JPH0649770A - 超電導性金属酸化物織物の製造 - Google Patents

超電導性金属酸化物織物の製造

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JPH0649770A
JPH0649770A JP5056388A JP5638893A JPH0649770A JP H0649770 A JPH0649770 A JP H0649770A JP 5056388 A JP5056388 A JP 5056388A JP 5638893 A JP5638893 A JP 5638893A JP H0649770 A JPH0649770 A JP H0649770A
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temperature
woven fabric
atmosphere
organic material
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JP5056388A
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Den Sype Jaak S Van
ヤーク・ステファーン・ヴァン・デン・シーペ
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Praxair Technology Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超電導性金属酸化物YBa2 Cu37-x
りなる結晶質織物の製造法を提供する。 【構成】 本発明の製造法は、予備形成した有機織物材
料に金属化合物を所望の原子比で含浸させ、その材料を
弱酸化性雰囲気中で加熱して有機物質を加熱分解し、該
材料を酸化性雰囲気中である温度に維持し、そして該材
料を酸化性雰囲気中で冷却して超電導性の結晶質構造体
を形成することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、超導電性金属酸化物よりなる
繊維、織物及び付形物、並びにそれらの製造法に関す
る。
【0002】
【発明の背景】抵抗率の事実上の消失である超電導性
は、液体ヘリウムの沸騰温度に冷却された水銀において
初めて見い出された。この発見は、それよりも高い温度
において超電導性である材料に対する探索を開始させ
た。1987年に大きな進歩があった。イットリウム、
バリウム、銅及び酸素を含有するいくつかの相よりなる
物質において95°Kで超電導性が見い出された。この
発見は、超電導性が発現したときの温度が液体窒素の沸
騰温度よりも高かったという点で有意義であり、しかし
て冷媒のために使用することができた。超電導性相は、
結晶質の斜方晶系酸化物YBa2 Cu37 に相当する
ことが判明した。しかしながら、この超電導性は、斜方
晶系相を酸素が欠乏した条件下で加熱して正方晶系相
(この組成はYBa2 Cu36.5 に近かった)を生成
させると失われた。転移は、YBa2 Cu36 の組成
の近くで起こるようであった。それ故に、超電導性は、
式YBa2Cu37-x (ここで、xは0〜0.4の間
を変動してよいが、最適には約0.19である)の化合
物において存在する。
【0003】これまで確認されている他の高温超電導体
としては、YBa2 CuO7-x 、Bax La5-x Cu5
5(3-y)、Bi2 Sr2 Cu27+x 、Bi4 Sr3
3Cu4x 及びTl2 Ca2 Ba2 Cu3x が挙
げられる。
【0004】超電導性金属酸化物材料は、金属化合物を
化学量論的比率で粉砕して金属化合物を接近させる従来
のセラミック技術によって製造することができる。その
後の焼成によって、それらの各結晶質化合物中の金属イ
オンが他のものの中に拡散する。制御した条件下での再
粉砕及び焼成の反復によって、超電導性を有する所望の
相が生成される。
【0005】超電導体の将来の用途の大部分は、電力を
ロスなしで伝送するという能力に、また強力でコンパク
トな磁性体の製造に基づいている。自動車や発電機は磁
気学を基にしているので、それらの重量、寸法及び非効
率を少なくするための大きな可能性がある。強力な磁性
体は、ベアリングのシャフトやトラックのトレーンのよ
