JPH0647482U - 緩衝性のある床材 - Google Patents
緩衝性のある床材Info
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- JPH0647482U JPH0647482U JP9152592U JP9152592U JPH0647482U JP H0647482 U JPH0647482 U JP H0647482U JP 9152592 U JP9152592 U JP 9152592U JP 9152592 U JP9152592 U JP 9152592U JP H0647482 U JPH0647482 U JP H0647482U
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- rubber
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 階上音を階下に伝えにくい、歩行感の良い床
であって、かつ汚れにくく、ダニが発生せず、水を吸わ
ない、意匠性のあるものの開発。 【構成】 無機粉末4、300部以上をゴムないし高分
子エラストマー系のバインダー5でつなげた厚み2〜1
0mmの緩衝性のあるシートないしボード3の上に、床
用塩ビシートに代表される合成樹脂化粧材1を接着した
もの。 【効果】 緩衝性があり、かつ耐汚染性、耐水性、施工
性、意匠性を兼ね備えている。
であって、かつ汚れにくく、ダニが発生せず、水を吸わ
ない、意匠性のあるものの開発。 【構成】 無機粉末4、300部以上をゴムないし高分
子エラストマー系のバインダー5でつなげた厚み2〜1
0mmの緩衝性のあるシートないしボード3の上に、床
用塩ビシートに代表される合成樹脂化粧材1を接着した
もの。 【効果】 緩衝性があり、かつ耐汚染性、耐水性、施工
性、意匠性を兼ね備えている。
Description
【0001】
本考案は、住宅や店舗などの内装に用いられる床材に関するものである。
【0002】
近年、床を通して伝わる階上音が問題となっている。また、歩行時のショック を和らげる適度な緩衝性のある床材が求められている。 これに応えられる床材は、現状ではカーペット、タイルカーペット、リノリュ ームなど極めてすくない。また塩化ビニール系で発泡層を設けたクッションフロ アも用いられている。
【0003】
カーペット、タイルカーペットは音の発生がほとんどなく、歩行感は快適で、 断熱性、意匠性も高い優れた床材であるが、汚れやすく、水が浸透しやすいとい う欠点も有している。特に、住宅においては、ダニの巣窟になる虞れから、カー ペットを木質フローリングに代える動きがあり、階上音問題を招いている。 リノリュームは適度な緩衝性があり、しかも衛生的で継ぎ目なしに施工できる 床材であるが、住宅や店舗などに用いるには単調で意匠性に劣り、好まれない。 クッションフロアは、製造上の制約から、厚みが2mm程度までであり、緩衝 性能の面で不足であり、特に階上音対策にはほとんど有効性がない。
【0004】
基本的な解決手段として、従来からある塩化ビニール系長尺シートやクッショ ンフロアの下面に、緩衝性があり、かつ潰れにくい材料を下層材(3)として貼 付してやることである。この緩衝材料として、本考案者は、ゴム又は高分子エラ ストマーをバインダーとし、これを重量で100部とした時、無機粉末を300 部以上充填した厚さ2〜10mmの柔軟なシ一トないしボードを採用し、接着に より複合させることを提案する。尚、充填度の上限としては、本考案者の試作で は1400部でも床材に使える柔軟性ないし緩衝性、圧縮強度を備えたものが得 られている。
【0005】 下層材(3)に用いるバインダーは、ゴム系では天然ゴム、イソプレンゴム、 スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、 ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、アク リルゴム、シリコーンゴム、ノルボルネンゴムなどであり、高分子エラストマー 系では塩素化ポリエチレン、ウレタン、軟質塩化ビニール、エチレン酢酸ビニー ルなどである。通常は1種類であるがブチルゴムとエチレンプロピレンゴムのよ うに複数をブレンドして特徴を出すこともできる。例えば、制振性能から言えば ブチルゴム、ノルボルネンゴムは定評のあるものであるが、衝撃に対する初発の 発生音のみに関して言えば天然ゴムのように反発弾性の大きいものの方がはるか に音が小さく、従ってどの材料が最適であるとは一概に言えない。むしろ下記の 300部以上の無機充填で脆性など床材としての欠点が発生しないことのほうが 重要である。
