JPH0646669A - 菌根菌の菌根形成方法 - Google Patents

菌根菌の菌根形成方法

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JPH0646669A
JPH0646669A JP4222030A JP22203092A JPH0646669A JP H0646669 A JPH0646669 A JP H0646669A JP 4222030 A JP4222030 A JP 4222030A JP 22203092 A JP22203092 A JP 22203092A JP H0646669 A JPH0646669 A JP H0646669A
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JP
Japan
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lumps
host plant
root
roots
mycelium
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JP4222030A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Hishinuma
清 菱沼
Hitoshi Wake
仁志 和気
Akinobu Akasaka
明伸 赤坂
Masako Saito
雅子 斎藤
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Pentel Co Ltd
Original Assignee
Pentel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 菌根菌の培養菌糸体を寄主植物の生根の成長
方向前方に配置し寄主植物の生根に菌根菌を人為的に活
着させて菌根を形成させるにあたり、培養菌糸体として
菌糸相互が絡まりあって塊状物となったものを用い、ま
た、この塊状物を寄主植物の生根の成長方向と交差する
広がりを有する集合体として配置する。 【効果】 菌根菌の培養菌糸体として、バ−ミキュライ
トなどを用いてその隙間に菌糸体が綿状に蔓延り全体を
一つにまとめたものを用いるよりも、効率的に菌根を形
成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マツタケ、ホンシメジ
等の活物寄生の菌根菌の培養菌糸体を雑菌隔離状態で寄
主植物(宿主の植物)である赤松、コナラ、クヌギ等の
生根の成長方向前方に配置することによって寄主植物の
生根に菌根菌を人為的に活着させて菌根を形成させる方
法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】人為的にマツタケ、ホンシメ
ジ等の菌根を形成させるにあたって、雑菌の繁殖を防止
することは極めて重要であり、そのため、人工培養した
マツタケ、ホンシメジ等の培養菌糸体を寄主植物の林地
の地中に埋め込む際に、寄主植物の根に滅菌処理を施し
たり、滅菌した土壌に入れ替えたりしている。
【0003】このような人為的活着における雑菌隔離状
態の形成の有効的なものとしては、例えば、菌根菌の培
養菌糸体を滅菌したゲルで包埋することが挙げられる。
本発明者らの検討によるものであるが、菌根形成の効率
向上に大きく寄与している。
【0004】しかし、それでもまだ改善の余地がある。
菌糸体の寄主植物の根に対する接触性が良好であるほど
活着性も良好になるし、また、地中に埋め込んだ後の菌
糸体の生存性を更に高めることも菌根形成の向上に寄与
することになる。
【0005】
【課題を解決するための手段】培養菌糸体として菌糸相
互が絡まりあって塊状物となったものを用い、また、こ
の塊状物を寄主植物の生根の成長方向と交差する広がり
を有する集合体として寄主植物の生根の成長方向前方に
配置する。即ち、本発明は、菌根菌の培養菌糸体を雑菌
隔離状態で寄主植物の生根の成長方向前方に配置するこ
とによって寄主植物の生根に菌根菌を人為的に活着させ
て菌根を形成させる方法において、前記培養菌糸体とし
て菌糸相互が絡まりあって塊状物となったものを用い、
また、該塊状物を前記寄主植物の生根の成長方向と交差
する広がりを有する集合体として配置することを特徴と
する菌根菌の菌根形成方法を要旨とする。
【0006】以下、詳述する。利用できる菌根菌として
は、マツタケ菌、ホンシメジ菌、コウタケ菌、ハツタケ
菌、アミタケ菌など種々のものを挙げられ、これらの菌
根菌を、適宜の条件下で培養したものを使用する。ここ
で、培養は、菌糸相互が絡まりあって塊状物となるよう
