JPH064567B2 - 光学活性α―アミノケトンおよびその酸付加塩の製造方法 - Google Patents

光学活性α―アミノケトンおよびその酸付加塩の製造方法

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JPH064567B2
JPH064567B2 JP61052859A JP5285986A JPH064567B2 JP H064567 B2 JPH064567 B2 JP H064567B2 JP 61052859 A JP61052859 A JP 61052859A JP 5285986 A JP5285986 A JP 5285986A JP H064567 B2 JPH064567 B2 JP H064567B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一般式(I) で示される光学活性α−アミノケトンおよびその酸付加
塩の製造方法に関する。
従来、光学活性α−アミノケトンの酸付加塩として、光
学活性α−アミノプロピオフェノン塩酸塩が知られてい
る。
この光学活性α−アミノプロピオフエノンは、(−)−
カチノンと称されて、アンフェタミン様の作用など、そ
の薬理効果が広く研究されていて[アール.エー.グレ
ノンら、ジャーナル オブメディシナル ケミストリ
ー、25,393(1982);R.A.Glennon et al.,J.Med.Chem.,2
5,393(1982)]、医薬として注目されている。
この光学活性α−アミノプロピオフェノン塩酸塩は、ラ
セミ体のα−アミノプロピオフェノンの酸付加塩を光学
分割して得られ〔高松英二、数学雑誌、76,1219(195
7)]、あるいは、光学活性ノルエフェドリンを出発原料
にして、このアミノ基を保護した後、ヒドロキシル基を
酸化クロム/ピリジンにより酸化した後、保護基を脱離
して得られている[ビー.ディー.ベラングら、ジャー
ナル オブ ザ オルガニック ケミストリー、47,264
3(1982)、B.D.Berrang etal,J.Org.Chem.,47,2643(198
2)]。
しかしながら、前記第1の方法を本願発明に適用する場
合、低収量でしか光学活性α−アミノケトンを得ること
ができないし、前記第2の方法では、光学活性β−アミ
ノアルコールの入手が困難である上に、毒性の強いクロ
ム化合物を使用しなければならないので、いずれの方法
も工業的製造法とは言い難い。
本発明は前記事情に基いてなされたものである。
また、本発明の目的は、医薬などに誘導することができ
る重要な中間体である光学活性α−アミノケトンおよび
その酸付加塩の製造方法を提供し、また詳しくは、光学
活性α−アミノ酸から、そのアミノ基を特に保護基で保
護しないまま簡単に製造することができる光学活性α−
アミノケトンおよびその酸付加塩の製造方法を提供する
ことである。
すなわち、本発明の方法によって製造される物質は、一
般式 (ただし、式中、*は不斉炭素を表わし、R1は炭素数
がは3から8である直鎖状の、または分岐鎖を有するア
ルキル基またはフェニル基を表わし、R2は水素原子ま
たは直鎖状の、または分岐鎖を有する低級アルキル基を
表わし、あるいは、前記R1とR2とは、互いに共同し
て、隣接する炭素原子および窒素原子と共に五員環を形
成する。) で示される光学活性α−アミノケトンおよびその酸付加
塩である。
前記一般式(I)中のR1としては、具体的にはプロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基などのアルキル基マ、フェニル基が挙げられ、前
記R2としては、具体的には水素原子、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、t−ブチル基などの低級アルキル基が挙げら
れ、さらにまた、前記R1とR2と、これらに隣接する炭
素原子と窒素原子とで共同して五員環を形成する。
ここで、前記光学活性α−アミノケトンの酸付加塩を形
成することができる酸としては、特に制限がなく、たと
えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸、クエン酸、
フマール酸、マレイン酸、酒石酸、p−トルエンスルホ
ン酸などが挙げられる。
光学活性β−アミノアルコールを経て医薬、農薬に誘導
し、光学分割剤に誘導するのに好適な光学活性α−アミ
ノケトンの酸付加塩としては、R2が水素原子で、R
