JPH0646900A - 単一容器内での逆転写酵素介在二段階遺伝子増幅反応によるrna遺伝子の増幅検出方法 - Google Patents

単一容器内での逆転写酵素介在二段階遺伝子増幅反応によるrna遺伝子の増幅検出方法

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JPH0646900A
JPH0646900A JP22218492A JP22218492A JPH0646900A JP H0646900 A JPH0646900 A JP H0646900A JP 22218492 A JP22218492 A JP 22218492A JP 22218492 A JP22218492 A JP 22218492A JP H0646900 A JPH0646900 A JP H0646900A
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primer
virus
dna
sense
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JP22218492A
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Kenjiro Yamaguchi
健次郎 山口
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、単一容器内でRNA抽出、cDN
A合成、第1及び第2ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
によるDNA増幅の全工程を実施し、次いで増幅DNA
を検出するRNAウイルス由来遺伝子の増幅・検出方法
に関する。この方法の特徴は、蛋白質分解酵素の存在下
でRNA抽出を行うこと、および、第1プライマーと第
2プライマーの長さ、存在比、アニーリング温度を調節
してPCRを実施することにある。 【効果】コンタミネーションの危険性が減少し、分析結
果の信頼性、再現性が上昇する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、RNAウイルス由来遺
伝子を増幅し、検出するための方法に関する。さらに詳
細には、本発明は、単一容器内でRNA抽出、cDNA
合成、第1及び第2ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に
よるDNA増幅の全工程を実施し、次いで増幅DNAを
検出する方法に関する。本発明はまた、この方法に使用
するための、C型肝炎ウイルス遺伝子を検出するための
プライマーセットに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、感染症の診断は、病原体に対する
抗体を検出する抗体検出法と病原体そのものを抗原とし
て検出する抗原検出法の2つの方法があるが、その人が
検査の時点で病原体に感染しており、いわゆるキャリア
ーの状態であるかどうかを判定するためには抗原検出法
を用いなければならない。しかしながら、ウイルス等の
病原体が、非常に微量の場合には、現在一般的に用いら
れている検出法、例えばEIA法やRIA法では検出限
界以下となり検出が不可能である。このため抗原検出に
代わるものとして、病原体の遺伝子を増幅し、遺伝子自
体を検出する方法、すなわち遺伝子増幅法(Polymerase
chain reaction 法;PCR法)が利用されてきている
(R. K. Saiki ら、Science, 250, 1350 (1980); M. A.
Innisら編、“PCR Protocol”,Academic Press (199
0) )。PCR法は、耐熱性のポリメラーゼを用いDN
Aを標的として2本のプライマー(センスプライマーと
アンチセンスプライマー)ではさまれた領域を特異的に
増幅させ、検出する方法であるが、病原体遺伝子がRN
Aの場合でも逆転写酵素(Reverse Transcriptase;RT)
を用いRNAよりcDNAを合成し、そのcDNAを標
的遺伝子としてPCRを行うことにより、増幅可能であ
り、この増幅産物をアガロースゲル中でエチジウムブロ
マイド染色することにより、バンドとして検出できる。
しかしながらPCR法でも1〜1000コピー程度の病
原体遺伝子しか存在しない場合には、バンドとしての検
出は困難なため、アガロースゲルから、ニトロセルロー
