JPH0645068B2 - 異材溶接継手構造 - Google Patents
異材溶接継手構造Info
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- JPH0645068B2 JPH0645068B2 JP59226726A JP22672684A JPH0645068B2 JP H0645068 B2 JPH0645068 B2 JP H0645068B2 JP 59226726 A JP59226726 A JP 59226726A JP 22672684 A JP22672684 A JP 22672684A JP H0645068 B2 JPH0645068 B2 JP H0645068B2
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K9/00—Arc welding or cutting
- B23K9/23—Arc welding or cutting taking account of the properties of the materials to be welded
- B23K9/232—Arc welding or cutting taking account of the properties of the materials to be welded of different metals
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- Materials Engineering (AREA)
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- Plasma & Fusion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はボイラ等の伝熱管のうち、異材溶接継手部の構
造に係り、特に腐食や熱応力による併害を防止し得る構
造に関する。
造に係り、特に腐食や熱応力による併害を防止し得る構
造に関する。
〈従来の技術及びその問題点〉 ボイラの過熱器あるいは再熱器等の伝熱管では蒸気温
度,圧力によつてその材質を変化させている。すなわ
ち、低温側では鋼種記号STB42等の炭素鋼管から段階的
にSTBA22,STBA24等のCr-Mo鋼管が使用され、最も高温
になる個所では第1図に示すようにCr-Mo鋼管1よりも
高温強度が高いステンレス鋼管2を使用している。その
鋼種としては、高温での安定性を考えSUS316HTB,SUS32
1HTB,SUS347HTB等のオーステナイト系ステンレス鋼管
である。材質の決定は高温での強度が支配的であるが、
高温になれば管外面の腐食も考慮しなければならない。
ボイラの熱料には重油,石炭,LNG等があるが、重油
焚ボイラでは熱料油中に含まれるS,Na,V化合物を主
成分とする燃料灰により、バナジウムアタツクと呼ばれ
る高温腐食が発生する。このような高温腐食に対しては
Cr-Mo鋼よりもオーステナイト系ステンレス鋼の方が優
れた特性を示す。しかし、第1図に示したような過熱器
や再熱器におけるCr-Mo鋼管1とオーステナイト系ステ
ンレス鋼管2との異材溶接継手部3の近傍では燃焼ガス
や管壁温度などの条件がほぼ同一であるにもかかわら
ず、第2図に示すように溶接部4を中心としてCr-Mo鋼
管1よりもオーステナイト系ステンレス鋼管2の方に激
しい高温腐食5が見られることがある。対象としている
鋼種は第1図に示すようにCr-Mo鋼管1としては高温強
度の高いSTBA24,あるいは9Cr-Mo系鋼管、またはオース
テナイト系ステンレス鋼管2としてはSUS316HTB,SUS32
1HTB,SUS347HTB等である。
度,圧力によつてその材質を変化させている。すなわ
ち、低温側では鋼種記号STB42等の炭素鋼管から段階的
にSTBA22,STBA24等のCr-Mo鋼管が使用され、最も高温
になる個所では第1図に示すようにCr-Mo鋼管1よりも
高温強度が高いステンレス鋼管2を使用している。その
鋼種としては、高温での安定性を考えSUS316HTB,SUS32
