JPH0645562B2 - 光学活性アルコ−ル類の製造方法 - Google Patents

光学活性アルコ−ル類の製造方法

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JPH0645562B2
JPH0645562B2 JP15597485A JP15597485A JPH0645562B2 JP H0645562 B2 JPH0645562 B2 JP H0645562B2 JP 15597485 A JP15597485 A JP 15597485A JP 15597485 A JP15597485 A JP 15597485A JP H0645562 B2 JPH0645562 B2 JP H0645562B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、医薬品をはじめとする生理活性化合物の化学
合成上有用な光学活性アルコール類の製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
従来、光学活性な反応剤を用いて、プロキラルなケトン
類を不斉還元し、光学活性アルコール類の製造する方法
がいくつか知られている。たとえば、水素化アルミニウ
ムリチウムと光学活性環状アミン誘導体との複合物を用
いる方法(特公昭59-10647号公報)や、水素化1,1′−
ビナフチル−2,2′−ジオキシアルミニウムリチウム化
合物を用いる方法(特開昭55-51093号公報)などであ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記公知の方法において不斉源として用
いられる光学活性物質は、高価であり、かつ調製に多段
階の複雑な工程を要するため、実用に適しているとは言
い難い。また、不斉源として天然物由来の光学活性物質
を用いる場合には、生成物のアルコールは、どちらか一
方の立体配置のものに限られる。
本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み、容易に入手で
きる反応剤を用いた光学活性アルコール類の製造方法を
提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の上記目的は、下記一般式(I) (式中、R1およびR2は同一あるいは異なった、低級ア
ルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す)で表
わされる光学活性アルコール誘導体と水素化アルミニウ
ムリチウムとを反応させて生成する複合体により、一般
式(II) (式中、R3およびR4は互いに異なった、アルキル基、
アリール基またはアラルキル基を示すか、あるいはR3
およびR4が結合した非対称的環状構造を示す)で表わ
される化合物を還元することを特徴とする、一般式(II
I) (式中、R3およびR4は前記と同意義を有する)で表わ
される光学活性アルコール類の製造方法を採用すること
によって達成される。
以下、本発明の構成の詳細を説明する。
本発明においては、原料として前記一般式(II)で表わさ
れる化合物を用いる。
前記一般式(II)において、R3およびR4は互いに異なっ
たアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す
か、あるいはR3およびR4が結合した非対称的環状構造
を示すものである。ここで、R3またはR4で示されるア
ルキル基としては、炭素数1〜22程度の直鎖状または
分枝状のアルキル基が好ましく、例えば具体的には、メ
チル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、i−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘ
キシル、n−ドデシル、オクタデシル基などが好ましく
挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、
ナフチル基、ビフェニル基、トリール基、キシリル基な
どが挙げられる。アラルキル基としては、例えばベンジ
ル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、ジフェニ
ルメチル基などが挙げられる。また、R3およびR4が結
合した非対称的環状構造としては、例えば2−メチルシ
クロペンタノン、3−メチルシクロヘキサノン、2−シ
クロヘキセノン、トランス−β−デカロン、α−テトラ
ロンなどが挙げられる。これらのアルキル基、アリール
基、アラルキル基および非対称的環状構造は、反応に支
障のない限り、適宜の置換基を有していてもよく、例え