【0006】 上記バインダーはそれ自体かなり柔軟で、2mm以上の厚みがあれば床にする には緩衝性は充分であるが、圧縮歪みが大き過ぎる。そこで、圧縮歪みを制限し てやるために、300部以上の無機粉末の充填材を混入する。これによって高価 な高分子材料のコストダウンにもなる。このとき、充填率が高過ぎて逆に緩衝性 能を必要以下に落とさないよう注意を要するが、その領域はバインダーの種類、 グレード、充填材の種類、粒度の組合わせにより著しく異なる。 無機充填材としては、炭酸カルシューム、タルク、クレイ、フライアッシュ、 ブルーサイト、珪草土、製鉄スラグ、焼却汚泥、硫酸バリュームなどの粉末であ る。粉末粒度は、厚みにも左右されるが、一般に偏析を避けるためには200μ m径以内であれば望ましい。これらの充填材も2種以上併用することができる。
【0007】 下層材を作るには、バインダーと無機充填材をニーダー、バンバリーなどを用 いてよく混練した後、押出機、カレンダーロールなどを用いて、シートないしボ ードの形に成型する。適度な緩衝性能と現場の施工条件を勘案すると、厚みは2 〜10mm、標準的には3〜5mmが望ましい。実験室ではこれらすべての過程 を温度制御のできる2本ロールでおこなうことができる。混練に当たっては、必 要に応じて、安定剤、加硫剤、カーボン、可塑剤、発泡剤、顔料、その他促進剤 など助剤を添加するのは言うまでもない。混練、成型のさいは、加温、冷却など 最適条件に温度調節する。ゴム系バインダーの場合、成型後100〜200℃の 温度を掛けて加硫処理することにより、永久圧縮歪みをすくなくする。
【0008】 無機充填材の詰め込み過ぎはときには緩衝性能を犠牲にすることがある。これ を防ぎ、かつ高価なバインダーを節約するにはジオクチルフタレートやパラフィ ン系の可塑剤を添加したり、発泡剤、すなわちアゾ系では通称ADCA、ニトロ ソ系では通称DPT、スルホニルヒドラジド系では通称TSHなどを混入して加 熱して発泡させることは有効である。加硫できるものは加硫するが、過加硫で硬 くするのは良くない。
【0009】 下層材(3)の上面に貼る上層材(1)は化粧材であって、耐汚染性、耐摩耗 性、耐久性、意匠性を備えた合成樹脂シートであれば何でもよいが、耐摩耗性な ど特に床用に設計されたものが望ましい。代表的なものは塩化ビニール系長尺シ ート、クッションフロアである。厚みは0.5〜2mm程度のものである。
【0010】 下層材(3)に上層材(1)を貼り合わせる接着剤は溶剤系を除けばほとんど 有効である。これは上層に一般的には塩化ビニール、下層には300部以上つま り重量比で4分の3以上の無機材を含む基盤が来て、しかも使用に当たって土か ら圧力を受けるためあまり高い接着力を要しない事情にもよる。具体的には、酢 酸ビニール系、エチレン酢酸ビニール系、エポキシ系、アクリル系など汎用接着 剤で充分である。しかしクロロプレン系など、いわゆるゴムのりは、キシレン、 アセトンなどの溶剤を含み、接着のさい、上下層に浸透して変形や強度低下の因 になるので、芳しくない。
【0011】 この考案の複合床材は、製品として、例えば幅303mm×長さ909mm、 とか縦横606mm×606mmの定尺に裁断するのが、輸送や施工の面で便利 である。現場での施工に当たっては、コンクリートスラブ、木材板などの床下地 にエチレン酢酸ビニールなど通称ボンド接着剤を全面塗りないし団子塗りし、そ の上にこの製品を相互に密着させて付設し、圧着すればよい。 なお、これより容易に想像できるやり方として、無機充填緩衝シートないしボ ードと合成樹脂化粧シートを別々に現場に搬入して、床下地、緩衝シートないし ボード、化粧シートの順に下から貼り合わせる方法もある。この場合、やや手間 がかかるが、化粧シートを緩衝シートないしボードのサイズに関係なく大きく貼 れる利点がある。
【0012】