1HTB,SUS347HTB等のオーステナイト系ステンレス鋼管
である。材質の決定は高温での強度が支配的であるが、
高温になれば管外面の腐食も考慮しなければならない。
ボイラの熱料には重油,石炭,LNG等があるが、重油
焚ボイラでは熱料油中に含まれるS,Na,V化合物を主
成分とする燃料灰により、バナジウムアタツクと呼ばれ
る高温腐食が発生する。このような高温腐食に対しては
Cr-Mo鋼よりもオーステナイト系ステンレス鋼の方が優
れた特性を示す。しかし、第1図に示したような過熱器
や再熱器におけるCr-Mo鋼管1とオーステナイト系ステ
ンレス鋼管2との異材溶接継手部3の近傍では燃焼ガス
や管壁温度などの条件がほぼ同一であるにもかかわら
ず、第2図に示すように溶接部4を中心としてCr-Mo鋼
管1よりもオーステナイト系ステンレス鋼管2の方に激
しい高温腐食5が見られることがある。対象としている
鋼種は第1図に示すようにCr-Mo鋼管1としては高温強
度の高いSTBA24,あるいは9Cr-Mo系鋼管、またはオース
テナイト系ステンレス鋼管2としてはSUS316HTB,SUS32
1HTB,SUS347HTB等である。
このようにCr-Mo鋼管よりもオーステナイト系ステンレ
ス鋼管の方が腐食されやすい原因としては次のようなこ
とが考えられる。まず第1に生成される酸化膜の性状が
両鋼種では異なる。鋼材そのものの腐食性ではCr-Mo鋼
管よりもオーステナイト系ステンレス鋼管の方が優れて
いるが、生成される酸化膜は、Cr-Mo鋼管の場合には緻
密で比較的厚いFe3O4を基本とした酸化膜が形成され、
腐食に対する保護膜としての機能をもつている。それに
対しオーステナイト系ステンレス鋼管の場合には、母地
が浸炭されCr元素が選択的に固定されることから生成す
る酸化膜〔(Cr,Ni,Fe)2O3〕は非常に多孔質で欠陥
の多いものとなる。
ス鋼管の方が腐食されやすい原因としては次のようなこ
とが考えられる。まず第1に生成される酸化膜の性状が
両鋼種では異なる。鋼材そのものの腐食性ではCr-Mo鋼
管よりもオーステナイト系ステンレス鋼管の方が優れて
いるが、生成される酸化膜は、Cr-Mo鋼管の場合には緻
密で比較的厚いFe3O4を基本とした酸化膜が形成され、
腐食に対する保護膜としての機能をもつている。それに
対しオーステナイト系ステンレス鋼管の場合には、母地
が浸炭されCr元素が選択的に固定されることから生成す
る酸化膜〔(Cr,Ni,Fe)2O3〕は非常に多孔質で欠陥
の多いものとなる。
次に異材溶接継手部近傍での応力やひずみの集中が考え
られる。ボイラ起動,停止時や負荷変動時の異材溶接継
手部近傍では、ミクロ的には酸化膜と母地との熱膨張差
や腐食浸炭部と非浸炭部との熱膨張差に起因する応力の
発生、マクロ的にはCr-Mo鋼管とオーステナイト系ステ
ンレス鋼管との熱膨張差による溶接部近傍への応力集中
が考えられる。
られる。ボイラ起動,停止時や負荷変動時の異材溶接継
手部近傍では、ミクロ的には酸化膜と母地との熱膨張差
や腐食浸炭部と非浸炭部との熱膨張差に起因する応力の
発生、マクロ的にはCr-Mo鋼管とオーステナイト系ステ
ンレス鋼管との熱膨張差による溶接部近傍への応力集中
が考えられる。
まず酸化膜に発生する応力は酸化膜と母地との熱膨張差
に依存し、Cr-Mo鋼管とオーステナイト系ステンレス鋼
管とでは酸化膜との熱膨張差はオーステナイト系ステン
レス鋼管の場合の方が約2倍大きくなる。また、オース
テナイト系ステンレス鋼管の外表面では顕著な浸炭が認
められ、この浸炭部とその直下の浸炭部では浸炭部の熱
膨張係数は非浸炭部に比べ、約80%に低下する。また、
マクロ的には両鋼種の熱膨張差に起因する熱応力が発生
するが、Cr-Mo鋼の熱膨張係数は10〜11×10-6/℃,オ
ーステナイト系ステンレス鋼は17〜18×10-6/℃と大き
な差があり、溶接部境界ではかなり大きな応力が発生す
る。
に依存し、Cr-Mo鋼管とオーステナイト系ステンレス鋼
管とでは酸化膜との熱膨張差はオーステナイト系ステン
レス鋼管の場合の方が約2倍大きくなる。また、オース
テナイト系ステンレス鋼管の外表面では顕著な浸炭が認
められ、この浸炭部とその直下の浸炭部では浸炭部の熱
