JPH064638B2 - β−ラクタム誘導体の製造方法 - Google Patents

β−ラクタム誘導体の製造方法

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JPH064638B2
JPH064638B2 JP60106274A JP10627485A JPH064638B2 JP H064638 B2 JPH064638 B2 JP H064638B2 JP 60106274 A JP60106274 A JP 60106274A JP 10627485 A JP10627485 A JP 10627485A JP H064638 B2 JPH064638 B2 JP H064638B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07D505/00Heterocyclic compounds containing 5-oxa-1-azabicyclo [4.2.0] octane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. oxacephalosporins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulfur-containing hetero ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D499/00Heterocyclic compounds containing 4-thia-1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. penicillins, penems; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulfur-containing hetero ring
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、β−ラクタム誘導体の製造方法に関する。
従来の技術 抗生物質として使用されるβ−ラクタム誘導体は、通常
カルボキシル基を分子内に持ち、多くの場合その遊離の
カルボン酸又はその医薬品上許容される塩の形態で用い
られる。しかしながら、β−ラクタム抗生物質を合成す
る工程において多くの場合、それらカルボキシル基は適
当な保護基によって保護されており、最終的にその保護
基を分子内の他の部分を破壊することなく収率良く脱離
する必要がある。
従来、一般式 A−COO−X 、 (II) 〔式中Aはβ−ラクタム誘導体残基を示す。Xはフェニ
ル環上に置換基として電子供与性基を有するベンジル
基、フェニル環上に置換基として電子供与性基を有する
ことのあるジフェニルメチル基又はtert-ブチル基を示
す。〕 で表わされるカルボキシル基が保護されたβ−ラクタム
誘導体のカルボン酸保護基Xを脱離して、一般式 A−COOH (I) 〔式中Aは前記に同じ。〕 で表わされるβ−ラクタム誘導体を得る方法としては、
例えば一般式(II)のβ−ラクタム誘導体を貴金属触媒を
用いて接触還元する方法、一般式(II)のβ−ラクタム誘
導体を酸で処理する方法等が知られている。更に後者の
方法には、トリフルオロ酢酸を使用する方法(ジャーナ
ル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサイアティ
ー,91,5674(1969)〕、蟻酸を使用する方
法〔ケミカル ファーマシューティカル ブリテイン,
30,4545(1982)〕、アニソールの存在下に
塩化アルミニウムと反応させる方法〔テトラヘドロン
レターズ,2793(1979)〕等がある。然るにこ
れら従来の方法には以下に示す欠点がある。
貴金属触媒を用いて接触還元する方法では、通常β−ラ
クタム抗生物質はスルフィド結合を分子内に有してお
り、それが触媒毒となるために高価な貴金属触媒を多量
に使用する必要がある。しかも該方法は、同じ分子内に
ニトロ基又は炭素−炭素多重結合のような還元され得る
基を有しているβ−ラクタム誘導体には適用することが
できず、またこの方法では、保護基がtert-ブチル基で
ある場合には該基を脱離することができず、更に保護基
がフェニル環上に置換基として電子供与性基を有するベ
ンジル基もしくはフェニル環上に置換基として電子供与
性基を有するジフェニルメチル基である場合にもこれら
の基を脱離できない場合が多い。
酸を使用する方法では、該方法で得られる一般式(I)
のβ−ラクタム誘導体が酸に対して不安定であるにも拘
らず、強酸を少なくとも化学量論的な量使用することが
必要であり、そのため該方法で生成した一般式(I)の
β−ラクタム誘導体が分解されて該誘導体の収率が低下
するという欠点がある。
例えば下記式(III)で表わされるセファロスポリンのカ
ルボン酸保護基であるp−メトキシベンジル基をトリフ
ルオロ酢酸を用いて脱離する場合、通常高価なトリフル
オロ酢酸が式(III)のセファロスポリンに対して5倍モ
ル以上必要である。例えば等モルのトリフルオロ酢酸を
使用した場合には、上記反応は殆んど進行しない。こう
して多量のトリフルオロ酢酸を使用して式(III)のセフ
ァロスポリンの脱保護を行ない、反応終了後トリフルオ
ロ酢酸を回収し再使用しようとしても多量のロスを見込
まねばならず、また回収を行なっている間に酸に不安定
な下記式(IV)の化合物が分解されるために該化合物の収
率がさらに低下するという欠点がある。
また、蟻酸を使用する方法でも、上記と同様であり、高
価な98〜100%蟻酸を反応溶媒として大過剰に使用
する必要がある。そしてこれを回収、再使用するために
例えば減圧留去を行なうと、酸に不安定な上記式(IV)の
化合物が分解し、該化合物の収率が低下する。
またアニソールの存在下塩化アルミニウムと反応させる
方法では、空気中の水分と発熱反応し塩酸が発生すると
いう取扱上問題のある塩化アルミニウムの使用が必須で
あるうえ、反応中又は後処理中に反応混合物が強酸性と
