JPH064960Y2

JPH064960Y2 - 散気装置

Info

Publication number: JPH064960Y2
Application number: JP1989094731U
Authority: JP
Inventors: 譲二林; 弘幸水口
Original assignee: Kobe Steel Ltd
Current assignee: Kobe Steel Ltd
Priority date: 1989-08-11
Filing date: 1989-08-11
Publication date: 1994-02-09
Anticipated expiration: 2004-02-09
Also published as: JPH0334898U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は下水、廃水処理設備において曝気、気液接触工
程等に使用する散気装置の改良に係り、より詳しくは、
個々の散気板のレベル調整を容易に行い得ると共に、散
気板からの均一発泡を可能にならしめるようにした散気
装置に関する。

〔従来の技術〕

周知のように、微細な活性化空気の気泡を下水や廃水中
に放出して、このような下水や廃水等の浄化を行うのに
散気装置が用いられている。

上記したような従来の散気装置の二例を、第５図乃至第
８図を参照しながら以下に説明する。

先ず、散気装置の第一の従来例をその断面構成説明図の
第５図と、散気板用の固定ボルトの一部断面図の第６図
と、空気供給管の支持構造説明図の第７図とに基づいて
説明する。

即ち、第５図に示す符号(1)は多数の微細通気孔を有
し、かつ外周部に下方に突出する突出縁(1a)を有すると
共に、その系方向の中心に貫通孔を有する散気板であ
り、この散気板(1)は横向きに配設された気体供給管(6)
の上側の外周面に、例えば溶接等により固設された漏斗
状に形成されてなるホルダ(2)の上部開口部側に設けら
れた鍔部の上面と前記突出縁(1a)の端面との間にガスケ
ット(5)を介して載置されている。そして、ホルダ(2)の
気体供給管(6)への固設部の中央に雌螺子(4a)が螺刻さ
れてなるボス(4)が溶接等により固設されており、この
雌螺子(4a)に、前記散気板(1)の中央に設けた貫通孔に
予めパッキン(5a)を外嵌した固定ボルト(3)を挿通して
螺着することにより、このホルダ(2)の上部開口部を散
気板(1)で閉塞している。

一方、前記固定ボルト(3)の詳細は第６図に示すよう
に、ネジ部の先端面の中心にこのボルト(3)の長手方向
の軸心を中心とする有底孔(3a)を穿設すると共に、この
有底孔(3a)の底部付近からこのボルト(3)の外周外方に
連通するオリフィス(3b)が設けられてなる構成になって
いる。

そして、上記ホルダ(2)は約４ｍ長さの気体供給管(6)の
長手方向に等間隔にて６〜８個取付けられると共に、こ
の気体供給管(6)は曝気槽等の底部に固着されてなる複
数のサポート(10)によって以下のようにして支持されて
いる。

即ち、第７図に示すように、底部に固着されている下部
サポート(11)の雄螺子(11a)に上部サポート(12)を螺着
し、上部サポート(12)の凹曲面に気体供給管(6)を載置
する一方、この上部サポート(12)に設けた突起(12a)に
気体供給管(6)に外嵌したバンド(13)のフック部(13a)を
引っ掛けると共に、このバンド(13)の反フック側に穿設
した貫通孔と前記下部サポート(11)に突出させて設けた
腕部に穿設した貫通孔とにバンド締付けロッド(14)を挿
通してナット(14a)を螺着することにより気体供給管(6)
を固定してなる構成になっている。

以下、上記構成になる散気装置の作用態様を説明する
と、気体供給管(6)に供給された圧縮気体である活性用
の圧縮空気は、固定ボルト(3)の有底孔(3a)、オリフイ
ス(3b)を経由してホルダ(2)内に流入し、流入した圧縮
空気は散気板(1)の微細通気孔を通り抜けて微細気泡と
なって下水或いは廃水中に放出され、この放出された微
細気泡によって下水或いは廃水の浄化が行われることと
なる。

そして、各々の散気装置の散気板(1)の上面のレベルを
調整して、散気板(1)を通って放出される微細細気泡の
放出状態の均一化を図るのに、前記下部サポート(11)に
設けた雄螺子(11a)への上部サポート(12)の螺子込み量
の多少によって調整している。

また、上記した散気装置の従来例以外に、例えば本出願
人の出願になる特公昭６１−４４５５７号公報にて開示
された散気装置がある。

この散気装置は、主として散気装置の組立て、解体等の
作業の容易化を図る一方、確実な封止効果を維持し得る
ようにしたものであって、その断面構成説明図の第８図
に示すように、ホルダ(2)の上部開口部の鍔部にガスケ
ット(5)を介して円板状の散気板(1)が載置されると共
に、この散気板(1)はその外周付近の上面と鍔部の外周
付近の下面とを挟持部材により挟持されてこのホルダ
(2)に着脱自在に取付けられている。そして、オリフィ
ス(2a)が設けられているホルダ(2)の下部の外周部が気
体供給管(6)に取付けられたアダプタ(8)の孔に嵌挿され
ると共に、アダプタ(8)の外周をかしめることによりホ
ルダ(2)が気体供給管(6)に固着されている。

