JPH0649570U - 排水管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】排水管の配設方向や排水管継手の接続作業等に
左右される虞れなく、レリースワイヤ挿通孔を操作レバ
ーの設置側に位置させ得る新規な排水管継手を提供す
る。 【構成】排水金具Ｇに接続する垂直管部２と、排水管Ｈ
を接続する水平管部４とを一体に連設したエルボー管状
の継手本体５において、その垂直管部２周壁にレリース
ワイヤ挿通孔６を三箇所開設する。夫々の挿通孔６に
は、その口縁から継手外方へ向けて突出する短管状の連
結部10を一体に設ける。排水金具Ｇに接続した排水管継
手Ａにおいて、操作レバーＥに最も近い挿通孔６にレリ
ースワイヤーＦを挿通する。その連結部10には漏水防止
用の可撓管Ｊを装着する。残る二箇所の挿通孔６の連結
部10に漏水防止用のキャップＫを装着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は浴槽，洗面器等の器体底部に設けた排水口に接続する排水管継手に関 し、さらに詳しくは、前記排水口に装備する排水栓機構と、該機構の操作部とを 繋ぐレリースワイヤの挿通孔を備えた排水管継手の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、洗面器等の排水口に装備するポップアップ式の排水栓機構が知られ ている。この種排水栓機構は図１に示すように、排水口を塞ぐ栓体と、該栓体を 上下昇降自在に支持する作動部と、カウンター面等に設けた操作レバーと、該レ バーの上下動操作を作動部に伝えるレリースワイヤ等からなる。

【０００３】 排水口の下端側には排水管継手が連結され、前記レリースワイヤはその排水管 継手の周壁に開設した挿通孔に挿通して、操作レバーと作動部を結ぶよう配設さ れる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記排水管継手の二次側接続口には排水管が接続されるので、継手 が図示するようなエルボー管状のものであれば、排水管の配設方向によって挿通 孔の位置が決まることになり、該挿通孔の位置が操作レバーと相反する方向に位 置した場合、レリースワイヤの配設に余分な手間がかかる不具合が生じていた。 また、継手がストレート管状のものであったとしても、排水口への接続時に挿 通孔の位置がずれる虞れがあり、この場合も前記同様の不具合が生じてしまう。

【０００５】 本考案はこのような従来事情に鑑みてなされたものであり、その目的とすると ころは、排水管の配設方向や排水管継手の接続作業等に左右される虞れなく、レ リースワイヤ挿通孔を操作レバーの設置側に位置させ得る新規な排水管継手を提 供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前述の目的を達成するために、本考案に係る排水管継手は、レリースワイヤ挿 通孔を複数開設してなることを特徴とする。尚、レリースワイヤの配設に際し、 レリースワイヤを挿通せる挿通孔には該挿通孔とワイヤの間をシールする適宜な シール構造を介在せしめ、レリースワイヤを挿通しない挿通孔はキャップ等で閉 塞することは云うまでもない。

【０００７】 また後述の理由から、上記夫々の挿通孔口縁から継手外方へ向けて突出する短 管状の連結部を一体に設けることが効果的である。

【０００８】

【作用】

以上の構成によれば、排水管継手が複数の挿通孔を備えることから、それら挿 通孔の中から操作レバーの設置側に最も近い挿通孔を選択するをもって、排水管 の配設方向や排水管継手の接続作業等に左右される虞れなくレリースワイヤを配 設し得る。

【０００９】 また、夫々の挿通孔に短管状の連結部を一体に設けた場合は、レリースワイヤ の配設に際し、レリースワイヤを挿通せる挿通孔の連結部には同ワイヤを被覆す る可撓管等を接続すると共に、レリースワイヤを挿通しない挿通孔の連結部には キャップ等を嵌装着してその挿通孔を閉塞するをもって、極めて容易且つ簡素に 各挿通孔のシールが行える。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案に係る排水管継手の一実施例を図１〜４を参照して説明する。 図１においてＡは本実施例の排水管継手、Ｂは洗面器，浴槽等の器体底壁Ｃに 開設した排水口、Ｄは排水栓機構、Ｅは操作レバー、Ｆはレリースワイヤを表す 。

【００１１】 排水口Ｂは図示の如く段部B1を有するように形成されたもので、内部に排水金 具Ｇが装填される。排水金具Ｇは段部B1にシール材B2を介して係止せる鍔部G1と 、排水口Ｂ下面側に突出する筒部G2外周に螺子部G3を刻設してなり、その筒部G2 に排水管継手Ａが連結される。

【００１２】 本実施例の排水管継手Ａは、排水金具Ｇに接続する一次側接続口１をそなえた 垂直管部２と、排水管Ｈを接続する二次側接続口３を備えた水平管部４とを一体 に連設したエルボー管状の継手本体５において、その垂直管部２周壁にレリース ワイヤ挿通孔６を三箇所開設してなる。

【００１３】 一次側接続口１の外周にはクッション材７を介して器体底壁Ｃに当接する鍔部 ８を設け、同接続口１の内周には排水金具Ｇの螺子部G3に螺合する雌螺子部９を 刻設する。

【００１４】 レリースワイヤ挿通孔６は図３に示すように、垂直管部２周壁における水平管 部４を連設しない側の半部において三箇所、等間隔ごとに開設する。また夫々の 挿通孔６には、その口縁から継手外方へ向けて突出する短管状の連結部10を一体 に設けてある。

