JPH0646958A - 温度制御された発熱機能付食品容器 - Google Patents

温度制御された発熱機能付食品容器

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JPH0646958A
JPH0646958A JP4203737A JP20373792A JPH0646958A JP H0646958 A JPH0646958 A JP H0646958A JP 4203737 A JP4203737 A JP 4203737A JP 20373792 A JP20373792 A JP 20373792A JP H0646958 A JPH0646958 A JP H0646958A
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JP
Japan
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heat
transfer control
food container
molded body
container
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JP4203737A
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Teruyuki Awano
照幸 阿波野
Yoichi Hayashida
洋一 林田
Osamu Shinabe
修 品部
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 自己燃焼型発熱剤を用いた発熱機能付食品容
器において、該自己燃焼型発熱剤の周囲に伝熱制御成形
体が配置され、該伝熱制御体の成形体密度が該成形体材
料の真密度の60〜85%であることを特徴とする発熱
機能付食品容器。 【効果】 本発明は、発熱剤の周囲に制御された成形体
密度を有する伝熱制御剤を配置することにより、飲食品
内容物が存在しない状態で発熱させたときも最高表面温
度が300℃を超えない発熱機能付食品容器に関する物
であり、従来の発熱機能付食品容器が有する取扱い時の
安全性、防火性そしてコンパクト性に関する問題点が克
服され、更に、従来よりも低い温度で内部の飲食物を加
熱することにより、対流性の悪い高粘度飲食品でも焦げ
めを生じることなく加熱することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自己燃焼型発熱剤を飲
食品の加熱用途に応用した容器の表面最高温度が300
℃を超えない発熱機能付食品容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自己燃焼型発熱剤を飲食品の加熱用途に
応用することは従来より良く知られており、例えば特開
昭63−152572号公報等に数多くの技術が開示さ
れている。しかしながら本発明のように、飲食品内容物
が存在しない状態で発熱させたときにおいても発熱機能
付食品容器の表面温度を低温に制御した技術開示は少な
く、僅か実開平2−82234号公報或は特開平3−1
40116号公報において認められるだけである。実開
平2−82234号公報には、自己燃焼型発熱剤の点火
機構を設けた底面を除く側面、上面と発熱剤収納容器と
の間に吸熱材を設け、底面には断熱剤を設ける技術が開
示されている。その吸熱材としては発熱剤が発生する熱
によりガス、煙等を発生せず、熱を吸収して被加熱物に
接する発熱剤収納容器の到達温度を下げるために熱容量
が大きくなければならず、また発熱剤から発生する熱を
被加熱物に伝えるための伝熱性が必要であると記載され
ている。これらを満足する物としてアルミニウム、銅、
鉄等の金属あるいは酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化
アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化鉄など金属酸化
物の単体あるいはこれらの1種類以上を含む化合物、混
合物等が記載され、更にこれらの金属あるいは金属酸化
物、同混合物は単独で、また必要に応じて混合して用い
られ、その形状は粉、粒状あるいは成形体(固体からの
機械加工品を含む)である。その結果、発熱剤収納容器
外壁の温度は400℃以下に保たれ、紙を密着させても
発火することが無いと記載されている。
【0003】一方、特開平3−140116号公報に
は、自己燃焼反応性発熱体の着火剤露出部分以外の一部
あるいは全面を、自己燃焼反応発熱体の燃焼温度におい
ても発熱反応や化学反応しない非反応原料である鉄、酸
化鉄、セラミック原料等、1種類以上の粉体成形あるい
は固体加工品で被覆する技術が開示されている。発熱体
の表面温度の抑制は、ただ単に非反応原料の比熱、熱伝
導度を適宜選択する事とその重量と厚さで可能であると
記載されており、本質的には実開平2−82234号公
報と同様の技術思想と考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、この種の発熱機
能付食品容器は、必ずしも生産者にとって全てを満足し
た物では無かった。消費者の使用を考慮した場合、発熱
機能付食品容器に求められる性能は多種多様に及ぶ。中
でも特に重要なのは内容物の昇温特性、消費者の使用時
に於ける火傷防止或は容器の破損防止等の安全性、そし
て取扱性としてのコンパクト性、更には前記実開平2−
82234号公報に開示されたような火災防止を目的と
した容器表面温度の抑制等である。
【0005】しかしながら、実開平2−82234号公
報及び特開平3−140116号公報に開示された技術
では次のような問題点がある。それは消費者の安全性及
び取扱性を考慮した上での表面温度抑制技術だけでは解
決されないことである。発熱剤の周囲を覆う材料の比
熱、熱伝導度等を選択し、その量及び厚さを定めれば熱
力学的に可能であることは周知の技術であり、当該技術
分野の人間に限らず、初等の知識さえあれば誰でも思い
つく程度に容易なことである。当該技術者にとって最も
困難な事は、発熱機能付食品容器全体において発熱機能
部の占める容積を如何に小さくしてコンパクト性を向上
させ、且つ発熱機能内部の化学変化に伴う圧力上昇によ
る容器破損を如何に防止するかであり、それらの問題点
を克服した上での表面温度抑制技術でなければならな
い。
【0006】加えて本願発明者は、食品内容物が存在し
ない状態での表面温度と火災の関係について種々検討を
重ねた結果、400℃以下の温度範囲であっても被接触
物としての紙の状態や周囲環境の条件(湿度、風速等)
により有炎燃焼に至ることが確認された(図2参照)。
本願発明者は鋭意検討を重ねた結果、前記の問題を解決
し、遂にコンパクトで容器の破壊がなく安全性が高く、
且つ容器の表面温度が抑制された防火性を備えた発熱機
能付食品容器に関する本発明をなすに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本願発明は、自
己燃焼型発熱剤を用いた発熱機能付食品容器において、
該自己燃焼型発熱剤の周囲に伝熱制御成形体が配置さ
れ、該伝熱制御成形体の成形体密度が該成形体材料の真
密度の60から85%であることを特徴とする発熱機能
付食品容器である。
【0008】以下、本発明を説明する。本願発明におけ
る自己燃焼型発熱剤とは、酸素供給剤と可燃剤からなる
混合物であり、理論的には空気中の酸素を必要としない
燃焼反応組成物である。例えば、酸化鉄、酸化銅等の金
属酸化物粉末と鉄、珪素鉄等の金属あるいは半金属粉末
との混合物が成形した状態で用いられる。それらの組成
物は、グラム当たりの発生熱量が高いため少量で必要な
総熱量が得られるが、単純にそのまま使用した場合は燃
焼温度が1000℃以上と高いため、吸着水分が存在す