ば、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリ
ールチオ、ハロゲン、置換アミノ基などを有していても
よい。
本発明方法においては、前記一般式(II)で表わされる化
合物の還元に先だって、まず還元剤を調製する。本発明
で用いられる還元剤は前記一般式(I)で表わされる光学
活性アルコール誘導体(以下「アルコール誘導体(I)」
と称する)と水素化アルミニウムリチウムとを反応させ
て生成する複合体である。
前記一般式(I)において、R1およびR2は同一あるいは
異なった低級アルキル基、アリール基またはアラルキル
基を示すものである。ここで、R1またはR2で示される
低級アルキル基としては、炭素数1〜6程度の直鎖状ま
たは分枝状のアルキル基が好ましく、例えば具体的には
メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、i−ブチ
ル、n−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シ
クロヘキシル基などが好ましく挙げられる。アリール基
としては、例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル
基、トリール基、キシリル基などが挙げられる。アラル
キル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、α
−メチルベンジル基、ジフェニルメチル基などが挙げら
れる。
これらの低級アルキル基、アリール基またはアラルキル
基は反応に支障のない限り、適宜の置換基を有していて
もよく、例えば、アルコキシ、アリールオキシ、アルキ
ルチオ、アリールチオ、ハロゲン、置換アミノ基などを
有していてもよい。
本発明に用いるアルコール誘導体(I)の製造法は任意で
あるが、アルコール誘導体(I)のいくつかは、光学活性
酒石酸を出発原料として、たとえば下記の合成経路、ま
たはこれに準じた方法によって製造することができる。
図式を説明すると、酒石酸を公知の方法により、R5OHで
表わされる低級アルコールと反応させ、一般式(IV)で表
わされるエステルに置換する。このものを一般式(V)で
表わされるケトン、またはこれに対応するアセタールと
反応させ、一般式(VI)で表わされる環状アセタールに置
換する。この(VI)に、一般式(VII)で表わされるグリニ
ヤール反応剤、またはこれと同様の有機金属化合物を作
用させて、目的とするアルコール誘導体(I)が得られ
る。
アルコール誘導体(I)と水素化アルミニウムリチウムと
の反応は、窒素あるいはアルゴンのような不活性気体雰
囲気下、無水の条件で、適当な溶媒を用いて行なう。使
用する溶媒は、反応に関与しないものであれば何でもよ
いが、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等の非プロトン性溶媒が好ましい。水素化アルミニ
ウムリチウムの使用量は、アルコール誘導体(I)1モル
量に対して、0.6〜1.1モル量、好ましくは0.9〜1.0モル
量である。また、還元剤の能力を調製するために、メタ
ノール、エタノールあるいはフェノールのようなヒドロ
キシ化合物を同時に用いることができる。このようなヒ
ドロキシ化合物の使用量は、水素化アルミニウムリチウ
ム1モル量に対して、1.5モル量以下が好ましい。これ
らにより還元剤を調製する時の温度は、−10℃〜+25℃
の範囲が好ましく、調製に要する時間は、通常0.5〜10
時間程度である。
このようにして調製した還元剤は、単離した後、還元に
用いることも可能であるが、単離せずに、調製時の溶液
のまま還元に用いるのが好ましい。
かくして得られた還元剤を用いて本発明による還元を行
なう。
本発明方法による還元は、窒素あるいはアルゴンのよう
な不活性気体雰囲気下、無水の条件で、適当な溶媒を用
いて行なう。使用する溶媒は、反応に関与しないもので
あれば何でもよいが、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、トルエン等の非プロトン性溶媒が
好ましい。還元剤の使用量は、カルボニル化合物(II)1
モル量に対して1モル量以上であればいくらでもよい
が、1〜5モル量が好ましい。反応温度は−100℃〜+2
5℃、好ましくは−100℃〜−30℃の範囲である。反応時
間は、条件によっても異なるが、通常1〜24時間程度
が好ましい。
かくして前記一般式(III)で表わされる光学活性アルコ
ール類(以下「光学活性アルコール類(III)」と称す
る)が得られる。前記一般式(III)においてR3およびR
4は前記一般式(II)におけるものと同意義を有するもの
である。
目的とする光学活性アルコール類(III)は、通常の分離
精製手段、たとえば再結晶、蒸留、カラムクロマトグラ