うに物体の吊り下げを可能にすると考えられている。
【0006】超電導性金属酸化物はセラミックのように
固有的に脆弱であり、そしてそれらを有用な付形物に制
作するには基本的な線材でさえも多くの難問が生じる。
超電導性線材の製造にこれまで最も多く実施された方法
は、粉末管技術であった。粉末形態の超電導性材料が
銀、銅又はステンレス鋼管中に充填される。次いで、管
は、有用な形状のものに更に造形することができる小さ
い直径まで型をつけて引っ張られ又は圧延される。
【0007】ルスク氏他は、Supercond.Sci.Technol.1
,137(1988)において、押出法によるセラミック超電導
性線材の製造について報告した。粉末形態の超電導性前
駆体材料がエポキシ樹脂の如きバインダーと混合され、
そしてその混合物が線材の形態に押し出された。押出物
は、バインダーを除去するために非反応性雰囲気中で加
熱され、次いで強度及び超電導性相を発現させるために
空気又は酸素中において高温で焼成された。この方法か
らは、約0.8mmの直径を持つ脆弱な線材が生じた。
【0008】チエン氏他は、Physical Review B,38,195
3(1988) において、重合体−金属前駆体を押出又は紡糸
することによる超電導性繊維の製造について記載してい
る。所望の原子比にある金属イオンが重合体に組み込ま
れた。重合体溶液は、押し出され、乾燥されそしてマン
ドレルに巻き取られた。窒素中での加熱によって重合体
は熱分解され、その後の酸素中での加熱によって金属中
間体が超電導性酸化物に転化された。この方法は、1〜
100ミクロンの直径及び1〜50ミクロンの粒度を有
する繊維をもたらした。
【0009】ジン氏他は、Appl.Phys.Lett.51 ,943(198
7)におい て、溶融酸化物の加工によるYBa2 Cu3
7-x 線材の3つの異なる実験室的製造について記載し
ている。溶融延伸技術では、YBa2 Cu37-x 材料
の棒の中心が実験室的トーチランプ炎で溶融され、そし
て2つの未溶融端部が引っ張られてそれらの間に1.2
mm直径のフィラメントが残された。溶融紡糸技術で
は、YBa2 Cu37- x 材料の棒の一端が加熱され、
そして回転するマンドレルの外側に溶融液滴が落とされ
て幅1.5mmで厚さ0.3mmのリボンが形成され
た。更に他の実験では、基体として銀線材が使用され、
それにバインダー中のYBa2 Cu37-x粉末が付着
された。この複合体が乾燥され、しかして0.25mm
直径金属コアを含有する0.75mm直径の複合線材が
生成された。この線材は、トーチランプ炎を通して迅速
に移動されそしてその外部を溶融させることによって更
に加工された。これらの3つの方法の各々で形成された
線材では、均質化のための熱処理、それに続いて超電導
性相を発現させるための酸素熱処理が必要とされた。製
造に当たって、これらの3つの技術のどれにおいても、
高温溶融炉及び操作変数の正確な制御が必要とされる。
【0010】上記の方法はすべて、単一フィラメントの
製造に向けられていた。ハムリング氏は、米国特許第
3,385,915号において、金属酸化物の繊維、織
物及び付形物の製造法について記載している。織物と
は、単一フィラメント、ステープル繊維、連続トウ及び
ヤーン、織布、繊維よりなるバット及びフェルトを含め
た様々な織物の形態を意味する。
【0011】ハムリング氏の方法は、最初に有機重合体
織物材料の予備形成体に最終生成物に望まれる如き金属
の1種以上の化合物を含浸させることを包含する。含浸
された材料は、有機物質の発火を防止するがしかし有機
物質を主として炭素に熱分解し且つその炭素を炭素含有
ガスとして除去するような制御された条件下に加熱され
る。加熱 は、金属化合物を酸化するまで継続される。
加熱の少なくとも一部分は、酸化ガスの存在下に実施さ
れる。予備形成体と実質上同じ形状を有するがしかしそ
の元の寸法の僅か約40〜60%である生成物が生成す
る。生成物中の金属酸化物は典型的には実質上微結晶質
又は無定形であり、即ち、その微結晶は極めて小さいの
で通常のX線回折によってかろうじて識別することがで
きる。これは、ハムリング氏が彼の生成物において最高
強度のために選択した0.1ミクロン以下程度の微結晶
寸法を表わしている。しかしながら、この方法は、約1
ミクロンまでの微結晶寸法を持つ繊維を製造することが
できると記載されている。それよりも大きい微結晶寸法
