JPH0648790B2 - エコーキヤンセラ及びセンタクリツパ用制御装置 - Google Patents
エコーキヤンセラ及びセンタクリツパ用制御装置Info
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- JPH0648790B2 JPH0648790B2 JP60101642A JP10164285A JPH0648790B2 JP H0648790 B2 JPH0648790 B2 JP H0648790B2 JP 60101642 A JP60101642 A JP 60101642A JP 10164285 A JP10164285 A JP 10164285A JP H0648790 B2 JPH0648790 B2 JP H0648790B2
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- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04B—TRANSMISSION
- H04B3/00—Line transmission systems
- H04B3/02—Details
- H04B3/20—Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other
- H04B3/23—Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other using a replica of transmitted signal in the time domain, e.g. echo cancellers
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- H04B—TRANSMISSION
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- H04B3/02—Details
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- H04B3/234—Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other using a replica of transmitted signal in the time domain, e.g. echo cancellers using double talk detection
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
- Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 本発明は、受信路と送信路とを含み、受信路に到来する
信号によって送信路にエコー信号が発生し得る電話回線
に挿入されたエコーキャンセラ及びセンタクリッパを制
御する制御装置であって、エコーキャンセラが受信路に
接続したアダプティブフィルタと、送信路における信号
からアダプティブフィルタの出力信号を減算するため送
信路に設けた減算器と、アダプティブフィルタがエコー
信号の近似値を供給するようにアダプティブフィルタの
係数を自動的に調整する係数調整回路とを備え、センタ
クリッパが送信路内の減算器の出力側に接続され、作動
状態に調整されたとき、クリッピングしきい値以下の振
幅を有する減算器の出力端子からの信号を抑圧し、当該
制御装置は受信路における信号およびこの信号のレベル
NREC並びに送信路において減算器の前位及び後位にお
ける信号のレベルNAV及びNAPから形成した制御信号に
よって係数調整回路及びセンタクリッパの動作を制御す
るものに関する。
信号によって送信路にエコー信号が発生し得る電話回線
に挿入されたエコーキャンセラ及びセンタクリッパを制
御する制御装置であって、エコーキャンセラが受信路に
接続したアダプティブフィルタと、送信路における信号
からアダプティブフィルタの出力信号を減算するため送
信路に設けた減算器と、アダプティブフィルタがエコー
信号の近似値を供給するようにアダプティブフィルタの
係数を自動的に調整する係数調整回路とを備え、センタ
クリッパが送信路内の減算器の出力側に接続され、作動
状態に調整されたとき、クリッピングしきい値以下の振
幅を有する減算器の出力端子からの信号を抑圧し、当該
制御装置は受信路における信号およびこの信号のレベル
NREC並びに送信路において減算器の前位及び後位にお
ける信号のレベルNAV及びNAPから形成した制御信号に
よって係数調整回路及びセンタクリッパの動作を制御す
るものに関する。
上記エコーキャンセラにおいてアダプティブフィルタの
目的は、遠端通話者の通話により4線回線の受信路に発
生する信号に応答して、受信路および送信路の間の不所
望なエコー路を通過して送信路に現われるエコー信号の
できるだけ正確な複製信号(擬似エコー信号)を供給す
るにある。エコー路が雑音を発生し得る非線形回路を備
えていない場合には、アダプティブフィルタは、適応期
間後に、減算器においてエコー信号を実際上消去できる
擬似エコー信号を形成することができる。しかしある場
合にはエコー路がアナログ−ディジタル変換又はPCM-差
動PCM変換の如き非線形動作が縦続して行われる箇所と
なることがある。かかる場合にはエコー路において相加
された量子化雑音により、低レベルのエコー信号に対す
るアダプティブフィルタの動作が劣化し、減算器の出力
端子には許容し得ないレベルの残留エコーが発生する。
これは例えば、衛星経由長距離回線において起り、かか
る長距離回線では同一国内のいずれかの場所に設ける2
線−4線結合部の不完全さのために生ずるエコーを消去
するため地上局近くにエコーキャンセラを設ける。
目的は、遠端通話者の通話により4線回線の受信路に発
生する信号に応答して、受信路および送信路の間の不所
望なエコー路を通過して送信路に現われるエコー信号の
できるだけ正確な複製信号(擬似エコー信号)を供給す
るにある。エコー路が雑音を発生し得る非線形回路を備
えていない場合には、アダプティブフィルタは、適応期
間後に、減算器においてエコー信号を実際上消去できる
擬似エコー信号を形成することができる。しかしある場
合にはエコー路がアナログ−ディジタル変換又はPCM-差
動PCM変換の如き非線形動作が縦続して行われる箇所と
なることがある。かかる場合にはエコー路において相加
された量子化雑音により、低レベルのエコー信号に対す
るアダプティブフィルタの動作が劣化し、減算器の出力
端子には許容し得ないレベルの残留エコーが発生する。
これは例えば、衛星経由長距離回線において起り、かか
る長距離回線では同一国内のいずれかの場所に設ける2
線−4線結合部の不完全さのために生ずるエコーを消去
するため地上局近くにエコーキャンセラを設ける。
実際のエコーキャンセラによって抑圧できない残留エコ
ーを減衰させるため、CCITT(国際電信電話諮問委員
会)は送信器内の減算器の出力側に、センタクリッパと
呼ばれる非線形処理回路を設けることを勧告している
(これについては勧告G.165及びスタディ・グループXV
のレポートR.24,アペンディックス3参照)。センタク
リッパは、クリッピングしきい値に等しいか又はそれよ
り低い振幅を有する信号をほぼ抑圧し、かつこのしきい
値より高い振幅を有する信号を送出する回路である。エ
コーキャンセラに関連させたセンタクリッパの目的は、
遠端通話者の単独通話状態においてエコーキャンセラに
よって除去されなかった残留エコーを抑圧して遠端通話
者が自己の通話のエコーを聴取しないようにする一方、
送信路を介して伝送すべき近端通話者の音声信号に対す
る妨害を可能な最小範囲にとどめるにある。
ーを減衰させるため、CCITT(国際電信電話諮問委員
会)は送信器内の減算器の出力側に、センタクリッパと
呼ばれる非線形処理回路を設けることを勧告している
(これについては勧告G.165及びスタディ・グループXV
のレポートR.24,アペンディックス3参照)。センタク
リッパは、クリッピングしきい値に等しいか又はそれよ
り低い振幅を有する信号をほぼ抑圧し、かつこのしきい
値より高い振幅を有する信号を送出する回路である。エ
コーキャンセラに関連させたセンタクリッパの目的は、
遠端通話者の単独通話状態においてエコーキャンセラに
よって除去されなかった残留エコーを抑圧して遠端通話
者が自己の通話のエコーを聴取しないようにする一方、
送信路を介して伝送すべき近端通話者の音声信号に対す
る妨害を可能な最小範囲にとどめるにある。
このセンタクリッパには、エコー残留分のみが入力側に
存在する瞬時にその機能を呈するに最も好適な状態、即
ちセンタクリッパを作動状態に調整し、且つその他の全
状態ににおいて、特に同時通話期間に、又はエコーがエ
コーキャンセラにより充分に除去されない場合にセンタ
クリッパを全信号の伝送に対応する不作動状態に調整す
る制御回路を設ける。このような調整を正しく満足させ
るためにはセンタクリッパをこれらの状態変化の全部に
迅速に応答させる必要がある。
存在する瞬時にその機能を呈するに最も好適な状態、即
ちセンタクリッパを作動状態に調整し、且つその他の全
状態ににおいて、特に同時通話期間に、又はエコーがエ
コーキャンセラにより充分に除去されない場合にセンタ
クリッパを全信号の伝送に対応する不作動状態に調整す
る制御回路を設ける。このような調整を正しく満足させ
るためにはセンタクリッパをこれらの状態変化の全部に
迅速に応答させる必要がある。
又、フィルタ係数調整回路の作動も、特に減算器の出力
信号(補正を制御するエラー信号)が受信信号レベルに
対し有効である場合にのみ補正を正当と認め、同時通話
状態で補正を不作動状態とし、係数の発散を検出した後
係数を零にセットし、係数の零値セット後補正ステップ
を瞬時的に増大する制御回路によって制御する。
信号(補正を制御するエラー信号)が受信信号レベルに
対し有効である場合にのみ補正を正当と認め、同時通話
状態で補正を不作動状態とし、係数の発散を検出した後
係数を零にセットし、係数の零値セット後補正ステップ
を瞬時的に増大する制御回路によって制御する。
或る型の既知のエコーキャンセラ(例えば、コムサット
テクニカルレビュー 第7巻,第2号1977年,第393
〜428頁に記載されたホーナの論文参照)では、センタ
クリッパの制御を、“エコーサプレッサ”として既知の
装置の制御回路と同様に構成すると共にエコーキャンセ
ラとは無関係に行う。即ち、この制御は、受信路の信号
のレベルNREC及び送信路の入力側の信号レベルNAVを
比較することにより行う。信号レベル比NREC/NAVが
高い場合には、遠端通話者のみが通話して、除去すべき
エコーを発生するものとしてセンタクリッパを作動状態
にする。この比がしきい値以下となる場合には近端通話
者のみが通話するか又は同時通話状態が存在するものと
してセンタクリッパを不作動状態に調整する。この基準
は受信路に存在する遠端通話者からの信号によって送信
路の入力側にエコー路に従って可変期間で遅延し得るエ
コーを発生する場合に不所望である。遠端通話者からの
信号が各音節の終端で減少するとき、送信路にまだ著し
いエコーが存在し、従って比NREC/NAVが同時通話状
態の存在を誤判定し、これにより不適当な瞬時にセンタ
クリッパが不作動状態になる。この欠点を除去するため
には作動状態から不作動状態へのセンタクリッパの切換
えを遅延させることも考えられる。しかしこの場合には
近端通話者がこの遅延中に通話を行いたい場合にこの通
話者からの音声信号が劣化するようになる。これがた
め、かかる比NREC/NAVを用いる場合には強い同時通
話を検出し得るだけであり、弱い同時通話状態では近端
通話信号が歪むようになる。
テクニカルレビュー 第7巻,第2号1977年,第393
〜428頁に記載されたホーナの論文参照)では、センタ
クリッパの制御を、“エコーサプレッサ”として既知の
装置の制御回路と同様に構成すると共にエコーキャンセ
ラとは無関係に行う。即ち、この制御は、受信路の信号
のレベルNREC及び送信路の入力側の信号レベルNAVを
比較することにより行う。信号レベル比NREC/NAVが
高い場合には、遠端通話者のみが通話して、除去すべき
エコーを発生するものとしてセンタクリッパを作動状態
にする。この比がしきい値以下となる場合には近端通話
者のみが通話するか又は同時通話状態が存在するものと
してセンタクリッパを不作動状態に調整する。この基準
は受信路に存在する遠端通話者からの信号によって送信
路の入力側にエコー路に従って可変期間で遅延し得るエ
コーを発生する場合に不所望である。遠端通話者からの
信号が各音節の終端で減少するとき、送信路にまだ著し
いエコーが存在し、従って比NREC/NAVが同時通話状
態の存在を誤判定し、これにより不適当な瞬時にセンタ
クリッパが不作動状態になる。この欠点を除去するため
には作動状態から不作動状態へのセンタクリッパの切換
えを遅延させることも考えられる。しかしこの場合には