フィー、溶媒抽出などにより、反応混合物から単離精製
することができる。また、反応に用いたアルコール誘導
体(I)は、光学純度を損なうことなく反応混合物から回
収でき、繰返し用いることができる。
〔実施例〕
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
参考例 (-)-2,3−O−イソプロピリデン−1,1,4,4−テトラフェ
ニル−1,2,3,4−ブタンテトラオール(化合物(VIII))
の合成 マグネシウム46gとブロモベンゼン283gから調製した
臭化フェニルマグネシウムのテトラヒドロフラン(以下
THFと略す)溶液1を氷冷し、2,3−O−イソプロピリ
デン−L−酒石酸ジエチルのTHF溶液(0.3モル/100m
l)を3時間かけて滴下した。室温にして12時間攪拌し
た後反応混合物を硫酸ナトリウム水溶液に注いで反応を
停止させた。有機層を分取し、水層はジエチルエーテル
で抽出し、先の有機層とあわせて減圧下に溶媒を留去し
た。残渣を酢酸エチルで再結晶し107gの化合物(VIII)
を得た。
収率 76% ▲〔α〕21 D▼−65.3°(C1.01,CHCl3) 実施例1 アルゴン雰囲気下、水素化アルミニウムリチウムのジエ
チルエーテル溶液(0.49モル/)20.5mlに、(-)-2,3
−O−イソプロピリデン−1,1,4,4−テトラフェニル−
1,2,3,4−ブタンテトラオール(化合物(VIII))のジエ
チルエーテル溶液(5.13g/20ml)を15℃で滴下し、さ
らに1時間攪拌した。この反応混合物を−78℃に冷却
し、アセトフェノンのジエチルエーテル溶液(600mg/5.
0ml)を滴下し、−78℃で3時間攪拌した。反応混合物
を硫酸ナトリウム水溶液に注いで反応を停止し有機層を
分取した。水層をさらにジエチルエーテルで抽出し、有
機層と抽出液をあわせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し減
圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(シクロヘキサン−酢酸エチル、傾斜溶離
法)で分離した後、さらに蒸留精製し、目的物の1−フ
ェニルエタノール521mgを得た。収率85% ▲〔α〕21 D▼−31.6°(C7.20,シクロペンタン) 不斉収率73%ee 実施例2 アルゴン雰囲気下、水素化アルミニウムリチウムのジエ
チルエーテル溶液(0.49モル/)41mlに、エタノール
のジエチルエーテル溶液(920mg/20ml)を15℃で滴下
し、さらに1時間攪拌した。この反応混合物に化合物(V
III)のジエチルエーテル溶液(9.80mg/40ml)を15℃で
滴下し、さらに1時間攪拌した。この反応混合物を−78
℃に冷却し、アセトフェノンのジエチルエーテル溶液
(600mg/5.0ml)を滴下し、−78℃で12時間攪拌した。
実施例1と同様の後処理により目的物の1−フェニルエ
タノール513mgを得た。
収率84% ▲〔α〕24 D▼−39.6°(C7.20,シクロペンタン) 不斉収率92%ee 実施例3 実施例2と同様にして、第1表に示す各種カルボニル化
合物(II)を還元し、対応する光学活性アルコール(III)
を第1表の通り得た。
〔発明の効果〕 本発明は次のような効果を有する。
a.本発明方法において、不斉源の出発原料として用い
ることのできる酒石酸は、天然型、非天然型ともに安価
に入手でき、工業的に有利である。
b.本発明方法において、不斉源として用いられるアル
コール誘導体(I)は、比較的簡単な工程で合成できるの
で大量生産に適している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、R1およびR2は同一あるいは異なった、低級ア
    ルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す)で表
    わされる光学活性アルコール誘導体と水素化アルミニウ
    ムリチウムとを反応させて生成する複合体により、一般
    式(II) (式中、R3およびR4は互いに異なった、アルキル基、
    アリール基またはアラルキル基を示すか、あるいはR3
    およびR4が結合した非対称的環状構造を示す)で表わ
    される化合物を還元することを特徴とする、一般式(II
    I) (式中、R3およびR4は前記と同意義を有する)で表わ
    される光学活性アルコール類の製造方法。
JP15597485A 1985-07-17 1985-07-17 光学活性アルコ−ル類の製造方法 Expired - Lifetime JPH0645562B2 (ja)

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