膨張係数は非浸炭部に比べ、約80%に低下する。また、
マクロ的には両鋼種の熱膨張差に起因する熱応力が発生
するが、Cr-Mo鋼の熱膨張係数は10〜11×10-6/℃,オ
ーステナイト系ステンレス鋼は17〜18×10-6/℃と大き
な差があり、溶接部境界ではかなり大きな応力が発生す
る。
以上のように異材溶接継手部近傍のオーステナイト系ス
テンレス鋼管の外表面では欠陥の多い酸化膜が生成する
うえ、ボイラの起動,停止時や、負荷変動時の温度変化
に伴い様々な応力やひずみが集中し、酸化膜のはく離や
き裂などが生じて腐食が促進されると考えられる。また
顕著な腐食が見られるのは溶接部境界から100mm程度で
あり、腐食の程度は溶接部近傍の方が大きいが、これは
溶接部近傍の方が発生する応力が大きいためである。こ
れに対しCr-Mo鋼管側では初期の段階では腐食されやす
いが、生成される酸化膜が比較的厚く、かつ緻密である
ため、腐食に対する保護膜の役目を果していると考えら
える。
テンレス鋼管の外表面では欠陥の多い酸化膜が生成する
うえ、ボイラの起動,停止時や、負荷変動時の温度変化
に伴い様々な応力やひずみが集中し、酸化膜のはく離や
き裂などが生じて腐食が促進されると考えられる。また
顕著な腐食が見られるのは溶接部境界から100mm程度で
あり、腐食の程度は溶接部近傍の方が大きいが、これは
溶接部近傍の方が発生する応力が大きいためである。こ
れに対しCr-Mo鋼管側では初期の段階では腐食されやす
いが、生成される酸化膜が比較的厚く、かつ緻密である
ため、腐食に対する保護膜の役目を果していると考えら
える。
以上のような理由でCr-Mo鋼管とオーステナイト系ステ
ンレス鋼管との異材溶接継手部近傍では重油燃焼灰によ
り、Cr-Mo鋼管側よりもオーステナイト系ステンレス鋼
管側の方が高温腐食されやすい現象が発生する。
ンレス鋼管との異材溶接継手部近傍では重油燃焼灰によ
り、Cr-Mo鋼管側よりもオーステナイト系ステンレス鋼
管側の方が高温腐食されやすい現象が発生する。
〈本発明の目的〉 本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、Cr
-Mo鋼管とオーステナイト系ステンレス鋼管との異材溶
接継手部近傍におけるオーステナイト系ステンレス鋼管
の極端な高温腐食を防止することのできる異材溶接継手
部構造を提供することである。
-Mo鋼管とオーステナイト系ステンレス鋼管との異材溶
接継手部近傍におけるオーステナイト系ステンレス鋼管
の極端な高温腐食を防止することのできる異材溶接継手
部構造を提供することである。
〈問題点を解決するための手段の要約〉 要するにこの発明は、CrMo鋼管とオーステナイト系
ステンレス鋼管とを中間層部を設けて溶接接続した異材
溶接継手構造において、該中間層部を耐食材で被覆した
構造とすることを特徴とする異材溶接継手構造である。
ステンレス鋼管とを中間層部を設けて溶接接続した異材
溶接継手構造において、該中間層部を耐食材で被覆した
構造とすることを特徴とする異材溶接継手構造である。
〈実施例〉 以下本発明の実施例につき説明する。
第3図は本発明になるCr-Mo鋼管とオーステナイト系ス
テンレス鋼管との異材溶接継手部の構造を示したもので
あるが、図示のようにオーステナイト系ステンレス鋼管
(SUS321HTB)2の溶接部近傍をクロム拡散浸透処理
し、その内外の表面にクロマイズ層6を形成している。
その範囲Lは少なくとも顕著な腐食が見られる部分であ
る溶接部境界から100mmの部分に対して必要であるが、
ここでは安全と見積もり、例えば200mmとしている。ク
ロム拡散浸透処理方法は一般的な粉末法で、その層6の
厚さは80〜120μmである。本発明の本来の目的からす
れば外表面だけクロム拡散浸透処理を施せば良いが、施
工的には管内外面にクロム拡散浸透処理を施した方が簡
単であり、また、内面の水蒸気酸化に対しても優れた特
性を示すことから前述の如く内外面にクロム拡散浸透処
理を施している。溶接部7はCr-Mo鋼管1とオーステナ
イト系ステンレス鋼管2(表面はクロム拡散浸透処理
管)との異材溶接継手であるため、インコネル(80%N
i,14%Cr,6%Feの合金の商品名)系の溶接材料を使
