JPH0646214U - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気調和機の室内ユニットを天井面や間仕切
壁に取り付ける場合、床下や天井裏に配設されるドレン
管に断熱被覆を施す必要があり、そのために配管作業が
面倒であった。本考案はドレン管の断熱被覆を不要とす
ることにより、配管作業を容易にする。 【構成】 送風機の通風路内に冷媒の循環するフィンコ
イルを設けてなる空気調和機の室内ユニットにおいて、
フィンコイルの下方に凝縮水を受けるドレンパンを設け
ると共に、ドレンパンに連設された排水管又は排水管の
途中に設けられた小形タンクに電気ヒータを装着した。 【効果】 ドレンパイプあるいはドレンホースに断熱材
による被覆を施さなくても、その表面の結露を防止する
ことができるので、天井裏や床下などのように狭い場所
での配管作業が容易になり、また止むを得ず室内に配管
する場合にも外観がすっきりする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は空気調和機におけるドレン水の処理に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般家庭用の空気調和機（冷房能力2500kcal/hr程度）では、室内ユニットで 凝縮するドレン水の量は通常１〜２リットル／時であり、これがドレンホース等 により外壁を貫通して屋外へ排出されるが、室内ユニットが間仕切壁や天井に取 り付けられる場合には、ドレン管を床下や天井裏を通る横引き配管として配設す る必要がある。この場合には、ドレン水が低温であるために、ドレン管の屋内部 分に結露防止用の断熱被覆を施す必要があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

通常ドレン管の屋内部分は、室外ユニットから室内ユニットへ冷媒を循環させ る往復配管と一緒に束ねて断熱被覆が施されるが、上述のように床下や天井裏を 通して配管を施工する際には、室外ユニット設置場所と排水場所とが必ずしも一 致しないこと、ドレン管に水勾配が必要であることなどのために、ドレン管のみ 別個に断熱被覆を施す場合が多い。このような場合、天井裏などでは十分な作業 スペースがないために、配管の途中で断熱材の被覆作業が困難な箇所が生じて、 工事に手間がかかる上に、断熱被覆が不完全になり易く、また止むを得ず室内に 配管する場合にも断熱材のために配管が太くなって外観が悪くなるという問題が あった。本考案は上記の問題点に鑑み、ドレン管に断熱被覆を施す必要のない空 気調和機の構造を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、図１〜４に示すように、送風機の通風路内に冷媒の循環するフィン コイル２を設けてなる空気調和機の室内ユニット１において、フィンコイル２の 下方に凝縮水を受けるドレンパン３を設けると共に、ドレンパン３に連設された 排水管４又は排水管４の途中に設けられた小形タンク８に電気ヒータ５を装着し たものである。

【０００５】

【作用】

通常ドレン水の温度は室温よりも７〜１０℃低いので、断熱材を被覆しなけれ ば排水管の表面に結露するが、本考案の構成によれば、ヒータ容量を適当に選ぶ ことにより、ドレン管表面が露点温度以上になるようにドレン水を加熱すること ができるので、ドレン管に断熱被覆を施さなくても結露のおそれがなく、従って 天井裏などの狭い場所でも配管作業が容易である。

【０００６】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示したもので、１は空気調和機の室内ユニット、２ は熱交換器を構成するフィンコイルで、送風機によりフィンコイル２を通って室 内に送り出される空気と、コイル内を循環する冷媒との間で熱交換を行うもので ある。フィンコイル２の下方には、フィンコイル２の表面に発生する凝縮水を受 けるためのドレンパン３が設けられており、ドレンパン３に連設された排水管４ の外周に電気ヒータ５が装着されている。なお図中、９は外壁である。

【０００７】 図２はヒータ装着部の内部を示したもので、この部分の排水管４は熱伝導の良 好な銅パイプで構成されており、排水管４の外周に２枚の断面半月状の板状ヒー タ５を装着して、その周囲を発砲合成樹脂製の保温材６で包囲し、更にその上か ら熱収縮性の合成樹脂チューブを被着してある。７は温度センサで、ヒータ５と 保温材６との間に挿入されており、検出温度が設定値を超すと出力信号を制御装 置へ送り、ヒータ５への通電を遮断するようになっている。通常の家庭用空気調 和機の場合、３０Ｗのヒータを使用すれば、室内温度３０℃，湿度８５％でも結 露を生じることがなく、そのときの消費電力料金は１円／時間以下である。

【０００８】 図３の実施例はヒータ装着部における排水管４の形状により、また図４の実施 例は排水管４の途中に小形タンク８を設けて、タンク８の周囲にヒータ４を巻装 することにより、いずれもこの部分にドレン水が溜るようにしてヒータ効率を向 上すると共に、熱容量を大きくして温度制御を容易にしたものである。またヒー タ部分の排水管の内径を他の部分の内径より若干太くする程度でも十分である。 なおヒータ容量が小さいので、上述のような温度制御を省略し、単に冷媒循環ポ ンプ始動後にヒータ４の通電を開始するように構成しても、十分安全性を確保す ることができる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案によれば上述のように、ドレンパンに連設された排水管又は排水管の途 中に設けた小形タンクに電気ヒータを設けるという極めて簡単な構成によって、 ドレンパンから排出されるドレン水の温度を上げ、その後に接続されるドレンパ イプあるいはドレンホースに断熱材による被覆を施さなくても、その表面の結露 を防止することができるので、天井裏や床下などのように狭い場所での配管作業 が容易になり、また止むを得ず室内に配管する場合にも外観がすっきりするとい う利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の概略断面図。

【図２】同上の要部分解斜視図。

【図３】本考案の他の実施例の側面図。

【図４】本考案の更に他の実施例の要部断面図。

【符号の説明】

１ 室内ユニット ２ フィンコイル ３ ドレンパン ４ 排水管 ５ 電気ヒータ ６ 保温材 ７ 温度センサ ８ 小形タンク ９ 外壁

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 送風機の通風路内に冷媒の循環するフィ
   ンコイルを設けてなる空気調和機の室内ユニットにおい
   て、フィンコイルの下方に凝縮水を受けるドレンパンを
   設けると共に、ドレンパンに連設された排水管又は排水
   管の途中に設けられた小形タンクに電気ヒータを装着し
   て成る空気調和機。
2. 【請求項２】 上記電気ヒータの装着部に温度センサを
   設けると共に、該温度センサの出力により上記電気ヒー
   タを制御する手段を設けて成る請求項１記載の空気調和
   機。