この考案の複合床材を内装材として使用すると、歩行や器物を落とした時の発 生音、伝搬音が著しく軽減される。かつまた、歩行にあたっては適度な緩衝性が あるので歩行感がきわめて良い。しかも、圧縮強度がキャスター輪など一部の集 中荷重を除けば床材として充分である。下層材(3)の無機充填度が高いのでき わめて燃えにくい。無機材の多用にもかかわらず、耐水性バインダーのために吸 水率は著しく低くなる。裁断はカッターで容易にできるので、現場での施工はあ まり熟練度に左右されずやれる。
【0013】 この考案の複合床材は、その緩衝性能からくる防音用途として、床以外にも内 装壁や天井に使用するのにも適している。また鋲を止めたり外したりするのがや り易い。
【0014】
本考案者に係わる特願平3−80910に基づき、昭和電工社製塩素化ポリエ チレン100重量部に対し、粒径150μm以下の製鉄高炉水砕スラグ粉末10 00重量部を、安定剤としてステアリン酸カルシューム10重量部と共に、実験 用2本ロールで大凡70〜80℃の温度下で約10分間混練した後、厚み3mm でサイズが200mm×200mmのシートを圧延製造し、これを下層材(3) とした。このシートの特徴は以下の通りであった。 密度2.35g/cm3。引張強度32.4kg/cm2。伸び率20%。吸 水率は24時間浸漬で0.33%で極めて低い。炎を接触させて30秒間火にさ らしても全く点火しない。 柔軟性は直径25mmの円柱に半円周分だけ密着させて曲げてもクラックが発 生せず、また直径1mmの先端が平坦な針を1.5mm押込んだときの最大抵抗 値は3.5kgであった。このことから推察されることは、床材として使用して も簡単にぶよぶよと沈むことはないことも判明した。 また、簡単な装置による遮音性能試験では1000hzの発生音に対して、こ のシートは12mm厚の石膏ボードを上回る性能を示した。 片面から熱湯を掛けても変形が見られない。すなわち温度変化に対して寸法精 度が良い。 カッターを用いて簡単に切断できる。接着は溶剤系を除いてはほとんど有効で ある。従って、施工性がきわめて良い。
【0015】 上記シートの上面に、クラレ社製エチレン酢酸ビニールのエマルジョン接着剤 #4000を10〜20g全面塗布し、厚みが1.5mmの市販の木目模様塩化 ビニール製クッションフロアを200mm×200mmに切り上層材(1)とし て圧着し、約50kgの重りを載せて常温で24時間放置した。その結果、重さ 340gの複合ボードが出来た。
【0016】 かくして出来た試作品について、端部の角から強制的に下層材を引剥がそうと したところ、下層材を壊さないでは取れない強力な接着を形成していた。また、 平坦度が極めて良く、表層の上層材に高級感を付与していた。 この試作品の緩衝性能をみるために、木質フロア上に密着して設直し、一定の 高さからスプーンないしフォークを落としたところ、木質フロアに直接落とせば 高音のよく響く音が出るのに対し、この試作品では聞きとりにくい籠った音にな ることが判明した。また、この試作品の上に乗って人間が跳び降りしてみると、 顕著に凹むことはないが、木質フロアにないクッション感覚が得られた。 なお、この試作品は水をこぼしても吸収されにくく、また燃えにくい。 カッターを用いて正確に切断しやすく、溶剤系を除いてほとんどの接着剤が有 効である。 特に改修のさい、下地に細かいコンクリート屑が残っていると、従来は施工後 表に見えてやり直す必要があったが、この試作品を使うとそうした必要がなく、 不陸調整の機能を持っている。
【0017】
1.緩衝性があるため、床材として落下音や衝撃音の発生が低く、かつ伝えに くいから、階上音が階下の迷惑になるのを軽減する効果がある。 2.緩衝性があるため、床材として歩行感が良く、展示場、ブティック、飲食 店の床に適しており、また幼児や老人のいる家庭や保育園の安全が保てる。 3.下層材に無機充填材を300重量部以上用いているため燃えにくく、かつ 消費者に安価に提供できる。 4.吸水率が低いから、水をこぼしても滲み込まず、また拭きとりやすいから キッチンや洗面更衣室の床に向いている。 5.表面に意匠性があるとともに、汚れにくい。ダニの発生がない。 6.床本体に付着している細かい異物を目立たなくさせるため、不陸調整の手 間を省き、改修用途に適している。 7.床本体がコンクリートの場合、平坦度を確保するとともに、冷たい感じが 直接伝わるのを抑制する。 8.木質やコンクリート、ALCなどの床本体への接着が容易で、端部など現 場に合わせた切断もカッターで簡単にできる。職人の腕にあまり左右されない。 9.考案品の下層材は、上層の化粧材と床本体に挟まれて直接空気の流通や日 射に曝されないので、バインダーの紫外線による劣化やジエン系ゴムのオゾン劣 化が抑制される。 10.上記の効果を活かせば、内壁や天井にも適用できる汎用性がある。また 止鋲性も具えている。