1が、イソプロピル基、イソブチル基またはフェニル基
であり、あるいはR1とR2とこれに隣接する炭素原子と
窒素原子とで五員環を形成し、一般式(I)中の酸が塩
化水素などのハロゲン化水素であるものが挙げられる。
前記一般式(I)で示される光学活性α−アミノケトン
の酸付加塩は、次に示すように製造することができる。
すなわち、一般式(III) (ただし、式中、*、R1およびR2は前記と同様の意味
を表わす。) で示される光学活性α−アミノ酸を原料にして、一般式
(II) (ただし、式中、*、R1およびR2は前記と同様の意味
を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。) で示される光学活性α−アミノ酸ハライドの酸付加塩と
し、この光学活性α−アミノ酸ハライドの酸付加塩とベ
ンゼンとからフリーデルクラフツ反応により、前記一般
式(I)で示す光学活性α−アミノケトンの酸付加体を
製造することができる。
光学活性α−アミノ酸から光学活性α−アミノ酸クロリ
ド塩酸塩を製造する方法については、公知の方法[ケ
ー.ディー.コップルら、ジャーナル オブ ザ アメ
リカン ケミカル ソサエティ、78,6199(1956);K.D.K
oppleetal,J.Am.Chem.Soc.,78,6199(1956)]により製造
することができる。また、塩酸塩以外の光学活性α−ア
ミノ酸ハライドの酸付加塩についても、前記公知の方法
に準じて製造することができる。
原料としての光学活性α−アミノ酸は、D体であっても
L体であっても良い。
前記公知の方法あるいは前記公知の方法に準じて製造し
た光学活性α−アミノ酸ハライドの酸付加塩は、単離、
精製することなく、反応混合物のままで次のフリーデル
クラフツ反応に供することができる。
前記フリーデルクラフツ反応に際し、溶媒としてこの種
の反応に通常に使用されているものを使用することがで
き、反応基質であるベンゼンを溶媒として使用しても良
いし、ニトロメタン硫化炭素などを使用することもでき
る。
触媒であるルイス酸としては、例えば無水塩化アルミニ
ウム、四塩化チタン、四塩化錫、三フッ化ホウ素、塩化
亜鉛などの一種またはこれらの二種以上を混合して使用
することができる。これらルイス酸の中でも無水塩化ア
ルミニウムなどが好ましい。
ルイス酸の使用量は、前記一般式(III)で示される光学
活性α−アミノ酸ハライドの酸付加塩に対して、通常、
2〜10倍モルであり、好ましくは2〜3倍モルであ
る。
フリーデルクラフツ反応における反応温度は、50〜100
℃である。反応時間は、2〜6時間である。
このフリーデルクラフツ反応により得られる反応生成物
を常法に従って精製することにより、一般式(I)で示
される光学活性α−アミノケトンの酸付加塩を得ること
ができる。
この光学活性α−アミノケトンの酸付加塩の代表的なも
のを次に例示する。
化合物1;(S)−2−アミノ−3−メチル−1−フェニ
ルブタン−1−オン塩酸塩 化合物2;(S)−2−アミノ−4−メチル−1−フェニ
ルペンタン−1−オン塩酸塩 化合物3;(S)−2−アミノ−1−フェニルヘキサン−
1−オン塩酸塩 化合物4;(S)−2−アミノ−1−フェニルヘプタン−
1−オン塩酸塩 化合物5;(S)−2−アミノ−1−フェニルオクタン−
1−オン塩酸塩 化合物6;(S)−2−アミノ−1−フェニルノナン−1
−オン塩酸塩 化合物7;(S)−2−アミノ−1−フェニルデカン−1
−オン塩酸塩 化合物8;(R)−2−アミノ−1.2−ジフェニルエタン−
1−オン塩酸塩 化合物9;フェニル[(S)−ピロリジン−2−イル]メ
タノン塩酸塩 なお、ここに例示するのは本発明に係る光学活性α−ア
ミノケトンの酸付加塩の一部であって、これ以外の種々
のものが本発明の範囲に含まれることは言うまでもな
い。
本発明に係る光学活性α−アミノケトンの酸付加塩たと
えば光学活性α−アミノケトンの塩酸塩は、たとえば水
素化ホウ素ナトリウムで還元することにより、一般式(I
V) (ただし、一般式中、*、R1およびR2は前記と同様の
意味を表わす。) で示す光学活性β−アミノアルコールに誘導することが
できる。
光学活性β−アミノアルコールは、本発明に係る光学活
性α−アミノケトンの酸付加塩を水素化ホウ素ナトリウ
ムで還元することによって、95%以上のエリスロ選択性
をもって製造される。
さらに、この光学活性β−アミノアルコールは、たとえ
ば以下の反応式 (ただし、反応式中、*、R1およびR2は前記と同様の
意味を表わし、Yはハロゲン原子を表わし、R3および