また、気体供給管(6)を支持するサポート(10)の構成
は、同図から良く理解されるように、下部サポート(11)
と上部サポート(12)とバンド取付け部を備えてなるバン
ド(13)とからなり、上部サポート(12)が上下方に位置調
整自在な構成になっいる。

故に、第一の従来例と同様に各々の散気板(1)の上面の
レベルを調整するのに上部サポート(12)の高さを変えて
調整している。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記した従来の散気装置はそれなりに有用であるが、散
気板を通して放出される微細気泡の放出の均一性、散気
板のレベル調整作業の困難さ等の観点からすると、未だ
に以下に説明するとような問題点を持っている。

即ち、気体供給管には複数の散気板が設けられている関
係上、各散気板の固体差に基づく微細通気孔の状況によ
っては微細気泡の放出状態に差が生じるので、各散気板
から放出される微細気泡が均一になるように各々の散気
板の高さレベルを調整してこの散気板に作用する水圧を
変える必要があるが、上記従来の第一例、第二例の何れ
の散気装置にあっても、ホルダが気体供給管に直接、ま
たは間接的に高さ位置調整不能な状態で固着されている
のに加えて、サポートの高さ調整により散気板の高さを
調整する構成である為、各散気板毎のレベル調整が困難
であるという問題があった。

さらに、従来の第一例の気装置は、固定ボルトに設けた
有底孔とオリフィスとを通して気体供給管からホルダの
内側に圧縮空気が導入されるが、圧縮空気が一個のオリ
フィスから横方向に向かって噴出することによりホルダ
内に発生する圧力分布は、ホルダの内側に開口するオリ
フィスの開口部周辺周部が高圧でそれ以外の範囲が低圧
になる、所謂不均一な圧力分布となるため、散気板の微
細通気孔から下水或いは廃水中に放出される微細気泡の
放出状態が不均一となり、活性効率を低下させてしまう
という問題が生じている。また、従来の第二例の散気装
置では、オリフィスは散気板の内側面に対して直交する
方向から圧縮空気が流入するように構成されているが、
オリフィスが一個であるため、その開口部の上方付近が
高圧でそれ以外の範囲が低圧になり、微細気泡の放出状
態の均一性が必ずしも充分ではない。つまり、ホルダの
内部は全域にわたって均一な圧力分布になることが望ま
しい。このような圧縮空気圧力の不均一な圧力分布状態
の均一化を図るためには、例えば固定ボルトに複数のオ
リフィスを設ければ改善される、しかしながら、固定ボ
ルトに複数な加工を施す要ある他、このボルトの断面積
の減少に伴う強度低下があって実現されていなかった。

従って、本考案は個々の散気板のレベル調整を行い得る
と共に、散気板からの均一発泡を可能ならしめる散気装
置の提供を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記した問題点の解決を図るためになされたも
のであって、従って本考案に係る散気装置の構成は、圧
縮気体が送気される気体供給管が液中に横向き配設さ
れ、気体供給管の外周側に漏斗状の複数のホルダが該気
体供給管の長手方向に沿って配設され、これらホルダの
上部開口部に、多数の微細通気孔を有する散気板が着脱
自在に装着されると共に、上記気体供給管からこれらホ
ルダ内に散気装置において、上記圧縮空気を供給する上
記気体供給管に対してホルダのそれぞれを進退自在に付
設し、これらホルダそれぞれの下部に、上記散気板の内
側面に向けて圧縮空気を吹込む複数のオリフィスを設け
たことを特徴とする。

〔作用〕

本考案になる散気装置によれば、ホルダは気体供給管に
対して進退自在で、しかも、これらホルダそれぞれの下
部に、散気板の内側面に向けて圧縮空気を吹込む複数の
オリフィスを設けたので、このホルダと気体供給管との
間の距離を調整することにより、オリフィスとの間の間
隔を一定に保持しながら各々の散気板の高さを個別に調
整できる。

また、気体供給管に供給された圧縮空気は複数のオリフ
ィスから散気板の内側面に向かって流出するので、流出
する気体によってホルダ内に生ずる気体の圧力分布の不
均一の程度が少なくなる。