近端通話者がこの遅延中に通話を行いたい場合にこの通
話者からの音声信号が劣化するようになる。これがた
め、かかる比NREC/NAVを用いる場合には強い同時通
話を検出し得るだけであり、弱い同時通話状態では近端
通話信号が歪むようになる。
ヨーロッパ特許第53202号に記載されているエコーキャ
ンセラではエコーキャンセラの減算器の後段の信号レベ
ルNAPも考慮することによって上述した欠点の幾つかを
除去すると共にセンタクリッパの制御を係数調整回路の
制御と組合せている。これらの制御は、3つの比NAV/
NREC,NAP/NREC及びNAP/NAVを3つのしきい値と
夫々比較することにより得られる3つの基準の簡単な論
理組合せによって決定される。この装置の欠点は柔軟性
がないことである。これがため、エコーキャンセラ及び
センタクリッパの作動を決める上述した3つのしきい値
は妥協値として選定され且つエコーキャンセラの正しい
作動にとって或る状態のもとで不所望となり得る値に固
定する必要がある。同様に制御論理の組合せの性格上、
或る状態のもとでは極めて有効である制御を適当に妥協
させるのが困難となる。
ンセラではエコーキャンセラの減算器の後段の信号レベ
ルNAPも考慮することによって上述した欠点の幾つかを
除去すると共にセンタクリッパの制御を係数調整回路の
制御と組合せている。これらの制御は、3つの比NAV/
NREC,NAP/NREC及びNAP/NAVを3つのしきい値と
夫々比較することにより得られる3つの基準の簡単な論
理組合せによって決定される。この装置の欠点は柔軟性
がないことである。これがため、エコーキャンセラ及び
センタクリッパの作動を決める上述した3つのしきい値
は妥協値として選定され且つエコーキャンセラの正しい
作動にとって或る状態のもとで不所望となり得る値に固
定する必要がある。同様に制御論理の組合せの性格上、
或る状態のもとでは極めて有効である制御を適当に妥協
させるのが困難となる。
本発明の目的は、上述した欠点を除去し且つセンタクリ
ッパ及びエコーキャンセラを極めて良好且つ柔軟性をも
って制御し得る制御装置を提供せんとするにある。
ッパ及びエコーキャンセラを極めて良好且つ柔軟性をも
って制御し得る制御装置を提供せんとするにある。
本発明の制御装置は、レベルNAVを2つの一定レベルN
AV0及びNAV1と比較しかつ比NAP/NAVを、レベルNAV
の関数として変化できるしきい値aと比較する手段を備
え、センタクリッパの動作を制御するためレベルNAVが
2つの一定レベルNAV0及びNAV1の間にある場合だけセ
ンタクリッパを作動状態に調整しかつクリッピングしき
い値をレベルNAVの増加関数に従って変化させるセンタ
クリッパ制御信号を形成するよう構成したことを特徴と
する。
AV0及びNAV1と比較しかつ比NAP/NAVを、レベルNAV
の関数として変化できるしきい値aと比較する手段を備
え、センタクリッパの動作を制御するためレベルNAVが
2つの一定レベルNAV0及びNAV1の間にある場合だけセ
ンタクリッパを作動状態に調整しかつクリッピングしき
い値をレベルNAVの増加関数に従って変化させるセンタ
クリッパ制御信号を形成するよう構成したことを特徴と
する。
本発明の制御装置では、レベルNAVを、レベルNAV0及
びNAV1の間においてレベルNAVに対し連続する数個の
レンジを形成する数個の一定レベルと比較する手段を備
え、各レンジに零以外のクリッピングしきい値を割り当
て、センタクリッパを不作動状態に調整するよう制御す
る必要がある場合、零のクリッピングしきい値情報を供
給し、かつセンタクリッパを作動状態に調整する必要が
ある場合レベルNAVが属するレンジに応じて零以外のク
リッピングしきい値情報を供給するようにセンタクリッ
パ制御信号を形成するようにすると好適である。
びNAV1の間においてレベルNAVに対し連続する数個の
レンジを形成する数個の一定レベルと比較する手段を備
え、各レンジに零以外のクリッピングしきい値を割り当
て、センタクリッパを不作動状態に調整するよう制御す
る必要がある場合、零のクリッピングしきい値情報を供
給し、かつセンタクリッパを作動状態に調整する必要が
ある場合レベルNAVが属するレンジに応じて零以外のク
リッピングしきい値情報を供給するようにセンタクリッ
パ制御信号を形成するようにすると好適である。
実際上、センタクリッパの不作動状態から作動状態への
調整は、所定期間例えば100m秒程遅延するのが有利であ
る。
調整は、所定期間例えば100m秒程遅延するのが有利であ
る。
本発明の特に有利な実施例では、圧縮PCM信号を伝送す
る電話回線に配設されたエコーキャンセラ及びセンタク
リッパを制御する制御装置であって、エコーキャンセラ
が送信路に到来する圧縮信号S′(n)を線形信号S(n)に
変換する入力変換器と、減算器によって供給された線形
信号R(n)をセンタクリッパに供給すべき圧縮信号R′
(n)に変換する出力変換器とを備え、エコーキャンセラ
及びセンタクリッパを制御するのに必要な機能を実現す
るため、同一ブロックを一層少ない数しか使用しないよ
うにする。従って本発明の制御装置では、入力変換器を
時分割方式で使用して受信路における圧縮信号X′(n)
も線形信号X(n)に変換し、変換によって得た線形信号S
(n),X(n)及び減算器によって供給された線形信号R(n)
を時分割方式で計算ユニットに供給し、計算ユニットに
はレベル信号NREC,NAV,NAPを送出する再帰形フィ
ルタを形成するようランダムアクセスメモリを設け、こ
れらレベル信号を信号R(n)と時分割方式で出力変換器に
供給し、出力変換器からレベル比較ユニットに圧縮信号
R′(n)並びに圧縮レベル信号N′REC,N′AV及びN′
APを供給するようにする。
る電話回線に配設されたエコーキャンセラ及びセンタク
リッパを制御する制御装置であって、エコーキャンセラ
が送信路に到来する圧縮信号S′(n)を線形信号S(n)に
変換する入力変換器と、減算器によって供給された線形
信号R(n)をセンタクリッパに供給すべき圧縮信号R′
(n)に変換する出力変換器とを備え、エコーキャンセラ
及びセンタクリッパを制御するのに必要な機能を実現す
るため、同一ブロックを一層少ない数しか使用しないよ
うにする。従って本発明の制御装置では、入力変換器を
時分割方式で使用して受信路における圧縮信号X′(n)
も線形信号X(n)に変換し、変換によって得た線形信号S
(n),X(n)及び減算器によって供給された線形信号R(n)
を時分割方式で計算ユニットに供給し、計算ユニットに
はレベル信号NREC,NAV,NAPを送出する再帰形フィ
ルタを形成するようランダムアクセスメモリを設け、こ
れらレベル信号を信号R(n)と時分割方式で出力変換器に
供給し、出力変換器からレベル比較ユニットに圧縮信号
R′(n)並びに圧縮レベル信号N′REC,N′AV及びN′
APを供給するようにする。
図面につき本発明を説明する。
第1図は、例えばPCM符号化信号を伝送し得、各PCM信号
路を の速度でサンプルする電話伝送回路の4線部分に含まれ
るエコーキャンセラ1を示す。説明の便宜上、所望のタ
イミング回路及び信号は図示せず、PCM信号を線形信号
に変換し且つその逆に変換する変換器も図示しない。か
かるエコーキャンセラ1は例えば衛星経由長距離回線の
地上局の近くに配置することができる。4線回線は入力
端子(入力ポート)3に衛星信号路を経て遠端通話者か
らの音声信号X(t)を受信する受信路2を備える。この音
声信号は受信路2の出力端子(出力ポート)4を経て同
一国内の近端通話者に伝送する必要があり、同一国内に
おける電話機5は2線回線6を経て接続する。4線回線
の送信路7は、その入力端子8にエコーの存在しない場
合に近端加入者の音声信号Y(t)により構成される信号S
(t)を受信し、この信号は送信路の出力端子9を経て遠
端加入者の電話機に伝送する必要がある。近端加入者の
4線回線2,7及び2線回線6の接続部においてこの加
入者に最も近い2線−4線結合回路の不完全動作のた
め、遠端加入者からの信号X(t)によって送信路の入力端
子8に寄生エコー信号Z(t)を発生し、この信号が近端通
話者の音声信号Y(t)に重量されると共に出力端子9を経
て遠端加入者の電話機に伝送される。
路を の速度でサンプルする電話伝送回路の4線部分に含まれ
るエコーキャンセラ1を示す。説明の便宜上、所望のタ
イミング回路及び信号は図示せず、PCM信号を線形信号
に変換し且つその逆に変換する変換器も図示しない。か
かるエコーキャンセラ1は例えば衛星経由長距離回線の
地上局の近くに配置することができる。4線回線は入力
端子(入力ポート)3に衛星信号路を経て遠端通話者か
らの音声信号X(t)を受信する受信路2を備える。この音
声信号は受信路2の出力端子(出力ポート)4を経て同
一国内の近端通話者に伝送する必要があり、同一国内に
おける電話機5は2線回線6を経て接続する。4線回線
の送信路7は、その入力端子8にエコーの存在しない場
合に近端加入者の音声信号Y(t)により構成される信号S
(t)を受信し、この信号は送信路の出力端子9を経て遠
端加入者の電話機に伝送する必要がある。近端加入者の
4線回線2,7及び2線回線6の接続部においてこの加
入者に最も近い2線−4線結合回路の不完全動作のた
め、遠端加入者からの信号X(t)によって送信路の入力端
子8に寄生エコー信号Z(t)を発生し、この信号が近端通
話者の音声信号Y(t)に重量されると共に出力端子9を経
て遠端加入者の電話機に伝送される。
エコー信号の経路を4線回線の入出力端子4及び8間且
つ近端加入者の2線回線6に接続されたブロック10によ
って示す。
つ近端加入者の2線回線6に接続されたブロック10によ
って示す。
送信路のエコー信号Z(t)を消去するための従来の装置は
入力端子が受信路2に接続されたアダプティブフィルタ
11を備えるエコーキャンセラによって構成する。このフ
ィルタはエコー路のパルス応答期間に少なくとも等しい
期間NT(Tはサンプリング周期)中に発生する受信路
の信号X(t)のN個の連続サンプルを記憶する遅延装置を
備える。又、このフィルタ11は、実際上期間NT中エコー
路のパルス応答のサンプルに等しくなるように信号X(t)
の上述したサンプルと係数調整回路12により自動的に調
整すべきN個の係数との間でたたみ込み積分動作を行う
計算装置を備える。この計算装置を設ける場合にはフィ
ルタ11からの は不所望なエコー信号Z(t)をほぼ正確に表わすようにな
る。このエコー信号を消去するために減算器13を設け、
その正端子を送信路の入力端子8に接続し、負端子をフ
ィルタ11の出力端子に接続し、出力端子から信号R(t)を
発生し得るようにする。フィルタ11の係数を調整する回
路12にこの信号R(t)を用いる。これがため、各々が正又
は負の係数補正ステップを発生する順次の相互動作(イ
ンターアクシアン)により一般に作動する制御ループを
得ることができる。予定数の相互動作の後これら係数は
その理想値に収束して信号R(t)は実際上エコーとは無関
係となる。この信号R(t)は近端加入者の無音声期間でほ
ぼ零値となり、音声期間では信号Y(t)にほぼ等しくな
る。
入力端子が受信路2に接続されたアダプティブフィルタ
11を備えるエコーキャンセラによって構成する。このフ
ィルタはエコー路のパルス応答期間に少なくとも等しい
期間NT(Tはサンプリング周期)中に発生する受信路
の信号X(t)のN個の連続サンプルを記憶する遅延装置を
備える。又、このフィルタ11は、実際上期間NT中エコー
路のパルス応答のサンプルに等しくなるように信号X(t)
の上述したサンプルと係数調整回路12により自動的に調
整すべきN個の係数との間でたたみ込み積分動作を行う
計算装置を備える。この計算装置を設ける場合にはフィ
ルタ11からの は不所望なエコー信号Z(t)をほぼ正確に表わすようにな
る。このエコー信号を消去するために減算器13を設け、
その正端子を送信路の入力端子8に接続し、負端子をフ
ィルタ11の出力端子に接続し、出力端子から信号R(t)を
発生し得るようにする。フィルタ11の係数を調整する回
路12にこの信号R(t)を用いる。これがため、各々が正又
は負の係数補正ステップを発生する順次の相互動作(イ
ンターアクシアン)により一般に作動する制御ループを
得ることができる。予定数の相互動作の後これら係数は
その理想値に収束して信号R(t)は実際上エコーとは無関
係となる。この信号R(t)は近端加入者の無音声期間でほ
ぼ零値となり、音声期間では信号Y(t)にほぼ等しくな
る。
又、フィルタ係数の補正、この補正の阻止、係数の零値
へのセット、発散状態における補正動作の加速のために
係数調整回路12に接続線14を経て制御信号を供給し、こ
の制御信号は後述するように発生させる。
へのセット、発散状態における補正動作の加速のために
係数調整回路12に接続線14を経て制御信号を供給し、こ
の制御信号は後述するように発生させる。
しかし、前述したようにエコーキャンセラはエコー路10
で非線形動作を行わない場合にエコーを正しく消去する
ことができるだけである。このエコー路は同一国内でも