用する。また溶接方法は全周自動TIG溶接で、溶接条
件は、電流130〜150A,電圧13V,溶接速度10cm/minで
行うと効果的である。
テンレス鋼管との異材溶接継手部の構造を示したもので
あるが、図示のようにオーステナイト系ステンレス鋼管
(SUS321HTB)2の溶接部近傍をクロム拡散浸透処理
し、その内外の表面にクロマイズ層6を形成している。
その範囲Lは少なくとも顕著な腐食が見られる部分であ
る溶接部境界から100mmの部分に対して必要であるが、
ここでは安全と見積もり、例えば200mmとしている。ク
ロム拡散浸透処理方法は一般的な粉末法で、その層6の
厚さは80〜120μmである。本発明の本来の目的からす
れば外表面だけクロム拡散浸透処理を施せば良いが、施
工的には管内外面にクロム拡散浸透処理を施した方が簡
単であり、また、内面の水蒸気酸化に対しても優れた特
性を示すことから前述の如く内外面にクロム拡散浸透処
理を施している。溶接部7はCr-Mo鋼管1とオーステナ
イト系ステンレス鋼管2(表面はクロム拡散浸透処理
管)との異材溶接継手であるため、インコネル(80%N
i,14%Cr,6%Feの合金の商品名)系の溶接材料を使
用する。また溶接方法は全周自動TIG溶接で、溶接条
件は、電流130〜150A,電圧13V,溶接速度10cm/minで
行うと効果的である。
以上の様に構成すれば、クロマイズ処理した部分につい
て耐食性が大幅に向上するため、この部分に応力が生じ
ても腐食部のはく離、脱落等による減肉等の問題が生じ
ない。
て耐食性が大幅に向上するため、この部分に応力が生じ
ても腐食部のはく離、脱落等による減肉等の問題が生じ
ない。
第4図は、オーステナイト系ステンレス鋼及びクロマイ
ズ管(SUS347HTB)の耐高温腐食性を実験的に検討した
結果である。合成灰組成は20%V2O5−80%Na2SO4,ガス
組成は1%SO2−5%O2−15%CO2−balN2であり、試験
温度は650℃,試験時間は20時間である。この図から明
らかなように、クロマイズ管の耐高温腐食性はオーステ
ナイト系ステンレス鋼管に比較し、非常に優れているこ
とがわかる。また、クロム拡散浸透処理を施していない
オーステナイト系ステンレス鋼管2で発生する熱応力は
非クロマイズ処理部が溶接部7から離れているためかな
り緩和される。
ズ管(SUS347HTB)の耐高温腐食性を実験的に検討した
結果である。合成灰組成は20%V2O5−80%Na2SO4,ガス
組成は1%SO2−5%O2−15%CO2−balN2であり、試験
温度は650℃,試験時間は20時間である。この図から明
らかなように、クロマイズ管の耐高温腐食性はオーステ
ナイト系ステンレス鋼管に比較し、非常に優れているこ
とがわかる。また、クロム拡散浸透処理を施していない
オーステナイト系ステンレス鋼管2で発生する熱応力は
非クロマイズ処理部が溶接部7から離れているためかな
り緩和される。
次に溶接部7にインコネル系の溶接材料を使用する。こ
れはインコネル系の溶接材料の熱膨張係数がCr-Mo鋼と
オーステナイト系ステンレス鋼の中間であることが最大
の理由である。クロマイズ処理した部分は高耐食性を有
しているため、かなりの応力やひずみが発生しても問題
とはならないが、もとより発生する熱応力が小さい程安
全である。このため溶接部7の使用金属をインコネルす
ると、熱膨張係数が両鋼種の中間であるため、発生する
熱応力はかなり緩和される。
れはインコネル系の溶接材料の熱膨張係数がCr-Mo鋼と
オーステナイト系ステンレス鋼の中間であることが最大
の理由である。クロマイズ処理した部分は高耐食性を有
しているため、かなりの応力やひずみが発生しても問題
とはならないが、もとより発生する熱応力が小さい程安
全である。このため溶接部7の使用金属をインコネルす
ると、熱膨張係数が両鋼種の中間であるため、発生する
熱応力はかなり緩和される。
以上のようにして作製した異材溶接継手部を650℃の1
%SO2−5%O2−15%CO2−balN2のガス中で20%V2O5−8
0%Na2SO4合成灰を塗布し、72時間加熱−冷却−合成灰
塗布を30回繰り返す試験を実施したが、クロマイズ処理