ス膜などにDNAをブロットし、増幅産物の中に存在す
るシークエンスに相補的なプローブを用いたサザンブロ
ッティングでの検出が必要である。このサザンブロッテ
ィング等の操作を行なわずにアガロースゲル中のバンド
として極めて微量の遺伝子を直接検出するために現在二
段階遺伝子増幅反応(nested PCR)法が行わ
れつつある(S. Kaneko ら、J. Clin. Microbiol. 27:1
930 (1989))。これは、1回目のPCR(第1PCR)
を行ったあとにそのPCR産物の一部を1回目のPCR
で用いたプライマーよりさらに内側の2本のプライマー
を用いて2回目のPCR(第2PCR)をかけ増幅させ
る方法である。この二段階PCR法を用いることにより
極微量の遺伝子でもアガロースゲル中でバンドとして検
出可能な濃度まで増幅される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなRNAを
標的とする逆転写酵素介在二段階PCR法を用いること
で、微量のRNA病原体遺伝子のアガロースゲル中での
検出が可能となってきた。しかしながらサザンブロッテ
ィングの操作がなくなったとはいっても依然として操作
法は繁雑であり、RNA抽出、cDNA合成、第1PC
R、第2PCRというように主な操作段階は4段階に分
かれており、通常の操作では2日以上の時間がかかって
しまう。また、最低で2回(RNA抽出→cDNA合
成、第1PCR→第2PCR)の容器またはチューブ
(tube)の交換が必要である。すなわち、現在一般
的に用いられているRNA抽出法は、強力な蛋白変性剤
であるグアニジンチオシアネートを用いた方法である
が、蛋白変性後、蛋白質や、グアニジンチオシアネート
自身を反応液から除くために、フェノール/クロロホル
ム抽出、さらにエタノール沈殿、リンス等の操作が必要
であり、RNA抽出からcDNA合成の段階でチューブ
の交換が不可欠である。PCR法は、微量の遺伝子を検
出可能なために、検体から検体への遺伝子のキャリーオ
ーバーによる汚染、あるいは、大量に増幅されるPCR
最終産物の検体中への汚染、いわゆるコンタミネーショ
ンの問題がおこりやすい。これはチューブからチューブ
への検体の移し換えや、チューブの開け閉めなどの操作
が多くなり繁雑であればあるほど危険性は高くなってい
く。また、RNA抽出の時に行うフェノール/クロロホ
ルム抽出や、チューブの交換等により、RNAやcDN
Aをロスすることも考えられるため、繁雑な操作は感度
の点からも問題である。このため、現在、いくつかの実
験室で微量のRNA病原体の検出、例えばC型肝炎ウイ
ルスの遺伝子の検出が行われているが、感度もまちまち
であり、またコンタミネーションの問題もあり、比較し
て評価ができない現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述した
ような問題点を克服するために、すなわち操作時間の短
縮、コンタミネーションの防止、RNAやcDNAのロ
スの防止のために、RNA抽出、cDNA合成、第1P
CR、及び第2PCRの全行程を単一容器内で行う遺伝
子増幅法を見出し、本発明を完成させた。この方法は工
程の途中で容器の交換がなく、すべて検体に試薬類を加
えて反応させていくところに特徴がある。
【0005】したがって、本発明は、RNAウイルス由
来遺伝子を増幅し、検出するための方法であって、RN
Aウイルスを含有する検体を、ウイルス破壊可能な蛋白
質分解酵素の存在下に処理してウイルスRNAを露出さ
せ、次いで熱処理により該蛋白質分解酵素を失活させる
第1段階、Tm値45以上の第1PCR用アンチセンス
プライマーの存在下、該ウイルスRNAに逆転写酵素を
作用して該RNAに対するcDNAを合成する第2段
階、耐熱性DNAポリメラーゼの存在下、並びに、Tm
値45以上の第1PCR用センスプライマーとTm値3
0〜70の第2PCR用センス及びアンチセンスプライ
マーとの存在下、第1PCR用センスもしくはアンチセ
ンスプライマー/第2PCR用センスもしくはアンチセ
ンスプライマーのモル比1/20〜1/1000及び下記の
温度条件: 第1PCR: DNA変性−−鋳型2本鎖DNAを1本鎖DNAへ解離
することが可能である温度 アニーリング−該1本鎖DNAへの第1PCR用プライ
マーのアニーリングを優先的に起こすことが可能である
温度 伸長反応−−−該1本鎖DNAに相補的なDNAの合成
を可能にする温度 第2PCR: DNA変性−−第1PCRで合成された鋳型2本鎖DN
