JPH0647718B2 - 組成変調窒化合金膜を有する磁気材料 - Google Patents

組成変調窒化合金膜を有する磁気材料

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JPH0647718B2
JPH0647718B2 JP18460587A JP18460587A JPH0647718B2 JP H0647718 B2 JPH0647718 B2 JP H0647718B2 JP 18460587 A JP18460587 A JP 18460587A JP 18460587 A JP18460587 A JP 18460587A JP H0647718 B2 JPH0647718 B2 JP H0647718B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、磁気ヘツド等に適した抗磁力Hcの小さ
い、いわゆる軟磁性材料に関するものである。
従来の技術 鉄系の磁気ヘッド材料としては、Fe−Si−Alのセ
ンダストやFe−Niのパーマロイ等が従来より知られ
ている。しかし、前者は耐触性に問題があり、耐摩耗性
においてもやや難がある。また、後者は耐摩耗性におい
て大いに問題があり、VTR用ヘッドに用いることはで
きない。そのうえ、これらの合金の飽和磁化4πMsはせ
いぜい10000Gauss程度である。
近年、高飽和磁化を有するFe−Si系合金が注目され
るようになってきたが、この合金は前記Fe−Si−A
l合金、およびFe−Ni系合金のような優れた軟磁性
を示さず、さらに耐触性、および耐摩耗性も劣るため、
磁気ヘッドコアとしては使用できない。
発明が解決しようとする問題点 そこで、優れた軟磁性を得、かつ耐触性、および耐摩耗
性を高めるという見地から種々の窒化合金の研究がなさ
れており、これは例えば、Feの窒化物の研究(ジャー
ナルオブアプライドフィジックス:J.Appl.Phys.53(11)
P8332(1982))や、Fe−B系の窒化物の研究(特開昭5
4-94428号公報、および同昭60-15261号公報)として知
られている。しかし、一般には、窒化によって軟磁性は
損なわれ、特に前者(Fe窒化物)においては、軟磁性
の指標である抗磁力Hcが極めて大きくなるという問題
を生じていた。
本発明は、このような問題点を解決し、抗磁力Hcが小
さく、かつ耐触性と耐摩耗性に優れた、高飽和磁化を有
する、軟磁性窒化磁性合金を作成しようとするものであ
る。
問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するために、本発明は、組成 Fe Si …(1) において、TはNb、Ta、Ti、Zr、Hf、Cr、
Mo、Wより選択された1種あるいは2種以上の元素、
また各原子の原子パーセント、、、、がそれぞ
れ、 7097 120 115 110…(2) からなり、膜厚方向に組成変調して得られた、組成変調
窒化合金膜よりなる軟磁性体を構成したものである。
作用 Fe−Si系合金膜は、Siが約6および18(原子%)
でほぼ磁歪が零となることが実験的に知られており、適
当な熱処理により、Siが約1〜20(原子%)で抗磁力
Hcは10Oe以下となる。しかし、これでは十分満足の
いく軟磁気特性が得られないばかりか、耐摩耗性、およ
び耐触性に難があり、磁気ヘッドコアには使用できな
い。そこで、本発明は、まず窒化によって耐触性・耐摩
耗性が大幅に改善されるという特質を利用し、しかも単
なる窒化膜ではなく、非窒化層と窒化層より成る多層構
造膜(それ自体、広義の「組成変調構造膜」に含まれ
る。)もしくは、組成変調構造膜組成変調膜とは歴史的
には米国のDr.Hilliardらによって命名されたもので、
例えば、J.Magn.Magn.Mater.54-57(1986)pp787-788に
「compositionally modulated film」の言葉が使われて
おり、これを日本語に訳すと「組成変調膜」となり、学
会では一般に知られているものである。その定義は、例
えば、原子AとBとをそれぞれ3個づつ交互に積層する
と、AAA/BBB/AAA/BBB/……なる積層膜
が出来るが、これも広義の組成変調膜であり、組成変調
波長とは、{AAA/BBB}の繰り返し単位の長さを
意味するものである。実際にはこのような理想的なもの
は得難く、一般的には原子AとBが拡散したりして、膜
方向のそれぞれの組成分布は矩形波的ではなく正弦波的
に変調されているものが多く、これらのものを称して組
成変調膜と言う。また、広義の組成変調膜は超構造膜と