ると水蒸気もしくは水素等のガスが発生し、或は発熱剤
自体及び周囲の空気等の熱膨張現象が生ずる。その結
果、内部圧力の上昇を伴い、加熱機能付食品容器の破損
や水素ガスへの引火爆発も懸念される。これらの課題を
解決するためには、発熱剤を乾燥状態にして真空封入す
る技術等も考えられるが、実用的ではない。
【0009】本願発明者らは、発熱剤の周囲に真密度の
60から85%成形体密度の伝熱制御成形体を配置する
ことより、これらの課題を解決した。即ち、この範囲の
成形体密度を有する伝熱制御成形体は、容器の表面最高
温度を300℃以下に押さえると共に前述したように発
生するガスや膨張した空気を成形体内に存在する空隙を
通じて外部に逃がす事により内部圧力の上昇を抑制し、
しかも発熱剤の熱膨張現象を吸収緩和することができる
ことを見い出した。
【0010】60%以下の成形体密度では、空隙が多す
ぎるため加熱された空気等の対流が主体となった熱伝導
形態となり、発熱機能付食品容器の表面最高温度を30
0℃以下の低温に抑制することが困難である。更に好ま
しいのは70%以上が好適である。また、90%以上の
成形体密度では連続空隙を存在させることが困難となり
ガスの流通が阻害され、且つ発熱剤の熱膨張現象を吸収
緩和する能力が低下する。尚、この伝熱制御成形体は実
質的に発熱剤の全周囲にわたって配置される。これはあ
らゆる方向に、発生したガスを逃がすためと発熱剤の熱
膨張を均等に吸収緩和することで、ある一方向だけの圧
力の異常上昇を防ぐためである。このように調整された
成形体密度を有する伝熱制御成形体を用いて、初めて安
全で且つ表面温度が300℃以下に抑制され、コンパク
トな発熱機能付食品容器が得られる。
【0011】伝熱制御成形体の材料は熱に対して安定
で、且つ工業的に安価で蓄熱性及び伝熱性の優れた材料
が、表面温度を抑制するために必要な量用いられる。こ
れらの選択された材料によって発熱機能付食品容器のコ
ンパクト性(発熱体収納部の大きさ)或は内容物の昇温
特性が決定される。本願発明者らは、伝熱制御体の成形
体密度が成形体材料の真密度の60〜85%を確実に実
現するためには伝熱制御成形体の材料として、粒子径が
異なるかまたは形状の異なった材料を用いれば、発熱剤
の熱膨張を均等に吸収緩和することを見いだした。通
常、伝熱制御成形体の容積を小さくするのは、その成形
圧力を高くする事により達成できる。しかしながら、成
形圧力を高くする事は、内部の発熱剤にも必要以上の圧
力が負荷されるために好ましくなく、また発熱剤と伝熱
制御成形体を装填する容器の破損、変形につながる。そ
こで本願発明者は、粒子径の異なった同種の粉末または
異種の粉末を混合した材料を用いるか、または繊維状の
材料と上記粉末を組み合わせた材料を用いるか、更には
径の異なった繊維状の材料同士を組み合わせることによ
り、発熱剤の熱膨張を均等に吸収緩和するのに適した充
填状態の伝熱制御成形体を見い出した。この結果、同種
の単一サイズの粒子径を有する材料に比較して、低い成
形圧力で且つ容積の小さい伝熱制御成形体が得られる事
を見い出した。具体的に粉末材料と粉末材料とを組み合
わせて用いる場合には、大きい粒子径の粉末によって生
じる粒子間空隙に、浸入配列可能な粒子径を有する小さ
な粉末が組み合わされる。尚この場合、小さい粒子径の
粉末によって生じた二次間隙に更に小さな粒子径の粉末
を配置しても良い。しかし、用いられる粉末の粒子径比
があまり大きすぎると分離し易く、また取扱性が悪くな
り、また伝熱制御体の成形体密度がその伝熱制御体材料
の真密度の60〜85%の範囲に収めるためにも、通常
は数μmから数mmの範囲の粉末粒子が用いられ、その
中において平均粒子径100μm単位の粉末と10μm
単位の粉末を組み合わせるのが最も好ましい。用いられ
る材料の形状は、粉末では針状等の異形のものよりは最
密状態の得易い球形のものが好ましい。また、繊維状の
ものでは織り加工したものでも良いが、好ましくは10