では、強度の有意の損失が生じた。微結晶の寸法が繊維
直径の約1/10を越えると生成物の機械的特性が悪影
響を受けた。
【0012】超電導性挙動をすることができる材料は結
晶質状態になければならないことが知られている。それ
故に、米国特許第3,385,915号に記載される如
き方法は、超電導性金属酸化物を生成しないであろう。
【0013】ハムリング氏は、米国特許第3,663,
182号において金属酸化物よりなる織布について記載
している。かかる織布は、先に記載した米国特許第3,
385,915号に記載される方法によって製造され
る。それ故に、織布はこの方法の生成物の特徴のすべて
を有しており、そして超電導性を有することが予測され
ないであろう。
【0014】本発明の目的は、超電導性性金属酸化物の
繊維、織物及び付形物を製造するための方法を提供する
ことである。また、本発明の目的は、これらの生成物を
更に造形することができるように可撓性及び強度を持た
せた生成物を提供することである。
【0015】出発材料が最終生成物の形状に予備形成す
ることができる有機重合体物質であることが本発明の特
徴である。
【0016】所望の最終形状に容易に予備成形される安
価な有機物質から複雑で不規則な付形物を製造すること
ができることが本発明の方法の利益である。予備形成
は、費用のかかる機械加工が不必要であるという点で費
用がかからない。他の利点は、高温溶融炉が必要とされ
ないということである。
【0017】
【発明の概要】本発明は、超電導性金属酸化物織物の製
造法である。これは、先ず、予備形成した有機重合体織
物材料に、実質上超電導性材料に存在する如き原子比で
所望の金属元素を含有する1種以上の化合物を含浸させ
ることを包含する。含浸された材料は、有機物質を熱分
解して酸化しそしてそれを炭素含有ガスとして除去する
のに十分なだけ高い温度に制御雰囲気中で乾燥加熱され
る。加熱は、有機物質を発火させずに且つ金属酸化物を
融解させずに実施される。加熱された材料は、次いで、
更に酸化させて結晶質超電導性金属酸化物を発現させる
ために酸化雰囲気中で少なくとも一部分冷却される。
【0018】
【具体的な説明】本発明における出発材料は、膨潤し且
つ溶剤を吸収することができるがしかし後続の加工処理
間の加熱時に溶融しない任意の有機物質であってよい。
レーヨン、けん化酢酸セルロース、木綿、羊毛及びラミ
ーを含めて任意のセルロース物質を使用することができ
る。使用可能な合成物質としては、アクリル、ポリエス
テル、ビニル及びポリウレタンが挙げられる。レーヨン
がその物理的均質性、高い吸収性及び低い不純物含量の
故に好ましい材料である。
【0019】出発有機物質は、実質上生成物中に存在す
るのが望まれるような如き原子比で金属元素を有機物質
に提供するために金属元素の化合物で含浸される。これ
らの化合物が水中に高度に可溶性の塩であるときには、
含浸は、有機物質を適当な比率のかかる塩の濃厚水溶液
中に浸漬させることによって実施することができる。別
法として、有機物質を、所望の化合物のうちの少なくと
も1種を含有するいくつかの溶液中に逐次含浸させ、こ
れによって有機物質中に所望の金属含量を蓄積させるこ
ともできる。
【0020】最終生成物において強度を得るためには、
出発材料に金属化合物をセルロースのベースモル当り少
なくとも 0.25モル好ましくは1〜2モルの程度ま
で含浸させるのが好ましい。本明細書で使用するベース
モルとは、セルロール鎖のグリコシド単位の分子量即ち
162の分子量を意味する。非セルロース物質の場合に
は、含浸の程度は、有機物質1g当り金属少なくとも
0.1好ましくは0.5〜1.0g当量であるべきであ
る。
【0021】金属化合物をセルロース物質に含浸させる
ための好ましい溶剤は水である。ビニル及びポリウレタ
ン材料を含浸するには、エステル及びケトンが好適な溶
剤である。アクリル及びポリエステル材料を含浸するに
は、金属化合物のための好適な溶剤は、アニリン、ニト
ロフェノール、m−フェノール及びp−フェノールの如
き芳香族アルコール及びアミンを包含する。
【0022】セルロース出発材料における塩含浸の速度
及び程度を高めるために、これは、塩溶液へのソーキン
グに先立って水中にソーキングさせることによって予備
膨潤させることができる。アクリル及びポリエステル材
料に対しては、芳香族アルコールが好適な膨潤剤であ