Aを1本鎖DNAへ解離することが可能である温度 アニーリング−該1本鎖DNAへの第2PCR用プライ
マーのアニーリングを起こすことが可能である温度 伸長反応−−−該1本鎖DNAに相補的なDNAの合成
を可能にする温度 で第1及び第2PCRを各々1サイクル以上実施してD
NAを増幅する第3段階、該増幅DNAを検出する第4
段階、を包含し、且つ、前記第1〜3段階の全工程を単
一容器内で実施する前記方法を提供する。
【0006】以下に本発明を詳しく説明する。
【0007】RNAを抽出する検体としては、全血、血
漿、血清、尿、唾液、乳汁等の、標的RNAウイルス粒
子及び/又はRNAウイルス由来遺伝子が含まれている
可能性のあるすべてのものが含まれる。
【0008】本発明方法に適用し得るRNAウイルスと
しては、picornavirus科ウイルス(例えばpoliovirus,
ヒトrhinovirus)、reovirus科ウイルス(例えば乳幼児
下痢症ウイルス、reovirus)、togavirus 科ウイルス
(例えば風疹ウイルス、日本脳炎ウイルス)、orthomyx
ovirus科ウイルス(例えばインフルエンザウイルス)、
paramyxovirus 科ウイルス(例えばセンダイウイル
ス)、rhabdovirus 科ウイルス(例えば水疱性口内炎ウ
イルス、狂犬病ウイルス)、retrovirus科ウイルス(例
えば Rous 肉腫ウイルス)、arenavirus科ウイルス(例
えばLCMウイルス)、coronavirus 科ウイルス(例え
ばトリ伝染性気管支炎ウイルス)、後天性免疫不全ウイ
ルス(HIV)、C型肝炎ウイルスなどが例示される。
【0009】本発明方法の第1段階すなわちウイルスR
NAの抽出もしくは露出工程においては、蛋白質分解作
用によりウイルスを破壊してウイルスRNAを露出する
ことが可能な蛋白質分解酵素を存在させる。このような
種類の酵素の具体例は、プロティナーゼK、トリプシ
ン、キモトリプシン、エラスターゼなどである。前述し
たように、従来のRNA抽出法では、蛋白変性剤が使用
され、これを除去するためにフェノール/クロロホルム
抽出が行なわれ、このために、cDNA合成前に容器の
交換が不可欠であった。本発明では、これらの一般的な
試薬類に代えて蛋白質分解酵素を使用するために、容器
の交換が不要である。本発明で使用する蛋白質分解酵素
の用量は、特に限定されない。また、RNA抽出時に
は、使用される蛋白質分解酵素の特性に応じた至適pH
の緩衝液及び至適温度が一般に用いられる。例えば、プ
ロティナーゼKの場合、pH7.5〜12、温度37〜
54℃が好適である。さらにプロティナーゼKの活性を
高めるため SDS, Nonidet P40,Tween 20, Triton X100
等の界面活性剤、あるいは、尿素を添加することも可能
である。RNA抽出後、加熱処理(通常90〜95℃)
によって蛋白質分解酵素を失活させる。
【0010】cDNA合成は通常の方法で実施し得る。
例えば、蛋白質分解酵素処理検体に、dNTPs(N=
G,A,T,C)、RNase 阻害剤、逆転写酵素、さらに
第1PCRに用いる2つのプライマーのうちアンチセン
スプライマーを加え、cDNA合成を行う。逆転写酵素
としては、各種ウイルスRNAからのcDNA合成を触
媒する任意の酵素類が用いられ、例えばAMV−リバー
ストランスクリプターゼ、MMLV−リバーストランス
クリプターゼなどが挙げられる。cDNA合成後、逆転
写酵素を失活させてもさせなくてもよいが、高温(通常
90〜95℃)で該酵素を失活させるのが好ましい。逆
転写酵素を失活させない場合には、PCRを行う際に該
酵素が耐熱性DNAポリメラーゼの活性を阻害するため
に感度の低下がみられることがあり、PCR産物がバン
ドとして検出できない場合がある。
【0011】次に遺伝子増幅反応を行うが、PCRは上
記のcDNA合成後の検体に第1PCR用のセンスプラ
イマー、第2PCR用のセンスプライマー及びアンチセ
ンスプライマー、さらに耐熱性DNAポリメラーゼを加
えて行う。現在一般的に行われている方法では、第1P
CRと第2PCRの間にチューブの交換が必要である。
この場合、チューブの交換を行わずに第1PCRを行っ
たあとのチューブに第2PCRのプライマーを加えPC
Rを行うと目的のバンドが検出できなかったり、あるい
は目的のバンド以外の非特異バンドが検出され判定が不
可能になる。これは、一般にPCRに用いられている量
のプライマーを用いると量が過剰なために第1PCRの
プライマー及び第2PCRのプライマーでの遺伝子増幅