なるために酸に不安定な上記式(IV)の化合物が分解し、
該化合物の収率が低下する。更に反応後の処理において
大量の水酸化アルミニウムを処理する必要が生じてく
る。
このように従来の方法では、上記一般式(II)で表わされ
るカルボキシル基が保護されたβ−ラクタム誘導体のカ
ルボン酸保護基Xを脱離して、上記一般式(I)で表わ
されるβ−ラクタム誘導体を収率良く製造でき、しかも
工業的に実施する上にも何等問題のない方法は未だ確立
されていないのが現状である。
問題点を解決するための手段 本発明は、上記一般式(II)で表わされるカルボキシル基
が保護されたβ−ラクタム誘導体のカルボン酸保護基X
を脱離して、上記一般式(I)で表わされるβ−ラクタ
ム誘導体を収率良く製造でき、しかも工業的に実施する
上にも何等問題のない方法を提供するものである。
即ち本発明は、上記一般式(II)で表わされるカルボキシ
ル基が保護されたβ−ラクタム誘導体をフェノール類を
50重量%以上含有する溶媒中で処理して、上記一般式
(I)で表わされるβ−ラクタム誘導体を得ることを特
徴とするβ−ラクタム誘導体の製造方法に係る。
本明細書において、Aで示されるβ−ラクタム誘導体残
基としては、、下記一般式 〔式中 を示す。) で表わされる基を例示できる。より具体的には以下に示
す基を例示できる。
上記において、Rとしては、公知のセファロスポリン
の7位の置換基を例示でき、より具体的には例えば水素
原子、メトキシ基、エトキシ基等の低級アルコキシ基、
ホルムアミド基等を挙げることができる。
また、Rとしては、マーリイ シー グリフィス著(M
ary C.Griffiths)ユーエスエーエヌ アンド ザ ユー
エスピー ディクショナリー オブ ドラッグズ ネー
ムズ(USAN and the USP dictionary of drugs names)に
記載の公知のペニシリンの6位又はセファロスポリンの
7位の置換基を例示でき、より具体的には例えば水素原
子、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基等を挙げること
ができる。ここでハロゲン原子としては、例えば弗素、
塩素、臭素、沃素原子等を挙げることができる。またア
ミド基としては、例えばベンズアミド基、フェニルアセ
トアミド基、フェノキシアセトアミド基、フェニルグリ
シルアミド基、アミノ基が保護されたフェニルグリシル
アミド基、p−ヒドロキシフェニルグリシルアミド基、
ヒドロキシ基及びアミノ基が保護されたp−ヒドロキシ
フェニルグリシルアミド基、チオールアセトアミド、α
−カルボキシフェニルアセトアミド、カルボキシル基が
保護されたα−カルボキシフェニルアセトアミド、α−
ヒドロキシフェニルアセトアミド基、ヒドロキシ基が保
護されたα−ヒドロキシフェニルアセトアミド基、2−
(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−メトキシイミノ
アセトアミド、アミノ基が保護された2−(2−アミノ
−4−チアゾリル)−2−メトキシイミノアセトアミ
ド、2−(2−フリル)−2−メトキシイミノアセトア
ミド基、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−
(カルボキシメトキシイミノ)アセトアミド基、アミノ
基及びカルボキシル基が保護された2−(2−アミノ−
4−チアゾリル)−2−(カルボキシメトキシイミノ)
アセトアミド基、α−アラニルオキシフェニルアセトア
ミド基、テトラゾリルアセトアミド基、α−(4−エチ
ル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジノカルボニルアミ
ド)−p−ヒドロキシフェニルアセトアミド基、ヒドロ
キシ基が保護されたα−(4−エチル−2,3−ジオキ
ソ−1−ピペラジノカルボニルアミド)−p−ヒドロキ
シフェニルアセトアミド基、o−アミノメチルフェニル
アセトアミド基、アミノ基が保護されたo−アミノメチ
ルフェニルアセトアミド基、2−(5−カルボキシイミ
ダゾール−4−カルボキシアミド)−2−フェニルアセ
トアミド基、カルボキシル基が保護された2−(5−カ
ルボキシイミダゾール−4−カルボキシアミド)−2−
フェニルアセトアミド基、2−(4−ヒドロキシ−6−
メチルニコチンアミド)−2−(p−ヒドロキシフェニ
ル)アセトアミド基、ヒドロキシ基が保護された2−
(4−ヒドロキシ−6−メチルニコチンアミド)−2−
(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド基、α−スル
ホフェニルアセトアミド基、2−(2−アミノ−4−チ
アゾリル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエチル
オキシイミノ)アセトアミド基、アミノ基及びカルボキ
シル基が保護された2−(2−アミノ−4−チアゾリ
ル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルオキシイミ
ノ)アセトアミド基、2−(6,7−ジヒドロキシ−4
−オキソ−1−ベンゾピラン−3−カルボキシアミド)
−2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド基、ヒ
ドロキシ基が保護された2−(6,7−ジヒドロキシ−
4−オキソ−1−ベンゾピラン−3−カルボキシアミ
ド)−2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド
基、シアノメチルチオアセトアミド基、2−アミノカル
ボニル−2−フルオロビニルチオアセトアミド基、アミ
ノ基が保護された2−アミノカルボニル−2−フルオロ
ビニルチオアセトアミド基、ジフルオロメチルチオアセ
トアミド基、α−カルボキシ−α−(p−ヒドロキシフ
ェニル)アセトアミド基、ヒドロキシ基及びカルボキシ
ル基が保護されたα−カルボキシ−α−(p−ヒドロキ
シフェニル)アセトアミド基等を挙げることができる。