にする。例えば、振盪、旋回、通気撹拌などの液体培養
により、ボ−ル状や丸みのある不定形などの形状の高密
度の塊状物が得られる。またこのとき、バ−ミキュライ
ト、日向砂、マサ土、粒状活性炭などの担体を併用すれ
ば、これら担体を核として周囲に高密度の菌糸体層が形
成されたものとなる。この塊状物を寄主植物、好ましく
は、細根の良く発達した樹齢10〜30年位のものの、
根の成長方向前方に配置する。根の成長方向と交差する
広がりを有する集合体としてであり、なるべく高密度充
填状態で集合されたものとするのが好ましい。そのため
に、前述したような液体培養により得た塊状物を、前述
した担体の一種もしくは複数混合物などともに固体培養
して、あらかじめ、塊状物の集合体が全体として一つの
塊状物となったものを準備しておくこともできる。
【0007】雑菌隔離は、必要に応じて前述した担体の
一種または複数混合物などとともに培養菌糸体の塊状物
の集合体を、前述したゲルに包埋するなど一層もしくは
複層からなる滅菌外装体に収容するのが確実性が高く好
ましい。ちなみに、ゲルに用いる高分子としては、例え
ば、寒天、アルギン酸ナトリウム、ジェランガム、コン
ニャク、カラゲナン、グァ−ガム、プルラン、ロ−カス
トビ−ンガム、ザンサンガム、ペクチン、澱粉、ポリア
クリルアミド、ポリビニルアルコ−ル等を挙げられる。
単独でもよいし、複数のものを混合して使用してもよ
い。ゲル濃度は、水、緩衝液、塩類溶液など液の種類に
応じて適宜であるが、水などに対しては一般には0.1
〜5.0重量%、好ましくは0.2〜3.0重量%程度
とするとよい。このゲルに培養菌糸体の生長のための栄
養物やホルモンとか保湿材などを添加しておくこともで
きる。ゲルの外側を更に外装体、例えば、ポリプロピレ
ンなどの容器や樹脂ラップや金属フィルムなどで包装す
ることもできる。また、例えば、塊状物とアルギン酸ナ
トリウム溶液との混合物を塩化カルシウム溶液に落下す
るなど、塊状物の個々をゲルで包埋、従って、カプセル
化しておき、これを前述した集合体となるように使用す
ることもできる。
【0008】上述方法によって、あるいは他の適宜方法
によって雑菌隔離状態とした培養菌糸体の塊状物の集合
体は、寄主植物の生根の成長方向前方に、根の成長方向
と交差する広がりを有するように配置する。生根先端の
近傍地中に埋めるようにしてもよいし、また、生根が一
部の菌糸体に接触したり埋入したりするようにしてもよ
い。後から成長してくる根にとっては前方に位置するこ
とになる。また、アルコ−ルや火炎などで滅菌後、根を
切断して、その切断面よりの細根発生を促進する、所
謂、根切り処理を施した場合、接触や埋入配置はまさし
く前方配置そのものになる。尚、ゲルのように、また、
両端開放容器のように、根の成長を阻害しない外装体
は、寄主植物の根を戻し上からマサ土などの清潔な土で
覆う際、そのまま、一緒に地中に埋めることもできる。
ちなみに、このようにしての接種処理は、夏場を避け、
寄主植物の根の生長が盛んな時、例えば、赤松であれば
3〜6月頃に行なうとよい。
【0009】
【実施例】以下、単に部とあるのは重量部を示す。
【0010】<実施例1> (1)菌糸体準備 酵母エキス 0.15部 バクト−ソイトン(ディフコ社製) 0.15部 ブドウ糖 2.0部 蒸留水 100.0部 500ml容量の坂口フラスコ20本にpH5に調整し
た上記培地をそれぞれ100mlづつ入れ、マツタケ菌
を23℃、1カ月間、振幅100mm、振盪速度100
往復/分で振盪培養した。得たものは、直径2〜6mm
のボ−ル状及び丸みのある不定形の塊状物約600個で
ある。
【0011】100ml容量のポリプロピレン製ビ−カ
−20個に、上記培地に0.5%の寒天を含有させたも
の50mlづつ入れ、120℃で15分間オ−トクレ−
ブで滅菌し、培地温度が40℃に低下したところで、上
記塊状物を30個づつ入れ、氷水で冷却し、こうしてゲ
ルで包埋したものを取り出し、これを、2%寒天溶液
(蒸留水使用)150mlを入れ加熱した200ml容
量のポリプロピレン製ビ−カ−に、寒天溶液温度が40
℃に低下したところで入れ、氷水で冷却し、取り出し
た。得たものは、寒天ゲルで二重に包埋した培養菌糸体
の塊状物の集合体である。
【0012】(2)林地作業 3月中旬に、樹齢約30年生の赤松の根元より1m離れ
たところを20cm程掘り出し、根をナイフで切断し、
火炎で滅菌し、この根を、上記で得たゲル包埋培養菌糸
体塊状物集合体に、菌糸体と接する程度まで差し込み、
もとの場所に戻した後、上からマサ土で覆っておいた。
【0013】<実施例2> (1)菌糸体準備 100ml容量のポリプロピレン製ビ−カ−20個に、
園芸用バ−ミキュライト50mlと実施例1で調整した
培地20mlをそれぞれ入れ、アルミホイルで蓋をして