がおこったり、あるいは、第1PCRのプライマーで非
特異反応がおこり、目的の遺伝子以外のものを増幅させ
たりするが、それをそのまま第2PCRのプライマーを
用いて第2PCRを行うと、さらに、非特異的な遺伝子
の増幅を引き起こすためである。これらの現象を防ぐた
め、第1PCRの産物を希釈し、第1PCRのプライマ
ーの量と第1PCRで生じた非特異産物の量を減らし、
チューブ交換を行ってから第2PCRを行い特異的なP
CR産物を検出する方法をとっている。
【0012】本発明ではこの第1PCRと第2PCRを
1つの容器の中で行うために、第1PCRに用いられる
プライマーの量を第2PCRに用いられるプライマーの
量より少なくし、第1PCRのプライマーが使い切られ
てから第2PCRが行われるような方法を採用した。
【0013】しかしながら、通常のPCRのプロファイ
ル(温度の上がり下がり)を行うと、4種のプライマー
の間でPCRがかかるため目的以外のバンドも検出され
る。そのため最初に第1PCR用の2本のプライマーの
みでPCRがかかる方法が必要である。このために、第
1PCR用のプライマーのTm値が45以上、好ましく
は75〜90、より好ましくは80、及び第2PCRの
プライマーのTm値が30〜70、好ましくは45〜6
5、より好ましくは約60となるようにセンス及びアン
チセンスプライマーを設計する。
【0014】また、第1PCR用センスもしくはアンチ
センスプライマー/第2PCR用センスもしくはアンチ
センスプライマーのモル比1/20〜1/1000、好まし
くは1/100 で遺伝子増幅反応を実施する。
【0015】本明細書中で使用する用語「Tm」は、セ
ンスもしくはアンチセンスプライマー量の50%が対応
する鋳型にアニーリングする温度として定義される。T
m値はプライマーのGC含量に大きく影響を受けるがG
C含量が50%程度であればヌクレオチド配列の長さと
ほぼ相関性があり、例えば、Tm=約70の場合約25
mer、Tm=約60の場合約20 merである。
【0016】このようなプライマーセットの例として
は、下記に示すC型肝炎ウイルス検出用プライマー: 第1PCR用センスプライマー: 5’−CTGTCTTCACGCAGAAAGCGTCTAG−3’ 第1PCR用アンチセンスプライマー: 5’−GGCACTCGCAAGCACCCTATCAAG−3’ 第2PCR用センスプライマー: 5’−CGTTAGTATGAGTGTCGT[GまたはA]C−3’ 第2PCR用アンチセンスプライマー: 5’−[AまたはG]GGCAT[TまたはA]GAG[CまたはT]GGG TTTATC−3’ が挙げられる。
【0017】PCRの温度条件は下記の通りである。
【0018】第1PCR:DNA変性温度は、一般的に
は鋳型2本鎖DNAを1本鎖DNAへ解離することが可
能である温度であり、好ましくは92〜96℃である。
【0019】アニーリング温度は、一般的には該1本鎖
DNAへの第1PCR用プライマーのアニーリングを優
先的に起こすことが可能である温度であり、好ましくは
65〜75℃である。
【0020】伸長反応温度は、一般的には該1本鎖DN
Aに相補的なDNAの合成を可能にする温度であり、好
ましくは65〜75℃である。
【0021】第2PCR:DNA変性温度及び伸長反応
温度は第1PCRの場合と同様である。
【0022】アニーリング温度は、一般的には第1PC
Rで合成された鋳型2本鎖DNAを変性して得られた1
本鎖DNAに第2PCR用プライマーがアニーリングす
ることが可能である温度であり、好ましくは45〜60℃で
ある。
【0023】上記PCR条件で重要な特徴の1つがアニ
ーリング温度である。即ち、第1PCR用のプライマー
のアニーリングは好ましくは65〜75℃、より好ましくは
72℃で行う。この温度条件では第2のPCRのプライマ
ーはほとんどアニーリングしないために、第1PCR用
のプライマーのみで増幅がおこる。このあとアニーニン
グ温度を好ましくは45〜60℃、より好ましくは55
℃に下げ第2PCR用のプライマーでPCRを行わせ
る。本発明の実施態様においては、前半の10〜25サ
イクルはDNA変性を94℃で、アニーリングと伸長反
応を同時におこさせるために72℃で行う。後半の20
〜30サイクルは、DNA変性94℃、アニーリング5
5℃、伸長反応72℃で行うことにより第2PCRのプ
ライマーで増幅がおこる。このようにプライマーの量と
PCRのプロファイルを変化させることにより単一容器
内での遺伝子増幅反応が可能となる。
