JPH064781B2 - プライマ− - Google Patents

プライマ−

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JPH064781B2
JPH064781B2 JP61004255A JP425586A JPH064781B2 JP H064781 B2 JPH064781 B2 JP H064781B2 JP 61004255 A JP61004255 A JP 61004255A JP 425586 A JP425586 A JP 425586A JP H064781 B2 JPH064781 B2 JP H064781B2
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JP
Japan
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primer
resin
group
acetylacetone
present
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健治 伊藤
馨 木村
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 発明の目的 「産業上の利用分野」 本発明は、接着、塗装あるいは印刷等の際に使用される
プライマー(下塗り剤)に関するもので、特に従来、接
着したり塗装したり印刷したりすることが困難であった
高結晶化樹脂を強固に接着したり、容易にかつ良好に塗
装または印刷することを可能ならしめるプライマーに関
するものであり、いわゆるエンジニアリングプラスチッ
クと云われているポリアセタール樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂等を広範囲に使用している自動車工業、電気機器
工業をはじめとして各種分野で広く利用されるものであ
る。
「従来の技術」 高結晶化樹脂、例えばポリアセタール樹脂、ポリアミド
あるいはポリビニリデンクロライドなどは親和性が乏し
いため通常の方法ではこれらの樹脂を強固に接着した
り、塗装または印刷を良好に施すことができなかった。
そこで従来これら樹脂の接着、塗装あるいは印刷等の施
工性を改良するために当該樹脂の表面の密着性を改善す
る方法が提案されている。例えば重クロム酸処理または
p−トルエンスルホン酸と少量の粘土鉱物と有機溶剤と
からなる組成液中で加熱処理するサテナイジング法およ
び同改良法(特開昭60−181134)などが知られ
ている。
「発明が解決しようとする問題点」 高結晶化樹脂は凝集力が強く他分子との親和性が乏しい
ため通常の方法によっては良好に接着したり、塗装また
は印刷を施すことは困難である。従来これらの問題点を
解決するため前記のような処理方法が提案されている
が、これらの方法では特殊な装置を必要としたり、処理
操作が煩雑であるなどの問題がある。
本発明者らはこのような状況下において、簡便に、接
着、塗装あるいは印刷等の施工を容易ならしめかつ作業
性のよいプライマーを開発し、上記問題点を解消するた
めに鋭意研究努力した結果、有機金属化合物と特定の弗
素含有化合物を有効成分とするプライマーが所期目的を
達成し得ることを見出し本発明を完成した。
(ロ) 発明の構成 「問題を解決するための手段」 本発明者等は、上記した様に有機金属化合物と特定の弗
素含有化合物をプライマーとして使用すると、高結晶化
樹脂を強固に接着したり、それらに塗装や印刷を容易に
施こすことが出来ることを見出して、本発明を完成した
ものである。
すなわち、本発明は有機金属化合物と下記構造式で示
される弗素含有化合物を有効成分とすることを特徴とす
るプライマーに関するものである。
ただしここでR1,R2,R3およびR4はお互いに同じであっ
ても異なっていてもよい炭素数1〜4の弗素化アルキル
基であり、Rはフエニレン基、メチルフエニレン基、ジ
メチルフエニレン基、ヒドロキシフエニレン基またはナ
フチレン基である。
有機金属化合物 本発明で用いられる有機金属化合物とは有機基と金属が
結合している化合物であり、その種類、構造等に関わり
なく、本発明に使用し得る。有機金属化合物における有
機基としては、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ア
リール、アセチルアセトニル、アセチロキシ、シクロヘ
キシルなどがあげられ、処理効果および危険性の面から
特にC3以上の炭化水素基が好ましく、金属としては周期
律表に示される典型金属、遷移金属、メタロイドのほか
にリンなども含まれる。