層6及びオーステナイト系ステンレス鋼管2の外表面
(クロマイズ処理をしていない部分)には異常な減肉は
確認されなかつた。
%SO2−5%O2−15%CO2−balN2のガス中で20%V2O5−8
0%Na2SO4合成灰を塗布し、72時間加熱−冷却−合成灰
塗布を30回繰り返す試験を実施したが、クロマイズ処理
層6及びオーステナイト系ステンレス鋼管2の外表面
(クロマイズ処理をしていない部分)には異常な減肉は
確認されなかつた。
第5図は第2の実施例を示す。同図に示す様にCr-Mo鋼
管(STBA24)1とオーステナイト系ステンレス鋼管(SU
S321HTB)2との間にトランジションピース8を挿入す
る構造にすることによつて、同様の効果が得られる。こ
のトランジションピース(遷移部材)8は、オーステナ
イト系ステンレス鋼管2と同種類のものとし、その管内
外面にクロム拡散浸透処理によるクロマイズ処理層6を
形成した鋼管を使用する。長さは前述したように顕著な
腐食が見られる範囲である100mmあれば良いが、溶接作
業性を考え200mmとしておくとよい。溶接部9は実施例
に示した溶接部7と同様、Cr-Mo鋼管とオーステナイト
系ステンレス鋼管(クロム拡散浸透処理管)との異材溶
接継手であることから、インコネル系の溶接材料を使用
し、全周自動TIG溶接を前記実施例と同条件で行う。
また、溶接部10はオーステナイト系ステンレス鋼管の同
材溶接継手(一方はクロム拡散浸透処理管)であること
から、オーステナイト系ステンレス鋼用の溶接材料を使
用し、同条件で全周自動TIG溶接を行う。なおトラン
ジションピース8の母管をオーステナイト系ステンレス
鋼管2と同鋼種としたのは、もし、別の鋼種を使用すれ
ば熱膨張係数が異なり、オーステナイト系ステンレス鋼
管2に従来技術に示したのと同様の問題が発生するため
である。この実施例この実施例では、従来のトランジシ
ョンピースの目的である、接続すべき管体の肉厚の相違
を調整することもできる。すなわち、第6図に示すよう
に、許容応力の違いからCr-Mo鋼管1とオーステナイト
系ステンレス鋼管2との肉厚は異なるのが普通である。
したがつて、トランジションピース8の内面を削ること
によつて両鋼種の肉厚を修正することができる。
管(STBA24)1とオーステナイト系ステンレス鋼管(SU
S321HTB)2との間にトランジションピース8を挿入す
る構造にすることによつて、同様の効果が得られる。こ
のトランジションピース(遷移部材)8は、オーステナ
イト系ステンレス鋼管2と同種類のものとし、その管内
外面にクロム拡散浸透処理によるクロマイズ処理層6を
形成した鋼管を使用する。長さは前述したように顕著な
腐食が見られる範囲である100mmあれば良いが、溶接作
業性を考え200mmとしておくとよい。溶接部9は実施例
に示した溶接部7と同様、Cr-Mo鋼管とオーステナイト
系ステンレス鋼管(クロム拡散浸透処理管)との異材溶
接継手であることから、インコネル系の溶接材料を使用
し、全周自動TIG溶接を前記実施例と同条件で行う。
また、溶接部10はオーステナイト系ステンレス鋼管の同
材溶接継手(一方はクロム拡散浸透処理管)であること
から、オーステナイト系ステンレス鋼用の溶接材料を使
用し、同条件で全周自動TIG溶接を行う。なおトラン
ジションピース8の母管をオーステナイト系ステンレス
鋼管2と同鋼種としたのは、もし、別の鋼種を使用すれ
ば熱膨張係数が異なり、オーステナイト系ステンレス鋼
管2に従来技術に示したのと同様の問題が発生するため
である。この実施例この実施例では、従来のトランジシ
ョンピースの目的である、接続すべき管体の肉厚の相違
を調整することもできる。すなわち、第6図に示すよう
に、許容応力の違いからCr-Mo鋼管1とオーステナイト
系ステンレス鋼管2との肉厚は異なるのが普通である。
したがつて、トランジションピース8の内面を削ること
によつて両鋼種の肉厚を修正することができる。
第7図は第3の実施例を示す。この実施例においてはト
ランジションピースとして前述のクロマイズ処理管に対
して二重管を使用する。つまりトランジションピースと
しての条件は耐食性が良好で、かつ熱膨張係数がオース
テナイト系ステンレス鋼管2に近いことである。このこ