も呼ばれている。とすることで、上記の軟磁気特性とし
ては不十分であった抗磁力Hcをさらに小さくできると
いう、本発明者らの発見を具体化したものである。ただ
し、この時多層構造のものは熱的に不安定であるため、
適切な熱処理を施すことにより、構造の変化を生じさ
せ、好ましい組成変調構造とする。この場合し、NとF
eとの結合が弱いため、高温真空下においてNが一部解
離し、磁気特性だけでなく、耐触性、および耐摩耗性に
も悪影響をおよぼすことを考慮し、本発明では、Nとの
結合力の強いNb、Ta、Ti、Zr、Hf、Cr、M
o、W等を添加したものである。これにより膜構造の熱
的不安定性を解決するとともに、明確な組成変調構造を
得ることにより耐触性、および耐摩耗性をも改善したも
のである。
実施例 本発明の具体的実施において判明した、好ましい組成比
は次のとおりである。
(1)式で示された組成の合金膜は、 70、20、15、10 …(3) であるとき、高飽和磁化4πMs>8000Gaussを有し、こ
れに耐摩耗性、および耐触性を付加するためには、少く
とも 1 …(4) であることが必要である。また、軟磁性を示すために
は、少くとも 1 …(5) であり、かつ膜方向に組成が変調されていることが必要
である。さらに、この組成変調構造が熱的に安定である
ためには、 1 …(6) であることが必要である。
特に、この組成変調波長λが λ>2000Å であるとき、その効果は顕著であり、優れた軟磁性を示
すことが実験によって示された。
以下に、具体的実施例を従来の単層構造と比較して説明
する。
実施例1(多層構造膜−単純組成変調構造膜の作成) まず、Fe100-XSi(x−6、12、18原子%)なる
ターゲットを用いて1.1×10-2TorrのArガス中、および
分圧で10%のNガスを混合したArガス中でスパッタし
て、Fe−Si合金膜、およびFe−Si−N合金膜を
それぞれ作成した。次に、1層の層厚が約200Å、すな
わち組成変調波長λが約400Åとなるように、Arガス中
とN2ガス分圧10%のArガス中で交互にスパッタするこ
とにより、Fe−Si/Fe−Si−N多層膜を作成し
た。
この場合、ArガスからN2ガスへの交互置換により、他
の成分元素については、N2ガス置換時はN2ガスの存在
分だけ減少するという周期変化に加えて、Ar雰囲気とN
2雰囲気とによる原子スパッタ量の相違による周期的変
化が加わり、各固有の位相および振幅の周期変化による
多層構造膜、すなわち単純組成変調構造膜となる。
同様の実験を、本発明による結合安定化物質Tとしての
Moを含むFe95-X,SiX,Mo5(X′=0、1、6、1
2、18、20原子%)なるターゲットを用いて行い、Fe
−Si−Mo膜Fe−Si−Mo−N膜、および本発明
のFe−Si−Mo/Fe−Si−Mo−N多層膜を作
成し、これらの磁気特性および、耐触性、耐摩耗性を調
べた。耐触性に関しては、蒸留水中に24時間放置し、そ
の後の錆の有無により、○(極めて良好)、△(ほぼ良
好)、×(不良)として表−1に示した。耐摩耗性に関
しては、スパッタ膜を先端につけたダミーヘッドを市販
のVTRデッキに取り付け、100時間走行後の摩耗量に
より判定した。
実験結果より、窒化した膜は、一般的に耐触、耐摩耗性
に優れているが、従来の単層膜では、抗磁力Hcが極め
て大きいのに対して、本発明のごとく多層構造化するこ
とによって軟磁性が得られることがわかった。ただし、
この際Siを少くとも1%以上含むことが必要であり、
またSiを20%以上含むものは、高飽和磁化4πMsが減
少し、磁気ヘッド用材としては好ましくない。
実施例2(アニールによる組成変調構造膜の発展) 実施例1で作成した試料No.2、5、8、13、19、25
*(*印は本発明の合金膜を示す。以下同様。)の試料
を真空中において、温度420℃、580℃で熱処理し、その
抗磁力Hcの変化を測定した。結果は表−2に示されて
いる。
実験の結果、Moを含む試料25*は、それを含まない試
料8よりも熱的安定性がよく、アニールにより、さらに
特性が改善されるのに対し、後者は高温の熱処理によっ
て特性が劣化することがわかった。また、単層の窒化膜
はアニールの有無にかかわらず、軟磁性を示さないこと
がわかった。
実施例3(結合安定化合物質TとしNbを含有する超構
造膜の作成) Fe88-uSi12Nbu(u=1、5、10原子%)なるタ
ーゲットを用い、実施例1と同様に、Arガス中および
2ガスを分圧で10%含むArガス中で交互にスパッタ
することにより、本発明の多層膜を作成し、温度420
℃、580℃で熱処理してその特性を調べた。結果は表−
3に示されている。
実験結果より、Nbを添加した試料28*は、それを添加