【００１５】 夫々の挿通孔６の内の何か一つ、詳しくは、二次側接続口３が排水管Ｈの配管 方向へ向くように排水金具Ｇに接続した排水管継手Ａにおいて、予め設置される 操作レバーＥに最も近い挿通孔６にレリースワイヤーＦが挿通され、且つ同挿通 孔６の連結部10には漏水防止用の可撓管Ｊが装着される。また、残る二箇所の挿 通孔６はその連結部10に漏水防止用のキャップＫを装着するをもって、各々閉塞 される。

【００１６】 排水栓機構Ｄは、排水口Ｂを塞ぐ栓蓋D1、該栓蓋D1を支持する支持軸D2、鋸歯 状の溝と突起の組合せであるスラストロック機構からなり操作レバーの操作で支 持軸D2を交互に上下動させる作動部D3を備えてなり、排水金具Ｇ内に収容状に装 着される。

【００１７】 操作レバーＥは、カウンター面Ｌ等に設置した基部Ｅ’により上下動自在に支 持される。

【００１８】 レリースワイヤＦは、平鋼線等の平線条材で筒状に形成され外周面にビニル等 の合成樹脂材が焼付け等により被覆されたアウタチューブF1と、鋼線等の線条材 でコイル状に形成されアウタチューブF1内に摺動自在に収容される摺動コイルF2 からなる。

【００１９】 レリースワイヤＦは、摺動コイルF2一端を操作レバーＥの下端に接続し、他端 を排水栓機構Ｄの作動部D3に接続せしめて配設するをもって、操作レバーＥの上 下動操作で摺動コイルF2が摺動して作動部D3を作動せしめ、栓蓋D1を昇降動させ る。

【００２０】 図中Ｍは可撓管Ｊ，キャップＫ用の締付バンドである。

【００２１】 尚、排水栓機構Ｄ，操作レバーＥ，レリースワイヤＦ等の構造は上述のものに 限定されず、周知な範囲内での変更は任意である。

【００２２】 以上の構成からなる本実施例の排水管継手Ａによれば、排水管継手Ａが複数の 挿通孔６を備えることから、それら挿通孔６の中から操作レバーＥの設置側に最 も近い挿通孔６を選択するをもって、排水管Ｈの配設方向や排水管継手Ａの接続 作業等に左右される虞れなくレリースワイヤＦを配設し得る。

【００２３】 また、夫々の挿通孔６に短管状の連結部10を一体に設けたことから、レリース ワイヤＦの配設に際し、レリースワイヤＦを挿通せる挿通孔６の連結部10には同 ワイヤを被覆する可撓管Ｊを接続すると共に、レリースワイヤＦを挿通しない挿 通孔６の連結部10にはキャップＫを嵌装着してその挿通孔６を閉塞するをもって 、極めて容易且つ簡素に各挿通孔６のシールが行える。

【００２４】 尚、挿通孔６の数は上記三箇所に限定されず、各挿通孔６の内の何れか二箇所 のみを選択的に開設するようにしても良い。

【００２５】 また、排水管Ｈが排水口Ｂと同軸状に配設される場合は、図示しないが、直管 状の継手本体周壁に複数のレリースワイヤ挿通孔を開設して本考案の排水管継手 を構成する。その際、レリースワイヤ挿通孔は継手本体の周方向に等間隔をおい て二〜四箇所開設し、それら挿通孔の中から操作レバーＥの設置側に最も近い挿 通孔にレリースワイヤＦ，可撓管Ｊを配設し、残りの挿通孔はキャップＫで閉塞 することはいうまでもない。

【００２６】

【考案の効果】

本考案に係る排水管継手は以上説明したように構成したので、排水口に接続し た排水管継手における複数の挿通孔の中から、操作レバーの設置側に最も近い挿 通孔を任意に選択してレリースワイヤを配設することができる。 従って、排水管の配設方向や排水管継手の接続作業等に左右されることなくレ リースワイヤを配設し得、排水管，排水管継手，レリースワイヤ，排水栓機構等 の装備にかかる余分な手間を無くして、その作業性を大幅に向上できる。

【００２７】 さらに、夫々の挿通孔に短管状の連結部を一体に設けることで各挿通孔のシー ルを極めて容易且つ簡素になし得、上述の作業性改善効果をより実効あるものに できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る排水管継手の一実施例を示す縦断
正面図で、設置状態を表す。

【図２】図１に示す排水管継手単体の縦断正面図。

【図３】図２の（３）−（３）線に沿う断面図。

【図４】レリースワイヤを挿通しない挿通孔をキャップ
で閉塞する状態の分解斜視図。

【符号の説明】

Ａ：排水管継手 ５：継手本体 ６：レリ
ースワイヤ挿通孔 10: 連結部 Ｂ：排水口 Ｄ：排水
栓機構 Ｅ：操作レバー Ｆ：レリースワイヤ Ｈ：排水
管 Ｊ：可撓管 Ｋ：キャップ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 レリースワイヤ挿通孔を複数開設してな
   ることを特徴とする排水管継手。
2. 【請求項２】 上記夫々の挿通孔口縁から継手外方へ向
   けて突出する短管状の連結部を一体に設けたことを特徴
   とする請求項１記載の排水管継手。