4はそれぞれ同一または相異する低級アルキル基を表
わし、あるいはこのR3とR4とは隣接する窒素原子と共
に5〜7員環を形成する。nは2または3を示す。) に従って、たとえばグルタミン酸遮断作用あるいは虫枢
性筋弛緩作用を有する医薬、農薬にも誘導することがで
きる(特許昭59-203623号明細書参照)。
本発明に係る前記酸付加塩は、たとえば、1,3−オキサ
ゾリジン−2−オン誘導体などのグルタミン酸遮断作
用、中枢性筋弛緩作用などを示す医薬、農薬に誘導する
ことができる中間体として、さらに光学分割剤としても
使用される有用かつ重要な光学活性β−アミノアルコー
ルに簡単な一段反応で誘導することができる重要な中間
体である。
この発明によると、 (1)光学活性α−アミノ酸を原料とする場合には、これ
を光学活性α−アミノ酸ハライドの酸付加塩にする工
程、および、この光学活性α−アミノ酸ハライドの酸付
加塩とベンゼンとをフリーデルクラフツ反応に従って反
応させる工程により、簡単に光学活性α−アミノケトン
を製造することができ、 (2) 光学分割剤として有用な光学活性β−アミノアル
コールたとえば(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニ
ルエタン−1−オールへ高い光学純度で誘導することが
でき、 さらに医薬、農薬として重要な(1R,2S)−4−メチル−
2−(3−ピペリジノプロピルアミノ)−1−フェニル
−1−ペンタノール類の重要な中間体である(1R,2S)−
2−アミノ−4−メチル−1−フエニル−1−ペンタノ
ールに誘導することができる、 などの数々の優れた利点を有する光学活性α−アミノケ
トンの酸付加塩を提供することができる。
(実施例1) (S)−2−アミノ−3−メチル−1−フェニルブタン−
1−オン塩酸塩の製造 乾燥ベンゼン55mlに無水塩化アルミニウム14.1gを懸濁
させ、室温で攪拌しながらL−バリルクロリド塩酸塩9.
12gを加えた後、50〜60℃に1時間、更に還流温度に3
時間加熱した。次いで、冷却した反応混合物を氷212g
と濃塩酸18mlとの混合物中に注ぎ、30分間攪拌した。水
層を分取し、有機層を水60mlで抽出し、抽出水と前記水
層を合わせてこれに濃塩酸68mlを加えた後、結晶が折出
するまで50℃以下で減圧濃縮し、その後5℃以下で2時
間放置し析出した結晶を濾取し、エーテルで洗浄した
後、減圧下に乾燥して白色針状晶の表題化合物7.61g
(収率67.2%)を得た。イソプロパノールから再結晶し
た表題化合物の物性値は次の通りである。
mp;209〜211℃(分解) NMR(CD Cl3/CD3 OD=10/1)δ(ppm) 0.91(3H,d,J=7Hz,C ) 1.18(3H,d,J=7Hz,C ) 2.12〜2.64(1H,m,C(CH) 5.04(1H,d,J=4Hz,CNH) 7.32〜8.12(5H,m,芳香族水素) (参考例1) ((1R,2S)−2−アミノ−3−メチル−1−フェニルブタ
ン−1−オールの製造 メタノール33mlに(S)−2−アミノ−3−メチル−1−
フェニルブタン−1−オン塩酸塩3.21gを溶解し、10℃
以下に冷却しながら水素化ホウ素ナトリウム284mgを加
えた。同温度で30分間攪拌した後、反応混合物を減圧下
に濃縮した。濃縮残留物にクロロホルム20ml、水8ml、
続いて2Nのカ性ソーダ水溶液8mlを加えて攪拌した。
有機層を分取し、この有機層を飽和食塩水で洗浄し、芒
硝で乾燥後、溶媒を留去して得た白色の粗結晶を酢酸エ
チル/n−ヘキサンで再結晶して白色結晶の表題化合物
1.99g(収率74.0%)を得た。物性値を次に示す。
mp;72〜73℃ NMR(CD Cl3)δ(ppm): 0.88(3H,d,J=7Hz,C ) 1.00(3H,d,J=7Hz,C ) 1.2〜2.0(4H,m,CH(CH3,N ,O
) 2.73(1H,dd,J=6,6Hz,CNH) 4.58(1H,d,J=6Hz,COH) 7.32(5H,m,芳香族水素) 得られた(1R,2S)−2−アミノ−3−メチル−1−フェ
ニルブタン−1−オールをモッシャー(Mosher)酸との酸
アミドに誘導して高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析し
たところ、光学純度は99%以上であった。
(実施例2) (S)−2−アミノ−4−メチル−1−フエニルペンタン
−1−オン塩酸塩の製造 乾燥ベンゼン3.0に五塩化リン319gを懸濁させ、約10
