JPH0647502A - 高Cr−Al鋼急冷薄帯の製造方法 - Google Patents

高Cr−Al鋼急冷薄帯の製造方法

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JPH0647502A
JPH0647502A JP20520592A JP20520592A JPH0647502A JP H0647502 A JPH0647502 A JP H0647502A JP 20520592 A JP20520592 A JP 20520592A JP 20520592 A JP20520592 A JP 20520592A JP H0647502 A JPH0647502 A JP H0647502A
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JP
Japan
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molten steel
tundish
temperature
nozzle
steel
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Pending
Application number
JP20520592A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiharu Ozawa
三千晴 小沢
Hiroshi Yamane
浩志 山根
Masao Yukimoto
正雄 行本
Seiji Okabe
誠司 岡部
Nobuisa Shiga
信勇 志賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH0647502A publication Critical patent/JPH0647502A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多量のCrに加えAlを含有する組成の鋼から、
急冷薄帯を製造する方法について提案する。 【構成】 Cr:15〜30wt%およびAl:3〜12wt%を含有
する溶鋼を収容した保持容器から、該溶鋼をタンディッ
シュ内に注湯し、このタンディッシュ底部に設けた注湯
ノズルのスリット状開口から、溶鋼を回転する冷却体上
に供給して急冷凝固を強いて薄帯を製造する方法におい
て、該保持容器内の溶鋼温度を1580℃以上に保持し、さ
らに溶鋼中〔%N〕について、保持容器内とタンデッシ
ュ内との差が0.015 wt%以下となる、溶鋼の温度制御を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶鋼から直接薄帯を
得る、急冷薄帯の製造方法に関し、特に多量のCrに加え
Alを含有する組成の鋼から、急冷薄帯を製造しようとす
るものである。
【0002】
【従来の技術】急冷金属薄帯の製造方法において、特に
0.1mm 厚以下の製品を得るには、単ロールを冷却体と
し、このロール面にスリット幅が2mm以下のノズルか
ら、ノズルとロール表面間のギャップを2mm以下として
注湯し、ロール面上で急冷凝固させる方法が、一般的で
ある。この場合、非常に細いノズルスリットを経由して
注湯するため、ノズル内で溶融金属が凝固する、いわゆ
るノズル詰まりを生ずることが多い。とくにAlを含有す
るCr鋼は、溶鋼内でAlN が生成し、そのAlN がノズルス
リット内で堆積してノズル詰まりを助長する。
【0003】このノズル詰まりに対しては、例えば特開
昭62−220252号公報では、ノズル外周をヒータ
ーによって800 ℃に加熱することが提案されている。し
かし、この方法は溶鋼の温度低下に起因したノズル詰ま
りには有効な場合があるが、AlN のような介在物起因の
ノズル詰まりに対しては十分とは言えない。
【0004】一方、スラブ等を製造する連続鋳造におい
ては、介在物起因のノズル詰まりに対して例えば特開平
2−37948号公報に、Arガスをノズル内溶鋼に吹き
込むことによって解決する方法が、開示されている。し
かしながらこの方法は、開口幅が2mm以下のスリットノ
ズルに対しては、その適用が技術的に困難である上、溶
鋼温度が低下し易く、ノズル詰まりを助長することにな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、Cr
含有率が高くかつAlを含む溶鋼を、スリットノズルを介
して注湯して、急速凝固させるに当たって、ノズル閉塞
が無く、しかも溶鋼を安定して冷却体に供給し得る、急
冷薄帯の製造方法について、提案することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、Cr:15〜30