【0024】さらに容器の蓋の開閉の回数を減らすため
にRNA抽出後の反応をcDNA合成およびPCRに必
要なすべての試薬を加えcDNA合成とPCRを連続し
て行うことも可能である。この場合、cDNAが合成さ
れる時に4本のプライマーが反応系に入っているため
に、第1PCR用のアンチセンスプライマーと第2PC
R用のアンチセンスプライマーの2本から長さの異なる
2本のcDNAが合成される。第2PCR用のアンチセ
ンスプライマーから合成されたcDNAは短いために、
第1PCR用のプライマーの組合せでは遺伝子の増幅が
行われず第1PCR反応が行われないので感度が悪くな
る可能性がある。これを防ぐために、第1PCRのアン
チセンスプライマーの5’端ヌクレオチド配列と第2P
CR用のアンチセンスプライマーのヌクレオチド配列を
同一にし、前述と同様の範囲内で第1PCR用のプライ
マーはTm値を上げるために長く、第2PCR用のプラ
イマーはTm値を低くするために短くしたものを用い
た。このプライマーを用いることにより、どちらのプラ
イマーからでも同じ長さのcDNAが合成されるために
cDNA合成による感度の低下はみられない。
【0025】このようなプライマーセットの例として
は、下記に示すC型肝炎ウイルス検出用プライマー: 第1PCR用センスプライマー: 5’−CTGTCTTCACGCAGAAAGCGTCTAG−3’ 第1PCR用アンチセンスプライマー: 5’−GGCACTCGCAAGCACCCTATCAAG−3’ 第2PCR用センスプライマー: 5’−CGTTAGTATGAGTGTCGTGC−3’ 第2PCR用アンチセンスプライマー: 5’−GGCACTCGCAAGCACCCTAT−3’ が挙げられる。
【0026】増幅DNAの検出手段としては、増幅DN
Aをアガロースゲル電気泳動にかけてそのサイズ分析に
よる方法が、その簡易さの点で好適である。この他に、
サザンブロット法、32P標識プローブを用いるハイブリ
ダイゼーション法などの手段もウイルスの同定、検出に
使用し得る。
【0027】本発明はまた、上記に説明した方法で使用
するための、C型肝炎ウイルスを検出するための下記の
プライマーセットを提供する。
【0028】 プライマーセット1: 5’−CTGTCTTCACGCAGAAAGCGTCTAG−3’ 5’−GGCACTCGCAAGCACCCTATCAAG−3’ 5’−CGTTAGTATGAGTGTCGTGC−3’ 5’−AGGCATTGAGCGGGTTTATC−3’ プライマーセット2: 5’−CTGTCTTCACGCAGAAAGCGTCTAG−3’ 5’−GGCACTCGCAAGCACCCTATCAAG−3’ 5’−CGTTAGTATGAGTGTCGTAC−3’ 5’−GGGCATAGAGTGGGTTTATC−3’ プライマーセット3: 5’−CTGTCTTCACGCAGAAAGCGTCTAG−3’ 5’−GGCACTCGCAAGCACCCTATCAAG−3’ 5’−CGTTAGTATGAGTGTCGTGC−3’ 5’−GGCACTCGCAAGCACCCTAT−3’
【0029】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0030】実施例1 単一容器内での逆転写酵素介在二段階PCR この反応系はRNA抽出、cDNA合成、PCR反応の
3段階に分けられる。RNA抽出はプロティナーゼKを
用いる。シリコナイズを行った0.5mlのマイクロチ
ューブに10μlのC型肝炎患者血清を入れる。これに
2×プロティナーゼ反応液10μl[100mM Tris HCl p
H8.3, 100mM KCl,プロティナーゼ40μg/ml]を加え、ミ
ネラルオイル1滴を重層し54℃で1時間反応させる。
反応終了後、94℃で15分間保持し、プロティナーゼ
Kを失活させる。この反応液に2.5×cDNA合成反応
液30μl[50mM Tris HCl pH 8.3, 50mM KCl, 1.7mMD
TT, 660μM dATP, 660μM dTTP, 660μM dCTP, 660
μM dGTP, 200単位のリボヌクレアーゼ阻害剤,プライ
マー5’−GGCACTCGCAAGCACCCTAT
CAAG−3’2pmole, 3.3mM MgCl2 , AMV−リバース
・トランスクリプターゼ(生化学工業製)10単位]を加
え軽く撹拌した後、遠心する。このチューブを42℃で
1時間反応させる。反応終了後、 AMV−リバース・トラ
ンスクリプターゼを失活させるため、95℃で10分間