上記アミド基、ヒドロキシ基及びカルボキシル基が保護
基としては、従来公知の保護基を広く例示でき、具体的
にはベンジル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベン
ジル、3,4,5−トリメトキシベンジル、3,5−ジ
メトキシ−4−ヒドロキシベンジル、2,4,6−トリ
メチルベンジル、ジフェニルメチル、ジトリルメチル、
トリチル、ピペロニル、ナフチルメチル、9−アントリ
ル、メチル、tert−ブチル、トリクロロエチル基等を例
示できる。
としては、ユーエスエーエヌ アンド ザ ユーエ
スピー ディクショナリー オブ ドラッグズ ネーム
ズに記載の公知のセフアロスポリンの3位の置換基を例
示でき、より具体的には例えば水素原子、ヒドロキシ
基、塩素原子、臭素原子、弗素原子等のハロゲン原子、
メトキシ、エトキシ等の低級アルコキシ基、ビニル、
2,2−ジブロモビニル等の置換及び非置換ビニル基、
エチニル基、メチル、エチル等の低級アルキル基、メト
キシメチル、エトキシメチル等の低級アルコキシメチル
基、アセトキシメチル基、カルバモイルオキシメチル
基、1,2,3−トリアゾール−4−イルチオメチル、
5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチ
オメチル、1−メチルテトラゾール−5−イルチオメチ
ル、1−スルホメチルテトラゾール−5−イルチオメチ
ル、1−カルボキシメチルテトラゾール−5−イルチオ
メチル、1−(2−ジメチルアミノエチル)テトラゾー
ル−5−イルチオメチル、1,2,3−チアジアゾール
−5−イルチオメチル、1−(2−ヒドロキシエチル)
テトラゾール−5−イルチオメチル等のヘテロ環チオメ
チル基、5−メチルテトラゾール−2−イルメチル基、
1−メチルピロリジノメチル基、ピリジニウムメチル基
等を挙げることができる。
としては、公知の1−カルバセフエムの2位の置換
基を例示でき、より具体的には例えば水素原子、ヒドロ
キシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキ
シ、エトキシ等の低級アルコキシ基、ホルミルオキシ、
アセチルオキシ、プロピオニルオキシ等の低級アシルオ
キシ基、メチルチオ、エチルチオ等の低級アルキルチオ
基、1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ、5−
メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ、
1−メチルテトラゾール−5−イルチオ基等のヘテロ環
チオ基等を挙げることができる。
nは0、1又は2を示す。
本明細書において、Xで示されるベンジル基及びジフェ
ニルメチル基のフェニル環上に置換されている電子供与
性基としては、例えばヒドロキシ基、メチル、エチル、
tert-ブチル等の低級アルキル基、メトキシ、エトキシ
等の低級アルコキシ基等を挙げることができる。このジ
フェニルメチル基には、置換又は非置換のフェニル基が
メチレン鎖或はヘテロ原子を介して分子内で結合してい
るタイプのものも包含される。本発明における保護基の
具体例としては、例えばp−メトキシベンジル基、ジフ
ェニルメチル、3,4,5−トリメトキシベンジル基、
3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシベンジル基、2,
4,6−トリメチルベンジル基、ピペロニル基、ジトリ
ルメチル基、ナフチルメチル基、9−アントリル基、te
rt−ブチル基等を挙げることができる。
本発明で使用される上記一般式(II)のβ−ラクタム誘導
体としては、上記一般式に包含されている限り従来公知
のものをいずれも使用できる。
本発明で用いられるフェノール類は、置換又は非置換の
フェノールであり、フェニル環上の置換基としては、例
えば塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル、エ
チル等の低級アルキル基、メトキシ、エトキシ等の低級
アルコキシ基等を挙げることができる。置換フェノール
の例としては、例えばo−クロルフェノール、m−クロ
ルフェノール、p−クロルフェノール、o−クレゾー
ル、m−クレゾール、p−クレゾール、m−メトキシフ
ェノール等が挙げられる。
本発明では、上記一般式(II)のβ−ラクタム誘導体とフ
ェノール類とを反応させる。フェノールは試薬としての
みではなく、溶媒としても使用できるので、フェノール
類の使用量としては、特に限定がなく広い範囲内から適
宜選択することができるが、通常一般式(II)のβ−ラク
タム誘導体に対して0.5〜500重量倍程度、好まし
くは1〜200重量倍程度とするのがよい。
本発明の反応は、通常使用するフェノール類が溶融した
状態で行なうのがよく、特に溶媒を必要としないが、水
又は四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロ
ロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレン等のハ
ロゲン化炭化水素等の有機溶媒を共溶媒として使用する
こともできる。しかし、これらの溶媒の使用量が多い
と、上記反応を阻害するので好ましくない。水又は有機
溶媒の使用量は、せいぜい使用するフェノール類と同量
程度までである。
上記反応の反応温度としては、使用される一般式(II)の
β−ラクタム誘導体の種類、使用されるフェノール類の
種類等により異なり一概には言えないが、反応系が固化
しない温度〜100℃程度、好ましくは反応系が固化し
ない温度〜70℃程度とするのがよい。
本発明では、反応系内に触媒量の酸を存在させることも
可能である。これによりβ−ラクタム誘導体の種類によ
っては上記反応をより低い反応温度、より短い反応時間
で完結させることが可能となる。触媒量は使用されるβ
−ラクタム誘導体の種類又は酸の種類により変化する
が、通常一般式(II)のβ−ラクタム誘導体に対して0.
