JPH0646176U - 回転式ヒートパイプ - Google Patents

回転式ヒートパイプ

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JPH0646176U
JPH0646176U JP8495292U JP8495292U JPH0646176U JP H0646176 U JPH0646176 U JP H0646176U JP 8495292 U JP8495292 U JP 8495292U JP 8495292 U JP8495292 U JP 8495292U JP H0646176 U JPH0646176 U JP H0646176U
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正孝 望月
伸一 杉原
耕一 益子
祐士 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱輸送能力の向上を図る。 【構成】 回転式ヒートパイプの機能を有するモータの
状の回転軸1は、その内周面に、開口部2aより溝内が
広い複数のグルーブ2が形成され、回転軸1内の下部に
は、封入されている作動流体3の液溜まりが形成されて
いる。また前記内周面には、前記各グルーブ2とほぼ直
交するように連絡溝が形成されて、各グルーブ内の作動
流体量がほぼ均一となるように、各グルーブ2内を相互
に連通している。そして図示してないが、回転軸1の一
端側の蒸発部の外周に回転子が設けられ、他端側の凝縮
部は、モータのケイシングの外部に延出するとともに、
その外周に放熱フィンが設けられ、効率よく放熱して、
モータの加熱を防止するように設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、各種の回転軸等に用いられ、熱をこの回転軸を介して排出するか 、または取り入れて、効率よく冷却または加熱する回転式ヒートパイプに関する ものである。
【0002】
【従来の技術】
回転式ヒートパイプの用途の一つにモータの回転軸がある。これはモータの回 転軸にヒートパイプ機能を持たせることによって、モータの回転子から発生する 熱を、ヒートパイプである回転軸を介して外部へ放出させて過熱を防止するもの である。特に防音のために遮音材で外側を密閉された静粛型モータ等においては 、モータのケース内に熱が籠り易く、そのため、どのように冷却するかが重要で あり、その冷却方法の一つとしてモータの回転軸に回転式ヒートパイプを用いる 方法が従来より採られている。
【0003】 モータに使用されている従来の回転式ヒートパイプは、作動流体を封入した円 筒状の金属製コンテナを回転軸とし、その蒸発部の外周に回転子が取付けられる とともに、この蒸発部の反対側をモータの外部に延出して凝縮部とし、その外周 には放熱フィンが取付けられている。したがって、モータの運転中に、回転子で 発生した熱は、回転軸である回転式ヒートパイプの蒸発部を加熱する。一方、回 転する回転軸の内部に封入されている作動流体は、円筒内下部に液溜まりを形成 しており、回転軸の回転に伴って内周面に液膜状に分散する。この液膜は加熱さ れて蒸発し、作動流体の蒸気となって凝縮部へ移動する。そして、作動流体の蒸 気は、放熱フィンを備えた凝縮部において熱を奪われて凝縮して液相の作動流体 に戻って、回転する円筒内周面に結露した後液膜状に拡がる。そして、液相に戻 った作動流体は、液膜の厚みの差による正圧によって流れが生じて作動流体の還 流が行われる。すなわち、液相の作動流体は液膜が厚い凝縮部側から薄い蒸発部 側に移動する。そして、再び蒸発部の内周面に液膜状に拡がるとともに、加熱さ れて蒸発し、凝縮部に移動して凝縮することを繰り返し行って、回転子の熱をケ ース外に放出し、冷却してモータの過熱を防止する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、前述した従来の回転式ヒートパイプを回転軸に用いたモータにおい ては、円筒内周面に形成される液膜の厚みの差によって作動流体を蒸発部に還流 させる方法を採っているが、液膜の厚みによって生じる正圧による流れだけでは 、作動流体を蒸発部へ還流できる量に限度があり、したがって熱輸送能力を向上 させるにも限界があった。
【0005】 この考案は、上記の事情に鑑みなされたもので、熱輸送能力の優れた回転式ヒ ートパイプを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段としてこの考案は、円筒状の回転軸内に凝縮 性の作動流体を封入した回転式ヒートパイプにおいて、前記円筒状の回転軸の内 周部に、その内周面に開口するとともに、開口部より内部が拡がり、かつ長手方 向に連続するグルーブが形成されていることを特徴としている。
【0007】
【作用】
回転式ヒートパイプである円筒状の回転軸は、その内周面に開口するとともに 、開口部より溝内部が拡がり、かつ長手方向に連続するグルーブが形成されてい る。したがって、この回転軸を冷却用または加熱用に用いた場合には、蒸発部の 実効面積が大幅に拡大されるとともに、グルーブ内に多量の作動流体を保持する ことができる。そして、各グルーブ内に保持された作動流体は、グルーブ内面全 体から加熱されて盛んに沸騰する。この時、各グルーブが、その開口部が狭く内 部が拡がった形状をしているため、沸騰した作動流体はグルーブ内の作動流体中 で蒸気泡となり、グルーブの開口部が狭いため噴出する際に突沸する。その結果 、グルーブ内が急速に減圧されるため、グルーブの周囲の液相の作動流体がこの グルーブ内に吸引されて、蒸発部への液供給が行われる。また、グルーブから噴 出した作動流体の蒸気は、低温低圧の凝縮部へ移動し、蒸発部から蒸発潜熱の形 で輸送してきた大量の熱を放出して凝縮し、液相の作動流体となって再び蒸発部 へ戻る。その結果、蒸発部側の冷却または凝縮部側の加熱を効率よく行うことが できる。