充分長くする場合があるため数回の非線形信号変換を行
う場合もあり、これにより不所望な量子化雑音を発生す
ると共に信号R(t)に妨害残留エコーレベルを生ぜしめる
ようになる。
で非線形動作を行わない場合にエコーを正しく消去する
ことができるだけである。このエコー路は同一国内でも
充分長くする場合があるため数回の非線形信号変換を行
う場合もあり、これにより不所望な量子化雑音を発生す
ると共に信号R(t)に妨害残留エコーレベルを生ぜしめる
ようになる。
この残留エコー信号を極めて低く且つ非妨害レベルとす
るためにはCCITT勧告では送信路の減算器13の出力側の
後段に、作動状態において第2図に示す伝達特性に従っ
て非線形動作を行うセンタクリッパ15を設けることを勧
告している。第2図から明らかなようにクリッピングし
きい値Sに等しいかこれよりも低い振幅VEを有する入
力信号の全部に対し、出力信号VSの振幅は零となる。
しきい値Sより高い振幅VEを有する入力信号は変更す
ることなく出力側に伝送される。不作動状態ではセンタ
クリッパによって、第2図に点線で示すように変更する
ことなく全部の信号を伝送する必要がある。
るためにはCCITT勧告では送信路の減算器13の出力側の
後段に、作動状態において第2図に示す伝達特性に従っ
て非線形動作を行うセンタクリッパ15を設けることを勧
告している。第2図から明らかなようにクリッピングし
きい値Sに等しいかこれよりも低い振幅VEを有する入
力信号の全部に対し、出力信号VSの振幅は零となる。
しきい値Sより高い振幅VEを有する入力信号は変更す
ることなく出力側に伝送される。不作動状態ではセンタ
クリッパによって、第2図に点線で示すように変更する
ことなく全部の信号を伝送する必要がある。
センタクリッパ15には接続線16を経て制御信号を供給す
る。この制御信号によって、減算器13の出力側にエコー
キャンセラにより除去されない残留エコーが存在する場
合にのみセンタクリッパを作動状態に調整すると共にそ
の他の全ての場合にセンタクリッパを不作動状態に調整
し得るようにする。
る。この制御信号によって、減算器13の出力側にエコー
キャンセラにより除去されない残留エコーが存在する場
合にのみセンタクリッパを作動状態に調整すると共にそ
の他の全ての場合にセンタクリッパを不作動状態に調整
し得るようにする。
既知のエコーキャンセラ(例えばホーナによる前記論文
参照)ではセンタクリッパはエコーキャンセラにより供
給される情報を用いることなく、エコーキャンセラとは
無関係に制御するようにしている。実際上、センタクリ
ッパは受信路の信号レベルNRECと送信路の入力側の信
号レベルNAVとを比較することにより制御し、これらレ
ベルNREC及びNAVを積分回路17及び18により供給する
ようにしている。かかる装置によれは特に、センタクリ
ッパを不作動状態とする必要のある同時通話状態を正し
く検出できないという欠点がある。
参照)ではセンタクリッパはエコーキャンセラにより供
給される情報を用いることなく、エコーキャンセラとは
無関係に制御するようにしている。実際上、センタクリ
ッパは受信路の信号レベルNRECと送信路の入力側の信
号レベルNAVとを比較することにより制御し、これらレ
ベルNREC及びNAVを積分回路17及び18により供給する
ようにしている。かかる装置によれは特に、センタクリ
ッパを不作動状態とする必要のある同時通話状態を正し
く検出できないという欠点がある。
欧州特許第53202号に開示されている装置は、センタク
リッパ及びエコーキャンセラの制御のために、上記2つ
のレベルNREC及びNAVに加えて減算器13によりエコー消
去が行われた後の送信路中の信号のレベルNAPを使用し
ている。このレベルNAPは積分回路19により発生させ
る。この装置はセンタクリッパとエコーキャンセラの制
御に同一の基準(組合せ論理)を使用しているので、こ
れら2つの装置を最適に制御し得ないという欠点を有し
ている。
リッパ及びエコーキャンセラの制御のために、上記2つ
のレベルNREC及びNAVに加えて減算器13によりエコー消
去が行われた後の送信路中の信号のレベルNAPを使用し
ている。このレベルNAPは積分回路19により発生させ
る。この装置はセンタクリッパとエコーキャンセラの制
御に同一の基準(組合せ論理)を使用しているので、こ
れら2つの装置を最適に制御し得ないという欠点を有し
ている。
本発明はセンタクリッパとエコーキャンセラを別個の判
定基準を用いて制御する制御装置20を提供するものであ
る。第1図に示すブロック図に従って、センタクリッパ
の制御の判定に必要とされる情報はブロック21において
レベルNAV及びNAPから形成し、エコーキャンセラの係数
の補正の制御の判定に必要とされる情報はブロック22に
おいてレベルNAV,NAP,NREC及び信号R(t)から形成し、
最后にこれら係数を零にリセットする旨の判定に必要と
される情報はブロック23においてレベルNAV及びNAPから
形成する。ブロック21,22及び23で得られた情報から逐
次論理回路(シーケンシャルロジック)24が、接続線16
を経てセンタクリッパに供給する制御信号を発生すると
共に接続線14を経て係数調整回路12に供給する制御信号
を発生する。後述する制御装置の有利な実施例において
は、ブロック21,22及び23における各別の機能を同一の
演算回路と同一のメモリを用いて実現することができ
る。
定基準を用いて制御する制御装置20を提供するものであ
る。第1図に示すブロック図に従って、センタクリッパ
の制御の判定に必要とされる情報はブロック21において
レベルNAV及びNAPから形成し、エコーキャンセラの係数
の補正の制御の判定に必要とされる情報はブロック22に
おいてレベルNAV,NAP,NREC及び信号R(t)から形成し、
最后にこれら係数を零にリセットする旨の判定に必要と
される情報はブロック23においてレベルNAV及びNAPから
形成する。ブロック21,22及び23で得られた情報から逐
次論理回路(シーケンシャルロジック)24が、接続線16
を経てセンタクリッパに供給する制御信号を発生すると
共に接続線14を経て係数調整回路12に供給する制御信号
を発生する。後述する制御装置の有利な実施例において
は、ブロック21,22及び23における各別の機能を同一の
演算回路と同一のメモリを用いて実現することができ
る。
先ず、本発明装置においてセンタクリッパを制御するの
に使用する判定基準について詳細に説明する。
に使用する判定基準について詳細に説明する。
センタクリッパを作動させる旨の判定は第3図に示すグ
ラフに従ってレベルNAVの値及び比NAP/NAVの値に基づい
て行なわれる。このグラフにおいてレベルNAV及びNAPは
それぞれ横軸及び縦軸にdBm0単位でプロットしてある。
レベルNAVが固定レベルNAV0より低い領域Zoにおいては
センタクリッパは不作動状態に調整する必要がある。2
つの固定レベルNAV0とNAVIとの間に含まれるレベルNAV
の値に対してはセンタクリッパはNAVの関数として変化
し得るしきい値aに対する比NAP/NAVの値に応じて作動
状態か不作動状態に調整されるように制御する必要があ
る。このしきい値aを一層正確に定めるために座標(N
AV0,NAP0)を有する点Aと座標(NAV1,NAP1)を有す
る点Bを定める。座標(NAV,NAP)を有する点が線分AB
の下側領域ZA内に位置するとき(比NAP/NAVの値が低い
とき)はセンタクリッパは作動状態に調整する必要があ
る。点(NAP,NAV)が線分ABの上側領域ZI内に位置する
ときはセンタクリッパは不作動状態に調整する必要があ
る。最后にレベルNAVが固定レベルNAV1より高い領域ZJ
においてはセンタクリッパは不作動状態に調整する必要
がある。更に、本発明制御装置は作動領域ZA内におい
て、クリッピングしきい値SをレベルNAVの増加関数に
従って変化せしめる制御信号をセンタクリッパに供給す
るようにする必要がある。センタクリッパを不作動にす
る必要のある領域においては制御信号はしきい値Sを零
にするものとすればよい。
ラフに従ってレベルNAVの値及び比NAP/NAVの値に基づい
て行なわれる。このグラフにおいてレベルNAV及びNAPは
それぞれ横軸及び縦軸にdBm0単位でプロットしてある。
レベルNAVが固定レベルNAV0より低い領域Zoにおいては
センタクリッパは不作動状態に調整する必要がある。2
つの固定レベルNAV0とNAVIとの間に含まれるレベルNAV
の値に対してはセンタクリッパはNAVの関数として変化
し得るしきい値aに対する比NAP/NAVの値に応じて作動
状態か不作動状態に調整されるように制御する必要があ
る。このしきい値aを一層正確に定めるために座標(N
AV0,NAP0)を有する点Aと座標(NAV1,NAP1)を有す
る点Bを定める。座標(NAV,NAP)を有する点が線分AB
の下側領域ZA内に位置するとき(比NAP/NAVの値が低い
とき)はセンタクリッパは作動状態に調整する必要があ
る。点(NAP,NAV)が線分ABの上側領域ZI内に位置する
ときはセンタクリッパは不作動状態に調整する必要があ
る。最后にレベルNAVが固定レベルNAV1より高い領域ZJ
においてはセンタクリッパは不作動状態に調整する必要
がある。更に、本発明制御装置は作動領域ZA内におい
て、クリッピングしきい値SをレベルNAVの増加関数に
従って変化せしめる制御信号をセンタクリッパに供給す
るようにする必要がある。センタクリッパを不作動にす
る必要のある領域においては制御信号はしきい値Sを零
にするものとすればよい。
上述のように制御されるセンタクリッパによれば、残留
エコーの良好な抑圧が所要の状態において得られると共
に、近端通話者の音声信号の伝送が妨害される程度が最
低になる。実際上、レベルNAVの値はセンタクリッパの
動作の有効性を決めるパラメータであり、レベルNAVが
低すぎる場合(NAV0以下)にはエコーキャンセラの出力
端子における残留エコーのレベルは知覚し得ない程小さ
いのでセンタクリッパは有用ではなくなり、レベルNAV
が高すぎる場合(NAV1以上)には送信路の信号がディジ
タルPCM伝送のローディング能力を越えてしまう(非直
線性の発生)。他方、センタクリッパは遠端通話者の単
独通話の状態及びエコーキャンセラの収束が進行した状
態においてのみ動作させる必要がある(センタクリッパ
はエコーキャンセラにより与えられたエコー減衰が十分
でない場合にその機能を果すことができない)。これら
の2つの状態は低い比NAP/NAV(しきい値a以下)によ
り特徴づけられる。これら状態の一方が満たされない場
合(両方向同時通話又は不十分な収束状態)、エコーキ
ャンセラの後位及び前位でのレベルNAP及びNAVは互いに
遅延を示さないため、比NAP/NAVが瞬間的に増大する。
このときセンタクリッパは直ちに不作動状態になり、同
時通話の検出時に既知のセンタクリッパにおいて生ずる
応答遅れの問題を避けることができる。最后に、本発明
の実施例ではクリッピングしきい値SをレベルNAVの増
加関数に従って変化せしめるため、慎重に選択した変化
法則を用いてセンタクリッパの動作を、厳密に必要とさ
れる場合に制限してセンタクリッパの有害な作用を大幅
に低減することができる。
エコーの良好な抑圧が所要の状態において得られると共
に、近端通話者の音声信号の伝送が妨害される程度が最
低になる。実際上、レベルNAVの値はセンタクリッパの
動作の有効性を決めるパラメータであり、レベルNAVが
低すぎる場合(NAV0以下)にはエコーキャンセラの出力
端子における残留エコーのレベルは知覚し得ない程小さ
いのでセンタクリッパは有用ではなくなり、レベルNAV
が高すぎる場合(NAV1以上)には送信路の信号がディジ
タルPCM伝送のローディング能力を越えてしまう(非直
線性の発生)。他方、センタクリッパは遠端通話者の単
独通話の状態及びエコーキャンセラの収束が進行した状
態においてのみ動作させる必要がある(センタクリッパ
はエコーキャンセラにより与えられたエコー減衰が十分
でない場合にその機能を果すことができない)。これら
の2つの状態は低い比NAP/NAV(しきい値a以下)によ
り特徴づけられる。これら状態の一方が満たされない場
合(両方向同時通話又は不十分な収束状態)、エコーキ
ャンセラの後位及び前位でのレベルNAP及びNAVは互いに
遅延を示さないため、比NAP/NAVが瞬間的に増大する。
このときセンタクリッパは直ちに不作動状態になり、同
時通話の検出時に既知のセンタクリッパにおいて生ずる
応答遅れの問題を避けることができる。最后に、本発明
の実施例ではクリッピングしきい値SをレベルNAVの増
加関数に従って変化せしめるため、慎重に選択した変化
法則を用いてセンタクリッパの動作を、厳密に必要とさ
れる場合に制限してセンタクリッパの有害な作用を大幅
に低減することができる。
第3図のグラフにおける区間(NAV0/NAV1)内の比NAP/N
AVの可変しきい値aを定める点A及びBの座標は、近端
通話者の干渉の精密な検出を可能にすると共に会話中の
全ての単独通話状態における残留エコーを除去し得るよ
