JPH0646965Y2 - ズボン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はズボンに係り、主として
男性用ズボンのウエスト部分の構造を改良したものに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のズボンのウエスト部分
は、たとえば、腰芯を有する腰帯の幅方向の上端部を前
記腰芯の内側部に沿って折返して上側折返部を形成し、
この上側折返部と腰裏の幅方向の上端部を腰裏芯の外側
下方に沿って折返された折返部とを縫着して、これらの
裁目を前記腰帯と腰裏との上端部間に介在させ、前記腰
帯の幅方向の下端部と身頃の上端部とを縫着するととも
に、この縫着部を前記腰芯の内側部に沿って上向き片返
しするとともに、前記身頃の内側部に配設された袋の上
部と前記腰裏芯の下端部とをまつり縫いし、この袋の上
端部と前記片返しされた腰帯の下端部及び前記身頃の上
端部の各裁目を前記身頃と腰裏芯との間に介在する構造
のものがある。また、腰帯の幅方向の下端部と身頃の上
端部及び袋の上端部とを一体としてステッチ縫止する構
造のものもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】前記構造では、袋の上
端部と腰帯の片返しされた下端部及び身頃の上端部の各
裁目を身頃と腰裏芯との間に介在した状態で身頃の内側
部の袋の上部と腰裏芯の下端部がまつり縫いされている
ため、このまつり縫いの部分が弱く、袋の上端部と腰帯
の片返しされた下端部及び身頃の上端部の各裁目がほつ
れ易く、特に洗濯機にて洗濯された場合には各裁目が比
較的簡単にほつれることが多い、という問題がある。ま
た、腰帯の幅方向の下端部と身頃の上端部及び袋の上端
部とを一体としてステッチ縫止する構造では、着用者の
腰に対するカーブがとりづらく、腰によくフィットしな
いことがある、という問題がある。

【０００４】本考案は、このような点に鑑みてなされた
もので、腰帯の下側折返部の内側部に身頃の上端部とと
もに縫着されたバイヤスからなる止め布と腰裏芯とをス
テッチ縫止することにより、これらの各裁目を身頃と腰
裏芯との間に封着して各裁目がほつれることを確実に防
止でき、洗濯機にて洗濯された場合にも各裁目が簡単に
ほつれるようなことがなく、また、これらの縫着部がス
テッチ縫止により強化されても着用者の腰に対するカー
ブがとり易く、腰によくフィットさせることができ、し
たがって、実用性が高く取扱いが容易で着用感にすぐれ
たズボンを提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案のズボンは、腰帯
１の内側部に腰芯２を配設し、この腰帯１の幅方向の内
側上部にこの腰帯１を前記腰芯２の上端部から腰芯２の
内側下方に沿って折返した上側折返部３を形成し、前記
腰帯１の内側下部にこの腰帯１を前記腰芯２の下端部か
ら腰芯２の内側上方に沿って折返した下側折返部４を形
成し、前記腰帯１の上側折返部３の内側部に腰裏５の幅
方向の上端外側部に下向きに折返された縫着部６及びこ
の腰裏５の外側部に配設された腰裏芯７の幅方向の上端
外側部に下向きに折返された縫着部８をそれぞれ縫着糸
９にて縫着し、前記腰裏５の幅方向の下端外側部に上向
に折返した折返部10と前記腰裏芯７の中途部11とを縫着
糸12にて縫着し、前記腰帯１の下側折返部４の内側部に
身頃13の上端部及びバイヤス地からなる止め布14の幅方
向の上部を縫着糸15にて縫着し、この止め布14の幅方向
の下部と前記腰裏芯７とを縫着糸16にてステッチ縫止し
たものである。

【０００６】

【作用】本考案のズボンでは、腰帯１の下側折返部４の
内側部に身頃13の上端部及びバイヤス地からなる止め布
14の幅方向の上部を縫着糸15にて縫着し、この止め布14
と腰裏芯７とを縫着糸16にてステッチ縫止したことによ
り、この身頃13と腰裏芯７との間に止め布14が確実に縫
止され、この止め布14によって腰帯１の上端部及び身頃
13の上端部等の各裁目が身頃13と腰裏芯７との間に確実
に封着される。また、腰帯１の上側折返部３と腰裏５の
縫着部６及び腰裏芯７の縫着部８とを縫着糸９にて縫着
してこれらの各裁目が封着されることと相俟って、ウエ
スト部の各裁目が腰帯１と腰裏５との間に確実に封入さ
れる。そして、これらの各裁目が洗濯機による洗濯によ
っても簡単にほつれるようなことがない状態となる。