01〜100モル%、好ましくは0.01〜50モル%
程度である。触媒として使用される酸の例としては、例
えば塩酸、硫酸、過塩素酸、燐酸等の鉱酸類、蟻酸、酢
酸、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢酸、
モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸
等のカルボン酸類、ベンゼンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸、メタスルホン酸等のスルホン酸類、メルド
ラム酸、スクエアリック酸等の酸性エノール化合物、塩
化アルミニウム等のルイス酸、硫酸水素ナトリウム、硫
酸水素カリウム、酸性イオン交換樹脂等の固体酸等が挙
げられる。
上記反応の終了後、生成する一般式(I)のβ−ラクタ
ム誘導体を単離するには通常の後処理を行なえばよい
が、例えば炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムと疎
水性有機溶媒とを加え、一般式(I)のβ−ラクタム誘
導体を水層に抽出するか又は貧有機溶媒を用いて結晶を
析出させ、次いで通常の後処理を行なうことにより高収
率で一般式(I)のβ−ラクタム誘導体を収得し得る。
また、有機層を蒸留することにより、抽出溶媒及び使用
したフェノール類を回収し、再使用することができる。
発明の効果 本発明の方法によれば、カルボキシル基の保護されたβ
−ラクタム誘導体(II)から該保護基を簡便な操作で脱離
することができる。また、本発明では、従来法の如く多
量の酸を使用する必要はないので、上記反応で生成する
β−ラクタム誘導体(I)が分解されることも殆んどな
く、その結果β−ラクタム誘導体(I)を高収率で製造
し得る。しかも本発明では、使用したフェノール類、抽
出溶媒等を効率よく回収し得るので、経済面でも優れて
いる。尚、本発明で処理されるβ−ラクタム誘導体(II)
中のAにも保護されたカルボキシル基が存在する場合に
は、これも同時に脱離されることもある。
実施例 以下に比較例及び実施例を掲げて本発明をより一層明ら
かにする。
比較例1 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがp−メトキシベンジル基、Rが水素原子、
がフェニルアセトアミド基、Rが5−メチル−
1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオメチル基、
nが0)10、塩化メチレン100m及びトリフル
オロ酢酸6.61mを混合し、室温で2時間反応させ
た。反応終了後、塩化メチレン及びトリフルオロ酢酸を
減圧留去した。得られた濃縮残渣に5%炭酸ナトリウム
水溶液100m及び酢酸エチル150mを加えて抽
出した。このようにして得られた水層を氷浴で冷却しな
がら塩酸を加えてpH=1〜2に調整し、酢酸エチル3
00m〕で抽出、得られた酢酸エチル層を減圧濃縮する
と、上記一般式(I)の化合物(Aがセファロスポリン
誘導体残基、Rが水素原子、Rがフェニルアセトア
ミド基、Rが5−メチル−1,3,4−チアジアゾー
ル−2−イルチオメチル基、nが0)が61%の収率で
得られた。このもののNMRスペクトルは、後記実施例
1で得られた化合物のそれと一致した。尚、減圧留去し
たトリフルオロ酢酸は液体窒素でトラップし、滴定法に
より定量した結果3.44mの回収であった。
比較例2 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがp−メトキシベンジル基、Rが水素原子、
がフェニルアセトアミド基、Rが5−メチル−
1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオメチル基、
nが0)10、塩化メチレン100m及びトリフル
オロ酢酸1.32mを混合し、室温で5時間反応させ
たが、該反応は殆んど進行していなかった。
比較例3 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがp−メトキシベンジル基、Rが水素原子、
がフェニルアセトアミド基、Rが5−メチル−
1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオメチル基、
nが0)10及び99%蟻酸100mを混合し、室
温で3時間反応させた。反応終了後蟻酸を減圧留去し
た。得られた濃縮残渣を比較例1と同様の方法で後処理
すると、上記一般式(I)の化合物(Aがセファロスポ
リン誘導体残基、Rが水素原子、Rがフェニルアセ
トアミド基、Rが5−メチル−1,3,4−チアジア
ゾール−2−イルチオメチル基、nが0)が55%の収
率で得られた。このもののNMRスペクトルは、後記実
施例1で得られた化合物のそれと一致した。
比較例4 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがp−メトキシベンジル基、Rが水素原子、
がフェニルアセトアミド基、Rが5−メチル−
1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオメチル基、
nが0)1をテトラヘドロン レターズ第2793頁
(1979年)に記載の方法と同様に塩化アルミニウム