うに選択することができる。例えば、点Aとして座標N
AV0=-40dBm0,NAP0=-52dBm0を選択することができ
(この点は比NAP0/NAV0=-12dBに対応する)、点Bとし
て座標NAV1=-4dBm0,NAP1=-18dBm0を選択することが
できる(この点は比NAP1/NAV1=-14dBに対応する)。
AVの可変しきい値aを定める点A及びBの座標は、近端
通話者の干渉の精密な検出を可能にすると共に会話中の
全ての単独通話状態における残留エコーを除去し得るよ
うに選択することができる。例えば、点Aとして座標N
AV0=-40dBm0,NAP0=-52dBm0を選択することができ
(この点は比NAP0/NAV0=-12dBに対応する)、点Bとし
て座標NAV1=-4dBm0,NAP1=-18dBm0を選択することが
できる(この点は比NAP1/NAV1=-14dBに対応する)。
レベルNAVの関数として変化するセンタクリッパのクリ
ッピングしきい値Sを得るには、実際にはセンタクリッ
パを作動状態に制御する必要のある区間NAV0,NAV1をレ
ベルNAVの数個のレンジに分割して各レンジにクリッピ
ングしきい値を割当てるようにすればよい。センタクリ
ッパの動作とクリッピングしきい値の同時制御をどのよ
うにすれば簡単に行なえるかを第4図のグラフを参照し
て説明する。このグラフには第3図のグラフを部分的に
示してあり、センタクリッパを不作動状態に調整する必
要のある領域Z0と、センタクリッパを不作動状態に調整
する必要のある領域Z1及びZJをカバーする領域Z8を示し
てある。しかし、センタクリッパの作動領域ZAはレベル
NAVの順次増大する値で区分された7個の領域Z1〜Z7に
分割してある。これら領域Z1〜Z7には零でない順次増大
するクリッピングしきい値を割当てる。センタクリッパ
を作動させる旨の判定がなされる瞬時においてはクリッ
ピングしきい値Sは座標NAV,NAPを有する点が属する領
域の関数として固定される。
ッピングしきい値Sを得るには、実際にはセンタクリッ
パを作動状態に制御する必要のある区間NAV0,NAV1をレ
ベルNAVの数個のレンジに分割して各レンジにクリッピ
ングしきい値を割当てるようにすればよい。センタクリ
ッパの動作とクリッピングしきい値の同時制御をどのよ
うにすれば簡単に行なえるかを第4図のグラフを参照し
て説明する。このグラフには第3図のグラフを部分的に
示してあり、センタクリッパを不作動状態に調整する必
要のある領域Z0と、センタクリッパを不作動状態に調整
する必要のある領域Z1及びZJをカバーする領域Z8を示し
てある。しかし、センタクリッパの作動領域ZAはレベル
NAVの順次増大する値で区分された7個の領域Z1〜Z7に
分割してある。これら領域Z1〜Z7には零でない順次増大
するクリッピングしきい値を割当てる。センタクリッパ
を作動させる旨の判定がなされる瞬時においてはクリッ
ピングしきい値Sは座標NAV,NAPを有する点が属する領
域の関数として固定される。
次の表Iは領域Z1〜Z7を限定するレベルNAVの値と、こ
れら領域に対するクリッピングしきい値の値の一例を示
す。
れら領域に対するクリッピングしきい値の値の一例を示
す。
座標(NAP,NAV)を有する点が領域Z0又はZ8に属する場
合、センタクリッパを不作動状態にする必要があり、先
に述べたようにこれはクリッピングしきい値を零値に固
定することにより達成することができる。上記例の零で
ないしきい値に対応する7個の領域Z1〜Z7の場合には、
センタクリッパの全制御を、3ビットの数を用いて零値
を含む8つのクリッピングしきい値を制御し得るように
することにより行うことができる。
合、センタクリッパを不作動状態にする必要があり、先
に述べたようにこれはクリッピングしきい値を零値に固
定することにより達成することができる。上記例の零で
ないしきい値に対応する7個の領域Z1〜Z7の場合には、
センタクリッパの全制御を、3ビットの数を用いて零値
を含む8つのクリッピングしきい値を制御し得るように
することにより行うことができる。
最后に、エコーキャンセラの収束と関連する単独通話状
態が、センタクリッパが領域Z8で決まる不作動状態にあ
るとき(同時通話又はエコーキャンセラが収束しない状
態)に検出された場合には、センタクリッパの領域Z1〜
Z7の一つで決まる作動状態への調整を100ms程度の時間
だけ遅延させるのが有利であることが確かめられた。こ
の遅延により、真の単独通話状態への復帰を可能にする
と共にエコーキャンセラが収束の進んだ状態に復帰する
時間を与えるようにする。
態が、センタクリッパが領域Z8で決まる不作動状態にあ
るとき(同時通話又はエコーキャンセラが収束しない状
態)に検出された場合には、センタクリッパの領域Z1〜
Z7の一つで決まる作動状態への調整を100ms程度の時間
だけ遅延させるのが有利であることが確かめられた。こ
の遅延により、真の単独通話状態への復帰を可能にする
と共にエコーキャンセラが収束の進んだ状態に復帰する
時間を与えるようにする。
次に、エコーキャンセラの係数調整回路を制御するのに
用いる判定基準について説明する。この制御は3つの別
個の動作を含む。
用いる判定基準について説明する。この制御は3つの別
個の動作を含む。
第1の動作は、サンプリング瞬時nT(nはサンプリング
瞬時を決める整数)における係数の補正を、エコーキャ
ンセラにより供給される信号R(t)のサンプルR(n)(こ
れにより各係数の補正の大きさが決まる)が予定の最小
レベルより高くなるまで及び、受信路中の信号のレベル
NRECに対しかなり大きくなるまで、行うことができない
ようにすることにある。実際には、エコーキャンセラの
係数は計算又は量子化雑音に基づいて変化させてはなら
ない。係数の補正を行わせる2つの条件は次の関係式で
表わせる。
瞬時を決める整数)における係数の補正を、エコーキャ
ンセラにより供給される信号R(t)のサンプルR(n)(こ
れにより各係数の補正の大きさが決まる)が予定の最小
レベルより高くなるまで及び、受信路中の信号のレベル
NRECに対しかなり大きくなるまで、行うことができない
ようにすることにある。実際には、エコーキャンセラの
係数は計算又は量子化雑音に基づいて変化させてはなら
ない。係数の補正を行わせる2つの条件は次の関係式で
表わせる。
R(n)>R0 (1) R(n)/NREC>b (2) ここにR0は最小レベルを定める一定値、bはエコーキャ
ンセラにより導入される計算雑音に基づいて実際に決ま
る一定値である。
ンセラにより導入される計算雑音に基づいて実際に決ま
る一定値である。
他方、エコーキャンセラにより処理される信号がPCM信
号であるときは、係数の補正を、受信信号のレベルがPC
M符号により導入される量子化雑音に関して一定の信号
対雑音比を許容する範囲(N1,N2)内になるまで行わせ
ないようにして受信信号を妨害する量子化雑音に比例す
る補正誤差を制御するようにする。この係数の補正を行
わせるための条件は次の関係式で表わせる。
号であるときは、係数の補正を、受信信号のレベルがPC
M符号により導入される量子化雑音に関して一定の信号
対雑音比を許容する範囲(N1,N2)内になるまで行わせ
ないようにして受信信号を妨害する量子化雑音に比例す
る補正誤差を制御するようにする。この係数の補正を行
わせるための条件は次の関係式で表わせる。
NREC0<NREC<NREC1 (3) 最后に、係数の補正は強い同時通話の瞬時に禁止させる
(この同時通話状態は受信路の出力端子におけるレベル
NRECに対しかなり大きい送信路の入力端子のレベルNAV
と、このレベルNAVと同程度のレベルNAPとで表され
る)。これがため、エコー消去作用(係数の初期化後の
数十ミリ秒後に得られる)が極めて弱い場合でも同時通
話X(n)の誤検出は生じない。この係数補正禁止条件は次
の2つの関係式で表わせる。
(この同時通話状態は受信路の出力端子におけるレベル
NRECに対しかなり大きい送信路の入力端子のレベルNAV
と、このレベルNAVと同程度のレベルNAPとで表され
る)。これがため、エコー消去作用(係数の初期化後の
数十ミリ秒後に得られる)が極めて弱い場合でも同時通
話X(n)の誤検出は生じない。この係数補正禁止条件は次
の2つの関係式で表わせる。
NAV/NREC>c NAP/NAV>d (4) ここに、cは例えば-5dBに等しく、dは例えば-3dBに等
しい。
しい。
係数の補正を阻止することは外部制御により行なうこと
もできる。
もできる。
第2の動作は係数が零にリセットされた後に係数の補正
を簡単に加速(スピードアップ)することにある。実際
には、斯る零へのリセット動作後に、エコーキャンセラ
はエコーをできるだけ速く減衰して遠端通話者が自分の
エコーをできるだけ短かい時間だけしか聞こえないよう
にするのが重要である。これがため、係数が制限期間TP
OS中に零にリセットされた後できるだけ早く常規(ノー
マル)動作値より高い値を補正振幅に与えることにより
係数補正動作の加速即ち一層の高速化を達成する。
を簡単に加速(スピードアップ)することにある。実際
には、斯る零へのリセット動作後に、エコーキャンセラ
はエコーをできるだけ速く減衰して遠端通話者が自分の
エコーをできるだけ短かい時間だけしか聞こえないよう
にするのが重要である。これがため、係数が制限期間TP
OS中に零にリセットされた後できるだけ早く常規(ノー
マル)動作値より高い値を補正振幅に与えることにより
係数補正動作の加速即ち一層の高速化を達成する。
最後の第3動作は係数の発散が時間TDIV中に検出された
後に係数を零にリセットすることである。この動作の目
的は、例えばエコー路中でのエコーの急激な変化によっ
て係数の適応誤りが起った場合にエコーキャンセラがエ
コーを増幅しないようにすることである。この零リセッ
ト動作の終了時に、新たに適応させる係数を急速に形成
する為に前述したように係数の補正を加速モードで行な
う。係数の発散はレベルNAP及びNAVを互いに比較するこ
とにより検出しうること明らかである。次式(5)および
(6)の関係が満足される場合に係数の発散状態が検出さ
れる。
後に係数を零にリセットすることである。この動作の目
的は、例えばエコー路中でのエコーの急激な変化によっ
て係数の適応誤りが起った場合にエコーキャンセラがエ
コーを増幅しないようにすることである。この零リセッ
ト動作の終了時に、新たに適応させる係数を急速に形成
する為に前述したように係数の補正を加速モードで行な
う。係数の発散はレベルNAP及びNAVを互いに比較するこ
とにより検出しうること明らかである。次式(5)および
(6)の関係が満足される場合に係数の発散状態が検出さ
れる。
NAP/NAV>1+ε………(5) NAV>NAV0………(6) ここに、εは1よりも小さく、NAV0は例えば-40dBm0に
等しい。
等しい。
係数を零にリセットするのは外部制御により制御するこ
ともできる。ブロック21,22,23で形成した係数調整回路
及びセンタクリッパの制御決定に用いるべき基準は逐次
論理回路24に供給され、全体が第5及び6図の流れ図に
よって表わされた機能に応じて協働し、以下のように分
離しうる6つの異なる種類の情報信号を発生する。
ともできる。ブロック21,22,23で形成した係数調整回路
及びセンタクリッパの制御決定に用いるべき基準は逐次
論理回路24に供給され、全体が第5及び6図の流れ図に
よって表わされた機能に応じて協働し、以下のように分
離しうる6つの異なる種類の情報信号を発生する。
4種類の出力型の情報信号: −式(1)〜(4)によって決定される基準の関数としてエコ
ーキャンセラの係数の補正を認定したり、認定しなかっ
たりする2進情報信号CORR。この情報信号CORRはデジタ
ル電話回線の各サンプリング期間(T=125秒)中に更
新される。
ーキャンセラの係数の補正を認定したり、認定しなかっ
たりする2進情報信号CORR。この情報信号CORRはデジタ
ル電話回線の各サンプリング期間(T=125秒)中に更
新される。
−上述した条件の下で係数の加速された補正を制御した
り、制御しなかったりする2進情報信号POSTRAZ。この
情報信号POSTRAZは周期MT(例えばM=64、MT=8m
秒)で更新される。
り、制御しなかったりする2進情報信号POSTRAZ。この
情報信号POSTRAZは周期MT(例えばM=64、MT=8m
秒)で更新される。
−係数を零にリセットする作動を制御したり、制御しな
かったりする2進情報信号RAZ。この情報信号RAZは係数
の発散が時間TDIV中に検出された後(式(5)および(6)が
満足された場合DIV=1である)、外部制御信号CRAZか
ら得ることができる。情報信号RAZは各サンプリング期
間中に更新される。情報信号CORR,POSTRAZ,RAZは接続線
14を経てエコーキャンセラの係数調整回路12に供給され
る。
かったりする2進情報信号RAZ。この情報信号RAZは係数
の発散が時間TDIV中に検出された後(式(5)および(6)が
満足された場合DIV=1である)、外部制御信号CRAZか
ら得ることができる。情報信号RAZは各サンプリング期
