JPH0647571U - 防犯窓用合せガラス構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】故意によるガラス板の損壊行為があったとして
も、侵入を効果的に阻止し、窓を安全性の高い構造であ
り、しかも、金属製板材には透孔を設けてあるので、透
視性を確保することで解放感を同時に付与された防犯窓
を得る。 【構成】有機接着膜５を介することで接合された２枚の
ガラス板１からなる合せガラス２の合せ面に、金属製板
材３が介在配置されている防犯窓用合せガラス。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、防犯窓用のガラス構造に係り、さらに詳しくは、侵入を目的とする 故意の衝撃破損行為に対し有効に対抗することができる防犯窓用合せガラス構造 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、破壊侵入を防止するうえで有効な防犯窓用のガラス構造としては、 合せガラスや網入ガラス、線入ガラスなどのガラス構造が知られている。

【０００３】 これら従来からあるガラス構造については、不注意等による突発的な人体衝撃 や飛来物の衝突など、偶然により生ずる衝撃破壊に対しての耐貫通性については 十分な実用性能を有するものであった。しかし、犯罪等を目的とする故意による 破壊侵入行為に対してまでは効果的に対処することができず、結果的に比較的容 易に室内侵入を許してしまうという問題があった。

【０００４】 このような問題に有効に対処しようとする場合には、窓における開口面の外側 に窓格子を固設し、あるいは、赤外線センサー等と連動させた防犯ブザーを設置 するなど、防犯上有用な付帯設備を別途に手当してしなければならないというの が実情であった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、防犯のために窓格子を設置するについては、煩雑な外観印象を与える ことから美観上好ましくない一面があるのみならず、場合により獄舎の窓を連想 させて心理的な抑圧感を醸成しかねないという問題もあり、さらには、火災等の 災害時における緊急避難を困難にするという安全対策上の問題があるなど、いく つかの改善点が指摘されてきている。

【０００６】 一方、防犯ブザーを併用する場合についてみれば、その防犯性能を飛躍的に高 めることができるものの、検知能力が高ければ高いほどその点検保守管理の重要 性も増してくるのみならず、無人状態時の誤作動への対応に苦慮させられるなど の煩雑さがあるほか、設置とその保守のために比較的高い費用がかかるなどの問 題もあった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、従来構造にみられた上記課題に鑑みてなされたものであり、その構 成上の特徴は、複数枚のガラス板が有機接着膜を介して接合されてなる合せガラ スであって、該合せガラスの合せ面に、多数の透孔を有してなる金属製板材が介 在配置されていることにある。

【０００８】

【実施例】

以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。 図１は本考案に係る防犯窓用合せガラス構造の一例を示す概略断面図であり、 図２は本考案に係る防犯窓用合せガラス構造の一例を示す正面図である。

【０００９】 ポリビニルブチラールやエチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる有機接着膜 ５を介することで接合された２枚のガラス板１からなる合せガラス２の合せ面に は、金属製板材３が介在配置されている。

【００１０】 ２枚のガラス板１を間に金属製板材３を介在させて接着するためには、有機接 着膜５がガラス板１に積層された１枚の積層体を、有機接着膜５が対向するよう に間に金属製板材３を介在させて配することが通常行われる。すなわち、この場 合の合せ面として金属製板材が当接するのは、ガラス板に積層されている１対の 有機接着膜である。

【００１１】 また、上記のほかに金属製板材が当接する合せ面としては、金属製板材の一方 の面側にガラス板、もう一方の面側に有機接着膜を配することが挙げられ、この 場合さらに有機接着膜の金属製板材と反対の面側にガラス板が配されることによ って、合せガラスに金属製板材が介在配置される。なお、これらの板材の積層体 の接着を担うものは有機接着膜であるため、合せガラスとしての接着強度の点に 鑑みれば、合せガラスが２枚のガラス板からなる例においては、ガラス板／有機 接着膜／金属製板材／有機接着膜／ガラス板の順に配されることが好ましい。

【００１２】 この金属製板材３は、板状の鋼材等、耐貫通性に優れた金属部材を用いて形成 されており、その板面には、ドット状やスリット状など、穿設された適宜の形状 からなる多数の透孔４が規則的もしくは不規則的に予め配置されており、これら の透孔４を介することで透視性が確保されている。

【００１３】 なお、より好ましい透視性確保の観点からは、透孔４がドット状のものである ときはその直径を２〜５ｍｍ程度とし、スリット状のものであるときはその幅を ２〜５ｍｍ程度とするのがそれぞれ望ましく、さらには、金属製板材３の全表面 積に対し前記透孔４により得られる開口率は、２０〜７０％程度の範囲で設定す るのが好ましい。

【００１４】 このようにして形成される金属製板材３は、例えば室内側の面を透視側とする 場合、この室内側に位置する一方の面を暗色面とし、被透視側である室外側に位 置する他方の面を明色面とすることで形成するならば、室外側から室内側を見づ らくし、室内側からは室外側が見えやすくすることができる。

【００１５】 また、室外側の面を光の反射率の高い明色面とするならば、室外側からの見づ らさをより一層効果的なものとすることができるのみならず、日中における日射 熱を遮る断熱効果をも付与することができる。

【００１６】 合せガラスを構成するガラス板は２枚に限らず、３枚以上が積層されてなるこ とも通常行われていることであり、この場合の金属製板材が介在配置される位置 についても特に制限はない。また、有機接着膜もそれに応じて介在されるもので あり、さらに有機接着膜自身も複数の膜が積層されたものであってもよい。

【００１７】 次に、このように構成されている本考案についてその作用を説明する。 すなわち、本考案によれば、金属製板材３を２枚のガラス板１相互間に介在配 置させてあるので、仮に故意によりガラス板１が破損されることがあるとしても 、依然として金属製板材３によりその開口面が覆われていることから、この金属 製板材３に対し侵入口を破壊形成することを困難なものとすることができる。し たがって、窃盗等の目的でガラス窓から侵入しようとする者に対してはこれを効 果的に阻止することができる。

【００１８】 また、前記金属製板材３には、多数の透孔４が穿設されているので、これらの 透孔４を介することでその透視性を確保することができるので、閉塞感や重圧感 を緩和することもできる。また、透孔４の形状や配列状態を工夫し、あるいは金 属製板材３の表裏両面に適宜の色彩を付すなどすることで、特異な意匠的効果を 発揮させることができ、美的創作の表示媒体として有効に機能させることもでき る。

【００１９】 なお、金属製板材３の一側面を明色面とし、他側面を暗色面として形成されて いるときは、明色面側からの透視を困難なものとすることができ、プライバシー 保護の一助とすることもできる。

【００２０】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、ガラス板相互間に耐衝撃性と耐貫通性とに 富む金属製板材を囲枠に固定させて介在配置させてあるので、仮に犯罪を目的と する故意によるガラス板の損壊行為があったとしても、前記金属製板材によりそ の侵入を効果的に阻止することができるので、窓を安全性の高い構造のものとす ることができ、しかも、金属製板材には透孔を設けてあるので、透視性を確保す ることで解放感を同時に付与することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る防犯窓用合せガラス構造の一例を
示す概略断面図

【図２】本考案に係る防犯窓用合せガラス構造の一例を
示す正面図

【符号の説明】

１：ガラス板 ２：合せガラス ３：金属製板材 ４：透孔 ５：有機接着膜

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数枚のガラス板が有機接着膜を介して接
   合されてなる合せガラスであって、該合せガラスの合せ
   面に、多数の透孔を有してなる金属製板材が介在配置さ
   れていることを特徴とする防犯窓用合せガラス構造。