と反応させ、上記一般式(I)の化合物(Aがセファロ
スポリン誘導体残基、Rが水素原子、Rがフェニル
アセトアミド基、Rが5−メチル−1,3,4−チア
ジアゾール−2−イルチオメチル基、nが0)が62%
の収率で得た。このもののNMRスペクトルは、後記実
施例1で得られた化合物のそれと一致した。
比較例5 特開昭55−105691号公報に記載の例3に準じて
以下の反応を行なった。即ち、上記一般式(II)の化合物
(Aがセファロスポリン誘導体残基、Xがp−メトキシ
ベンジル基、Rが水素原子、Rがフェニルアセトア
ミド基、Rが5−メチル−1,3,4−チアジアゾー
ル−2−イルチオメチル基、nが0)1.65をフェ
ノール2m及び塩化メチレン20mに溶解し、室温
下に8時間かき混ぜた。この反応混合物を酢酸エチルと
5%炭酸ナトリウム水溶液で抽出した。水層に氷冷下、
塩酸を加えてpH=1〜2に調整した後、酢酸エチルで
抽出したが、目的とするカルボン酸を得ることができな
かった。一方、最初の酢酸エチル溶液からは原料化合物
が定量的に回収された。
実施例1 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがp−メトキシベンジル基、Rが水素原子、
がフェニルアセトアミド基、Rが5−メチル−
1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオメチル基、
nが0)2及びフェノール6.5mを混合して60
℃に加熱、3時間反応させた。反応終了後室温まで放冷
し、酢酸エチル19.5m及び5%炭酸ナトリウム水
溶液15mで抽出した。水層を氷浴で冷却しながら塩
酸を加えてpH=1〜2に調整し、酢酸エチル30m
で抽出し、得られた酢酸エチル層を減圧濃縮すると、上
記一般式(I)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Rが水素原子、Rがフェニルアセトアミド
基、Rが5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−
2−イルチオメチル基、nが0)を85%の収率で得
た。このもののNMRスペクトルは、その構造と一致し
た。
NMR(アセトン−d) δppm 2.70(s,3H) 3.65(s,2H) 3.75(bs,2H) 4.35及び4.53(ABq,2H,J=14Hz) 5.08(d,1H,J=5Hz) 5.78(dd,1H,J=5Hz,9Hz) 7.27(bs,5H) 7.87(d,1H,J=5Hz) 実施例2 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがp−メトキシベンジル基、Rが水素原子、
がフェニルアセトアミド基、Rが5−メチル−
1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオメチル基、
nが0)20及びフェノール40mを混合して40
℃に加熱し、次にこれに濃塩酸0.25mを加えて1
時間反応させた。反応終了後室温まで放冷し、メチルイ
ソブチルケトン160m及び5%炭酸ナトリウム水溶
液75mで抽出した。水層を氷浴で冷却しながら塩酸
を加えてpH=1〜2に調整し、酢酸エチル300m
で抽出し、得られた酢酸エチル層を減圧濃縮すると、上
記一般式(I)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Rが水素原子、Rがフェニルアセトアミド
基、Rが5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−
2−イルチオメチル基、nが0)が90%の収率で得
た。このもののNMRスペクトルは、実施例1で得られ
た化合物のそれと一致した。
実施例3 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがp−メトキシベンジル基、Rが水素原子、
がフェニルアセトアミド基、Rが1−メチルテト
ラゾール−5−イルチオメチル基、nが0)20g及び
フェノール40mを混合して45℃に加熱し、次にこ
れに濃塩酸85μを加えて1時間反応させた。反応終
了後、実施例2と同様の後処理を行ない、上記一般式
(I)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体残基、R
が水素原子、Rがフェニルアセトアミド基、R
1−メチルテトラゾール−5−イルチオメチル基、nが
0)が92%の収率で得た。このもののNMRスペクト
ルは、その構造と一致した。
NMR(アセトン−d) δppm 3.65(s,2H) 3.75(s,2H) 3.98(s,3H) 4.37(s,2H) 5.06(d,1H,J=5Hz) 5.74(dd,1H,J=5Hz,9Hz) 7.27(bs,5H) 7.90(d,1H,J=9Hz) 実施例4 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがジフェニルメチル基、Rが水素原子、R
がフェニルアセトアミド基、Rが1−メチルテトラゾ
ール−5−イルチオメチル基、nが0)20及びフェ
ノール40mを混合して45℃に加熱し、次にこれに
濃塩酸80μを加えて1時間反応させた。反応終了
後、実施例2と同様の後処理を行ない、上記一般式