wt%(以下、単に%と示す)およびAl:3〜12%を含有
する溶鋼から急冷薄帯を製造する際の、注湯時のノズル
詰まりの問題を解決するため、数多くの実験と検討を重
ねた結果、保持容器内の溶鋼温度を所定温度以上に保持
し、さらに保持容器内とタンディッシュ内の有効N量に
基いて、溶鋼温度を制御することによって、ノズル詰ま
りが無くかつノズルスリット全幅で均一に注湯が実現で
きるとの知見を得た。
【0007】この発明は、上記知見に由来するものであ
る。すなわちこの発明は、Cr:15〜30%およびAl:3〜
12%を含有する溶鋼を収容した保持容器から、該溶鋼を
タンディッシュ内に注湯し、このタンディッシュ底部に
設けた注湯ノズルのスリット状開口から、溶鋼を回転す
る冷却体上に供給して急冷凝固を強いて薄帯を製造する
方法において、該保持容器内の溶鋼温度を1580℃以上に
保持し、さらに下記(1) 式で表される溶鋼中〔%N〕に
ついて、保持容器内とタンデッシュ内との差が0.015 %
以下となる、溶鋼の温度制御を行うことを特徴とする、
高Cr−Al鋼急冷薄帯の製造方法である。
【数2】
【0008】次に、この発明を完成するに到った経緯を
説明する。まず、ノズル詰まりを生じたノズル内残鋼の
凝固後の状態を図1に示すように、ノズルスリット内に
多数の介在物が堆積しており、これがノズル詰まりの原
因となっていることが良く分かる。そして、この介在物
は電子顕微鏡(EPMA)による分析の結果、AlN であ
ることが判明した。
【0009】一方、溶鋼内のN量、すなわち
【外1】 は温度と顕著な相関があり、これは図2に示す、
【外2】 の平衡関係で説明できる。なお
【外3】 の平衡関係は以下のようにして求めたものである。各反
応の自由エネルギーは、
【数3】
【0010】
【数4】
【0011】そして、上記(8) 式の右辺に-0.3の補正を
加えると、上述の(1) 式が得られ、図2に示した実測値
と一致した値が得られる。この図2から、溶鋼中の溶解
【外4】 は温度低下とともに減少することが、明らかである。す
なわち、同図に示す組成の溶鋼において、保持炉内溶鋼
温度が1700℃の場合、溶鋼中に存在する390ppmの
【外5】 は、タンディッシュ内溶鋼温度が1600℃に低下すると17
0ppmとなり、その差220ppmの
【外6】 と反応しAlN となる。そして、生成したAlN はスリット
ノズル入口部に堆積し、ノズル詰まりの原因となるので
ある。
【0012】次に、ノズル詰まりの発生と温度との関係
を図3に示す。溶鋼の保持容器内温度が1700℃以上の場
合と1580℃以下の場合は必ず詰まる現象が見られるが、
その間の温度域においては、タンディッシュ温度と保持
容器温度との差が、概ね70℃以内であればノズル詰まり
は無い。
【0013】また、図3におけるデータを上述の(1) 式
によって溶解〔%N〕の差、すなわち析出するN量で整
理した結果を、図4に示す。同図に示すように、保持容
器温度が1580℃未満の実験を除いては、温度低下によっ
て介在物を生成するN量が150ppm以下であれば、詰まり
が生じないことが明らかである。なお、保持容器内の溶
鋼温度が1580℃未満の場合は、タンディッシュ内温度が
1540℃以下となり、介在物起因ではなく温度低下が原因
でノズルが詰まるのである。
【0014】また成分組成に関しては、急冷薄帯製造に
有利な範囲として、Crが15%以上およびAlが3%以上と
する。この範囲に満たないと、急冷薄帯にする必要はな
く、従来工程での製造に何ら問題がないからである。一
方Crが30%をこえるか、またはAlが12%をこえる場合
は、薄帯の靭性がなく、実質的に薄帯の利用が困難なの
で、上限はCr:30%、Al:12%とする。
【0015】なお、この発明の方法には、例えば図5に
示す、急冷金属薄帯製造装置が有利に適合する。図中、
番号1は溶鋼の保持容器、2はタンディッシュ、3はス
リット状開口を有するノズル、4は予熱用バーナー、5
は冷却ロールおよび6は急冷薄帯である。この装置にお
いて、溶鋼は保持容器1からタンディッシュ2に供給さ
れ、次いでノズル3のスリット状開口からロール5表面
に注入され、ここで急冷凝固して急冷金属薄帯6とな
る。ここに、タンディッシュ2上部の予熱用バーナー4
は、タンディッシュ2内へ供給した溶鋼を1580℃以上に
保持するため、タンディッシュを予熱しておくためのも
のである。
【0016】
【実施例】表1に示す含有量のCrおよびAlを含み、残部
実質的にFeの組成になる溶鋼から、図5に示すところに
従って、幅:100mm および厚さ:0.05mmの急冷薄帯を製
造するに当り、表1に示す各条件で操業を行った。各操
業におけるノズル詰まりについて調査した結果を、表1
に併記する。なお、製造装置における、ロール周速は20
m /sおよびノズルスリット開口幅は1.3mm (実験No.
