JPH064561Y2 - 固定抵抗器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は電子及び電気機器において、強制空冷して使用
しかつ電流を制限する大電力形の固定抵抗器に関するも
のである。

従来の技術 従来のこの種の大電力形の固定抵抗器は、第４図および
第５図に示すように構成されている。すなわち、第４図
においては、中空の支持体を用いた抵抗素子１１を、絶
縁材料１２で塗装している。又、第５図においては、中
空でない支持体を用いた抵抗素子１３を金属ケース１４
内に入れ、絶縁材料１５を充填封止していた。

考案が解決しようとする問題点 従来の技術では、中空の支持体の場合でも、抵抗素子に
絶縁材料で塗装を施してあるだけのため、外部からの衝
撃に塗膜が崩れやすく、内部が露出したり破損を生じや
すい。又、塗装のため、膜厚が薄く発熱部との距離がと
れず、表面の温度が高くなる欠点があった。又、金属ケ
ースを用いた抵抗器の場合、中空の支持体を用いておら
ず、抵抗素子が密封されているので抵抗素子の内部温度
が高くなるという欠点がある。

本考案は、このような従来技術の欠点を除去するもので
抵抗素子の内部温度を低くすると共に、外部からの衝撃
に容易に破損しないことを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 前記問題点を解決するために本考案は、中空のセラミッ
ク筒を支持体とする抵抗素子と、この抵抗素子のセラミ
ック筒と同軸上に穴を有しセラミック筒を穴に合致させ
るように抵抗素子を収納する金属ケースと、金属ケース
内の抵抗素子のセラミック筒を中空状態に保つよう金属
ケース内に充填し抵抗素子を封止固定する絶縁材料とか
らなるものである。

作用 これらの手段によって、中空のセラミック筒を支持体と
する抵抗素子は、中空部に外部の冷たい空気が対流ある
いは強制風冷により流れるため、抵抗素子の内部温度は
低く保たれる。又、金属ケースで保護されているため、
外部からの衝撃に強く抵抗素子が容易に破損しない上、
金属ケースの良熱伝導で抵抗器全体の温度が低く保たれ
る。

さらに、金属ケースの前記セラミック筒の中空部に対応
する位置に設けられた固定片をポンチで前記セラミック
筒の内側へ折り曲げるだけで、前記抵抗素子を前記金属
ケースに容易に固定される。又、前記セラミック筒の穴
と前記金属ケースの穴を合わせ、その中に片端の一部を
軸方向に切り欠いた金属筒を圧入することにより、前記
抵抗素子を前記金属ケースに容易に固定される。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図および第２図を用いて
説明する。

第１図において、中空のセラミック筒１ａを支持体とす
る抵抗素子１が矩形の金属ケース２内に収納され、そし
てその金属ケース２の抵抗素子１のセラミック筒１ａの
端面が当接する側壁には、セラミック筒１ａの穴につな
がる穴２ａが設けられると共にその穴２ａの縁部には固
定片２ｂが設けられており、その固定片２ｂを折り曲げ
ることによりセラミック筒１ａが金属ケース２に固定保
持されている。抵抗素子１と金属ケース２の間には絶縁
材料３が充填され、これにより抵抗素子１が封止固定さ
れた構成になっている。

又、第２図においては、抵抗素子１の中空のセラミック
筒１ａと、矩形の金属ケース２のセラミック筒１ａの穴
部に当接する壁面に開けられたセラミック筒１ａと同等
の大きさの穴２ａとを、第３図のように中空で片端の一
部を軸方向に切り欠いた金属筒４を圧入してつなぐこと
により抵抗素子１を金属ケース２に固定保持し、抵抗素
子１と金属ケース２との間に絶縁材料３を充填封止した
構成になっている。

考案の効果 以上のように本考案によれば、中空のセラミック筒を抵
抗素子の支持体にしているので、中空部に外部の冷たい
空気が対流又は強制風冷により流れ抵抗素子の内部温度
を低く保つことができるため、小形で高電力の負荷を加
えることが可能となる。又、金属ケースを用いているた
め、外部からの衝撃にも強く抵抗素子を損傷させ難い効
果がある上、金属ケース面より効率よい放熱が可能なた
め表面温度を低く保持できる利点も生まれる。又、抵抗
素子の支持体の中空部と当接する部分の金属ケースに設
けられた固定片を折り曲げることにより、金属ケースの
材料取りに無駄がなく効率的に抵抗素子を金属ケースに
固定保持することができる。又、片端の一部を軸方向に
切り欠いた金属筒を用いれば、金属筒の切り欠いた部分
が金属筒の中心方向に縮まることにより金属筒を金属ケ
ースと抵抗素子に圧入するだけで抵抗素子を固定するこ
とができ、特に小ロット生産に向くものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ本考案の一実施例による固
定抵抗器の一部切欠き斜視図、第３図は同実施例におけ
る金属筒の拡大斜視図、第４図及び第５図はそれぞれ従
来の大電力形固定抵抗器の斜視図である。 １……抵抗素子、１ａ……セラミック筒、２……金属ケ
ース、２ａ……穴、２ｂ……固定片、３……絶縁材料、
４……金属筒。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中空のセラミック筒を支持体とする抵抗素
   子と、この抵抗素子のセラミック筒と同軸上に穴を有し
   セラミック筒を穴に合致させるように抵抗素子を収納す
   る金属ケースと、金属ケース内の抵抗素子のセラミック
   筒を中空状態に保つよう金属ケース内に充填し抵抗素子
   を封止固定する絶縁材料とからなる固定抵抗器。
2. 【請求項２】金属ケースと抵抗素子の固定として、金属
   ケースの穴の縁部に設けた固定片を抵抗素子のセラミッ
   ク筒内に折り曲げて固定した実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載の固定抵抗器。
3. 【請求項３】金属ケースと抵抗素子の固定として、金属
   ケースの穴と抵抗素子のセラミック筒とにはめこまれる
   片端の一部を軸方向に切り欠いた中空の金属筒で固定さ
   せた実用新案登録請求の範囲第１項に記載の固定抵抗
   器。