120℃、20分間オ−トクレ−ブで滅菌し、これに、
実施例1で得た培養菌糸体の塊状物を30個づつ入れ、
十分に混合後、上記培地に0.2%の寒天を含有させた
もの10ml追加し、23℃で2カ月間、固体培養し、
更に、2%寒天溶液で包埋した。
【0014】(2)林地作業 すべて実施例1と同様にした。
【0015】<実施例3> (1)菌糸体準備 500ml容量の坂口フラスコ20本に直径5〜10m
mの日向砂50mlと実施例1で調整した培地100m
lをそれぞれ入れ、マツタケ菌を23℃、1カ月間、振
幅50mm、振盪速度25往復/分で旋回培養した。得
たものは、直径7〜16mmのボ−ル状の塊状物約60
0個である。この塊状物を、実施例1と同様にして、寒
天ゲルで二重に包埋した集合体とした。
【0016】(2)林地作業 すべて実施例1と同様にした。
【0017】<実施例4> (1)菌糸体準備 1lビ−カ−内で、実施例1で得た培養菌糸体の塊状物
600個と1%アルギン酸ナトリウム溶液500mlと
を懸濁し、カルスピペットで塊状物を吸取り、50mM
塩化カルシウム溶液500mlを入れ撹拌状態とした別
の1lビ−カ−に1個づつ滴下してカプセル化した。こ
のカプセルを30個づつ、エタノ−ル滅菌した直径30
mmのアクリル製パイプに詰め、上から滅菌ラップで包
装した。
【0018】(2)林地作業 5月中旬に、前々年の12月初旬に根切り根廻し法によ
り細根を発根させておいた樹齢約25年生の赤松の根を
掘り出し、上記で準備したカプセル収納ラップ包装パイ
プに挿入し、また、150℃で2時間乾熱滅菌したマサ
土をカプセルと細根との間に詰め、上から包んだラップ
の根元を紐で縛り、もとの場所に戻した後、上からマサ
土で覆っておいた。
【0019】<実施例5>マツタケ菌に代えてホンシメ
ジ菌を使用し、また、ホンシメジ菌培養時の培地のpH
を5から6に変えた以外は、すべて実施例1と同様にし
た。
【0020】<比較例>実施例1の菌糸体準備におい
て、振盪培養する代わりに、1カ月間、静置培養し、ま
た、この培養菌糸体をホモジナイザ−で破砕分散し、更
に2ケ月間、バ−ミキュライトで固体培養して菌糸体を
得、これを実施例1の塊状物に代えて用いた以外、すべ
て実施例1と同様にした。
【0021】上記各例のものについて、11月に掘り返
してみたところ、いずれも菌根形成が認められたが、比
較例のものに比べ、実施例のものの方が形成度が高かっ
た。また、実施例のものの方が地中に埋め込んだ菌糸体
自体の生存性も高かった。
【0022】
【発明の効果】このように、本発明によると、菌糸体の
寄主植物の根に対する接触性が良く、また、菌糸体の生
存性も高く、菌根菌の寄主植物の根への人為的活着、菌
根菌の菌根形成がより効率的になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 雅子 埼玉県草加市吉町4−1−8 ぺんてる株 式会社草加工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 菌根菌の培養菌糸体を雑菌隔離状態で寄
    主植物の生根の成長方向前方に配置することによって寄
    主植物の生根に菌根菌を人為的に活着させて菌根を形成
    させる方法において、前記培養菌糸体として菌糸相互が
    絡まりあって塊状物となったものを用い、また、該塊状
    物を前記寄主植物の生根の成長方向と交差する広がりを
    有する集合体として配置することを特徴とする菌根菌の
    菌根形成方法。
JP4222030A 1992-07-29 1992-07-29 菌根菌の菌根形成方法 Pending JPH0646669A (ja)

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JP4222030A JPH0646669A (ja) 1992-07-29 1992-07-29 菌根菌の菌根形成方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11318433A (ja) * 1998-05-20 1999-11-24 Toshimitsu Hattori マツタケまたはマイタケ菌糸体の製造方法
US6907691B2 (en) * 2002-06-26 2005-06-21 Stewart C. Miller Cultivation of morchella
JP2009517018A (ja) * 2005-11-25 2009-04-30 バッカー、ユースト、ペトルス、ヤコブス ランの改良された栽培方法

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