【０００７】また、着用時には止め布14はバイヤス地か
らなるため、その伸縮性によって着用者の腰によくフィ
ットし、違和感がない状態で着用される。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の一実施例の構成を図面を参照
して説明する。

【０００９】図１乃至３において、１はズボンの腰帯
で、この腰帯１は内側部にはその全長に亘って所定の幅
に形成された腰芯２が配設されている。また、前記腰帯
１の幅方向の内側上部にはこの腰帯１を前記腰芯２の上
端部から腰芯２の内側下方に沿って折返した上側折返部
３が形成され、また、前記腰帯１の内側下部にはこの腰
帯１を前記腰芯２の下端部から腰芯２の内側上方に沿っ
て折返した下側折返部４が形成されている。

【００１０】また、前記腰帯１の上側折返部３の内側部
には腰裏５の幅方向の上端外側部に下向きに折返された
縫着部６及びこの腰裏５の外側部に配設されたバイヤス
地からなる腰裏芯７の幅方向の上端外側部に下向きに折
返された縫着部８がそれぞれ縫着糸９にて縫着されてい
る。また、前記腰裏５の外側部に上向に折返した折返部
10の上端近傍部と前記腰裏芯７の中途部11が縫着糸12に
て縫着されている。

【００１１】しかして、前記腰裏５は、前記腰帯１の上
側折返部３の内側部に縫着部６が縫着された上部腰裏5a
と前記折返部10を有する下部腰裏5bとからなり、前記上
部腰裏5aは、幅方向の下端外側部に上向きに折返された
下部縫着部17を有し、この下部縫着部17の外側部にテー
プ18の幅方向の上端部及び前記腰裏芯７の上部が縫着糸
19にて縫着されている。また、前記下部腰裏5bは、幅方
向の上端外側部に下向き折返された上部縫着部20を有
し、この上部縫着部20の外側部に前記テープ18の幅方向
の下端部、前記折返部10の上端近傍部及び前記腰裏芯７
の中途部11が縫着糸12にてそれぞれ縫着されている。

【００１２】さらに、前記腰帯１の下側折返部４の内側
部にズボンの身頃13の上端部及びバイヤス地からなる止
め布14の幅方向の上端近傍部が縫着糸15にて縫着され、
この縫着糸15の位置より下部に位置して前記止め布14と
前記腰裏芯７が縫着糸16にてステッチ縫止されている。
前記止め布14は、前記腰帯１と前記身頃13とを合わせた
厚みと略等しい厚みで形成されたものを用いることによ
り、着用時には腰帯１と身頃13との間には大きな段差が
生じることのない状態で着用される。

【００１３】また、ズボンの前側左右に設けるポケット
21及び後側左右に設けるポケット22は、それぞれ前記身
頃13と前記止め布14との間に配設され、その上端近傍部
がそれぞれの位置において前記腰帯１の下側折返部４、
身頃13の上端近傍部及び前記止め布14とともに、前記縫
着糸15にて縫着されている。なお、図中23は前身頃の上
部の左右部を開閉するジッパー、24は止め金である。

【００１４】このように構成することにより、腰帯１と
上部腰裏5aとの間には前記腰帯１の上側折返部３の裁
目、上部腰裏5aの縫着部６の裁目及び前記腰裏芯７の縫
着部８の裁目を封入した状態で封着されている。また、
前記腰帯１と前記腰裏芯７との間には、腰帯１の下側折
返部４の内側部に身頃13の上端部及びバイヤス地からな
る止め布14の幅方向の上部を縫着糸15にて縫着し、この
止め布14と腰裏芯７とを縫着糸16にてステッチ縫止した
ことにより、前記腰帯１の下側折返部４の裁目、前記身
頃13の上端部の裁目及び前記止め布14の上端部の裁目並
びに前後左右部の各ポケット21，22の上端部の裁目を封
入した状態で封着されている。そして、これらの各裁目
が洗濯機による洗濯によっても簡単にほつれるようなこ
とがない状態となる。