1のみ1.0mm )である。
【0017】
【表1】
【0018】表1から、保持容器内の溶鋼温度が1580℃
以上で、温度低下によって介在物を生成するN量が150p
pm以下であれば、詰まりが生じないことがわかる。ちな
みに、20%Cr- 5%Al溶鋼で保持容器温度1661℃、タン
ディッシュ温度1598℃でNの計算析出量が116ppmであ
る、実験No. 7におけるノズル内残鋼の状態を図6に示
すように、介在物の堆積が全く認められないことがわか
る。すなわち、図6と図1(実験No. 1)とを比較する
と、溶鋼温度制御により介在物堆積が制御できることが
良くわかる。
【0019】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、注湯ノズル
から冷却体に対し、ノズル詰まりのトラブルを生じるこ
となしに、安定して溶鋼を注湯することができ、従って
急冷薄帯の安定供給を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ノズルスリット開口における、AlN の堆積状態
を示す模式図である。
【図2】Nと溶鋼温度との関係を示すグラフである。
【図3】ノズル詰まりに及ぼす、保持容器およびタンデ
ィッシュ間の温度低下の影響を示すグラフである。
【図4】ノズル詰まりに及ぼす、溶解N量の影響を示す
グラフである。
【図5】急冷薄帯製造装置の模式図である。
【図6】ノズルスリット開口における、残鋼の堆積状態
を示す模式図である。
【符号の説明】
1 保持容器 2 タンディッシュ 3 ノズル 4 予熱用バーナー 5 冷却ロール 6 急冷薄帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 行本 正雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 岡部 誠司 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 志賀 信勇 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr:15〜30wt%およびAl:3〜12wt%を
    含有する溶鋼を収容した保持容器から、該溶鋼をタンデ
    ィッシュ内に注湯し、このタンディッシュ底部に設けた
    注湯ノズルのスリット状開口から、溶鋼を回転する冷却
    体上に供給して急冷凝固を強いて薄帯を製造する方法に
    おいて、該保持容器内の溶鋼温度を1580℃以上に保持
    し、さらに下記(1) 式で表される溶鋼中〔%N〕につい
    て、保持容器内とタンデッシュ内との差が0.015 wt%以
    下となる、溶鋼の温度制御を行うことを特徴とする、高
    Cr−Al鋼急冷薄帯の製造方法。 【数1】
JP20520592A 1992-07-31 1992-07-31 高Cr−Al鋼急冷薄帯の製造方法 Pending JPH0647502A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4829591A (en) * 1985-08-29 1989-05-09 Nec Corporation Portable radio
GB2384627B (en) * 2000-10-04 2004-09-08 Motorola Inc Folded inverted F antenna for GPS applications
JPWO2017203700A1 (ja) * 2016-05-27 2019-03-14 オリンパス株式会社 医療用マニピュレータおよび医療用マニピュレータの作動方法

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