る。ビニル及びポリエステル材料に対しては、ケトンが
有用である。
【0023】有機物質を含浸させる別の方法は、加水分
解して又は水と反応して実質上水不溶性の金属酸化物を
生成する金属化合物を使用することである。選択した化
合物は、四塩化炭素、エーテル又はベンゼンの如き水不
混和性有機溶剤中に溶剤100ml当り金属化合物5〜
50gの程度まで溶解させることができる。出発有機物
質は、それを50〜90%の相対湿度を有する空気にさ
らすことによって製造される。これは、5〜30重量%
の水を吸収しそして膨潤する。この膨潤状態において、
これは、調製した溶液中に浸漬される。溶液中の金属化
合物が膨潤した有機物質に浸透するにつれて、それらは
水と反応しそして得られた酸化物は有機物質の構造中で
沈殿する。もし金属化合物がガス又は液体であるなら
ば、膨潤した出発有機物質は、金属酸化物の沈殿を達成
するためにガス又は液体に直接さらすことができる。
【0024】含浸に関して下記の理論によって拘束され
ることを望まないが、この方法に対する好ましい出発材
料であるセルロースの如き有機重合体物質は、重合体鎖
の微結晶が無定形重合体のマトリックス中に一緒に保持
されてなるものである。金属塩の調製溶液中に有機重合
体を浸漬させると、その無定形領域が溶液を吸収しそし
て大きくなり又は膨潤する。このとき、膨潤した無定形
領域は、膨潤有機物質の50〜90容量%を占める。含
浸溶液から膨潤した有機物質を取り出しそして溶剤の蒸
発によるが如くして乾燥させると、金属化合物は無定形
領域に残 る。無定形領域は、寸法が極めて小さくセル
ロース物質中で約50Åであるので、金属化合物は晶出
しない。
【0025】含浸溶液から出発有機物質を取り出した後
に、出発物質の表面に付着する過剰の溶液をこの溶液が
乾燥する前に除去することが必要である。乾燥塩によっ
て共に結合された繊維は、最終の酸化物生成物中に同じ
ように結合されるようでありそして強度の低下及び脆性
の増大の原因となる。過剰の溶液は、適度な圧力を使用
して含浸物質を吸取紙又は布で吸い取ってその物質から
過剰溶液を搾り取ることによって除去することができ
る。別法として、洗浄、ガス流れの吹付、真空ろ過又は
遠心分離を使用することができる。
【0026】次いで、含浸物質は、温かいガス流れの如
き都合の良い手段によって乾燥される。含浸物質の内部
から表面への塩の移行を回避するために急速な乾燥が望
ましい。1時間以内の乾燥時間が好ましい。乾燥は、以
下に記載される加熱工程の最初の部分の間で達成するこ
ともでき る。
【0027】次の主要工程は、含浸された有機物質を制
御した条件下に加熱して有機構造体を熱分解し、炭素を
除去しそして金属化合物を所望の金属酸化物に転化させ
ることである。熱分解とは、熱の作用によって生じる化
学変化と定義される。加熱間における有機物質の発火及
び未制御の温度上昇は回避されるべきである。さもない
と、有機物質は、使用物質の構造的一体性を維持するの
に充分なだけ金属化合物が一緒に焼結する前に崩壊する
可能性がある。また、過剰の結晶化及び粒子生長が起こ
り、しかして最終生成物において過度の強度低下をもた
らす可能性がある。
【0028】発火及び未制御の温度上昇は、せいぜい弱
い酸化能を持つ雰囲気中において適度な制御した速度で
所望の最高温度に加熱することによって回避することが
できる。最高温度は、500〜1,000℃の範囲内で
あり、そして所望の超電導性物質の種類及び適切な酸化
状態を発現させるのに必要な処理に左右される。加熱
は、制御した速度で温度が上昇する壁を有する炉に含浸
物質を吊すことによって実施することができる。壁から
の放射及び炉の雰囲気からの対流によって、熱は含浸物
質に伝達されてその温度は炉の壁温度に近づく。発火及
び未制御の温度上昇は、含浸物質の温度を炉壁の温度よ
りも高く上昇させるだろう。
【0029】60〜600℃/Hrの加熱速度が好適で
あった。この範囲の下限にある加熱速度で約400℃ま
で昇温させるのが好ましい(この間に有機物質の熱分解
の大部分が生じる)。熱分解とは、熱の作用によってほ
とんど酸化を伴わずにもたらされる化学変化を意味す
る。酸化とは、酸素による燃焼を伴う化学変化を意味す
る。400℃よりも高い温度では、この範囲の上限にあ
る加熱速度が好ましい。弱い酸化能を有する適当な雰囲
気は二酸化炭素であることが分った。
【0030】他の弱酸化性雰囲気、例えば酸化窒素、二