【００１５】また、着用時にはジッパー23にて前身頃の
上部の左右部を閉塞するとともに、止め金24にてウエス
ト部の左右部を閉塞することにより、腰裏芯７及び止め
布14はバイヤス地からなるため、その伸縮性によって着
用者の腰によくフィットし、違和感がない状態で着用さ
れる。

【００１６】つぎに、前記実施例では、止め布14は、上
部を腰帯１の下側折返部４の内側部に身頃13の上端近傍
部を介して縫着糸15にて縫着し、この縫着糸15より上部
の止め布14の部分を前記身頃13の上端近傍部に添わせる
場合について説明したが、これに限らず、図４に示すよ
うに、止め布14は、上部を腰帯１の下側折返部４の内側
部に身頃13の上端近傍部を介して縫着糸15にて縫着し、
この縫着糸15より上部の止め布14の折返縫着部14a を前
記縫着糸15より下方に折返し、この折返縫着部14a を前
記腰裏芯７の下側部に前記縫着糸16にてステッチ縫止す
るようにしてもよい。

【００１７】この場合、止め布14は、前記縫着糸16より
下部の止め布14の部分と前記折返縫着部14a とを重ね合
わせた厚さと前記腰帯１の下側折返部４及び前記身頃13
を合わせた厚みと略等しい厚みで形成されたものを用い
ることにより、着用時には腰帯１と身頃13との間には大
きな段差が生じることのない状態で着用される。

【００１８】このように構成することにより、前記実施
例の場合と同様に腰帯１と腰裏５との間には上下の各裁
目が封入された状態で封着される。そして、各裁目が簡
単にほつれることが防止される。

【００１９】

【考案の効果】本考案によれば、腰帯１の下側折返部４
の内側部に身頃13の上端部とともに上部が縫着されたバ
イヤス地からなる止め布14の下部と腰裏芯７とをステッ
チ縫止することにより、これらの各裁目を身頃13と腰裏
芯７との間に封入した状態で封着することができ、まつ
り縫いしたもののように各裁目が簡単にほつれて露出す
る見苦しさを確実に防止することができ、洗濯機にて洗
濯された場合にも各裁目が簡単にほつれるようなことが
なく、また、これらの縫着部がステッチ縫止により強化
されても止め布14はバイヤス地からなるため、着用者の
腰に対するカーブがとり易く、腰に好ましい状態によく
フィットさせることができ、したがって、実用性が高く
取扱いが容易で着用感にすぐれたズボンを提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すズボンのウエスト部の
説明断面図である。

【図２】同上ウエスト部分を展開した状態の一部を切り
欠いた正面図である。

【図３】同上ズボンの一部の側面図である。

【図４】他の実施例を示すズボンのウエスト部の説明断
面図である。

【符号の説明】

１ 腰帯 ２ 腰芯 ３ 上側折返部 ４ 下側折返部 ５ 腰裏 ６ 縫着部 ７ 腰裏芯 ８ 縫着部 ９ 縫着糸 10 折返部 11 中途部 12 縫着糸 13 身頃 14 止め布 15 縫着糸 16 縫着糸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 腰帯１の内側部に腰芯２を配設し、この
   腰帯１の幅方向の内側上部にこの腰帯１を前記腰芯２の
   上端部から腰芯２の内側下方に沿って折返した上側折返
   部３を形成し、前記腰帯１の内側下部にこの腰帯１を前
   記腰芯２の下端部から腰芯２の内側上方に沿って折返し
   た下側折返部４を形成し、前記腰帯１の上側折返部３の
   内側部に腰裏５の幅方向の上端外側部に下向きに折返さ
   れた縫着部６及びこの腰裏５の外側部に配設された腰裏
   芯７の幅方向の上端外側部に下向きに折返された縫着部
   ８をそれぞれ縫着糸９にて縫着し、前記腰裏５の幅方向
   の下端外側部に上向に折返した折返部10と前記腰裏芯７
   の中途部11とを縫着糸12にて縫着し、前記腰帯１の下側
   折返部４の内側部に身頃13の上端部及びバイヤス地から
   なる止め布14の幅方向の上部を縫着糸15にて縫着し、こ
   の止め布14の幅方向の下部と前記腰裏芯７とを縫着糸16
   にてステッチ縫止したことを特徴とするズボン。