有機金属化合物の例としては下記の様なものがあげられ
る。
M−O−R(ただしMは金属元素、Rは有機基;以
下同じ)の構造で示される金属アルコラート。
具体的にはアルミニウムイソプロピレート、アルミニウ
ム−モノ−sec−ブトキシジイソプロピレート等の有機
アルミニウム化合物、テトラブチルチタネート、テトラ
イソプロピルチタネート等の有機チタン化合物、ホウ酸
トリ−n−ブチル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリ−
n−オクタデシル、ホウ酸モノブチルジメチル等のホウ
酸化合物、リン酸トリオレイル、リン酸トリデシル、亜
リン酸ジブチル、亜リン酸トリスイソデシル、亜リン酸
ジ−2−エチルヘキシル、亜リン酸トリデシル等のリン
酸エステル、およびテトラオクチルシリケート、トリイ
ソブトキシガライウム、テトラブチルジルコネート等が
ある。
の構造で示される1,3−ジカルボニルの錯塩。具体的
には、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アル
ミニウムモノ−アセチルアセトネートビスエチルアセト
アセテート、アルミニウムエチルアセトアセテートジイ
ソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセ
テート、アルミニウムオレイルアセトアセテートジイソ
プロピレート、アセチルアセトンリチウム、アセチルア
セトンベリリウム、アセチルアセトンナトリウム、アセ
チルアセトンマグネシウム、アセチルアセトンカルシウ
ム、アセチルアセトンチタニル、アセチルアセトンスト
ロンチウム、アセチルアセトンバリウム、アセチルアセ
トンタリウム、アセチルアセトンバナジル、アセチルア
セトンマンガン(III)、アセチルアセトン鉄(II
I)、アセチルアセトントリウム、アセチルアセトンク
ロミウム(III)、アセチルアセトンロジュウム、アセ
チルアセトンコバルト(III)、アセチルアセトンコバ
ルト(III)、アセチルアセトンニッケル、アセチルア
セトン銅、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンジ
ルコニウム、アセチルアセトンパラジウム、アセチルア
セトンインジウム、アセチルアセトンスズ(IV)塩、アセ
チルアセトンモリブデン等のアセチルアセトン錯塩およ
びアセト酢酸エステル、トリフルオロアセチルアセト
ン、ベンゾイルアセトン等の錯塩がある。
の構造で示されるカルボン酸塩。
具体的には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
第二鉄、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ス
テアリン酸鉛、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸
銅、ステアリン酸マンガン、ステアリン酸ニッケル、ナ
フテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マ
ンガン、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸亜鉛、パ
ルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カドミウム、パ
ルミチン酸コバルト、リノール酸ナトリウム、ラウリル
酸ナトリウム、オレイン酸バリウム、ラウリル酸アルミ
ニウム、オレイン酸アルミニウム、オレイン酸カリウ
ム、酢酸アルミニウム、酢酸第一スズ、2−エチルヘキ
酸スズ、アルミニウムホルモアセテート、酒石酸亜鉛、
塩基性チオジグリコール酸アルミニウムがある。
M−Rの構造で示される炭化水素基を有する金属。
具体的には、2−エチルヘキシル亜鉛、ヘキサデシルリ
チウム、n−ヘキシルナトリウム、ヘキサデシルカリウ
ム、n−トリオクチルアルミニウム、n−プロピルエチ
ル鉛、トリ−n−ベンチルアンチモン、トリ−n−デシ
ルアンチモン、イソブチルイソアミル亜鉛等のアルキル
金属、ジブチルスズジアセテート、ジ−n−ブチルスズ
ジマレエート、ジ−n−ブチルスズジオキシド、トリフ
ェニルスズアセテート、トリ−n−ブチルスズオキサイ
ド、ジオクチルスズジラウレート、トリブチルスズアセ
テート、トリブチルスズクロライド、テトラアミルス
ズ、ジアリルスズジクロライド等の有機スズ化合物およ
びメチルビニルジクロロシラン、オクタデシルジメチル
〔3トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムク
ロライド(AY43−021:トーレシリコン(株)製商品
名)、フェロセン、チタノセンジクロライド、ニッケロ
センなどがある。
M−X−R(ただしXはヘテロ原子)で表わされる
その他の有機金属化合物 具体的には、n−ドデシルメルカプトカリウム塩、アル
ミニウムトリチオブトキサイ等の金属チオアルコラー
ト、2−エチルヘキサンモノチオ酸スズ、2−エチルヘ
キサンジチオ酸亜鉛等のチオジカルボン酸塩、ジメチル
ジチオカルバミン酸ニッケル、ジメチルジチオカルバミ
ン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸鉄、ジエチルジチ
オカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸塩、ベンゼ
ンスルホン酸ニッケル等のスルホン酸塩、ジブチルリン
酸バナジウム等のリン酸塩および2−メルカプトベンゾ
チアゾール亜鉛などがある。
本発明にとり、のカルボン酸塩およびの炭化水素基
を有する金属に分類される化合物が好ましい化合物であ
り、の金属アルコラートおよびの1,3−ジカルボニ
ルの錯塩に分類される化合物がより好ましい化合物であ
る。また具体的な化合物としては、アルミニウムオレイ
ルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウム
モノ−sec−ブトキシジイソプロピレート、アルミニウ
ムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミ
ニウムイソプロピレート、アセチルアセトン亜鉛、アセ
チルアセトンコバルト、アセチルアセトンニッケル、o
−チタン酸イソプロピル、ビス(ジオクチルパイロホス
フェート)オキシアセテートチタネート、ビストリブチ
ルスズオキサイド、AY43−021、ナフテン酸カル
シウム、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸コバル
ト、オクチル酸スズ等が好ましい化合物であり、アセチ
ルアセトンマンガン(III)、アセチルアセトンジルコ
ニウム、テトラブチルチタネート、イソプロピルトリイ
ソステアロイルチタネート、テトライソプロピルビス
(ジオクチルホスフアイト)チタネート、ジブチルスズ
ジアセテート、ジ2−エチルヘキシルスズジラウレー
ト、ナフテン酸ニッケル、トリスイソデシルホスファイ
ト等が特に好ましい化合物である。
弗素含有化合物 本発明で用いられる弗素含有化合物とは下記構造式で示
されるものである。
ただしここでR1,R2,R3およびR4はお互いに同じであっ
ても異なっていてもよい炭素数1〜4の弗素化アルキル
基であり、Rはフエニレン基、メチルフエニレン基、ジ
メチルフエニレン基、ヒドロキシフエニレン基またはナ
フチレン基である。
なおここでメチルフェニレン基およびジメチルフェニレ
ン基は慣用的にはトリレン基、キシリレン基と呼ばれて
いるものである。
これらの化合物のうち本発明にとり好ましい化合物は、
前記有機金属化合物を溶解または分散させかつ適度な揮
発性を有するものであり、さらには塗布対象物となる高
結晶化樹脂内部への浸透性を有しているか或いは該樹脂
を溶解させるような性質を有しているものが好ましく
R1,R2,R3およびR4が炭素数1の弗素化アルキル基、特
にトリフルオロメチル基であるものが好ましく、それら
の具体列としては下記のものがあげられる。
1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピ
ル)ベンゼン 1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピ
ル)トルエン 1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピ
ル)キシレン 1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピ
ル)フエノール 1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピ
ル)ナフタレンなど。
併用割合 本発明のプライマーによる効果は、後記するように主と
して有機金属化合物によって持たされ、しかも、有機金
属化合物が樹脂表面に薄膜状ないしは単分子膜状に形成
されたときに、本発明の効果が十分に発揮されるため、
プライマー中の有機金属化合物の量は0.001〜10重量
%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜1重
量%である。この濃度が0.001重量%未満であると薄膜