mm以下の繊維長さで、数μmから数10μmの径を有
する単繊維を用いれば、上記60〜85%の範囲に収め
られ易い。
【0012】伝熱制御成形体の中の鉄元素或はそれより
イオン化傾向の小さい元素からなる酸化物は、吸着水分
が加熱還元され生成した水素ガスを再び酸化して不燃性
のガスにする働きを有する。具体的にはFe2 3 、C
uO等の粉末が用いられ、その中でも好ましいのはCu
Oである。本願発明において、飲食品内容物が存在しな
い状態での表面最高温度を抑制するのは、発熱機能を使
用せずに飲食し、そのまま廃棄された時の防火に対する
安全性を確保するためである。本願発明者らが日々防火
試験について検討を重ねた結果、図2に示すように、4
00℃近傍の表面温度では、条件によって紙類が有炎燃
焼(発火)あるいは無炎燃焼(発火はしないが黒くこげ
る)から有炎燃焼を生じる可能性が高く、防火性に優れ
た発熱機能付食品容器とは言えない。本願発明に必要な
構成要素によって構成された発熱機能付食品容器は、飲
食品内容物が存在しない状態で発熱させたときにおいて
も表面温度が300℃以下に抑制された不燃(こげな
い)域の温度に抑制される。
【0013】以上、本願発明の発熱機能付食品容器は、
従来の安全性、コンパクト性、防火性についての課題を
克服し、その技術を格段に進歩させたものである。以
下、本願発明の一実施態様を基に、更にその詳細につい
て記載する。実際の発熱機能付食品容器の製作において
は、該食品容器本体とは別体にカートリッジ式発熱体を
製作し、このカートリッジ式発熱体を食品容器本体には
め込むように構成したほうが衛生上、あるいは製造プロ
セス上、好ましい場合が多い。その形状は一般的に発熱
機能付食品容器本体が円筒形であれば、図1に示すよう
にカートリッジ式発熱体が食品容器本体の中央凹部に設
けられたカートリッジ式発熱体収納室に挿入・装着され
るように構成される。
【0014】図1は、カートリッジ式発熱体収納室を有
する発熱機能付食品容器本体にカートリッジ式発熱体を
装着した状態を示したものである。図1において1はカ
ートリッジ式発熱体収納室を有した発熱機能付食品容器
本体、2は該食品容器本体におけるカートリッジ式発熱
体収納室、3はカートリッジ式発熱体の容器、4は成形
された自己燃焼型発熱剤、5は伝熱制御成形体、6は発
熱剤を燃焼させるための着火線、7は封入剤、8はカー
トリッジ式発熱体の蓋、9は着火線を燃焼させるための
火花発生装置、10は防水処置のためのキヤップをそれ
ぞれ示し、3、4、5、6、7、8、9、10を組み立
てた全体がカートリッジ式発熱体3′である。
【0015】本発明における自己燃焼型発熱剤4は、特
開昭63−152572号公報に開示されているように
酸素供給剤として過マンガン酸カリウム、酸化鉛、酸化
鉄、酸化銅等の酸化物と可燃剤としては鉄、ケイ素鉄、
ケイ素、アルミニウム、チタン、マグネシウム等の単体
或は合金状態との混合した組成物を用い、予めプレス等
により所望の形状に成形する。
【0016】伝熱制御成形体5として用いる材料は、高
温状態で溶融のためにガス発生を伴う高分子等の有機化
合物は好ましくなく、耐熱性を有する金属、金属酸化
物、セラミック、無機化合物等が好ましい。具体的には
粉末材料として鉄、酸化鉄、銅、ケイ砂、ガラス、シリ
カ、アルミナ、マグネシア等が用いられ、繊維状材料と
してはガラス、アルミナ、炭化ケイ素またはその他金属
繊維が用いられる。
【0017】基本的には、これら伝熱制御成形体に用い
られる材料の比熱、密度、熱伝導率及び重量、厚さによ
って、発熱機能付食品容器の表面温度が決定され、a=
λ/ρcで表わされる式を用いて判断するのが好まし
い。この式においてλは熱伝導率、ρは密度、cは定圧
比熱をそれぞれ示し、aは熱拡散率と呼ばれる。本式で
求められたaの値が大きい材料を用いるほど、発熱機能
付食品容器の表面温度は速く加熱されることになる。す
なわちλが大きくρcが小さい場合は、速く加熱され上