間中に更新される。情報信号CORR,POSTRAZ,RAZは接続線
14を経てエコーキャンセラの係数調整回路12に供給され
る。
−センタクリッパを制御するのに用いられ、各サンプリ
ング周期に更新される情報信号EC。他の説明の中で用い
る第4図に示す例では、9個の可能な領域Z0〜Z8で座標
NAV,NAPを有する点に対して整数であり、0〜8の範囲
のその値は個々の領域Z0〜Z8に相当する。情報ECが4ビ
ットで表わされる場合には、領域Z1〜Z7に対して作動状
態に、領域Z0及びZ8に対して不作動状態に調整する必要
のあるセンタクリッパを制御するのにはこの4ビットの
下位3ビットで充分である。情報ECのこれら下位3ビッ
トは接続線16を経てセンタクリッパに伝達される。EC=
8(領域Z8と関連する点NAV,NAP)を表わすのは情報EC
の最上位ビットで充分であり、これは逐次論理回路を内
部作動させる為にのみ用いられる。
ング周期に更新される情報信号EC。他の説明の中で用い
る第4図に示す例では、9個の可能な領域Z0〜Z8で座標
NAV,NAPを有する点に対して整数であり、0〜8の範囲
のその値は個々の領域Z0〜Z8に相当する。情報ECが4ビ
ットで表わされる場合には、領域Z1〜Z7に対して作動状
態に、領域Z0及びZ8に対して不作動状態に調整する必要
のあるセンタクリッパを制御するのにはこの4ビットの
下位3ビットで充分である。情報ECのこれら下位3ビッ
トは接続線16を経てセンタクリッパに伝達される。EC=
8(領域Z8と関連する点NAV,NAP)を表わすのは情報EC
の最上位ビットで充分であり、これは逐次論理回路を内
部作動させる為にのみ用いられる。
内部使用の為の2つの情報信号: −発散予備検査状態を表わす2進情報信号ANTERAZ。よ
り詳細には、情報信号ANTERAZはDIV=1になると、直ち
に“1”状態になり、期間TDIVの終了時に“0”状態に
なり、この瞬時に情報信号RAZは“1”状態となる。情
報信号ANTERAZは周期MTで更新される。
り詳細には、情報信号ANTERAZはDIV=1になると、直ち
に“1”状態になり、期間TDIVの終了時に“0”状態に
なり、この瞬時に情報信号RAZは“1”状態となる。情
報信号ANTERAZは周期MTで更新される。
−制御情報信号を形成する為に種々の有効な遅延、すな
わち期間TDIV(係数を零にリセットする作動を制御する
のに必要な発散時間)と、期間TPOS(加速係数補正時
間)と、期間TEC(センタクリッパを領域Z8によって決
定される不作動状態から領域Z1〜Z7によって決定される
作動状態に切換える必要がある場合に、このセンタクリ
ッパに対する制御情報ECを遅延させる時間)とを形成す
るのに用いる情報TEMPO。
わち期間TDIV(係数を零にリセットする作動を制御する
のに必要な発散時間)と、期間TPOS(加速係数補正時
間)と、期間TEC(センタクリッパを領域Z8によって決
定される不作動状態から領域Z1〜Z7によって決定される
作動状態に切換える必要がある場合に、このセンタクリ
ッパに対する制御情報ECを遅延させる時間)とを形成す
るのに用いる情報TEMPO。
第5及び第6図の流れ図の説明から明らかとなるよう
に、カウンタ中で形成される情報TEMPOは周期MTで生
じ、この情報は零に等しい値から例えば最大値15まで増
大せしめることができ、その後零にリセットされ、これ
により上述した例では128m秒までの遅延を行ないうる
ようにする。
に、カウンタ中で形成される情報TEMPOは周期MTで生
じ、この情報は零に等しい値から例えば最大値15まで増
大せしめることができ、その後零にリセットされ、これ
により上述した例では128m秒までの遅延を行ないうる
ようにする。
情報TEMPOはセンタクリッパを制御する上で特に重要で
ある。その理由は、この情報は制御情報ECを形成する為
のものであるからである。情報TEMPOは領域Z0およびZ8
によって決定されるあらゆる状態に対し、すなわちエコ
ーキャンセラの収束状態と関連する単独通話状態に相当
しない上述した状態のすべてに対し零以外の値を有す
る。情報TEMPOが零以外の値を有する時間の間、制御情
報ECの下位3ビットは零(センタクリッパの不作動状
態)にする。同時通話状態すなわちエコーキャンセラ発
散状態(この状態は領域Z8に対応する)が検出されると
直ちに、情報TEMPOが1にセットされ、これは各周期T
で起る。その後、エコーキャンセラ収束状態と関連する
単独通話状態(この状態は領域Z1〜Z7に対応する)が検
出されると、情報TEMPOはMT秒毎に値15まで増大させら
れ、その後零にリセットされる。従って、センタクリッ
パを作動状態にセットするのが期間TEC=16MT=128m秒
だけ遅延されたことになる。
ある。その理由は、この情報は制御情報ECを形成する為
のものであるからである。情報TEMPOは領域Z0およびZ8
によって決定されるあらゆる状態に対し、すなわちエコ
ーキャンセラの収束状態と関連する単独通話状態に相当
しない上述した状態のすべてに対し零以外の値を有す
る。情報TEMPOが零以外の値を有する時間の間、制御情
報ECの下位3ビットは零(センタクリッパの不作動状
態)にする。同時通話状態すなわちエコーキャンセラ発
散状態(この状態は領域Z8に対応する)が検出されると
直ちに、情報TEMPOが1にセットされ、これは各周期T
で起る。その後、エコーキャンセラ収束状態と関連する
単独通話状態(この状態は領域Z1〜Z7に対応する)が検
出されると、情報TEMPOはMT秒毎に値15まで増大させら
れ、その後零にリセットされる。従って、センタクリッ
パを作動状態にセットするのが期間TEC=16MT=128m秒
だけ遅延されたことになる。
本発明による制御装置の動作モードを第5および6図の
流れ図につき以下に説明する。
流れ図につき以下に説明する。
第5図において、ブロック100は、各々が整数nで表わ
されるサンプリング周期T(125μ秒)の順次のサンプ
リング時間tを示す。順次のサンプリング期間はモジュ
ロ−mで計数され、従ってm=nモジュロ−Mで表わさ
れる。ここにMは例えば64に等しい。
されるサンプリング周期T(125μ秒)の順次のサンプ
リング時間tを示す。順次のサンプリング期間はモジュ
ロ−mで計数され、従ってm=nモジュロ−Mで表わさ
れる。ここにMは例えば64に等しい。
ブロック101は、(Mの値にかかわらず)制御回路によ
り、係数を零にリセットする外部制御が検出されたか否
か、すなわちCRAZ=1であるか否かをテストすることを
表わす。CRAZ=1である場合、処理(手順)は接続線10
2を経て、第6図に進み、これは後で説明する。係数を
零にリセットする外部制御が検出されない場合には、処
理はブロック103に進む。このブロック102は各サンプリ
ング期間Tで出力情報信号CORRおよびECを更新すること
を表わす。2進情報CORRの更新は、式(1)および(4)の基
準によるR(n),NREC,NAV,NAPの値の関数として、ま
たできれば外部制御の関数として行なう。9状態情報EC
の更新は第4図を用いて決定されるようなNAVおよびNAP
の値の関数として、また以下の説明から明らかとなるよ
うに内部変数TEMPOの関数として行なわれる。
り、係数を零にリセットする外部制御が検出されたか否
か、すなわちCRAZ=1であるか否かをテストすることを
表わす。CRAZ=1である場合、処理(手順)は接続線10
2を経て、第6図に進み、これは後で説明する。係数を
零にリセットする外部制御が検出されない場合には、処
理はブロック103に進む。このブロック102は各サンプリ
ング期間Tで出力情報信号CORRおよびECを更新すること
を表わす。2進情報CORRの更新は、式(1)および(4)の基
準によるR(n),NREC,NAV,NAPの値の関数として、ま
たできれば外部制御の関数として行なう。9状態情報EC
の更新は第4図を用いて決定されるようなNAVおよびNAP
の値の関数として、また以下の説明から明らかとなるよ
うに内部変数TEMPOの関数として行なわれる。
次に処理はブロック104へ進み、このブロックは、順次
のサンプリング期間の中でどのサンプリング期間が周期
MT(8m秒)で生じるm=0に相当するかを制御回路に
より検査することを表わす。m=0であるサンプリング
期間に対して処理は接続線105を経て後に説明する第6
図に進む。
のサンプリング期間の中でどのサンプリング期間が周期
MT(8m秒)で生じるm=0に相当するかを制御回路に
より検査することを表わす。m=0であるサンプリング
期間に対して処理は接続線105を経て後に説明する第6
図に進む。
m=0であるサンプリング期間のような他のすべてのサ
ンプリング期間に対して処理はブロック106に進み、こ
のブロック106で制御回路によりANTERAZ=1であるか否
かを検査する。発散係数の予備検出を表わすANTERAZ=
1である場合には、処理は次のサンプリング期間で再び
開始位置に戻る(ブロック100に戻る)。ANTERAZ=0の
場合、処理はブロック107に進み、制御回路によりPOSTR
AZ=1であるか否かを検査する。POSTRAZ=1である場
合には、係数の加速補正が行われており、処理が次のサ
ンプリング期間で再び開始位置に戻る(ブロック100に
戻る)。POSTRAZ=0である場合、処理はブロック108に
進み、制御回路がEC=8であるか否かを検査する。EC=
8であれば、センタクリッパが第4図において領域Z8に
よって決まる不作動状態にあるということが示され、情
報TEMPOはブロック109で示すように状態“1”に固定さ
れ、処理は次のサンプリング期間で再び開始位置に戻
る。EC=8である場合、処理は次のサンプリング期間で
開始位置に戻る。ブロック106および109を含む処理は同
時通話状態、すなわち係数が前述したようにして部分的
に発散する状態において情報TEMPOを“1”にセットし
うるようにすることに注意すべきである。
ンプリング期間に対して処理はブロック106に進み、こ
のブロック106で制御回路によりANTERAZ=1であるか否
かを検査する。発散係数の予備検出を表わすANTERAZ=
1である場合には、処理は次のサンプリング期間で再び
開始位置に戻る(ブロック100に戻る)。ANTERAZ=0の
場合、処理はブロック107に進み、制御回路によりPOSTR
AZ=1であるか否かを検査する。POSTRAZ=1である場
合には、係数の加速補正が行われており、処理が次のサ
ンプリング期間で再び開始位置に戻る(ブロック100に
戻る)。POSTRAZ=0である場合、処理はブロック108に
進み、制御回路がEC=8であるか否かを検査する。EC=
8であれば、センタクリッパが第4図において領域Z8に
よって決まる不作動状態にあるということが示され、情
報TEMPOはブロック109で示すように状態“1”に固定さ
れ、処理は次のサンプリング期間で再び開始位置に戻
る。EC=8である場合、処理は次のサンプリング期間で
開始位置に戻る。ブロック106および109を含む処理は同
時通話状態、すなわち係数が前述したようにして部分的
に発散する状態において情報TEMPOを“1”にセットし
うるようにすることに注意すべきである。
次に第6図に示す流れ図の部分につき説明する。第6図
は前述した接続線102および105に加えて、ブロック100
で示す段階に戻ることを表わす接続線130を経て第5図
に接続されている。
は前述した接続線102および105に加えて、ブロック100
で示す段階に戻ることを表わす接続線130を経て第5図
に接続されている。
接続線102における情報はいかなるサンプリング期間に
おいても、係数を零にリセットする外部制御の検出を表
わす。その結果、ブロック110に示す情報信号が更新さ
れ、対応する動作が行われる。すなわち、 RAZ=1により係数を零にリセットすることを命令し、 ANTERAZ=0により情報ANTERAZを零にセットし、これに
より場合によっては係数の収束を表わし、 POSRTAZ=1により係数の加速補正を命令し、 TEMPO=0により情報TEMPOを零にリセットする。
おいても、係数を零にリセットする外部制御の検出を表
わす。その結果、ブロック110に示す情報信号が更新さ
れ、対応する動作が行われる。すなわち、 RAZ=1により係数を零にリセットすることを命令し、 ANTERAZ=0により情報ANTERAZを零にセットし、これに
より場合によっては係数の収束を表わし、 POSRTAZ=1により係数の加速補正を命令し、 TEMPO=0により情報TEMPOを零にリセットする。
接続線105における情報はm=0であるサンプリング期
間の到来を伝達する。制御回路はブロック111において
これらのサンプリング期間の各々においてDIV=1であ
るか否かを検査する。
間の到来を伝達する。制御回路はブロック111において
これらのサンプリング期間の各々においてDIV=1であ
るか否かを検査する。
まず最初、係数の発散状態、すなわち式(5)および(6)が
満足されたことを表わすDIV=1である流れ図の分岐に
つき説明するに、制御回路はブロック112でANTERAZ=1