℃に冷却して攪拌しながらL−ロイシン197gを加え
て、10〜20℃に4時間攪拌した。その後、約5℃に冷却
しながら無水塩化アルミニウム600gを加えた。反応混
合物を徐々に加熱し、2時間かけて還流温度に上昇さ
せ、更に2時間加熱還流した。冷却後、反応混合物を氷
3.0kgと濃塩酸450mlとの混合物へ攪拌下に注いだ。その
後、水層を分取し、有機層を水(1.0で1回、0.2で
1回)で抽出し、抽出液を最初に分取した水層に加え、
一晩静置した。析出した結晶を濾取しエーテルで洗浄し
た後、減圧下に乾燥して白色結晶の表題化合物254g
(収率75.0%)を得た。イソプロパノールから再結晶し
た表題化合物の物性値は次の通りである。
mp;206〜208℃(分解) NMR(CD Cl3/CD3 OD=10/1)δ(ppm): 0.95(3H,d,J=6Hz,C ) 1.10(3H,d,J=6Hz,C ) 1.50〜2.10(3H,m,C CH(CH) 5.07(1H,t,J=7Hz,CNH) 7.32〜8.12(5H,m,芳香族水素) (参考例2) (1R,2S)−2−アミノ−4−メチル−1−フェニルペン
タン−1−オールの製造 メタノール3.0に(S)−2−アミノ−4−メチル−1−
フェニルペンタン−1−オン塩酸塩254gを溶解し、10
℃以下に冷却しながら水素化ホウ素ナトリウム56.7gを
加えた。同温度で30分間攪拌した後、反応混合物を減圧
下に濃縮した。濃縮残留物にクロロホルム1.5、水0.7
5を加えて攪拌した。有機層を分取し、この有機層を
飽和食塩水で洗浄し、芒硝で乾燥後、溶媒を留去して得
た白色の粗結晶をn−ヘキサンで再結晶して白色針状結
晶の表題化合物178g(収率81.9%)を得た。
物性値は次の通りである。
mp;70〜71℃ NMR(CDCl3)δ(ppm): 0.81(3H,d,J=6Hz,C ) 0.87(3H,d,J=6z,C ) 0.94〜1.84(3H,m,CH (CH) 2.02(3H,broad s,N ,O) 2.84〜3.14(1H,m,CNH) 4.49(1H,d,J=5Hz,COH) 7.28(5H,m,芳香族水素) 得られた(1R,2S)−2−アミノ−4−メチル−1−フエ
ニルペンタン−1−オールをモッシャー(Mosher)酸との
酸アミドに誘導して高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析
したところ、光学純度は99%以上であった。
(実施例3) (R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン塩
酸塩の製造 乾燥ベンゼン46mlに無水塩化アルミニウム12.2gを懸濁
させ、室温で攪拌しながらD−α−フェニルグリシルク
ロリド塩酸塩9.38gを加えた後、攪拌しながら50〜60℃
に1時間、更に還流温度に3時間加熱した。次いで、冷
却した反応混合物を氷500gと濃塩酸15mlとの混合物中
に注ぎ、更にエーテル150mlを加えて1時間攪拌した。
水層を分取し、濃酸塩58mlを加えた後、50℃以下で結晶
が析出し始めるまで減圧下に濃縮し、その後冷却下に2
時間放置して得た結晶をエーテルで洗浄して淡黄色結晶
の表題化合物6.07g(収率53.9%)を得た。エタノール
で再結晶した表題化合物の物性値は次の通りである。
mp;228〜230℃(分解) NMR(CD Cl3/CD3 OD=3/1)δ(ppm): 6.18(1H,s,CNH) 7.24〜7.68および7.80〜8.08(10H,m,芳香族水
素) (参考例3) (1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタン−1−オ
ールの製造 メタノール12mlに(R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエ
タン−1−オン塩酸塩1.24gを溶解し、氷冷下に攪拌し
ながら水素化ホウ素ナトリウム95mgを加えた。10℃以下
に冷却しながら30分間攪拌した後、反応混合物を減圧下
に濃縮した。濃縮残留物にクロロホルム20ml、水2.5m
l、続いて2Nのカ性ソーダ水溶液2.5mlを加えて攪拌し
た。有機層を分取し、この有機層を飽和食塩水で洗浄
し、芒硝で乾燥後、溶媒を留去して得た淡黄色の粗結晶
を95%エタノールで再結晶して白色針状結晶の表題化合
物760mg(収率71.1%)を得た。
物性値を次に示す。