昇温度も高くなり、逆にλが小さくρcが大きい場合
は、遅く加熱され上昇温度も比較して低くなる。表面温
度を抑制する上においては、λが大きくρcも大きく、
そしてaの小さくなる材料が最も好ましいが、工業的に
は安価で熱伝導率が1Kcal/m・hr・℃以下のケ
イ砂等の無機粉末が好ましい。
【0018】封入剤7は、伝熱制御成形体の形状の保持
と破損による材料濡れを防止するためのものであり、通
気性を有する不燃紙あるいはバーミキュライト等の粉末
か若しくは成形品を用いる。蓋8は、内部に生じるガス
を逃がすために一部開口部を有している。着火線6は、
発熱剤4の燃焼を開始させるためのものであり、火花発
生装置9により容易に着火燃焼状態となり、発熱剤4の
燃焼に必要な初期エネルギを付与する。その構成材料は
基本的には特開昭62−088776号公報に開示され
ているような自己燃焼型であり、例えばケイ素鉄粉と四
三酸化鉛粉末の混合物を硝化綿で炭素繊維に含浸させた
ものが好ましい。火花発生装置9は、発火石とヤスリを
組み合わせた物が好ましいが、この他、圧電素子による
火花、電気による熱、摩擦構造による熱あるいはマッチ
等による別の着火手段を用いてもよい。
【0019】この発熱剤4、着火線6、伝熱制御成形体
5、及び封入剤7は、アルミニウムあるいは鉄製のカー
トリッジ式発熱体の容器3の中に装填され、カートリッ
ジ式発熱体3′として組み立てられた後、カートリッジ
式発熱体収納室2に装着されるが、カートリッジ式発熱
体の容器3を用いないで、発熱機能付容器本体に設けら
れた収納室2に直接装填されても良い。
【0020】キヤップ10は、発熱機能部を防水、防湿
するためのものであり、プラスチック等の成形品が用い
られる。構造は、蓋8に固定された状態で、使用時に火
花発生装置9の上部が一部解放可能となっているのが好
ましい。
【0021】
【実施例】次に、実施例によって本願発明を説明する。
【0022】
【実施例1】伝熱制御成形体の材料として、平均粒子径
44μmと平均粒子径420μmのケイ砂粉末を1対1
の重量比で混合し、その混合粉末に5重量%の酸化銅を
加えたものを用いた。自己燃焼型の発熱剤は、粒径が7
0μm以下の酸化銅粉末37重量%、粒径が70μm以
下のケイ素粉末30重量%、粒径が150μm以下の鉄
粉33重量%の混合物27gを外径37mm、高さ10
mmの円柱形に成形し、その中央部にケイ素鉄粉末と四
三酸化鉛粉末が重量比で3対7の割合で混合された混合
物を硝化綿をバインダーとして炭素繊維に含浸付着させ
た着火線を配置した。
【0023】外径41.5mm、厚さ0.25mm,高
さ45mmの円筒形アルミニウム製カートリッジ式発熱
体の容器に上記伝熱制御成形体の材料45gを先ずタッ
ピング充填し、プレス圧8Kg/cm2 により1.91
g/cm3 で上記伝熱制御成形体材料の真密度の75%
にし、その上中央部に前記の成形された自己燃焼型発熱
剤を配置した。その後、再度、上記伝熱制御成形体の材
料35gを充填し、同様のプレス圧で上記材料の真密度
の75%成形密度1.91g/cm3 にした。封入剤と
しては、バーミキュライトを嵩比重で20cc充填し、
プレスで圧縮成形した。かかる後、発火装置が一体とな
った蓋で封入し、カートリッジ式発熱体を製作した。
【0024】このようにして組み立てたカートリッジ式
発熱体を、内径42mm、深さ55mmのカートリッジ
式発熱体収納室を有する発熱機能付食品容器本体に装着
した。尚、この時の発熱機能付食品容器本体の形状は外
径65mm、高さ92mmの180cc飲料用である。
製作した発熱機能付食品容器について、酒180ccを
装填し加熱した結果、10℃の酒が5分後に約50℃と
なった。次に食品内容物を装填せず室温20℃の状態で
着火し、カートリッジ式発熱体各部の表面温度について
8個所測定した結果、カートリッジ式発熱体収納室上部
の平坦部が最も高く、平均が258℃で280℃を超え