保持する。次にPCRを行うために、2×PCR反応液
[50mM KCl,0.02% ゼラチン,プライマー5’−CTG
TCTTCACGCAGAAAGCGTCTAG−3’
2pmole,プライマー5’−CGTTAGTATGAGT
GTCGTGC−3’100pmole,プライマー5’−AG
GCATTGAGCGGGTTTATC−3’100pmol
e,5単位のTaq DNA ポリメラーゼ(ベーリンガー マ
ンハイム ヤマノウチ社製)]を50μl加え軽く撹拌
した後、遠心する。PCR反応は、Perkin Elmer Cetus
社のDNA thermalCyclerを用いて行った。反応のプロフ
ァイルは、DNA変性94℃ 1.5分、アニーリング/伸
長反応72℃2分で25サイクル、及び、DNA変性9
4℃1分、アニーリング50℃ 1.5分、伸長反応72℃
1.5分で30サイクルとした。反応終了後、72℃で1
0分間保持し、4℃に放置する。
【0031】反応が終了したPCR産物は、10μlを
電気泳動し、PCR産物のサイズを確認する。電気泳動
はTAKARAのNusiere 3:1のアガロースゲル4%
を用いて行う。PCR産物10μlに5×染料[0.25%
ブロモフェノールブルー,0.25%キシレン・シアノール
FF,40%グリセロールからなる水溶液]を2.5μl加
え、Mupid電気泳動槽100Vで約30分泳動す
る。泳動終了後、エチジウムブロマイドで染色しUVラ
イト下でバンドの検出を行った。図1に陰性対称と、陽
性サンプルの電気泳動像を示した。PCR産物は132
bpのバンドとして検出される。
【0032】
【発明の効果】本発明のRNA遺伝子の増幅検出方法の
特徴は、ウイルスRNAの抽出に蛋白質分解酵素を使用
し、且つ、二段階遺伝子増幅反応に、限定された長さと
量比の第1PCR用プライマー及び第2PCR用プライ
マーを使用することによって、全工程を単に温度コント
ロールのみで操作することが可能であり、したがってR
NA抽出から遺伝子増幅までを単一容器内で実施し得
る。これによって、操作時間の短縮(1人あたりの処理
検体数:本発明約30検体/日;従来方法約9検体/
日)、簡便な操作、コンタミネーションの危険性の減少
がはかられ、分析結果の信頼性、再現性が上昇する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、実施例1の方法でのPCR産物の
アガロースゲル電気泳動像を示す図である。陽性の場合
132bpのバンドがみられる。
【符号の説明】
M:マーカー(φX174 /HaeIII 消化物) 1,2:陽性サンプル 3,4:陰性サンプル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12Q 1/70 7823−4B

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 RNAウイルス由来遺伝子を増幅し、検
    出するための方法であって、 RNAウイルスを含有する検体を、ウイルス破壊可能な
    蛋白質分解酵素の存在下に処理してウイルスRNAを露
    出させ、次いで熱処理により該蛋白質分解酵素を失活さ
    せる第1段階、 Tm値45以上の第1PCR用アンチセンスプライマー
    の存在下、該ウイルスRNAに逆転写酵素を作用して該
    RNAに対するcDNAを合成する第2段階、 耐熱性DNAポリメラーゼの存在下、並びに、Tm値4
    5以上の第1PCR用センスプライマーとTm値30〜
    70の第2PCR用センス及びアンチセンスプライマー
    との存在下、第1PCR用センスもしくはアンチセンス
    プライマー/第2PCR用センスもしくはアンチセンス
    プライマーのモル比1/20〜1/1000及び下記の温度
    条件: 第1PCR: DNA変性−−鋳型2本鎖DNAを1本鎖DNAへ解離
    することが可能である温度 アニーリング−該1本鎖DNAへの第1PCR用プライ
    マーのアニーリングを優先的に起こすことが可能である
    温度 伸長反応−−−該1本鎖DNAに相補的なDNAの合成
    を可能にする温度 第2PCR: DNA変性−−第1PCRで合成された鋳型2本鎖DN
    Aを1本鎖DNAへ解離することが可能である温度 アニーリング−該1本鎖DNAへの第2PCR用プライ
    マーのアニーリングを起こすことが可能である温度 伸長反応−−−該1本鎖DNAに相補的なDNAの合成