mp;142.5〜143.5℃ NMR(CDCl3)δ(ppm): 1.85(3H,broad s,N ,O) 4.10(1H,d,J=6Hz,CNH) 4.70(1H,d,J=6Hz,COH) 7.23(10H,m,芳香族水素) 得られた(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエ
タン−1−オールをモッシャー(Mosher)酸との酸アミド
に誘導して高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析したとこ
ろ、光学純度は99%以上であった。
(実施例4) フェニル[(S)−ピロリジン−2−イル]メタノン 塩
酸塩の製造方法 乾燥ベンベン200mlに五塩化リン20.9gを懸濁させ、室
温で攪拌しながらL−プロリン11.5gを加えた後、室温
で4時間攪拌した。反応混合物を冷却してから、無水塩
化アルミニウム40.0gを加えた。次いで、反応混合物を
攪拌下に徐々に加熱し、2時間かけて還流温度に上昇さ
せ、更に2時間加熱還流した。次いで、冷却した反応混
合物を氷200gと濃塩酸30mlとの混合物中に注ぎ、30分
間攪拌した。水層を分取し、50℃以下で減圧下に濃縮し
た。濃縮物をクロロホルムで3回抽出し、抽出液を芒硝
で乾燥後、減圧下に溶媒を留去して淡黄褐色結晶の表題
化合物10.9g(収率51.5%)を得た。エタノール/エー
テルから再結晶した表題化合物の物性値を次に示す。
mp;174〜176℃(分解) NMR(CDCl3)δ(ppm); 7.20〜8.08(5H,m,芳香族水素) (参考例4) (R)−フエニル[(S)−ピロリジン−2−イル]メタノー
ルの製造方法 メタノール10mlにフェニル[〔(S)−ピロリジン−2−
イル]メタノン塩酸塩1.06gを溶解し、氷冷下に攪拌し
ながら水素化ホウ素ナトリウム95mgを加えた。10℃以下
で30分間攪拌した後、反応混合物を減圧下に濃縮した。
濃縮残留物にクロロホルム10ml、水2.5ml、続いて2N
のカ性ソーダ水溶液2.5mlを加えて攪拌した。有機層を
分取し、この有機層を飽和食塩水で洗浄し、芒硝で乾燥
後、溶媒を留去して黄色油状の表題化合物の粗体0.89g
を得た。
物性値を次に示す。
NMR(CDCl3)δ(ppm): 4.69(1H,d,J=5Hz,C−OH) 7.31(5H,m,芳香族水素) 得られた(R)−フェニル[(S)−ピロリジン−2−イル]
メタノール0.89gは塩酸塩としたのち、エタノール/酢
酸エチル混合溶媒から再結晶した(収量802mg、白色鱗
片状晶)。(R)−フェニル[(S)−ピロリジン−2−イ
ル]メタノール塩酸塩の物性値を次に示す。
mp;156〜157℃ また、前記(R)−フェニル[(S)−ピロリジン−2−イ
ル]メタノール塩酸塩をモッシャー(Mosher)酸との酸ア
ミドに誘導して高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析した
ところ、光学純度は99%以上であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 53/00 C 7419−4H 61/00 300 C07C 213/00 7457−4H 215/30 7457−4H (56)参考文献 特公 昭49−2114(JP,B1) 特公 昭47−5537(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(II) (ただし、式中、Xはハロゲン原子を表わし、*は不斉
    炭素を表わし、R1は炭素数が3から8である直鎖状
    の、または分岐鎖を有するアルキル基またはフェニル基
    を表わし、R2は水素原子または直鎖状の、または分岐
    鎖を有する低級アルキル基を表わし、あるいは、前記R
    1とR2とは、互いに共同して、隣接する炭素原子および
    窒素原子と共に五員環を形成する。) で示される化合物に、ベンゼンをルイス酸の存在下に反
    応させることを特徴とする、一般式 (ただし、式中、R1、R2および*は前記と同じ意味を
    表わす。) で示される光学活性α−アミノケトンおよびその酸付加
    塩の製造方法。
JP61052859A 1986-03-11 1986-03-11 光学活性α―アミノケトンおよびその酸付加塩の製造方法 Expired - Lifetime JPH064567B2 (ja)

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