酸化窒素、三酸化硫黄、これらの2種以上の混合物及び
これらの2種以上と非反応性ガスとの混合物を使用する
こともできる。酸化窒素を含有する雰囲気では、10%
を越えた酸化窒素濃度、例えば約20%〜約100%の
酸化窒素濃度が使用可能である。
【0031】別法として、少%の酸素を含有する非反応
性ガス、例えば数%の酸素を含有する窒素、アルゴン又
はヘリウムも使用可能である。適切な酸素含量は、使用
する加熱速度、弱い酸化性雰囲気(一般には幾分速い加
熱速度を許容する)に幾分左右される。2容量%までの
酸素含量が使用可能であり、約0.05〜約1%が好ま
しく、そして0.05〜約0.5%が最も好ましい。酸
素2%の臨界的含量を越えると、含浸済物質の発火及び
分解が起こることが分った。
【0032】加熱工程には完全に非酸化性の雰囲気は適
していない。何故ならば、炭素が明らかに金属酸化物に
補足され、十分には除去されず且つ超電導性相の形成に
有害であるからである。
【0033】加熱工程間に、発火を回避すると、金属化
合物の団結(これは出発予備形成材料の収縮として明ら
かである)が生じる。典型的には、出発材料の最長寸法
は40〜60%収縮する。一般には、収縮は、出発材料
で達成される金属化合物の含浸度に反比例する。
【0034】特に、紐又はテープ様出発材料の場合に
は、加熱工程間に出発材料に弱い張力をかけるのが望ま
しかった。この張力は、出発材料のしわ又はそりを減少
させるのに役立つ。
【0035】弱酸化性雰囲気中において選択した最高温
度に達すると、これらの条件は、出発有機物質からのガ
スの発生の減少によって明らかであるように反応活性が
完結に近づくまで維持される。この段階において出発材
料の熱分解は実質上完了し、そして炭素の酸化が少なく
とも開始している。
【0036】次の工程は、これらの条件において炭素の
酸化及び除去(ガスとして)が完結に近づくまで温度を
ほぼ維持しながら温和な酸化性雰囲気に変換して維持す
ることである。温和酸化性雰囲気は、0.5〜5容量%
の酸素を含有する窒素、アルゴン又はヘリウムの如きゆ
っくり流れる非反応性ガスとして都合よく提供すること
ができる。反応完結への接近は、流出物中の二酸化炭素
含量の減少及び0.5%の如き小さい値への平均化を観
察することによって決定することができる(0.5〜2
時間で生じることが観察された)。
【0037】この点において、雰囲気は、少なくとも中
位の酸化性雰囲気に変換される。この雰囲気は、使用材
料中の残りの炭素を更にガス化し且つ所望の酸化状態を
少なくとも一部分形成する。かかる雰囲気は、少なくと
も20%の酸素を含有しそして好ましくは実質上酸素で
ある。ある場合には、大きい酸化力を有するオゾンが有
益である。これらの条件は、少なくとも0.5時間好ま
しくは5時間維持される。
【0038】冷却は、後者の雰囲気中において好ましく
は実質上酸素の雰囲気中において実施することができ
る。冷却は使用材料がなお高温度にある間に、酸素を使
用温度に加える雰囲気中で、即ち、超電導性酸化物を形
成又は発現させるが使用材料から酸素を除去しない即ち
酸素含量を維持する雰囲気中で行わなければならない。
冷却速度は、60℃〜600℃/Hrの範囲内であって
よい。冷却間に、材料は、設定した酸化雰囲気中におい
て700〜400℃の温度範囲内にしながら0.5〜5
時間の間維持されるのが好ましい。かかる処理は、超電
導性の酸化状態を発現させるのに好適である。
【0039】
【実施例】次は、本発明の方法に従ったYBa2 Cu3
7-x の超電導性テープの製造例である。
【0040】100ccの蒸留水中に4gのY(NO)
3 ・6H2 O、6gのBa(NO)2 及び8.4gのC
u(NO33 ・3H2 Oを60℃で溶解させることに
よって溶液を調製した。この濃度は、達成可能な最高濃
度に近かった。というのは、それよりも低い温度では3
種の塩のうち最も可溶性の低いBa(NO32 が沈殿
するからである。この溶液中に、幅1.25インチ、厚
さ0.018インチ、長さ約12インチで個々の繊維の
直径が0.001インチのレーヨンテープを4時間ソー
キングさせた。テープを吸取紙のシート間でロール掛け
することによって過剰の溶液を搾り取った。乾燥基準で
テープ中に約10重量%の塩が得られた。吸収済のテー
プを50gの僅かな張力下に、炉において流動する二酸
化炭素ガスの雰囲気中で60〜600℃/Hrの速度で