    を可能にする温度 で第1及び第2PCRを各々1サイクル以上実施してD
    NAを増幅する第3段階、 該増幅DNAを検出する第4段階、 を包含し、且つ、前記第1〜3段階の全工程を単一容器
    内で実施することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 蛋白質分解酵素がプロティナーゼKであ
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記検出を、増幅DNAをアガロースゲ
    ル電気泳動にかけてそのサイズ分析により実施する請求
    項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記第1PCRでのアニーリングと伸長
    反応を同時に実施する請求項1〜3のいずれか一項に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 前記第2段階で、cDNA合成後に熱処
    理により逆転写酵素を失活させる請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 第1及び第2プライマーがC型肝炎ウイ
    ルスを検出するためのものであり、第1PCR用センス
    及びアンチセンスプライマーがそれぞれ 5’−CTGTCTTCACGCAGAAAGCGTCTAG−3’ 5’−GGCACTCGCAAGCACCCTATCAAG−3’ であり、並びに、第2PCR用センス及びアンチセンス
    プライマーがそれぞれ 5’−CGTTAGTATGAGTGTCGT[GまたはA]C−3’ 5’−[AまたはG]GGCAT[TまたはA]GAG[CまたはT]GGG TTTATC−3’ である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 cDNA合成及びPCRに必要な全試薬
    の存在下に、はじめにcDNA合成、次いでDNA増幅
    を実施する、このとき、第1PCR用アンチセンスプラ
    イマーの5’端ヌクレオチド配列と第2PCR用アンチ
    センスプライマーのヌクレオチド配列を同一にする、請
    求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 第1及び第2プライマーがC型肝炎ウイ
    ルスを検出するためのものであり、第1PCR用センス
    及びアンチセンスプライマーがそれぞれ 5’−CTGTCTTCACGCAGAAAGCGTCTAG−3’ 5’−GGCACTCGCAAGCACCCTATCAAG−3’ であり、並びに、第2PCR用センス及びアンチセンス
    プライマーがそれぞれ 5’−CGTTAGTATGAGTGTCGTGC−3’ 5’−GGCACTCGCAAGCACCCTAT−3’ である請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の方法で使用するため
    の、C型肝炎ウイルスを検出するための下記の4種のプ
    ライマーセット。 5’−CTGTCTTCACGCAGAAAGCGTCTAG−3’ 5’−GGCACTCGCAAGCACCCTATCAAG−3’ 5’−CGTTAGTATGAGTGTCGTGC−3’ 5’−AGGCATTGAGCGGGTTTATC−3’
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の方法で使用するため
    の、C型肝炎ウイルスを検出するための下記の4種のプ
    ライマーセット。 5’−CTGTCTTCACGCAGAAAGCGTCTAG−3’ 5’−GGCACTCGCAAGCACCCTATCAAG−3’ 5’−CGTTAGTATGAGTGTCGTAC−3’ 5’−GGGCATAGAGTGGGTTTATC−3’
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の方法で使用するため
    の、C型肝炎ウイルスを検出するための下記の4種のプ
    ライマーセット。 5’−CTGTCTTCACGCAGAAAGCGTCTAG−3’ 5’−GGCACTCGCAAGCACCCTATCAAG−3’ 5’−CGTTAGTATGAGTGTCGTGC−3’ 5’−GGCACTCGCAAGCACCCTAT−3’
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