【図1】考案品の表面と垂直に切断したときの断面図。
1 上層材 2 接着層 3 下層材 4 無機粉末 5 バインダー
Claims (3)
- 【請求項1】 ゴム又は高分子エラストマーをバインダ
ーとし、充填材として無機粉末を300部以上充填し
た、厚さ2〜10mmの柔軟なシートないしボードを下
層材(3)とし、その上面に色彩、模様、エンボスによ
り意匠性を持たせた合成樹脂化粧シートを上層材(1)
として接着層(2)を介して貼付した緩衝性のある複合
床材。 - 【請求項2】 塩素化ポリエチレンをバインダーとし、
充填材として製鉄高炉水砕スラグ粉末をもちいた下層材
(3)に、塩化ビニール化粧シートを上層材(1)とし
て貼付した請求項1記載の緩衝性のある複合床材。 - 【請求項3】 下層材(3)に発泡剤を入れて発泡させ
た請求項1記載の緩衝性のある複合床材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9152592U JPH0647482U (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 緩衝性のある床材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9152592U JPH0647482U (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 緩衝性のある床材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0647482U true JPH0647482U (ja) | 1994-06-28 |
Family
ID=14028847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9152592U Pending JPH0647482U (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 緩衝性のある床材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0647482U (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013067163A (ja) * | 2011-08-10 | 2013-04-18 | Bando Chemical Industries Ltd | 車両用床シート、車両の床構造体、車両の床構造体の施工方法 |
JP2014077270A (ja) * | 2012-10-10 | 2014-05-01 | Toppan Cosmo Inc | 水廻り用遮音床材 |
JP2018178367A (ja) * | 2017-04-03 | 2018-11-15 | アキレス株式会社 | 床材 |
-
1992
- 1992-12-01 JP JP9152592U patent/JPH0647482U/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013067163A (ja) * | 2011-08-10 | 2013-04-18 | Bando Chemical Industries Ltd | 車両用床シート、車両の床構造体、車両の床構造体の施工方法 |
JP2014077270A (ja) * | 2012-10-10 | 2014-05-01 | Toppan Cosmo Inc | 水廻り用遮音床材 |
JP2018178367A (ja) * | 2017-04-03 | 2018-11-15 | アキレス株式会社 | 床材 |
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