JPH0647289B2 - 印刷装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、液体インクを電界により飛翔させて記録体上
にドツトを形成し、このドツトの組合せで文字や図形等
の画像を形成するようにした印刷装置に関するものであ
る。

従来の技術 従来、ノズルから液体インク滴を噴出させて記録体上に
画像を形成する、いわゆるインクジエツトプリンタは、
印刷時の騒音が少ないこと、他の印刷方式に較べて多色
印刷を行なう場合にランニングコスト等の点で有利であ
るなどの理由から数多くの発明がなされ、また、改良が
加えられている。しかしながら、インクの蒸発に基づく
ノズルの目詰りに対する対策は充分ではなく、実用上の
問題になっている。

このようなノズルの目詰りの発生を解消するために、液
体インクを使用する形式のものにおいて、前述のインク
ジエツトプリンタとは異なる方式のものが考えられてい
る。

まず、その一例を示すと、特開昭５６−１７０号公報や
特開昭５６−４４６７号公報に記載されているように、
目詰りを起し易いノズルの代わりにスリツト状の開口部
を形成し、この開口部に対向する対向電極間に電界をか
けてインクを飛翔させているものである。

この形式のものにおいては、スリツト状の開口部からイ
ンク滴を離脱させるための構造が微妙であり、安定性に
欠けると云う問題がある。

また、他の方式のものとしては、特開昭５４−２３５３
４号公報や特開昭５９−１５９３５５号公報に見られる
ように、針状部材の外周に沿わせてその先端にインクを
導き、電界によりインクを飛翔させるものである。

この形式のものは、インクをその針状部材の先端にまで
導くためには磁性インクを用いなければならず、この磁
性インクはそれに含まれる磁性体粉の地色のために色選
択の自由度がないと云う欠点を有する。

発明が解決しようとする問題点 液体インクを使用して前述のインクジエツトプリンタの
具備する特長を維持したまま、その欠点を解決するため
には、インクが放出される部分で目詰りを起さないこと
が絶対的に必要なものである。

また、液体インクとして磁性インクの使用はその色彩の
点で望ましくなく、普通インクで印刷できるようにしな
ければならない。

問題点を解決するための手段 プリンタヘツドの記録電極の先端部が露出する面を円筒
面に形成し、この円筒面の曲率中心を中心として回動す
るキヤツプにより記録電極の先端部を外気から遮断す
る。

作用 不使用時における記録電極の先端部は、キヤツプにより
覆われて外気と遮断されているので、インクの蒸発を防
止する。これにより、記録電極の先端部にインクの滓が
発生することがなく、常時一定の印字状態を得ることが
でき、また、キヤツプの開閉は回動であるため、その駆
動が容易であり、構造も簡単である。

実施例 本発明の第一の実施例を第１図ないし第５図に基づいて
説明する。まず、プリンタ本体１には、その手前側に二
本（第１図では一本しか図示されていない）のガイド軸
２が水平に設けられ、このガイド軸２にはキヤチヤ３が
左右に往復動自在に取り付けられている。このキヤリヤ
３にはプリンタヘツド４が載置されている。また、前記
プリンタ本体１の中央部には、前記プリンタヘツド４に
対向する対向電極５が水平に取り付けられている。この
対向電極５の奥には、記録体としての記録紙６を送るト
ラクタ７が設けられている。このトラクタ７には外側方
に突出した操作ノブ８が結合されている。

しかして、前記プリンタヘツド４のケース９の内部に
は、インク１０を蓄えるインク室１１が形成され、この
インク室１１の内部には導電性とインク含浸性とを有す
る記憶電極１２がその先端部１３を外部に露出させて設
けられている。そして、前記ケース９の一面は、円筒面
１４とされ、前記記録電極１２の先端部１３はその円筒
面１４に形成された凹部１５の略中心に位置している。
この円筒面１４の下端には、その円弧と交叉する面によ
るストツパ１６が設けられている。

このような記録電極１２と前記対向電極５との間には、
高電圧スイツチ１７を介在させて二つの電源１８，１９
が接続され、これらの電源１８，１９の接続中点は接地
されている。また、前記高電圧スイツチ１７には、画像
信号に応じてその高電圧スイツチ１７を開閉する信号を
発生させる印刷制御回路２０が接続されている。

また、前記円筒面１４の曲率中心に位置させて支軸２１
が設けられ、この支軸２１には前記円筒面１４に密閉的
に接する閉塞面２２を有するキヤツプ２３が回動自在に
設けられている。このキヤツプ２３の両側と前記支軸２
１との嵌合部には、そのキヤツプ２３の側壁２４よりも
内方に位置させてギヤ２５が形成されている。