850℃に加熱した。
【0041】所望のYBa2 Cu37-x 化合物を形成
するためには、前駆体テープは少なくとも750°F好
ましくは850℃に加熱されされなければならないこと
が分かった。950℃よりも上では、明らかに金属酸化
物の部分融解のために前駆体テープの破壊が一般に生じ
た。また、約950℃よりも高い温度では、所望のYB
2 Cu37-x 化合物に接近する組成では融解した包
晶領域が存在する。
【0042】また、加熱工程間に窒素による実験も行っ
たが、しかし所望の超電導性生成物を生成しなかった。
出発有機物質を完全非酸化性の雰囲気中で熱分解する
と、生成した金属酸化物中における炭素の捕捉が明らか
に引き起こされ、これは超電導性酸化物の形成には有害
であった。空気中での熱分解は、含浸済のテープを発火
させ且つ明らかに分解させた。何故ならば、レーヨン繊
維は、金属酸化物が共に十分なだけ焼結する前にそれら
の構造上の一体性を失ったからである。熱分解が行われ
る初期加熱段階のための二酸化炭素ガスは、発火を回避
ししかも炭素の酸化除去を可能にした受け入れ可能な雰
囲気であることが判明した。
【0043】二酸化炭素雰囲気中で850℃に達したと
きに、これらの条件を1.5時間維持した。次いで、こ
の雰囲気を1%の酸素を含有する窒素に取り替えそして
18時間維持した。この時間までに、流出ガス中の二酸
化炭素ガス含量は0.5%未満に低下したが、このこと
は、熱分解及び炭素除去反応が完結に近づいたことを示
している。次いで、雰囲気を100%酸素に取り替えそ
して1〜2時間維持した。次いで、テープを酸素中にお
いて約60℃の速度で450℃に徐々に冷却させた。4
50℃よりも下では、酸素流れを維持しながらテープを
室温に急速に冷却させた。
【0044】生成物であるテープは、典型的には、幅
0.4インチ、長さ4インチでそして個々の繊維の直径
が約0.0004インチであった。化学分析によると、
テープの組成は16.15原子%のY、33.65%の
Ba及び50.18%のCuであり、これは16.76
7%のY、33.67%のBa及び50.18%のCu
の理想組成にほぼ相当した。顕微鏡下で観察すると、テ
ープは出発レーヨンテープに特有のモルホロジーを有し
ていた。
【0045】生成物テープのX線回折図形は、図1に示
されるように超電導性斜方晶系YBa2 Cu37-x
特有の明確なピークを示した。しかしながら、ピークの
相対的大きさは、図2に示されるように固体出発材料を
粉砕及び焼結する従来のセラミック経路によって製造さ
れた斜方晶系YBa2 Cu37-x の相対的大きさとは
異なっていた。このことは、粉砕焼結した材料において
生じるランダム配向に比較して生成物テープを構成する
微結晶にはある程度の結晶軸の配向が起ったことを示し
ている。
【0046】本発明をある程度の詳細で説明したけれど
も、本発明の開示は単に一例としてなされたものであ
り、従って上記の特許請求の範囲に記載する如き本発明
の精神及び範囲から逸脱することなしにプロセスにおけ
る各工程の細部及び配置に幾多の変更修正をなし得るで
あろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によって提供されるYBa2 Cu
37-x 織物生成物の試験片について得られたX線回折
図形である。
【図2】YBa2 Cu37-x で示される原子比で金属
元素を提供する金属粉末を粉砕しそして酸素中で950
℃で焼成することによって製造された試料について得ら
れたX線回折図形である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03D 15/00 E 7199−3B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 YBa2 Cu37-x (ここでxは約0
    〜約0.4の間を変動する)よりなる結晶質繊維、織物
    又は付形物の製造方法であって、 (a)予備形成した有機重合体物質に3種の金属化合物
    を含浸させて該物質に金属元素を実質上該YBa2 Cu
    37-x に存在する原子比で提供し、 (b)該含浸済の物質を、約0.05〜約2容量%の酸
    素を含有する弱酸化性雰囲気中において、実質上該有機
    物質を発火させずに且つ融解相を形成させずに又は該Y