であるか否かを検査する。情報ANTERAZが0に等しい場
合には、ブロック113に示すようにこの情報ANTERAZを直
ちに1にセットし、変数TEMPOも1にセットする。次
に、m=0である次のサンプリング期間が到来するまで
処理を継続させる。依然としてDIV=1であり、ANTERAZ
=1である場合には、制御回路はブロック114において
情報TEMPOがTDIVよりも大きいか否かを検査する。情報T
EMPOがTDIVよりも大きくない場合には、この情報TEMPO
がブロック115において1だけインクリメントされる。
この処理はm=0である後のサンプリング期間中も行わ
れ、ブロック114に示す検査TEMPO>TDIVが満足されるま
で継続される。この状態TEMPO>TDIVに達すると、ブロ
ック110に示す情報信号が更新され、対応する動作が行
われる。
満足されたことを表わすDIV=1である流れ図の分岐に
つき説明するに、制御回路はブロック112でANTERAZ=1
であるか否かを検査する。情報ANTERAZが0に等しい場
合には、ブロック113に示すようにこの情報ANTERAZを直
ちに1にセットし、変数TEMPOも1にセットする。次
に、m=0である次のサンプリング期間が到来するまで
処理を継続させる。依然としてDIV=1であり、ANTERAZ
=1である場合には、制御回路はブロック114において
情報TEMPOがTDIVよりも大きいか否かを検査する。情報T
EMPOがTDIVよりも大きくない場合には、この情報TEMPO
がブロック115において1だけインクリメントされる。
この処理はm=0である後のサンプリング期間中も行わ
れ、ブロック114に示す検査TEMPO>TDIVが満足されるま
で継続される。この状態TEMPO>TDIVに達すると、ブロ
ック110に示す情報信号が更新され、対応する動作が行
われる。
次に、DIV=0(係数の瞬時的発散のない状態)である
ブロック111からの流れ図の分岐につき説明する。この
場合制御回路はブロック116においてANTERAZ=1である
か否かを検査する。ANTERAZ=1である場合には、この
情報ANTERAZはブロック117において情報TEMPOと同時に
零にセットされる。次に処理はm=0である次のサンプ
リング期間まで継続される。
ブロック111からの流れ図の分岐につき説明する。この
場合制御回路はブロック116においてANTERAZ=1である
か否かを検査する。ANTERAZ=1である場合には、この
情報ANTERAZはブロック117において情報TEMPOと同時に
零にセットされる。次に処理はm=0である次のサンプ
リング期間まで継続される。
ANTERAZ=0である場合、制御回路はブロック118でPOST
RAZ=1であるか否かを検査する。POSTRAZ=1であれ
ば、係数の加速調整が命令されることを表わし、制御回
路はブロック119においてCORR=0であるか否かを検査
する。情報CORRの状態はブロック103(第5図)で示す
処理段で決定される。係数の補正が認められないことを
表わすCORR=0である場合には、処理はm=0である次
のサンプリング期間まで継続される。補正が認められる
(CORR=1)これらサンプリング期間の1つでは、制御
装置はブロック120で情報TEMPOがTPOS、すなわち係数の
加速調整の持続時間よりも小さいか否かを検査する。TE
MP<TPOSとなる場合には、情報TEMPOは1だけインクリ
メントされ(ブロック121)、この場合の処理はm=0
であるようなつぎのサンプリング期間中TEMPO=TPOSと
なるまで継続する。TEMPO=TPOSとなる瞬時に情報POSTR
AZはゼロにセットされ、これと同時に変数TEMPOもブロ
ック122にてゼロにセットされる。従って、係数はイン
クリメントMTによって規定される期間TPOSの間に任意の
サンプリング期間Tにて加速調整することができる。情
報POSTRAZがゼロにセットされた後には正規の動作値を
有しているステップで係数調整を行なう。
RAZ=1であるか否かを検査する。POSTRAZ=1であれ
ば、係数の加速調整が命令されることを表わし、制御回
路はブロック119においてCORR=0であるか否かを検査
する。情報CORRの状態はブロック103(第5図)で示す
処理段で決定される。係数の補正が認められないことを
表わすCORR=0である場合には、処理はm=0である次
のサンプリング期間まで継続される。補正が認められる
(CORR=1)これらサンプリング期間の1つでは、制御
装置はブロック120で情報TEMPOがTPOS、すなわち係数の
加速調整の持続時間よりも小さいか否かを検査する。TE
MP<TPOSとなる場合には、情報TEMPOは1だけインクリ
メントされ(ブロック121)、この場合の処理はm=0
であるようなつぎのサンプリング期間中TEMPO=TPOSと
なるまで継続する。TEMPO=TPOSとなる瞬時に情報POSTR
AZはゼロにセットされ、これと同時に変数TEMPOもブロ
ック122にてゼロにセットされる。従って、係数はイン
クリメントMTによって規定される期間TPOSの間に任意の
サンプリング期間Tにて加速調整することができる。情
報POSTRAZがゼロにセットされた後には正規の動作値を
有しているステップで係数調整を行なう。
ついで、ブロック118から出ているPOSTRAZ=0を示して
いるフローチャートの岐路につき考察する。この場合に
は制御装置によってブロック123にてEC=8であるか、
否かをテストする。このテスト結果の答えが“イエス”
となり、座標(NAP,NAV)を有する点が領域Z8内に位置す
ることを示す場合には、情報TEMPOは“1”状態にセッ
トされ(ブロック124)、処理は接続線130を介してブロ
ック100により示される段階にて、次のサンプリング期
間に再び開始され、これによりブロック130の示す段階
にてセンタクリッパを不作動状態にすることができる。
いるフローチャートの岐路につき考察する。この場合に
は制御装置によってブロック123にてEC=8であるか、
否かをテストする。このテスト結果の答えが“イエス”
となり、座標(NAP,NAV)を有する点が領域Z8内に位置す
ることを示す場合には、情報TEMPOは“1”状態にセッ
トされ(ブロック124)、処理は接続線130を介してブロ
ック100により示される段階にて、次のサンプリング期
間に再び開始され、これによりブロック130の示す段階
にてセンタクリッパを不作動状態にすることができる。
第4図における領域Z1〜Z7によって表される状態を示す
EC≠8の場合には、情報TEMPOが0と値TECとの間に含ま
れるか、否かをテストする(ブロック125)。
EC≠8の場合には、情報TEMPOが0と値TECとの間に含ま
れるか、否かをテストする(ブロック125)。
ブロック125でのテスト結果が“イエス”である場合に
は、情報TEMPOが1だけインクリメントされ(ブロック1
27)、かつ処理は情報TEMPOが値TECに達するまでブロッ
ク100により示された段階にて再び開始される。情報TEM
POが値TECに達する瞬時に斯かる情報はゼロにセットさ
れる(ブロック126)。処理はブロック100及びブロック
103により示される段階にて再び開始され、センタクリ
ッパは領域Z1〜Z7の1つによって規定されるゼロでない
クリッピングしきい値で作動状態に駆動される。
は、情報TEMPOが1だけインクリメントされ(ブロック1
27)、かつ処理は情報TEMPOが値TECに達するまでブロッ
ク100により示された段階にて再び開始される。情報TEM
POが値TECに達する瞬時に斯かる情報はゼロにセットさ
れる(ブロック126)。処理はブロック100及びブロック
103により示される段階にて再び開始され、センタクリ
ッパは領域Z1〜Z7の1つによって規定されるゼロでない
クリッピングしきい値で作動状態に駆動される。
第7図は本発明による制御装置の特に有利な実施例のブ
ロック図を示す。この例ではエコーキャンセラ及びセン
タクリッパの制御に同一機能を遂行する同じ回路を用い
る。このようにすれば、回路数を減らせるので制御装置
を経済的に実現することができる。ブロック図の簡略化
のために、図示の種々の回路を機能させるのに必要なタ
イミング信号発生器及びタイミング信号用の結線は図示
してないが、これらのタイミング信号の特性及びこれら
信号の保護については前述した所から当業者には明らか
である。
ロック図を示す。この例ではエコーキャンセラ及びセン
タクリッパの制御に同一機能を遂行する同じ回路を用い
る。このようにすれば、回路数を減らせるので制御装置
を経済的に実現することができる。ブロック図の簡略化
のために、図示の種々の回路を機能させるのに必要なタ
イミング信号発生器及びタイミング信号用の結線は図示
してないが、これらのタイミング信号の特性及びこれら
信号の保護については前述した所から当業者には明らか
である。
第7図に示したブロック図では、送−受信路を経て伝送
すべき受信信号を標準の擬似−対数エンコーディング法
則(A法則又はμ法則)に従って8つの2進素子に圧縮
したディジタルPCM信号とする実際のケースを示してあ
る。
すべき受信信号を標準の擬似−対数エンコーディング法
則(A法則又はμ法則)に従って8つの2進素子に圧縮
したディジタルPCM信号とする実際のケースを示してあ
る。
最初に説明する実際のエコーキャンセラは破線ブロック
30内に示される構成部品を備えている。このエコーキャ
ンセラは受信路のディジタル信号X′(n)及び送信路の
入力端子におけるディジタル信号S′(n)を受信する。
これらのディジタル信号は8ビットに圧縮され、しかも
これらの信号のサンプルは電話路の場合 のサンプリング速度で発生する。このようなディジタル
信号は、圧縮信号を線形信号に変換するための単一変換
器32を用いて線形化するためにマルチプレクサ31により
時分割多重される。13ビットの線形信号X(n),S(n)は
ルーチング回路33に供給され、この回路にて線形信号は
分離される。信号X(n)はエコーキャンセラのアダプテ
ィブフィルタ11に供給され、このフィルタはエコー信号
の推定値 を供給する。信号S(n)は減算器13の正の入力端子に供
給され、この減算器の負の入力端子は信号 を受信する。減算器13は12ビットの差信号R(n)を発生
し、この差信号はフィルタ11の係数調整回路12に供給す
る。係数調整回路12は本発明による制御装置により接続
線14に発生する制御信号の制御下で作動する。差信号R
(n)はマルチプレクサ34にも供給し、この差信号は後に
詳述する制御装置にて形成されて接続線35に現われる合
成12ビット信号A(n)と時間多重される。信号R(n)及び
合成信号A(n)は、線形信号を圧縮信号に変換する変換
器36により8ビットの圧縮信号R′(n),A′(n)に変換
される。変換器36によって発生した信号はルーチング回
路37に供給し、この回路37ではエコーキャンセラの出力
信号を成す8ビットの圧縮信号形態の信号R′(n)を取
出す。後に詳述するように、制御装置では信号R′
(n),A′(n)のすべてが用いられる。
30内に示される構成部品を備えている。このエコーキャ
ンセラは受信路のディジタル信号X′(n)及び送信路の
入力端子におけるディジタル信号S′(n)を受信する。
これらのディジタル信号は8ビットに圧縮され、しかも
これらの信号のサンプルは電話路の場合 のサンプリング速度で発生する。このようなディジタル
信号は、圧縮信号を線形信号に変換するための単一変換
器32を用いて線形化するためにマルチプレクサ31により
時分割多重される。13ビットの線形信号X(n),S(n)は
ルーチング回路33に供給され、この回路にて線形信号は
分離される。信号X(n)はエコーキャンセラのアダプテ
ィブフィルタ11に供給され、このフィルタはエコー信号
の推定値 を供給する。信号S(n)は減算器13の正の入力端子に供
給され、この減算器の負の入力端子は信号 を受信する。減算器13は12ビットの差信号R(n)を発生
し、この差信号はフィルタ11の係数調整回路12に供給す
る。係数調整回路12は本発明による制御装置により接続
線14に発生する制御信号の制御下で作動する。差信号R
(n)はマルチプレクサ34にも供給し、この差信号は後に
詳述する制御装置にて形成されて接続線35に現われる合
成12ビット信号A(n)と時間多重される。信号R(n)及び
合成信号A(n)は、線形信号を圧縮信号に変換する変換
器36により8ビットの圧縮信号R′(n),A′(n)に変換
される。変換器36によって発生した信号はルーチング回
路37に供給し、この回路37ではエコーキャンセラの出力
信号を成す8ビットの圧縮信号形態の信号R′(n)を取
出す。後に詳述するように、制御装置では信号R′
(n),A′(n)のすべてが用いられる。
8ビットの圧縮信号R′(n)はセンタクリッパ15に供給
し、このセンタクリッパは接続線16を経て制御装置から
の3ビットの制御信号ECを受信する。センタクリッパ15
は8ビットの圧縮信号のサンプルを種々のアドレスで記