状ないし単分子膜状に有機金属化合物の層を形成させる
ことが困難になり、プライマーとしての作用を発揮させ
にくくなり、10重量%を越えるようになると、その層
が厚くなり過ぎるようになりやすく、その層が脆弱層と
なりプライマーの効果が減少するようになる。
その他の添加剤 本発明のプライマーは上記有機金属化合物と弗素含有化
合物とを有効成分とするもので、それだけ十分に本発明
の目的とする効果を発揮し得るものであるが、プライマ
ーとしての塗工性を改良するために有機溶剤、有機系重
合体を添加することができる。
溶剤としては、上記有機金属化合物と弗素含有化合物を
完全に溶解または分散し得るものであって、適度な揮発
性を有していて、樹脂の表面を充分にぬらし得るもので
あるものが好ましい。
溶剤の具体例としては、1,1,2−トリクロル−1,1,2−ト
リフルオロエタン、エタノール、アセトン、酢酸エチ
ル、1,1,1−トリクロルエタン、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、トルエン等があげられ、これらは単
独でまたは2種以上が混合されて使用される。
なおこれら有機溶剤を併用した際も、プライマー中にお
ける有機金属化合物の量が前記範囲をぱずれることは避
ける方がよく、弗素含有化合物の量も20重量%以下に
なることは避けるほうが好ましい。該化合物の量が20
重量%以下になると有機金属化合物の樹脂表面における
層形成が阻害されるためと推定されるがプライマーとし
ての効果が劣るようになる。
有機系重合体はプライマーに粘性を与えて塗工性を向上
せしめるものであって、エチレン/酢酸ビニル共重合
体、エチレン/アクリル酸エステル、塩素化ポリエチレ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル
等の重合体が弗素含有化合物および有機溶剤の種類と量
に応じて選択され使用される。
適用対象樹脂 本発明のプライマーは、各種の樹脂に適用できるが、特
に高結晶化樹脂に適用したときに、本発明の目的とする
効果が十分に発揮される。
本発明でいう高結晶化樹脂とは具体的には次の様な樹脂
である。
ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド
イミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニ
リデンクロライド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リフェニレンスルフイッド、ポリスルホン、ポリフェニ
レンオキシド、ポリアリレート、ポリエーテルケトンあ
るいはこれらの樹脂にガラス繊維、カーボンまたは弗素
樹脂を配合した強化複合材などである。
接着剤、塗料および印刷インキ 本発明のプライマーは、樹脂特に高結晶化樹脂の接着、
塗装あるいは印刷を施す際に用いられるものであるが、
本発明のプライマーが施された樹脂の接着、塗装あるい
は印刷を施す際に用いられる接着剤、塗料あるいは印刷
インキとしては各種のものが適用され得る。
接着剤としては、例えば、シアノアクリレート系接着
剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤、アクリ
ル系接着剤、ウレタン系接着剤、クロロビレン系接着剤
等が適用され得る。
塗料および印刷インキでも種々適用出来るものがあり、
ビヒクル樹脂成分別に分類して次のようなものがあげら
れる。
ロジン誘導体、ニトロセルロース系樹脂、ビニル系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、エポ
キシ系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、メラミン系樹
脂、UV硬化型アクリルオリゴマーなどのいずれもが適
用し得るが、より適性なものとしてはポリウレタン樹脂
系、エポキシ樹脂系、アルキッド樹脂系などの塗料およ
び印刷インキがあげられる。
なお、いずれの場合においても、熱硬化型のものを適用
するときは、基材の樹脂の耐熱性に限度があるので、硬
化温度が90℃以下であるものを適用するものが好まし
い。
使用方法 本発明のプライマーは、有機金属化合物、弗素含有化合
物および所望により添加される溶剤、有機系重合体から
なるものであり、これらの構成成分を混合し、均一に分
散ないし溶解させることにより製造し得るものである。
本発明のプライマーを樹脂表面に塗布する方法として
は、特別の操作を必要とせず、プライマー中に浸漬ある
いは刷毛、スプレーなどにより行ない得る。