【0008】
【実施例】
以下、この考案の回転式ヒートパイプを冷却手段として、モータの回転軸に適 用した一実施例を図1ないし図3を参照して説明する。
【0009】 このモータの回転軸1は、回転式ヒートパイプの機能を有するもので、この回 転軸1の内周面には、溝内が広く、開口部2aが狭いスリット状に形成され、か つ毛細管圧力が発生しない大きさ(口径)の複数のグルーブ2が長手方向に連続 形成されている。そして、内周面にグルーブ2が形成された回転軸1内の下部に は、封入されている凝縮性の作動流体3の液溜まりが形成されている。また、こ の回転軸1の内周面には、前記各グルーブ2とほぼ直交するように連絡溝4が所 定の間隔で形成されており、各グルーブ2によってそれぞれ軸方向に供給される 作動流体の量が均一化され、各グルーブ2に保持される作動流体量のバラツキが 解消される。各グルーブ2内を連通するように形成されている。そして、図示し てないが、回転軸1の一端側の蒸発部の外周に回転子が形成され、他端側の凝縮 部は、モータのケイシングの外部に延出するとともに、外周に放熱フィンを設け て冷却可能に配設されている。
【0010】 次に、上記のように構成されるこの実施例の作用を説明する。モータが運転さ れると、円筒状の回転軸1が回転子と一体に回転し、この回転軸1の内周に形成 された各グルーブ2は、最も低い位置を通過する際に液溜まり内に浸漬されて、 その内部に作動流体3が充填され、内部に作動流体3を保持した状態で回転する 。このとき、各グルーブ2と直交するように連絡溝4が形成されているため、各 グルーブ2内の作動流体3の量の均一化が図られる。
【0011】 そして、モータが継続運転されて回転子が発熱すると、その熱はヒートパイプ 機能を有する円筒状の回転軸1に伝達される。熱伝達された回転軸1は、その一 端の蒸発部が加熱されて、その内周に多数形成された各グルーブ2内に保持され た作動流体3が加熱されて沸騰し、作動流体3内に蒸気泡が発生する。このとき 、グルーブ2内の作動流体3は、グルーブ2の内周面全体から加熱されるため、 盛んに沸騰して大量の蒸気泡が発生する。ところが、各グルーブ2の開口部2a が幅の狭いスリット状に形成されているため、内部で発生した作動流体3の蒸気 3aが突沸状態となって開口部2aから回転軸1内の空間に噴出する。その結果 、グルーブ2内が急速に減圧されるため、グルーブ2の周囲の液相の作動流体3 がグルーブ2内に吸引されて、各グルーブ2内を経由して軸方向、すなわち、凝 縮部から蒸発部へ向けての液移動が行われる。
【0012】 そしてグルーブ2内から噴出した作動流体3の蒸気3aは、中心部の空間を通 って低温低圧の凝縮部へ移動し、蒸発部から蒸発潜熱の形で輸送してきた大量の 熱を奪われて凝縮し、奪われた熱は放熱フィンから空気中に放出され、一方、凝 縮して液相に戻った作動流体3は蒸発部に戻る。したがって、回転子で発生した 熱は、回転軸1を介してケーシングの外部に排熱されて、モータの冷却が行われ る。
【0013】 このように、この実施例においては、モータの回転軸の内周に形成した多数の グルーブ2と直交する方向に連絡溝4を形成したので、各グルーブ2内の作動流 体3の量を均等化することができ、安定した熱輸送能力が得られる。
【0014】 なお、この実施例においては、回転式ヒートパイプをモータの冷却用に用いた た場合について説明したが、この回転式ヒートパイプを加熱用に用いることもで きる。
【0015】
【考案の効果】 以上、説明したようにこの考案は、円筒状の回転軸内に凝縮性の作動流体を封 入した回転式ヒートパイプにおいて、前記円筒状の回転軸は、その内周部に、開 口部より内部が拡がり、かつ長手方向に連続するグルーブを形成して、蒸発部の 実効面積を拡大するとともに、内周面に多量の作動流体を保持し易い構造となっ ている。したがって、作動流体の蒸発量が増加して熱輸送能力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例の回転軸を示す断面図であ
る。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】回転軸の断面正面図である。
【符号の説明】
1…回転軸、 2…グルーブ、 2a…開口部、 3…
作動流体、 4…連絡溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 斎藤 祐士 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)考案者 青山 文明 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の回転軸内に凝縮性の作動流体を
    封入した回転式ヒートパイプにおいて、 前記円筒状の回転軸の内周部に、その内周面に開口する
    とともに、開口部より内部が拡がり、かつ長手方向に連
    続するグルーブが形成されていることを特徴とする回転
    式ヒートパイプ。
JP1992084952U 1992-11-16 1992-11-16 回転式ヒートパイプ Expired - Fee Related JP2589586Y2 (ja)

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JP2589586Y2 (ja) 1999-01-27

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