憶するPROMメモリで構成する。PROMメモリを読取るのに
用いるアドレス信号を2つの信号R′(n)及びECの11ビ
ットで形成した場合には、センタクリッパによって8ビ
ットの信号R″(n)を発生させることができ、この信号
の各サンプルは、信号R′(n)の振幅が信号ECによって
決定される可変クリッピングしきい値よりも高い場合に
信号R′(n)の値を有し、かつ信号R′(n)の振幅が斯か
るクリッピングしきい値に等しくなるか、又はそれより
低い場合にはゼロ値を有する。エコーキャンセラ及びセ
ンタクリッパが共通になっている制御装置は先ず第1
に、各サンプリング期間Tに線形信号X(n),S(n),R
(n)のサンプルからレベルNREC,NAV,NAPを計算する
ためのレベル計算ユニットを備えている。このために上
記3つの信号はマルチプレクサ38により時分割多重され
て、12ビットで規定される多重信号B(n)となる。レベ
ル計算ユニットは整流器と、これに接続する再帰形フィ
ルタとにより形成する。斯かる計算ユニットは第8図に
示した原理に基づいて形成することができる。
し、このセンタクリッパは接続線16を経て制御装置から
の3ビットの制御信号ECを受信する。センタクリッパ15
は8ビットの圧縮信号のサンプルを種々のアドレスで記
憶するPROMメモリで構成する。PROMメモリを読取るのに
用いるアドレス信号を2つの信号R′(n)及びECの11ビ
ットで形成した場合には、センタクリッパによって8ビ
ットの信号R″(n)を発生させることができ、この信号
の各サンプルは、信号R′(n)の振幅が信号ECによって
決定される可変クリッピングしきい値よりも高い場合に
信号R′(n)の値を有し、かつ信号R′(n)の振幅が斯か
るクリッピングしきい値に等しくなるか、又はそれより
低い場合にはゼロ値を有する。エコーキャンセラ及びセ
ンタクリッパが共通になっている制御装置は先ず第1
に、各サンプリング期間Tに線形信号X(n),S(n),R
(n)のサンプルからレベルNREC,NAV,NAPを計算する
ためのレベル計算ユニットを備えている。このために上
記3つの信号はマルチプレクサ38により時分割多重され
て、12ビットで規定される多重信号B(n)となる。レベ
ル計算ユニットは整流器と、これに接続する再帰形フィ
ルタとにより形成する。斯かる計算ユニットは第8図に
示した原理に基づいて形成することができる。
第8図に示すように、多重信号B(n)のサンプルは整流
器39に供給され、この整流器は信号B(n)を形成する信
号X(n),S(n),R(n)のサンプルの符号を抑圧する。
再帰形フィルタは一次フィルタであり、これは加算器40
を備えており、この加算器の一方の入力端子には整流器
39によって発生されるサンプルを供給し、他方の入力端
子には、フィルタの出力端子41からサンプルが取出され
る前に先ず遅延回路42によりサンプリング期間Tだけ遅
延されて、その後乗算器43によりフィルタの係数kで重
み付けしたサンプルを供給する。なお、加算器40の出力
端子とフィルタの出力端子41との間には、フィルタ定数
の出力をPCM信号のクリッピングレベルに相当するしき
い値以上に保つ飽和回路44を設ける。第8図に示した装
置は、周期Tの期間中に3つの各信号X(n),S(n)及び
R(n)のサンプルを処理する時分割方式に基づいて作動
する。
器39に供給され、この整流器は信号B(n)を形成する信
号X(n),S(n),R(n)のサンプルの符号を抑圧する。
再帰形フィルタは一次フィルタであり、これは加算器40
を備えており、この加算器の一方の入力端子には整流器
39によって発生されるサンプルを供給し、他方の入力端
子には、フィルタの出力端子41からサンプルが取出され
る前に先ず遅延回路42によりサンプリング期間Tだけ遅
延されて、その後乗算器43によりフィルタの係数kで重
み付けしたサンプルを供給する。なお、加算器40の出力
端子とフィルタの出力端子41との間には、フィルタ定数
の出力をPCM信号のクリッピングレベルに相当するしき
い値以上に保つ飽和回路44を設ける。第8図に示した装
置は、周期Tの期間中に3つの各信号X(n),S(n)及び
R(n)のサンプルを処理する時分割方式に基づいて作動
する。
第8図に示した信号B(n)の処理は実際には第7図のブ
ロック図に従って信号B(n)を計算ユニット45に供給す
ることによって行なうことができ、この計算ユニット45
では第8図に示した計算動作が時分割方式で行われる。
これらの計算動作とは基本的には、整流器39によって行
われるサンプルの符号抑圧動作、加算器40によって行わ
れる加算動作、飽和回路44によって行われる飽和動作お
よび乗算器43によって行われる乗算動作のことであり、
最後の乗算動作はフィルタの係数kがa=(1−2p)
(ここにpは整数)となる場合には単なる(桁位置)シ
フト動作とすることができる。計算ユニット45の出力端
子はフィルタの出力端子41を構成し、この出力端子には
例えば16ビットで、しかも計算したレベルNREC,NAV及
びNAPを時分割多重したものである信号A(n)が現われ
る。適当な読取及び書込信号によって使用可能となるラ
ンダムアクセスメモリ46は第8図の遅延回路42の遅延関
数Tを与えることができる。メモリ46の入力端子はマル
チプレクサ47を介して計算ユニット45の出力端子41に接
続する。マルチプレクサ47は後に詳述する信号Veもメモ
リ46の入力端子に供給する。ランダムアクセスメモリ46
の出力端子は、メモリから読取った信号を2つの信号通
路に分けるルーチング回路48に接続する。レベル信号N
REC,NAV,NAPを搬送する一方の信号通路は計算ユニッ
ト45の第2入力端子に接続する。ルーチング回路48の他
方の出力信号通路は後述するように用いられる信号Veを
搬送する。
ロック図に従って信号B(n)を計算ユニット45に供給す
ることによって行なうことができ、この計算ユニット45
では第8図に示した計算動作が時分割方式で行われる。
これらの計算動作とは基本的には、整流器39によって行
われるサンプルの符号抑圧動作、加算器40によって行わ
れる加算動作、飽和回路44によって行われる飽和動作お
よび乗算器43によって行われる乗算動作のことであり、
最後の乗算動作はフィルタの係数kがa=(1−2p)
(ここにpは整数)となる場合には単なる(桁位置)シ
フト動作とすることができる。計算ユニット45の出力端
子はフィルタの出力端子41を構成し、この出力端子には
例えば16ビットで、しかも計算したレベルNREC,NAV及
びNAPを時分割多重したものである信号A(n)が現われ
る。適当な読取及び書込信号によって使用可能となるラ
ンダムアクセスメモリ46は第8図の遅延回路42の遅延関
数Tを与えることができる。メモリ46の入力端子はマル
チプレクサ47を介して計算ユニット45の出力端子41に接
続する。マルチプレクサ47は後に詳述する信号Veもメモ
リ46の入力端子に供給する。ランダムアクセスメモリ46
の出力端子は、メモリから読取った信号を2つの信号通
路に分けるルーチング回路48に接続する。レベル信号N
REC,NAV,NAPを搬送する一方の信号通路は計算ユニッ
ト45の第2入力端子に接続する。ルーチング回路48の他
方の出力信号通路は後述するように用いられる信号Veを
搬送する。
従って、計算ユニット45によって発生する信号A(n)は
時分割レベル信号NREC,NAV,NAPにより形成され、
これらのレベル信号は線形信号である。レベルを容易に
比較し得るようにするために、信号A(n)を形成する上
記レベル信号はマルチプレクサ34を介して線形信号を圧
縮信号に変換する変換器36に12ビットで供給する。この
変換器は、エコーキャンセラにより発生した線形信号R
(n)を圧縮信号R′(n)に変換するためにエコーキャンセ
ラにて既に用いられている。
時分割レベル信号NREC,NAV,NAPにより形成され、
これらのレベル信号は線形信号である。レベルを容易に
比較し得るようにするために、信号A(n)を形成する上
記レベル信号はマルチプレクサ34を介して線形信号を圧
縮信号に変換する変換器36に12ビットで供給する。この
変換器は、エコーキャンセラにより発生した線形信号R
(n)を圧縮信号R′(n)に変換するためにエコーキャンセ
ラにて既に用いられている。
変換器36により供給され、かつ圧縮時分割信号R′
(n),N′REC,N′AV,N′APで形成される信号は比較
ユニット49に供給する。この比較ユニット49ではサンプ
リング期間に信号R′(n),N′REC,N′AV,N′APを
互いに比較したり、又はこれらの信号を6つのしきい値
と比較したりする。比較ユニット49にて行なうべき比較
は、センタクリッパを制御するための第4図の特性及び
比較すべき信号が半−対数法則に従って圧縮されること
を考慮してエコーキャンセラを制御するための式(1)〜
(6)によって決定される。比較ユニット49にて行われた
比較により8ビットの情報信号が得られ、この内の4ビ
ットはセンタクリッパを制御するための情報を形成し、
残りの4ビットはエコーキャンセラを制御するための情
報を構成する。比較ユニット49は基本的にはPROMメモリ
で実現することができ、このメモリには8ビットの出力
情報信号から成る種々のビット構成の信号を記憶させ
る。信号A′(n)をPROMメモリに供給して、この信号
A′(n)を構成する信号に対応する出力信号の構成を適
当なアドレスから読取るようにする。
(n),N′REC,N′AV,N′APで形成される信号は比較
ユニット49に供給する。この比較ユニット49ではサンプ
リング期間に信号R′(n),N′REC,N′AV,N′APを
互いに比較したり、又はこれらの信号を6つのしきい値
と比較したりする。比較ユニット49にて行なうべき比較
は、センタクリッパを制御するための第4図の特性及び
比較すべき信号が半−対数法則に従って圧縮されること
を考慮してエコーキャンセラを制御するための式(1)〜
(6)によって決定される。比較ユニット49にて行われた
比較により8ビットの情報信号が得られ、この内の4ビ
ットはセンタクリッパを制御するための情報を形成し、
残りの4ビットはエコーキャンセラを制御するための情
報を構成する。比較ユニット49は基本的にはPROMメモリ
で実現することができ、このメモリには8ビットの出力
情報信号から成る種々のビット構成の信号を記憶させ
る。信号A′(n)をPROMメモリに供給して、この信号
A′(n)を構成する信号に対応する出力信号の構成を適
当なアドレスから読取るようにする。
比較ユニット49によって各サンプリング瞬時に供給され
る8ビットの信号は第5及び6図の流れ図につき述べた
処理を行なう判定ユニット50に供給する。判定ユニット
50は各サンプリング瞬時に情報信号ANTERAZ,POSTRAZ,TE
MP(これらの信号の機能については前述した通りであ
り、またこれらの信号は以前の瞬時に発生されてメモリ
46に記憶させてある)によって形成される6ビットの信
号Veも受信する。判定ユニット50はセンタクリッパを制
御するための3ビットの信号ECを接続線16に供給する。
また、判定ユニット50は、エコーキャンセラを制御する
のに必要な情報と、メモリ46に一時的に記憶させる情報
信号Veとを含む信号をルーチング回路51の入力端子に供
給する。ルーチング回路51は前述した機能を有する情報
信号CORR,RAZ及びPOSTRAZから成る3ビットの信号を調
整回路12への接続線14に供給するルーチング回路51はマ
ルチプレクサ47を介してランダムアクセスメモリ46の入
力端子に6ビットの信号Veを供給する。第5及び第6図
の流れ図によって説明した処理に従って作動する判定ユ
ニット50は、例えば数個の論理ゲートとPROMメモリによ
って実現することができ、その設計は当業者には明らか
である。
る8ビットの信号は第5及び6図の流れ図につき述べた
処理を行なう判定ユニット50に供給する。判定ユニット
50は各サンプリング瞬時に情報信号ANTERAZ,POSTRAZ,TE
MP(これらの信号の機能については前述した通りであ
り、またこれらの信号は以前の瞬時に発生されてメモリ
46に記憶させてある)によって形成される6ビットの信
号Veも受信する。判定ユニット50はセンタクリッパを制
御するための3ビットの信号ECを接続線16に供給する。
また、判定ユニット50は、エコーキャンセラを制御する
のに必要な情報と、メモリ46に一時的に記憶させる情報
信号Veとを含む信号をルーチング回路51の入力端子に供
給する。ルーチング回路51は前述した機能を有する情報
信号CORR,RAZ及びPOSTRAZから成る3ビットの信号を調
整回路12への接続線14に供給するルーチング回路51はマ
ルチプレクサ47を介してランダムアクセスメモリ46の入
力端子に6ビットの信号Veを供給する。第5及び第6図
の流れ図によって説明した処理に従って作動する判定ユ
ニット50は、例えば数個の論理ゲートとPROMメモリによ
って実現することができ、その設計は当業者には明らか
である。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明制御装置を関連するエコーキャンセラ及