(I)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体残基、R
が水素原子、Rがフェニルアセトアミド基、R
1−メチルテトラゾール−5−イルチオメチル基、nが
0)が95%の収率で得た。このもののNMRスペクト
ルは、実施例3で得られた化合物のそれと一致した。
実施例5 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがp−メトキシベンジル基、Rが水素原子、
がフェニルアセトアミド基、Rがアセトキシメチ
ル基、nが0)20及びフェノール40mを混合し
て45℃に加熱し、次にこれに濃塩酸100μを加え
て1時間反応させた。反応終了後、実施例2と同様の後
処理を行ない、上記一般式(I)の化合物(Aがセファ
ロスポリン誘導体残基、Rが水素原子、Rがフェニ
ルアセトアミド基、Rがアセトキシメチル基、nが
0)を93%の収率で得た。このもののNMRスペクト
ルは、その構造と一致した。
NMR(アセトン−d) δppm 2.04(s,3H) 3.52及び3.61(ABq,2H,J=17Hz) 3.67(s,2H) 4.86及び5.04(ABq,2H,J=14Hz) 5.08(d,1H,J=5Hz) 5.35〜6.50(bs,3H) 5.80(dd,1H,J=5Hz,8Hz) 7.27(bs,5H) 7.87(d,1H,J=8Hz) 実施例6 下記に示す各種Xを有する上記一般式(II)の化合物(A
がセファロスポリン誘導体残基、Rが水素原子、R
がフェニルアセトアミド基、Rがアセトキシメチル
基、nが0)を使用する以外は、実施例5と同様にして
対応する一般式(I)の化合物を下記に示す収率で得
た。
Xが3,4,5−トリメトキシベンジル基である一般式
(II)の化合物……収率90% Xが3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシベンジル基で
ある一般式(II)の化合物……収率85% Xが2,4,6−トリメチルベンジル基である一般式(I
I)の化合物……収率88% Xが3,4−メチレンジオキシベンジル基である一般式
(II)の化合物……収率90% Xがジフェニルメチル基である一般式(II)の化合物……
収率94% Xがジトリルメチル基である一般式(II) の化合物……
収率96% Xがtert−ブチル基である一般式(II)の化合物……収率
84% 実施例7 下記第1表に示す酸を触媒として使用し、第1表に示す
反応条件以外は実施例3と同様にして上記一般式(II)
の化合物(Aがセファロスポリン誘導体残基、Xがp−
メトキシベンジル基、Rが水素原子、Rがフェニル
アセトアミド基、Rが1−メチルテトラゾール−5−
イルチオメチル基、nが0)を処理して対応する一般式
(I)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体残基、R
が水素原子、Rがフェニルアセトアミド基、R
1−メチルテトラゾール−5−イルチオメチル基、nが
0)を得た。
実施例8 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがp−メトキシベンジル基、Rが水素原子、
がフェニルアセトアミド基、Rが1−メチルテト
ラゾール−5−イルチオメチル基、nが0)200m
及びm−クロロフェノール0.65mを混合して60
℃に加熱し、1時間反応させた。反応終了後、実施例1
と同様の後処理を行ない、上記一般式(I)の化合物
(Aがセファロスポリン誘導体残基、Rが水素原子、
がフェニルアセトアミド基、Rが1−メチルテト
ラゾール−5−イルチオメチル基、nが0)を90%の
収率で得た。このもののNMRスペクトルは、実施例3
で得られる化合物のそれと一致した。
実施例9 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがp−メトキシベンジル基、Rが水素原子、
がフェニルアセトアミド基、Rが1−メチルテト
ラゾール−5−イルチオメチル基、nが0)2、m−
クロロフェノール6.5m及び濃塩酸17μを混合
し、室温で3時間反応させた。反応終了後、実施例2と
同様の後処理を行ない、上記一般式(I)の化合物(A
がセファロスポリン誘導体残基、Rが水素原子、R
がフェニルアセトアミド基、Rが1−メチルテトラゾ
ール−5−イルチオメチル基、nが0)を89%の収率
で得た。このもののNMRスペクトルは、実施例3で得
られる化合物のそれと一致した。
実施例10 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがジフェニルメチル基、Rが水素原子、R
がフェノキシアセトアミド基、Rがアセトキシメチル
基、nが0)を実施例2と同様に処理して上記一般式
(I)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体残基、R
が水素原子、Rがフェノキシアセトアミド基、R
がアセトキシメチル基、nが0)を93%の収率で得
た。このもののNMRスペクトルは、その構造と一致し
た。
