ
プバックエネルギーは小となり安全性向上の観点からも
望ましい。
【0021】本発明におけるロープの構成は、前記図1
に示した実施態様に限定されるものでなく、ロープを構
成するストランドの本数、ストランドを構成するコード
の本数、コードを構成するフィラメントの本数に限定は
なく、あるいはストランドを以て、さらには極めて特殊
な場合としてフィラメントを以て最終ロープとすること
などの変化した構成をも含むものである。
【0022】本発明の製造方法によって得られるポリエ
ステルフィラメントロープは、例えば係留ロープ、曳航
ロープなどの船舶用ロープ、延縄、底曳、定置などの漁
業用ロープ、梱包ロープなどとして極めて有用である。
【0023】
【作用】本発明においては、(A)単糸デニール15d
e以上、(B)150℃における乾熱収縮率10%以
上、かつ(C)破断強度(g/de)と破断伸度(%)
の積が130以上であるポリエステルフィラメントを用
いることにより、ストランド角度を減じても耐摩耗性の
良好なロープを得ることができる。ストランド角度を2
5度以下とすることにより、ナイロンとの比重差をカバ
ーできるような比強度を有するロープを製造することが
できる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例中、耐摩耗性は、1g/deの
荷重下にて相対速度1m/分で1,000回のシゴキを
加え、シゴキ前後のロープの破断強度を測定し、次式
(3)により求めた値で示した。 耐摩耗性(%)=〔(シゴキ後の破断強度)/(シゴキ
前の破断強度)〕×100・・・(3)
【0025】実施例1 固有粘度0.94のポリエチレンテレフタレートを、表
1に示す孔数を有する紡糸口金を用いて、紡糸温度30
0℃、紡速350m/分にて常法により溶融紡糸し、そ
の後オイリングローラで油剤を付与し、引き取りローラ
に導き、巻き取らずに直ちに2段で延伸倍率を変更する
とともに、リラックス率を6.0%に固定し、熱セット
温度を変更することにより、表1に示す単糸デニール、
強伸度、乾熱収縮率を有する1,500デニールの延伸
糸を得た。
【0026】次に、この延伸糸をそれぞれ6本合糸し、
下撚角度..度となるようにZ撚りをかけコードを作成
し、さらにこの下撚コード3本を合糸し、上撚角度(ス
トランド角度)25度となるようにS撚りをかけロープ
状物となし、乾熱ヒーターにて180℃、3分の定長熱
セットを行い、直径2mmのロープを製造した。得られ
たロープの強力および耐摩耗性を測定し、表1に示す。
【0027】実施例2〜4、比較例1〜6 表1に示す、孔数の紡糸口金を用い、実施例1と同様に
して、表1に示す単糸デニール、特性を有する延伸糸を
得、表1に示すストランド角度で実施例1と同様にして
ロープを得た。得られたロープの特性を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、通常の産業
資材用フィラメントの製造工程およびロープの製造工程
をそのまま利用し、各々の製造条件を変更するだけで、
ロープ強力を向上させるとともに耐摩耗性にも優れ、か
つ安全性の高いポリエステルフィラメントロープを製造
することが可能であり、その産業上の効果は極めて大で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロープの撚り構造を示す本発明の一実施態様で
ある。
【符号の説明】
1 ロープ 2 ストランド 3 コード 4 フィラメント 1′ ロープ軸 2′ ストランド軸 3′ コード軸 4′ フィラメント軸 θ1 ロープ軸とストランド軸の角度(ストランド角
度) θ2 ストランド軸とコード軸の角度(コード角度) θ3 コード軸とフィラメント軸の角度(フィラメント
角度)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレートを主たる繰り返
    し単位とするポリエステルよりなり、(A)単糸デニー
    ル15de以上、(B)150℃における乾熱収縮率1
    0%以上、かつ(C)破断強度(g/de)と破断伸度
    (%)の積が130以上であるポリエステルフィラメン
    トを用い、ロープ軸とこれを構成するストランドのスト
    ランド軸のなす角度、すなわちストランド角度を25度
    以下にすることを特徴とするポリエステルフィラメント
    ロープの製造方法。
JP21881992A 1992-07-27 1992-07-27 ポリエステルフィラメントロープの製造方法 Withdrawn JPH0649788A (ja)

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Effective date: 19991005