とから第7図に示すようにトランジションピースとして
密着二重管11を使用し、内管12はオーステナイト系ステ
ンレス鋼管2と熱膨張係数を等しくするために同鋼種の
ものとし、外管13は耐食性の良い材料として21重量%以
上のクロムを含有する高クロム鋼を使用する。例えば内
管12をSUS321HTB,外管13をSUS310S(25Cr-20Ni)とす
る。外管13の肉厚は1.5〜2.0mmである。溶接材料,溶接
方法,溶接条件はトランジションピースとしてクロマイ
ズ処理管とした場合と同様である。
ランジションピースとして前述のクロマイズ処理管に対
して二重管を使用する。つまりトランジションピースと
しての条件は耐食性が良好で、かつ熱膨張係数がオース
テナイト系ステンレス鋼管2に近いことである。このこ
とから第7図に示すようにトランジションピースとして
密着二重管11を使用し、内管12はオーステナイト系ステ
ンレス鋼管2と熱膨張係数を等しくするために同鋼種の
ものとし、外管13は耐食性の良い材料として21重量%以
上のクロムを含有する高クロム鋼を使用する。例えば内
管12をSUS321HTB,外管13をSUS310S(25Cr-20Ni)とす
る。外管13の肉厚は1.5〜2.0mmである。溶接材料,溶接
方法,溶接条件はトランジションピースとしてクロマイ
ズ処理管とした場合と同様である。
また第8図は第4の実施例を示し、同図に示すようにト
ランジションピース16として21重量%以上のクロムを含
有するオーステナイト系の鋼管を使用したものを示す。
ここでは一例としてNCF800HTB(21Cr-32Ni-Al-Ti)を使
用した。この場合の特有の効果として肉厚とともに第9
図に示すように外径も修正することもできる。
ランジションピース16として21重量%以上のクロムを含
有するオーステナイト系の鋼管を使用したものを示す。
ここでは一例としてNCF800HTB(21Cr-32Ni-Al-Ti)を使
用した。この場合の特有の効果として肉厚とともに第9
図に示すように外径も修正することもできる。
〈効果〉 本発明を実施することにより、異材溶接継手部のうち、
オーステナイト系ステンレス鋼管の部分を中心とする溶
接継手部近傍の異常腐食を防止することができる。
オーステナイト系ステンレス鋼管の部分を中心とする溶
接継手部近傍の異常腐食を防止することができる。
第1図は過熱器伝熱管の正面図、第2図は異材溶接継手
部近傍を示す断面、第3図は本発明になる異材溶接継手
部の構造を示す一部破断側面図、第4図は各種オーステ
ナイト系ステンレス鋼及びクロマイズ管の重油模擬灰中
での腐食減量を表す線図、第5図ないし第9図は異材溶
接継手部の構造を示す管体の一部破断側面図であり、第
5図は第2の実施例を、第6図は第2の実施例の変形例
を、第7図は第3の実施例を、第8図は第4の実施例
を、第9図は第4の実施例の変形例を各々示す。 1……Cr-Mo鋼管 2……オーステナイト系ステンレス鋼 3……異材溶接継手 6……クロマイズ処理層 7,9,10……溶接部 8,11,16……トランジションピース
部近傍を示す断面、第3図は本発明になる異材溶接継手
部の構造を示す一部破断側面図、第4図は各種オーステ
ナイト系ステンレス鋼及びクロマイズ管の重油模擬灰中
での腐食減量を表す線図、第5図ないし第9図は異材溶
接継手部の構造を示す管体の一部破断側面図であり、第
5図は第2の実施例を、第6図は第2の実施例の変形例
を、第7図は第3の実施例を、第8図は第4の実施例
を、第9図は第4の実施例の変形例を各々示す。 1……Cr-Mo鋼管 2……オーステナイト系ステンレス鋼 3……異材溶接継手 6……クロマイズ処理層 7,9,10……溶接部 8,11,16……トランジションピース
Claims (6)
- 【請求項1】CrMo鋼管とオーステナイト系ステンレ
ス鋼管とを中間層部を設けて溶接接続した異材溶接継手
構造において、該中間層部を耐食材で被覆した構造とす
ることを特徴とする異材溶接継手構造。 - 【請求項2】該中間層部は少なくとも外表面をクロマイ
ズ処理した耐食部であることを特徴とする特許請求の特
許請求の範囲第1項記載の異材溶接継手構造。 - 【請求項3】前記中間層部を外表面クロマイズ処理した