びセンタクリッパと共に示すブロック図、 第2図はセンタクリッパの伝達機能を示す説明図、 第3図はセンタクリッパを作動状態又は不作動状態とな
るように制御する必要のある領域を座標系NAV,NAPによ
り示す説明図、 第4図はセンタクリッパを作動状態とするための制御作
動に相当する領域を数個のしきい値に相当する複数の領
域に分割して示す第3図と同様の説明図、 第5図及び第6図は本発明による制御装置の作動を説明
する流れ図、 第7図は本発明による制御装置の好適な例を示すブロッ
ク図、 第8図は信号レベルNREC,NAV,NAPを計算するレベル計算
ユニットを示すブロック図である。 1……エコーキャンセラ 2……受信路、3……入力端子 4……出力端子、5……電話機 6……2線回線、7……送信路 8……入力端子、9……出力端子 10……エコー路 11……アダプティブフィルタ 12……フィルタ係数調整回路 13……減算器、15……センタクリッパ 14,16……接続線、17,18,19……積分回路 20……制御装置 21,22,23……判定基準形成回路 24……逐次論理回路 30……エコーキャンセラ 31……マルチプレクサ 32……圧縮信号−線形信号変換器 33……ルーチング回路 34……マルチプレクサ 36……線形信号−圧縮信号変換器 37……ルーチング回路、38……マルチプレクサ 39……整流器 41……フィルタの出力端子 42……遅延回路、43……乗算器 44……飽和回路、45……計算ユニット 46……ランダムアクセスメモリ 47……マルチプレクサ 48……ルーチング回路 49……レベル比較ユニット 50……判定ユニット、51……ルーチング回路
びセンタクリッパと共に示すブロック図、 第2図はセンタクリッパの伝達機能を示す説明図、 第3図はセンタクリッパを作動状態又は不作動状態とな
るように制御する必要のある領域を座標系NAV,NAPによ
り示す説明図、 第4図はセンタクリッパを作動状態とするための制御作
動に相当する領域を数個のしきい値に相当する複数の領
域に分割して示す第3図と同様の説明図、 第5図及び第6図は本発明による制御装置の作動を説明
する流れ図、 第7図は本発明による制御装置の好適な例を示すブロッ
ク図、 第8図は信号レベルNREC,NAV,NAPを計算するレベル計算
ユニットを示すブロック図である。 1……エコーキャンセラ 2……受信路、3……入力端子 4……出力端子、5……電話機 6……2線回線、7……送信路 8……入力端子、9……出力端子 10……エコー路 11……アダプティブフィルタ 12……フィルタ係数調整回路 13……減算器、15……センタクリッパ 14,16……接続線、17,18,19……積分回路 20……制御装置 21,22,23……判定基準形成回路 24……逐次論理回路 30……エコーキャンセラ 31……マルチプレクサ 32……圧縮信号−線形信号変換器 33……ルーチング回路 34……マルチプレクサ 36……線形信号−圧縮信号変換器 37……ルーチング回路、38……マルチプレクサ 39……整流器 41……フィルタの出力端子 42……遅延回路、43……乗算器 44……飽和回路、45……計算ユニット 46……ランダムアクセスメモリ 47……マルチプレクサ 48……ルーチング回路 49……レベル比較ユニット 50……判定ユニット、51……ルーチング回路
Claims (11)
- 【請求項1】受信路と送信路とを含み、受信路に到来す
る信号によって送信路にエコー信号が発生し得る電話回
線に挿入されたエコーキャンセラ及びセンタクリッパを
制御する制御装置であって、エコーキャンセラが受信路
に接続したアダプティブフィルタと、送信路における信
号からアダプティブフィルタの出力信号を減算するため
送信路に設けた減算器と、アダプティブフィルタがエコ
ー信号の近似値を供給するようにアダプティブフィルタ
の係数を自動的に調整する係数調整回路とを備え、セン
タクリッパが送信路内の減算器の出力側に配置され、作
動状態に調整されたとき、クリッピングしきい値以下の
振幅を有する減算器の出力端子からの信号を抑圧し、当
該制御装置は送信路内の減算器の前位及び後位における
信号のレベルNAV及びNAPから制御信号を形成して係数
調整回路及びセンタクリッパの動作を制御するものにお
いて、レベルNAVを2つの一定レベルNAV0及びNAV1と
比較するとともに比NAP/NAVを、レベルNAVの関数と
して変化し得るしきい値aと比較する手段を備え、レベ
ルNAVが2つの一定レベルNAV0及びNAV1の間にあり、
且つ比NAP/NAVが前記しきい値aより小さい場合だけ
センタクリッパを作動状態に調整させると共に、クリッ
ピングしきい値をレベルNAVの増加関数に従って変化さ
せるセンタクリッパ制御信号を形成するよう構成したこ
とを特徴とする制御装置。 - 【請求項2】レベルNAVを、レベルNAV0及びNAV1の間
においてレベルNAVに対し連続する数個のレンジを形成
する数個の一定レベルと比較する手段を備え、各レンジ
に零以外のクリッピングしきい値を割り当て、センタク
リッパを不作動状態に調整するよう制御する必要がある
場合、零のクリッピングしきい値情報を供給し、かつセ
ンタクリッパを作動状態に調整する必要がある場合レベ
ルNAVが属するレンジに応じて零以外のクリッピングし
きい値情報を供給させるセンタクリッパ制御信号を形成
する特許請求の範囲第1項記載の制御装置。 - 【請求項3】センタクリッパの不作動状態から作動状態
への調整を所定時間だけ遅延するよう構成された特許請
求の範囲第1又は2項記載の制御装置。 - 【請求項4】送信路内の減算器の後位における信号サン
プルの振幅|R(n)|を所定レベルR0と比較し、比|R
(n)|/NRECを所定しきい値bと比較し、最後にレベル
NRECを2つの一定レベルNREC0及びNREC1と比較する
手段を備え、 |R(n)|>R0 |R(n)|/NREC>b NREC0<
NREC<NREC1 が同時に成立つ場合係数調整回路に対する制御信号を形
成してフィルタの係数の補正を行わせる特許請求の範囲
第1乃至3項中のいずれか一項記載の制御装置。 - 【請求項5】比NAV/NRECを所定しきい値cと比較し
かつ比NAP/NAVを所定しきい値dと比較する手段を備
え、 NAV/NREC>c NAP/NAV>d が同時に成立つ場合係数調整回路に対する制御信号を形
成してフィルタの係数の補正を禁止させる特許請求の範
囲第1乃至4項中のいずれか一項記載の制御装置。 - 【請求項6】比NAP/NAVをしきい値1+ε(但しεは
1に対し小さい)と比較し、レベルNAVを一定レベルN
AV2と比較する手段を備え、所定期間中に、 NAP/NAV>1+ε NAV>NAV2 が同時に成立つことから係数発散状態が検出された場合
フィルタ係数を零にセットするよう係数調整回路の制御
信号が処理される特許請求の範囲第1乃至5項中のいず
れか一項記載の制御装置。 - 【請求項7】フィルタの係数が零にリセットされた後所
定持続時間中での係数の調整速度を増大するよう構成さ
れた特許請求の範囲第6項記載の制御装置。 - 【請求項8】圧縮PCM信号を送信する電話回線に配設さ
れたエコーキャンセラ及びセンタクリッパを制御する制
御装置であって、エコーキャンセラが送信路に到来する
圧縮信号S′(n)を線形信号S(n)に変換する入力変換器
と、減算器によって供給された線形信号R(n)をセンタク
リッパに供給すべき圧縮信号R′(n)に変換する出力変
換器とを備える特許請求の範囲第1乃至7項中のいずれ
か一項記載の制御装置において、入力変換器を時分割方
式で使用して受信路における圧縮信号X′(n)も線形信
号X(n)に変換し、変換によって得た線形信号S(n),X
(n)及び減算器によって供給された線形信号R(n)を時分
割方式で計算ユニットに供給し、計算ユニットにはレベ
ル信号NREC,NAV,NAPを送出する再帰形フィルタを
形成するようランダムアクセスメモリを設け、これらレ
ベル信号を信号R(n)と時分割方式で出力変換器に供給
し、出力変換器からレベル比較ユニットに圧縮信号R′
(n)並びに圧縮レベル信号N′REC,N′AV及びN′APを
供給する制御装置。 - 【請求項9】レベル比較ユニットが各サンプリング周期
において、その入力端子に供給された圧縮信号から、係
数調整回路を制御するに必要なすべての前記レベル比較
を行い、これらレベル比較の結果を判定ユニットに供給
するよう構成され、判定ユニットが上記判定基準の関数
として少なくとも ・係数の補正を認可するか又は認可しない情報(CORR), ・係数調整速度の増大を命令するか又は命令しない情報
(POSTRAZ), ・係数を零にリセットすることを命令するか又は命令し
ない情報(RAZ) ・センタクリッパを作動状態又は不作動状態に調整する
ことを命令し、クリッピングしきい値を制御する情報(E
C) を供給するよう構成される特許請求の範囲第8項記載の
制御装置。 - 【請求項10】判定ユニットが逐次論理回路を備え、逐
次論理回路は、係数を零にリセットすべき係数発散状態
を検出する検出期間(TDIV)と、係数調整速度を増大する
期間(TPOS)と、センタクリッパを不作動状態から作動状
態へ調整するのを遅延する期間(TEC)とを形成するため
にサンプリング周波数より低い周波数でインクリメント
できる単一情報(TEMPO)を使用し、 ・係数の発散状態が検出された場合に単一情報のインク
リメントが開始され、これが検出期間(TDIV)に対応する
最大値を超えるとき単一情報を零にセットし、係数を零
にリセットする動作(RAZ=1)及び係数調整速度を増大す
べき旨の命令(POSTRAZ=1)をトリガし、 ・係数調整速度を増大すべき旨の命令中に係数発散状態
が検出されず且つ係数の補正が許可された場合(CORR=
1)に単一情報のインクリメントが開始され、これが前記
期間(TPOS)に対応する最大値に達したとき単一情報を零
へリセットさせると共に係数調整速度を増大すべき旨の
命令の終了を決定し、 ・係数調整速度を増大すべき旨の命令の終了後に係数発
散状態が検出されない場合及びセンタクリッパが不作動
状態から作動状態に調整された場合に単一情報のインク
リメントが開始され、これが前記期間(TEC)に対応する
最大値に達した場合単一情報を零へリセットして、セン
タクリッパを作動状態へ調整する旨決定する 特許請求の範囲第9項記載の制御装置。 - 【請求項11】レベル比較ユニットが実際上PROMメモリ
で構成され、このメモリは所定アドレスに可能な比較結
果を格納し、かつその入力端子に供給されたレベル信号
で構成したアドレス信号により読出されて対応する比較
結果を送出する特許請求の範囲第9又は10項記載の制御
装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
FR8407499 | 1984-05-15 | ||
FR8407499A FR2564667B1 (fr) | 1984-05-15 | 1984-05-15 | Dispositif de commande d'un annuleur d'echo et d'un ecreteur de centre |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60260235A JPS60260235A (ja) | 1985-12-23 |
JPH0648790B2 true JPH0648790B2 (ja) | 1994-06-22 |
Family
ID=9303989
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60101642A Expired - Lifetime JPH0648790B2 (ja) | 1984-05-15 | 1985-05-15 | エコーキヤンセラ及びセンタクリツパ用制御装置 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4679230A (ja) |
EP (1) | EP0164159B1 (ja) |
JP (1) | JPH0648790B2 (ja) |
AU (1) | AU4240385A (ja) |
CA (1) | CA1232987A (ja) |
DE (1) | DE3572274D1 (ja) |
FR (1) | FR2564667B1 (ja) |
Families Citing this family (26)
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---|---|---|---|---|
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JP2918025B2 (ja) | 1996-04-24 | 1999-07-12 | 日本電気株式会社 | 2線式音声会議装置 |
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