プライマーが塗布された樹脂は室温下に風乾させ、溶媒
を除去することにより表面にプライマー層が形成され
る。
プライマー層を有する樹脂は、当該樹脂同志あるいは他
の材料に前記した接着剤により強固に接着することがで
き、同様に一般的な方法で該表面に塗料または印刷イン
キを施すことが可能で、容易に塗装あるいは印刷を行な
うことができる。
本発明のプライマーの奏する効果をより良く発揮させる
ためには、対象となる樹脂、特に高結晶化樹脂の種類を
考えて、使用すべき有機金属化合物および弗素含有化合
物の種類、併用割合、塗布量等を決定しなければならな
い。
塗布量に関して云えば、後記するようにプライマー層の
膜厚が効果に与える影響が大きく、有機金属化合物の塗
布量が0.001〜1g/m2になるように塗布することが好
ましく、より好ましくは0.01〜0.1g/m2になるよう
に塗布することである。
「作 用」 本発明のプライマーは次のような機構により効果が発現
されるものと推定される。
すなわち本発明のプライマーの一成分である有機金属化
合物はその分子構造内に極性基と非極性基をあわせもつ
カップリング機能を有するものであって、本プライマー
を樹脂に塗布すると該樹脂と親和性の強い弗素系化合物
の相乗作用によって該樹脂と薄膜状に塗布された有機金
属化合物の非極性基とは強固に結合し、該樹脂の表面に
有機金属化合物の極性基が上向きに配向され樹脂表面が
活性化される。このようにして活性化された樹脂表面に
極性基を有する接着剤または塗料或いは印刷インキを塗
布すると分子間引力にもとずく二次結合や水素結合によ
り強力な接合が形成される。
従って、この強力な接合は、プライマー層が単分子膜状
ないしはそれに近い薄膜状に形成された時に、最もその
効果を発揮すると思われ、実験的にも確められた。
「実施例」 以下に実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説
明する。
実施例1,比較例1 1. プライマーの調合 プライマーとして次の3種の組成物の液状物を調合し
た。
(1) 0.3%−アセチルアセトンマンガン(III)の1,3
−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)
ベンゼン溶液 (2) 0.3%−アセチルアセトンジルコニウムの1,3−ビ
ス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベン
ゼン溶液 (3) 0.3%−テトラブチルチタネートの1,3− ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベ
ンゼン溶液2. プライマーの性能試験 JIS K 6861−1977に準拠試験片:ポリア
セタール25×100×3mm 接着剤 (1):アロンアルファ#201 (シアノアクリレート系接着剤東亜合成化学工業(株)
製) (2):ボンドEセット (エポキシ系接着剤 二液型コニシ(株)製) (3):ハードロックE−510 (変性アクリル系接着剤 二液型電気化学工業(株)
製) ポリアセタール製試験片の接着面の両面をプライマーの
含浸布で拭き室温で約5分間風乾後その片面に接着剤を
塗布し他面を重ね合せ圧締力0.1kgf/cm2を加えて室温
で24時間養生した。
引張りせん断接着強さはストログラフW型試験機を用い
引張り速度20mm/minで測定した。
また比較例としてプライマー処理しないで接着する以外
は実施例1と同様にして試験を行った。
これらの結果を表1に示す。
実施例2、比較例2 1. プライマーの調合 プライマーとして次の3種の組成物の液状物を調合し
た。
(1) 0.5%−イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート 50%−1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイ
ソプロピル)トルエン 49.5%−n−ヘキサン (2) 0.5%−ジブチルスズジアセテート 50%−1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイ
ソプロピル)キシレン 49.5%−n−ヘキサン (3) 0.5%−ジ2−エチルヘキシルスズジラウレート 30%−1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイ
ソプロピル)フエノール 69.5%−n−ヘキサン 2. プライマーの性能試験 試験片にナイロン6製で形状25×100×3mmのもの
を用いる以外は実施例1及び比較例1と同様して試験を