NMR(CDCl) δppm 2.10(s,3H) 3.43及び3.53(ABq,2H,J=19Hz) 4.57(s,2H) 4.92及び5.08(ABq,2H,J=15Hz) 5.02(d,1H,J=5Hz) 5.87(dd,1H,J=5Hz,9Hz) 6.75〜7.50(m,6H) 実施例11 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがp−メトキシベンジル基、Rが水素原子、
がテトラゾリルアセトアミド基、Rが5−メチル
−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオメチル
基、nが0)を実施例2と同様に処理して上記一般式
(I)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体残基、R
が水素原子、Rがテトラゾリルアセトアミド基、R
が5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イ
ルチオメチル基、nが0)を86%の収率で得た。この
もののNMRスペクトルは、その構造と一致した。
NMR(DMSO−d) δppm 2.70(s,3H) 3.00〜5.00(bs,1H) 3.63及び3.76(ABq,2H,J=18Hz) 4.23及び4.50(ABq,2H,J=14Hz) 5.10(d,1H,J=5Hz) 5.36(s,2H) 5.70(dd,1H,J=5Hz,8Hz) 9.31(s,6H) 9.43(d,1H,J=8Hz) 実施例12 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがp−メトキシベンジル基、Rが水素原子、
がα−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)フ
ェニルアセトアミド基、Rが5−メチル−1,3,4
−チアジアゾール−2−イルチオメチル基、nが0)を
実施例2と同様に処理して上記一般式(I)の化合物
(Aがセファロスポリン誘導体残基、Rが水素原子、
がα−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)フ
ェニルアセトアミド基、Rが5−メチル−1,3,4
−チアジアゾール−2−イルチオメチル基、nが0)を
89%の収率で得た。このもののNMRスペクトルは、
その構造と一致した。
NMR(DMSO−d) δppm 1.36(s,9H) 3.25〜4.50(bs,1H) 3.56(bs,2H) 3.91(s,3H) 4.00(d,1H,J=8Hz) 4.22(bs,2H) 4.94(d,1H,J=5Hz) 5.26(d,1H,J=8Hz) 5.65(dd,1H,J=5Hz,8Hz) 7.10〜7.55(m,5H) 9.07(d,1H,J=8Hz) 実施例13 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがp−メトキシベンジル基、Rが水素原子、
がアミノ基、Rが5−メチル−1,3,4−チア
ジアゾール−2−イルチオメチル基、nが0)を実施例
2と同様に反応させ、反応終了後攪拌しながら酢酸エチ
ルを加えていくと、上記一般式(I)の化合物(Aがセ
ファロスポリン誘導体残基、Rが水素原子、Rがア
ミノ基、Rが5−メチル−1,3,4−チアジアゾー
ル−2−イルチオメチル基、nが0)が析出してきた。
これを別し、常法に従い精製して上記目的化合物を8
4%の収率で得た。このもののNMRスペクトルは、既
知のNMRスペクトルと一致した。
実施例14 上記一般式(II)の化合物(Aが3−エキソメチレンセフ
ァム誘導体残基、Xがp−メトキシベンジル基、R
水素原子、Rがフェニルアセトアミド基、nが0)1
0及びフェノール20mを混合して45℃に加熱し
た。次いでこれに濃塩酸0.37mを加えて1時間反
応させた。反応終了後室温まで放冷し、酢酸エチル15
0m及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mで
抽出した。水層を氷浴で冷却しながら塩酸を加えてpH
=1〜2に調整し、酢酸エチル200mで抽出し、得
られた酢酸エチル層を減圧濃縮すると、上記一般式
(I)の化合物(Aが3−エキソメチレンセファム誘導
体残基、Rが水素原子、Rがフェニルアセトアミド
基、、nが0)を85%の収率で得た。このもののNM
Rスペクトルは、その構造と一致した。
NMR(アセトン−d) δppm 3.35及び3.69(ABq,2H,J=14Hz) 3.65(s,2H) 5.08(s,1H) 5.28(s,2H) 5.34(d,1H,J=5Hz) 5.57(dd,1H,J=5Hz,9Hz) 7.05〜7.45(m,5H) 7.75(d,1H,J=9Hz) 実施例15 上記一般式(II)の化合物(Aが3−エキソメチレンセフ
ァム誘導体残基、Xがp−メトキシベンジル基、R
水素原子、Rがフェノキシアセトアミド基、nが1)
を実施例14と同様に処理して、上記一般式(I)の化
合物(Aが3−エキソメチレンセファム誘導体残基、R
が水素原子、Rがフェノキシアセトアミド基、nが
1)を87%の収率で得た。このもののNMRスペクト
ルは、その構造と一致した。
NMR(DMSO−d/CDCl)δppm 3.80(s,2H) 4.53(s,2H) 5.05(s,1H) 5.10(d,1H,J=5Hz) 5.40(s,1H) 5.70(s,1H) 5.90(dd,1H,J=5Hz,9Hz) 6.85〜7.50(m,5H) 9.65(d,1H,J=9Hz) 実施例16 上記一般式(II)の化合物(Aがセファロスポリン誘導体