〔実施例〕

本考案の実施例を、第１図乃至第４図を参照しながら以
下に説明する。

第一実施例この考案の第一実施例を、その断面構成説明図の第１図
と、第１図のII−II線断面図の第２図とに基づいて以下
に説明する。

即ち、図において示す符号(6)は気体供給管であり、こ
の気体供給管(6)の上部に雌螺子(6a)を螺刻すると共
に、この雌螺子(6a)には、上方に開口する凹所(8a)を有
すると共に、その凹所(8a)の底部の中央に貫通孔が穿設
され、かつこの貫通孔を挟んだ両側に第２図に示すよう
な半月状に開口する通気孔(8b)を有してなるアダプタ
(8)を嵌合した。

次いで、このアダプタ(8)の上部開口部側の先端面にＯ
リング（０₁）を介して、この凹所(8a)に漏斗状に形成
してなるホルダ(2)の下側の小径部を嵌合すると共に、
この小径部の内側には中央に貫通孔を有し、かつこの貫
通孔の径方向の中心を中心とする同心円を径方向の中心
とする複数のオリフィス(9a)を所定の間隔で穿設してな
るホルダ押え蓋(9)を、ホルダ(2)とこの押え蓋(9)の鍔
部の下面との間にＯリング（０₂）を介して嵌合した。

また、ホルダ(2)の上部開口部側に設けられた鍔部の上
面にガスケット(5)を載置すると共に、このガスケット
(5)の上に、中央に貫通孔を備え、かつ微細通気孔を備
えてなる円板状に形成した散気板(1)を重ね合わせて載
置した。第１図から良く理解されるように、複数のオリ
フィス(9a)の径方向の中心を通る軸線が散気板(1)の内
側面に対して直交しており、これらオリフィス(9a)から
散気板(1)の内側面に向かって圧縮空気が流入するよう
に、また、オリフィス(9a)と散気板(1)の間の間隔が常
に一定に保持されるように構成されている。

そして、前記アダプタ(8)とホルダ押え蓋(9)と散気板
(1)との貫通孔に、このアダプタ(8)側から、その頭部を
下側にして先端に雄螺子部を有する固定ボルト(3)を挿
通する他、この固定ボルト(3)の頭部側に螺着したナッ
ト（Ｎ₁）によりホルダ押板(9)の上面を締付け、また固
定ボルト(3)の雄螺子部の先端付近に螺着したナット
（Ｎ₂）によってガスケット(5a)を介して散気板(1)を締
付けることにより、前記気体供給管(6)に取付けてなる
構成とした。

なお、図示省略しているが、この気体供給管(6)は従来
例における気体供給管と同様に複数のサポートにて支持
されていることは勿論である。

以下、上記構成になる散気装置の作用態様を説明する
と、散気板(1)は気体供給管(6)に螺刻した雌螺子(6a)へ
のアダプタ(8)の螺子込み量を変更するだけで個別に高
さ位置を変更し得るので、従来のように、上部サポート
の高さを変えるまでもなく、極めて容易に各散気板(1)
のレベルを調整することが可能になった。

また、気体供給管(6)から活性用の圧縮空気が供給され
ると、圧縮空気は半月状に開口する通気孔(8b)を通って
アダプタ(8)の凹所(8a)に流入すると共に、この凹所(8
a)内に流入した圧縮空気は押え蓋(9)に穿設したオリフ
ィス(9a)を通ってホルダ(2)内に流入するが、上記した
ようにオリフィス(9a)が複雑で、しかもこれらオリフィ
ス(9a)の向きが散気板(1)の内側面に向いているのに加
え、散気板(1)のレベル調整をしてもオリフィス(9a)と
散気板(1)の間の間隔が必ず一定に保持されるので、ホ
ルダ(2)内のより広範囲にわたって均等な圧力範囲を有
する圧力分布が形成され、散気板(1)の微細通気孔を通
して均一な微細気泡が水中に放出される。

勿論、散気板(1)と固定ボルト(3)とはガスケット(5a)に
より、散気板(1)とホルダ(2)とはガスケット(5)によ
り、ホルダ押え蓋(9)とホルダ(2)とはＯリング（０₂）
により、さらにホルダ(2)とアダプタ(8)とはＯリング
（０₂）により封止されることとなる。

第二実施例この考案の第二実施例を、その主要部断面構成説明図の
第３図に基づいて、第一実施例と相違する点についての
み以下に説明する。

即ち、気体供給管(6)のに上方に向かって開口する貫通
孔を設け、この貫通孔に中心を合わせて雌螺子(4a)を螺
刻してなるボス(4)を溶接等により固着すると共に、こ
の雌螺子(4a)にホルダ(2)の小径部に螺刻した雄螺子を
螺子込む一方、この小径部の下部開口部を、複数のオリ
フィス(2c)を有してなる底板(2b)によって閉蓋してなる
構成とした。