行った。
これらの結果を表2に示す。
実施例3、比較例3 1. プライマーの調合 プライマーとして次の2種の組成物の液状物を調合し
た。
(1) 0.5%−ナフテン酸ニッケル 50%−1,3ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソ
プロピル)ベンゼン 49.5%−メチルクロロホルム (2) 0.5%トリスイソデシルホスフアイト 30%−1,3ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソ
プロピル)ナフタレン 69.5%−メチルクロロホルム 2.プライマーの性能試験 試験片にポリエチレンテレフタレートフイルム(25×
100×0.03mm)を用いる以外は実施例1及び比較例1
と同様にして試験を行った。
これらの結果を表3に示す。
実施例4、比較例4 1. プライマーの調合 実施例1〜3で調合した8種のプライマーを用いた。
2. 塗膜密着力の測定 JIS K 5400−1979に準拠 試験片:ナイロン6、100×100×3mm 塗 料: (1) ニトロセルロース系ラッカーエナメル 茶色 関西ペイント(株)製 (2) アクリル系塗料 黄色 東亜合成化学工業
(株)製 (3) 合成樹脂系塗料 青色 東亜ペイント(株)製 ウレタン型塗料二液型 茶色 中国塗料(株)製 (5) アロニックス UV3607 クリア 東亜合成化学工業(株)製 試験片の表面をプライマーの含浸布で拭き室温で約10
分間風乾後、この表面に塗料を刷毛により塗装し室温に
て3日間乾燥させた。たゞしアロニックスUV3607
は紫外線UVランプ80W×10cm/2SECで硬化させ
た。
塗膜の密着力はクロスカットセロハンテープにより測定
した。
これらの結果を表4に示す。
比較例5 1,3-ビス(2-ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)
ベンゼンを1,1,1-トリクロロエタンに変更した以外は実
施例1とまったく同様にしてシアノアクリレート系接着
剤によりポリアセタール製試験片を接着した結果を表5
に示した。
以上の結果から明らかな様に、有機金属化合物だけを含
有するプライマーを用いることにより、これを用いない
場合に比較して接着強度は向上するが、特定の弗素含有
化合物をも併有する実施例1のプライマーによる効果、
すなわち接着部位を剥離しようとすれば基材が破壊して
しまうほど強固に接着しているという効果には、到底及
ばなかった。
(ハ) 発明の効果 本発明のプライマーを用いることにより従来困難とされ
てきた高結晶化樹脂の接着または該樹脂への塗装或いは
印刷を簡便かつ高能率的にしかも強固に行なうことが可
能となり、金属材料に代る高結晶化樹脂のいわゆるエン
ジニアリングプラスチックのすぐれた物性の活用、軽量
化、不銹化さらにはコスト低減など数多くのメリットを
あげることができ、自動車工業、電気機器工業など各分
野への貢献度は非常に大きなものがある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機金属化合物と下記構造式で示される弗
    素含有化合物を有効成分とすることを特徴とするプライ
    マー。 ただしここでR1,R2,R3およびR4はお互いに同じ
    であっても異なっていてもよい炭素数1〜4の弗素化ア
    ルキル基であり、Rはフエニレン基、メチルフエニレン
    基、ジメチルフエニレン基、ヒドロキシフエニレン基ま
    たはナフチレン基である。
JP61004255A 1985-11-14 1986-01-14 プライマ− Expired - Lifetime JPH064781B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61004255A JPH064781B2 (ja) 1986-01-14 1986-01-14 プライマ−
US06/930,506 US4822426A (en) 1985-11-14 1986-11-12 Primer composition useful for application to non-polar on highly crystalline resin substrates

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61004255A JPH064781B2 (ja) 1986-01-14 1986-01-14 プライマ−

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