ついで、前記キヤリヤ３の上面には、内部中空のステー
ジ２６が設けられ、このステージ２６内にはモータ２７
が設けられている。このモータ２７の駆動軸には駆動ギ
ヤ２８が固定され、この駆動ギヤ２８は前記ステージ２
６の上部に軸着された中間ギヤ２９に噛み合わされてい
る。この中間ギヤ２９は前記キヤツプ２３のギヤ２５に
噛み合わされている。

このような構成において、非印字時には第１図に示すよ
うにキヤツプ２３はプリンタヘツド４の円筒面１４に密
接して記憶電極１２を外気から遮断している。そのた
め、記録電極１２に含浸されたインク１０の水分は乾燥
せず、記録電極１２の先端部１３の状態が変化すること
がない。したがつて、長期間にわたつて使用しなくても
印字状態は安定している。

つぎに、印字指令があるとモータ２７に通電され、駆動
ギヤ２８、中間ギヤ２９、ギヤ２５を介してキヤツプ２
３を第２図に示すように回動させる。これにより、キヤ
ツプ２３により閉塞されていた円筒面１４は開放され、
記録電極１２の先端部１３は外気に露出する。この状態
は印刷可能状態であり、印刷制御回路２０による信号で
高電圧スイツチ１７がオンオフし、記録電極１２と対向
電極５との間にインク１０が飛翔するに充分な電界が印
加され、インク１０は記録紙６に付着してドツトを形成
する。このような繰り返しにより形成されるドツトの組
合せで文字または図形が形成される。

ついで、第６図および第７図に基づいて本発明の第二の
実施例を説明する。前記実施例と同一部分は同一符号を
用い説明も省略する。本実施例はモータ２７に代えてロ
ータリソレノイド３０を用い、かつ、復帰ばね３１によ
りキヤツプ２３を閉塞方向に付勢したものである。

したがつて、印刷動作中にはロータリソレノイド３０に
通電した状態を継続し、印刷終了時にはロータリソレノ
イド３０への通電を遮断する。これにより、キヤツプ２
３は自由状態になり、復帰ばね３１の力でプリンタヘツ
ド９の円筒面１４を閉塞する方向に復帰回動する。

なお、前記実施例においては、記録電極１２が静止した
状態のプリンタヘツド４を用いた状態について説明した
が、このプリンタヘツドの形式としては静電界によりイ
ンクを飛翔させるものであれば種々のものが用いられ
る。すなわち、記録電極を対向電極に向けて進退自在の
ものとし、両者間に印加する電圧を一定にして印字信号
に応じて記録電極を対向電極に近接させて両者間の電界
を高める可動形のものであつても、その記録電極の先端
部を回転式のキヤツプにより閉塞することが可能なもの
である。

発明の効果 本発明は、上述のように記録電極を保持するプリンタヘ
ツドに円筒面を形成して、この円筒面に記憶電極の先端
部を位置させ、その円筒面の曲率中心を中心として回動
するキヤツプにより記憶電極の先端部を外気から遮断す
るようにしたので、長期間にわたつて使用しなくても記
録電極の先端部でのインクの蒸発がなく、これにより、
記録電極の先端部の状態は常時一定に保たれて安定した
印刷を行なうことができ、とくに、キヤツプは回動する
ものであるため、その駆動が容易であり、その構造も簡
単にすることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第一の実施例を示す側面図、第２図は
その印刷状態の側面図、第３図はプリンタヘツドの印刷
原理を示す縦断側面図、第４図はプリンタ本体の斜視
図、第５図はそのキヤリヤ部分の斜視図、第６図は本発
明の第二の実施例を示す側面図、第７図はその印刷状態
の側面図である。 ４……プリンタヘツド、５……対向電極、６……記録紙
(記録体)、１０……インク、１２……記録電極、１３…
…先端部、１４……円筒面、２３……キヤツプ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】導電性とインク含浸性とを有する記録電極
   を形成し、記録体を介して前記記録電極と対向する対向
   電極を設け、この対向電極と前記記録電極との間に画像
   信号に応じて前記記録電極に含浸されたインクをその記
   録電極から前記記録体に向けて静電的に飛翔させて画像
   を形成するようにした印刷装置において、記録電極を保
   持するプリンタヘツドを形成し、このプリンタヘツドの
   前記記録電極の先端部が露出する面を円筒面に形成し、
   この円筒面の曲率中心を中心として回動することにより
   前記円筒面の前記記録電極の先端部を外気から遮断する
   キヤツプを設けたことを特徴とする印刷装置。