残基、Xがジフェニルメチル基、Rが水素原子、R
がチオールアセトアミド基、Rが1−メチルテトラゾ
ール−5−イルチオメチル基、nが1)を実施例2と同
様に処理して上記一般式(I)の化合物(Aがセファロ
スポリン誘導体残基、Rが水素原子、Rがチオール
アセトアミド基、Rが1−メチルテトラゾール−5−
イルチオメチル基、nが1)を89%の収率で得た。こ
のもののNMRスペクトルは、その構造と一致した。
NMR(アセトン−d/メタノール−d)δppm 3.84及び4.37(ABq,2H,J=16Hz) 3.92(s,3H) 4.01(s,2H) 4.30及び4.73(ABq,2H,J=14Hz) 4.60(d,1H,J=5Hz) 5.56(d,1H,J=5Hz) 6.85〜7.45(m,3H) 実施例17 上記一般式(II)の化合物(Aが1−オキサセフエム誘導
体残基、Xがジフェニルメチル基、Rがメトキシ基、
がα−(p−メトキシベンジルオキシカルボニル)
フェニルアセトアミド基、Rが1−メチルテトラゾー
ル−5−イルチオメチル基)を実施例14と同様に処理
して上記一般式(I)の化合物(Aが1−オキサセフエ
ム誘導体残基、Rがメトキシ基、Rがα−カルボキ
シフェニルアセトアミド基、Rが1−メチルテトラゾ
ール−5−イルチオメチル基)を85%の収率で得た。
このもののNMRスペクトルは、既知のNMRスペクト
ルと一致した。
実施例18 上記一般式(II)の化合物(Aがペニシリン誘導体残基、
Xがジフェニルメチル基、Rが水素原子、Rがフェ
ニルアセトアミド基、nが1)を実施例2と同様に処理
して上記一般式(I)の化合物(Aがペニシリン誘導体
残基、Rが水素原子、Rがフェニルアセトアミド
基、nが1)を86%の収率で得た。このもののNMR
スペクトルは、既知のNMRスペクトルと一致した。
実施例19 上記一般式(II)の化合物(Aがペニシリン誘導体残基、
Xがジフェニルメチル基、Rが水素原子、Rがフェ
ノキシアセトアミド基、nが0)を実施例2と同様に処
理して上記一般式(I)の化合物(Aがペニシリン誘導
体残基、Rが水素原子、Rがフェノキシアセトアミ
ド基、nが0)を90%の収率で得た。このもののNM
Rスペクトルは、既知のNMRスペクトルと一致した。
実施例20 上記一般式(II)の化合物(Aが1−カルバセフエム誘導
体残基、Xがジフェニルメチル基、Rが水素原子、R
がチオールアセトアミド基、R及びRが共に水素
原子)を実施例2と同様に処理して上記一般式(I)の
化合物(Aが1−カルバセフエム誘導体残基、Rが水
素原子、Rがチオールアセトアミド基、R及びR
が共に水素原子)を94%の収率で得た。このもののN
MRスペクトルは、既知のNMRスペクトルと一致し
た。
実施例21 上記一般式(II)の化合物(Aがペニシリン誘導体残基、
Xがp−メトキシベンジル基、Rが水素原子、R
臭素原子、nが0)を実施例2と同様に処理して上記一
般式(I)の化合物(Aがペニシリン誘導体残基、R
が水素原子、Rが臭素原子、nが0)を89%の収率
で得た。このもののNMRスペクトルは、その構造と一
致した。
NMR(CDCl) δppm 1.57(s,3H) 1.65(s,3H) 4.58(s,1H) 4.84(d,1H,J=1.5Hz) 5.40(d,1H,J=1.5Hz)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 501/04 9284−4C (72)発明者 長尾 繁光 徳島県徳島市川内町加賀須野463番地 大 塚化学株式会社徳島工場内 (72)発明者 菊地 亮 徳島県徳島市川内町加賀須野463番地 大 塚化学株式会社徳島工場内 (72)発明者 亀山 豊 徳島県徳島市川内町加賀須野463番地 大 塚化学株式会社徳島工場内 (56)参考文献 特開 昭55−105691(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 A−COO−X 〔式中Aはβ−ラクタム誘導体残基を示す。Xはフェニ
    ル環上に置換基として電子供与性基を有するベンジル
    基、フェニル環上に置換基として電子供与性基を有する
    ことのあるジフェニルメチル基又はtert-ブチル基を示
    す。〕 で表わされるカルボキシル基が保護されたβ−ラクタム
    誘導体をフェノール類を50重量%以上含有する溶媒中
    で処理して、一般式 A−COOH 〔式中Aは前記に同じ。〕 で表わされるβ−ラクタム誘導体を得ることを特徴とす
    るβ−ラクタム誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】Aで示されるβ−ラクタム誘導体残基がセ
    フアロスポリン誘導体残基、3−エキソメチレンセフア
    ム誘導体残基、1−オキサセフエム誘導体残基、1−カ
    ルバセフエム誘導体残基又はペニシリン誘導体残基であ
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。
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