していない試料8(実施例2、表−2参照)に比べて、
高温アニールによっても安定した特性をもつことがわか
った。この添加効果は1%以上で有効であるが、表−3
に示したように、10%以上の添加は高飽和磁化4πMsを
減少させ、かえって逆効果を生じる。
第1図A〜Cおよび第2図A〜Cはそれぞれ実施例3の
試料29*、および実施例2の試料8の、試料作成時、420
℃アニール後、および580℃アニール後の、膜の深さ方
向のAES分析による組成プロファイルを示している。
なお、図の横軸は膜をスパッタエッチするのに要した時
間で、スパッタ条件により多少のばらつきがあり一概に
は言えないが、およそ20分で600Åである。図より
明らかなように、Nbを含まない試料8の超構造膜は42
0℃のアニール後、作成時の多層構造から組成変調構造
となるが、580℃のアニールによって膜中のN元素がや
や減少するほか、組成変調構造は不明瞭になっている。
一方、Nbを含む試料29*の超構造膜は、420℃のアニー
ルによりやはり組成変調構造となり、さらに580℃のア
ニールでは、組成変調構造はむしろやや明瞭となってい
る。この差の生じる原因は、N−Nbの化学的結合度が
強いことにあると思われ、これにより特性の熱的安定性
が得られるものと考えられる。
実施例4(結合安定化物質Tとして種々の物質を用いた
超構造膜の作成) Fe85Si12(T=Nb、Ta、Ti、Zr、H
f、Cr、Mo、W)なるターゲットを用いて実施例1
と同様の方法で窒化層と非窒化層よりなる本発明の多層
膜を作成し、実施例2と同様の方法で熱処理を行い、特
性の熱的安定性を示した。ただし、今回はスパッタ時間
を変化させることにより、組成変調波長λを200〜3000
Åまで変化させた。結果を表−4にまとめた。
実験結果より、λが2000Å以下の時、抗磁力Hcが低下
する効果が顕著になることがわかった。
実験の結果よりλが2000Å以下の時、抗磁力Hcが低下
する効果が顕著になる事がわかった。
実施例5(TがNbで種々の分圧によるN混合Arガ
スを用いた組成変調構造膜) Fe85Si12Nb3なるターゲットを用いて、実施例1
と同様にArガス中とη%(η=0、1、2、5、20)
のNガスを混合したArガス中で交互にスパッタする
ことにより、1層の層厚が約200Åの多層構造膜を作成
した後、温度500℃でアニールし、組成変調構造膜とし
た。そして、この膜中のN元素量をAES分析により求
め、耐触性及び、磁気特性におよぼす影響を調べた。耐
触性の判定法は、実施例1と同様である。結果を表−5
に示した。
実験結果より、試料43及び試料44*の比較から、Nが1
%以上膜中にあれば耐触性が改善され、かつ組成変調化
して軟磁気特性の改善にも有効であることがわかる。ま
た、Nを15%以上含有すれば、4πMsが減少し、磁気ヘ
ッド用としては実用的でないことがわかった。
発明の効果 上記実施例で説明したように、本発明は、耐触性、耐摩
耗性に優れ、かつ高飽和磁化で、軟磁性を有し、熱的に
安定な組成変調窒化合金膜を有する磁気材料を可能とす
るものである。
なお、上記実施例では、1個のターゲットを用いて、A
rガス中にNガスを周期的に混合して、組成変調合金
膜を作成したが、互いに組成の異なる複数個のターゲッ
ト(例えば、窒化物ターゲットと合金ターゲット)を用
いて多元スパッタ装置により、組成変調合金膜を作成し
てもよいことは、いうまでもない。
【図面の簡単な説明】
第1図A、BおよびCは、それぞれ本発明による組成変
調窒化合金膜の一つにおける作成時、420℃アニール
後、580℃アニール後の膜の深さ方向のプロファイルを
示すグラフ、 第2図A、BおよびCはそれぞれ従来の組成変調窒化合
金膜の膜の深さ方向のプロファイルを示すグラフであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成Fe Si において、Tは
    Nb、Ta、Ti、Zr、Hf、Cr、Mo、Wより選
    択された1種あるいは2種以上の元素、また、、、
    、は各原子の原子パーセントであって、それぞれ、 7097 120 115 110 からなり、膜厚方向に組成変調されたことを特徴とする
    組成変調窒化合金膜を有する磁気材料。
  2. 【請求項2】組成変調波長λが、 λ<2000Å であることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の
    組成変調窒化合金膜を有する磁気材料。
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