    Ba2 Cu37-x の分解温度に達することなく、該有
    機物質を少なくとも一部分熱分解して酸化し且つ該金属
    化合物を少なくとも一部分酸化させるのに十分なだけ高
    い温度に加熱し、そして (c)得られた物質を少なくとも中位の酸化性雰囲気中
    において室温に冷却して該繊維、織物又は付形物を得
    る、ことからなる結晶質繊維、織物及び付形物の製造
    法。
  2. 【請求項2】 YBa2 Cu37-x (ここでxは約0
    〜約0.4の間を変動する)よりなる結晶質繊維、織物
    又は付形物の製造方法であって、 (a)予備形成した有機重合体物質に3種の金属化合物
    を含浸させて該物質に金属元素を実質上該YBa2 Cu
    37-x に存在する原子比で提供し、 (b)該含浸済の物質を、二酸化窒素、三酸化硫黄又は
    それらの混合物を含有する弱酸化性雰囲気中において、
    実質上該有機物質を発火させずに且つ融解相を形成させ
    ずに又は該YBa2 Cu37-x の分解温度に達するこ
    となく、該有機物質を少なくとも一部分熱分解して酸化
    し且つ該金属化合物を少なくとも一部分酸化させるのに
    十分なだけ高い温度に加熱し、そして (c)得られた物質を少なくとも中位の酸化性雰囲気中
    において室温に冷却して該繊維、織物又は付形物を得
    る、ことからなる結晶質繊維、織物及び付形物の製造
    法。
  3. 【請求項3】 YBa2 Cu37-x (ここでxは約0
    〜約0.4の間を変動する)よりなる結晶質繊維、織物
    又は付形物の製造方法であって、 (a)予備形成した有機重合体物質に3種の金属化合物
    を含浸させて該物質に金属元素を実質上該YBa2 Cu
    37-x に存在する原子比で提供し、 (b)該含浸済の物質を、二酸化炭素、酸化窒素、二酸
    化窒素、三酸化硫黄又はそれらの2種以上の混合物を含
    有する弱酸化性雰囲気中において、実質上該有機物質を
    発火させずに且つ融解相を形成させずに又は該YBa2
    Cu37-x の分解温度に達することなく、該有機物質
    を少なくとも一部分熱分解して酸化し且つ該金属化合物
    を少なくとも一部分酸化させるのに十分なだけ高い温度
    に加熱し、そして (c)得られた物質を少なくとも中位の酸化性雰囲気中
    において室温に冷却して該繊維、織物又は付形物を得
    る、ことからなる結晶質繊維、織物及び付形物の製造
    法。
  4. 【請求項4】 弱酸化性雰囲気が、二酸化窒素、三酸化
    硫黄、50容量%以上の二酸化炭素、10容量%以上の
    酸化窒素又はそれらの2種以上の混合物を含有する請求
    項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 加熱工程が、含浸済の物質を弱酸化性雰
    囲気中で約350〜1,000℃の温度に加熱し、該物
    質を該温度条件及び雰囲気条件において反応活性が完結
    に近づくまで維持し、しかる後に該物質を約0.5〜約
    5容量%の酸素を含有する雰囲気中において該温度条件
    で反応活性が完結に近づくまで維持し、しかる後に該物
    質を少なくとも20容量%の酸素を含有する雰囲気中に
    おいて該温度条件で反応活性が完結に近づくまで維持す
    ることを含み、そして冷却工程が、該物質を少なくとも
    酸素20容量%の雰囲気中において700℃〜400℃
    の温度範囲に少なくとも半時間維持することを含む請求
    項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の方法に従って製造した織
    物。
  7. 【請求項7】 繊維が織物のモルホロジー及び約1〜約
    25μmの範囲内の直径を有する請求項6記載の織物。
  8. 【請求項8】 実質上図1における如き角度及び相対的
    大きさのピークを有するX線回折パターンを持つ物質か
    ら更になる請求項6記載の織物。
JP5056388A 1992-02-24 1993-02-23 超電導性金属酸化物織物の製造 Withdrawn JPH0649770A (ja)

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