るものはなかった。また、風速1.5m/secの状態
でティッシュペーパーを細断した物を接触させたが、有
炎燃焼は認められなかった。
【0025】
【実施例2】実施例1において、伝熱制御成形体の成形
体密度を該成形体材料の真密度の60%である1.53
g/cm3 にして同様に表面温度を測定した結果、平均
が271℃で表面最高温度が290℃を超えるものは認
められなかった。
【0026】
【比較例1】実施例1において、伝熱制御成形体の成形
体密度を該成形体材料の真密度の55%である1.40
g/cm3 にして同様に表面温度を測定した結果、平均
が282℃で、表面最高温度は302℃を示した。
【0027】
【比較例2】実施例1において、熱制御成形体の材料と
して平均粒子径の異なったケイ砂3種類とプレスによ
り、伝熱制御成形体の成形体密度を該成形体材料の真密
度の90%すなわち、2.30g/cm3 の熱制御成形
体を有する発熱機能付食品容器を4個製作した。同様に
表面温度を測定しようとしたが、その内の2個は発熱機
能を発せず、1個は蓋部において内圧により一部膨張変
形が認められた。
【0028】
【比較例3】実施例1において、平均粒子径74μmの
ケイ砂一種類を用い、同様の製作条件でカートリッジ式
発熱体の製作を試みたが、嵩高くなり発熱体のカートリ
ッジ内に発熱剤及び熱制御成形体が納まるように製作す
る事は困難であった。
【0029】
【参考例1】実施例1において伝熱制御成形体の量を5
0gから80gの範囲で変えて、種々の表面温度を有す
る発熱機能付食品容器を製作した。内部に細断したティ
シュペーパーを接触させ、風速1.5m/sec、室温
20℃、湿度35%の条件下で着火した時の結果を図2
示す。
【0030】
【発明の効果】本発明は、発熱剤の周囲に制御された成
形体密度を有する伝熱制御剤を配置することにより、飲
食品内容物が存在しない状態で発熱させたときも最高表
面温度が300℃を超えない発熱機能付食品容器に関す
るものであり、従来の発熱機能付食品容器が有する取扱
い時の安全性、防火性そしてコンパクト性に関する問題
点を克服した革新的な技術である。更に、従来よりも低
い温度で内部の飲食物を加熱することにより、対流性の
悪い高粘度飲食品でも焦げめを生じることなく加熱する
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における発熱機能付食品容器の一実施態
様を示した図である。
【図2】ティッシュ及び枯草を充填した発熱機能付食品
容器の空炊き表面温度と発火との関係を示した図であ
る。
【符号の説明】
1 発熱機能付食品本体 2 カートリッジ式発熱体収納室 3 カートリッジ式発熱体容器 3′カートリッジ式発熱体 4 成形された自己燃焼型発熱剤 5 伝熱制御成形体 6 着火線 7 封入剤 8 カートリッジ式発熱体の蓋 9 火花発生装置 10 キヤップ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自己燃焼型発熱剤を用いた発熱機能付食
    品容器において、該自己燃焼型発熱剤の周囲に伝熱制御
    成形体が配置され、該伝熱制御体の成形体密度が該成形
    体材料の真密度の60〜85%であることを特徴とする
    発熱機能付食品容器。
  2. 【請求項2】 伝熱制御成形体が粒子径が異なるか、ま
    たは形状の異なった材料からなることを特徴とする請求
    項1記載の発熱機能付食品容器。
  3. 【請求項3】 伝熱制御成形体の中に鉄元素またはそれ
    よりイオン化傾向の小さい元素の酸化物を添加してなる
    ことを特徴とする請求項1記載の発熱機能付食品容器。
JP4203737A 1992-07-30 1992-07-30 温度制御された発熱機能付食品容器 Withdrawn JPH0646958A (ja)

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