トランジションピースとし、該トランジションピースの
端部をCrMo鋼管とオーステナイト系ステンレス鋼管
に夫々溶接接続した構造とすることを特徴とする特許請
求の範囲第1項記載の異材溶接継手構造。 - 【請求項4】前記トランジションピースを二重管構造と
し、内管をオーステナイト系ステンレス鋼管と近似する
熱膨張係数を有する材料とし、かつ外管を耐食性を有す
る材料により形成したことを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の異材溶接継手構造。 - 【請求項5】前記二種類の管体とトランジションピース
とを溶接接続する材料を80%Ni,14%Cr,6%
Fe,系の金属としたことを特徴とする特許請求の範囲
第3項または第4項記載の異材溶接継手構造。 - 【請求項6】トランジションピースを21重量パーセン
ト以上のCrを含有するオーステナイト系鋼管とするこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の異材溶接継
手構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59226726A JPH0645068B2 (ja) | 1984-10-30 | 1984-10-30 | 異材溶接継手構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59226726A JPH0645068B2 (ja) | 1984-10-30 | 1984-10-30 | 異材溶接継手構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61108477A JPS61108477A (ja) | 1986-05-27 |
JPH0645068B2 true JPH0645068B2 (ja) | 1994-06-15 |
Family
ID=16849652
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59226726A Expired - Lifetime JPH0645068B2 (ja) | 1984-10-30 | 1984-10-30 | 異材溶接継手構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0645068B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07228942A (ja) * | 1994-02-17 | 1995-08-29 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | オーステナイト系ステンレス鋼の溶接継手の製造方法 |
GB201322251D0 (en) * | 2013-12-17 | 2014-01-29 | Bae Systems Plc | Rudder tabs |
CN103817411A (zh) * | 2014-02-23 | 2014-05-28 | 芜湖鑫力管道技术有限公司 | 高强度不锈钢复合旗杆及其焊接方法 |
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CN113084309B (zh) * | 2021-04-16 | 2022-11-22 | 东方电气(广州)重型机器有限公司 | 一种用于高温液态钠介质下的铬钼钢与耐热不锈钢的焊接方法 |
Family Cites Families (1)
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-
1984
- 1984-10-30 JP JP59226726A patent/JPH0645068B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61108477A (ja) | 1986-05-27 |
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