なお、散気板の取付けは、例えば第二の従来例のように
挟持部材を使用すれば良い。

従って、ボス(4)に螺刻した雌螺子(4a)へのホルダ(2)小
径部の雄螺子の螺子込み量によって散気板の高さ位置が
変化するので、この第二実施例の作用と効果は第一実施
例と同効である。

第三実施例この考案の第三実施例を、その主要部断面構成説明図の
第４図に基づいて、第一実施例と相違する点についての
み以下に説明する。

即ち、気体供給管(6)に雌螺子(6a)を螺刻し、第二実施
例になるホルダ(2)と同構成、つまり小径部の外周に雄
螺子を有し、かつその小径部の下部開口部を複数のオリ
フィス(2c)を備えた底板(2b)により閉蓋したホルダ(2)
を、前記雌螺子(6a)に螺子込んでなる構成とした。

従って、雌螺子(6a)へのホルダ(2)の雄螺子の螺子込み
量によって散気板の高さ位置を変更することができるの
で、この第三実施例の作用、効果にあっても第一実施例
と同効である。

ところで、以上に説明した実施例では直接的、間接的に
相違があるものの、何れも空気供給管(6)へのホルダ(2)
の取付け手段を螺子取付けにしている関係上、この螺子
取付け部を通して気体供給管内の圧縮空気の一部が水中
に放出させることが考えられるが、この螺子取付け部位
の封止手段としては、例えば非硬化性の液体シールを使
用すれば容易に封止することができ、しかも螺子込み量
の変更作業に支障が生じたりすることもない。

なお、上記した実施例は何れも本考案の具体例にすぎ
ず、従ってこれらの実施例によって本考案の技術的思想
の範囲が限定されるものではなく、しかもこの技術的思
想を逸脱しない範囲内における設計変更等は自由自在で
ある。

〔考案の効果〕

本考案になる散気装置によれば、ホルダを高さ調整自在
に支持した結果、個別の散気装置のホルダの高さ位置、つまり散気板の高
さ位置を容易に変更し得るので、各々の散気板のレベル
調整を容易に行うことができるようになり、散気板のレ
ベル調整作業の作業能率の向上と、圧縮空気供給装置の
駆動力の削減とその後の操業におけるメインテナンスコ
ストの削減とが可能になるという経済効果が生じてく
る。

さらに、ホルダの下部に気体供給管から該ホルダ内に連
通する複数のオリフィスの向きを散気板の内側面に向け
ると共に、上記ホルダの下部に位置させたので、このホ
ルダ内の圧縮気体の圧力分布の不均一の程度が少なくな
る結果、散気板の微細通気孔を通して均一な微細気泡を
水中に放出することができるようになり、活性化効率を
大幅に向上させることができる。

従って、本考案によって個々の散気装置のレベル調整を
行い得ると共に、散気板からの均一発泡を可能ならしめ
る極めて優れ、かつ有用な散気装置を実現することがで
きたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第一実施例になる散気装置の断面構成
説明図、第２図は第１図のII−II線断面図、第３図は本
考案の第二実施例になる散気装置の主要部断面構成説明
図、第４図は本考案の第三実施例になる散気装置の主要
部断面構成説明図、第５図乃至第７図は従来の第一例の
散気装置を示し、第５図は断面構成説明図、第６図は散
気板用の固定ボルトの一部断面図、第７図は気体供給管
の支持構造説明図、第８図は従来の第二例の散気装置の
断面構成説明図である。 (1)……散気板、(2)……散気板用のホルダ、(2b)……底
板、(2c)(9a)……オリフィス、(3)……固定ボルト、(4)
……ボス、(4a)(6a)……雌螺子、(5)(5a)……ガスケッ
ト、(6)……気体供給管、(8)……アダプタ、(8a)……ア
ダプタの凹所、(8b)……通気孔、(9)……押え蓋、
（Ｎ₁）（Ｎ₂）……ナット、（０₁）、（０₂）……Ｏリ
ング。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】圧縮気体が送気される気体供給管が液中に
横向き配設され、気体供給管の外周側に漏斗状の複数の
ホルダが該気体供給管の長手方向に沿って配設され、こ
れらホルダの上部開口部に、多数の微細通気孔を有する
散気板が着脱自在に装着されると共に、上記気体供給管
からこれらホルダ内に圧縮空気を供給する散気装置にお
いて、上記ホルダのそれぞれを上記気体供給管に対して
進退自在に付設し、これらホルダそれぞれの下部に、上
記散気板の内側面に向けて圧縮空気を吸込む複数のオリ
フィスを設けたことを特徴とする散気装置。