JPH0645068B2 - 異材溶接継手構造 - Google Patents

異材溶接継手構造

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JPH0645068B2
JPH0645068B2 JP59226726A JP22672684A JPH0645068B2 JP H0645068 B2 JPH0645068 B2 JP H0645068B2 JP 59226726 A JP59226726 A JP 59226726A JP 22672684 A JP22672684 A JP 22672684A JP H0645068 B2 JPH0645068 B2 JP H0645068B2
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輝夫 小山
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バブコツク日立株式会社
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K9/00Arc welding or cutting
    • B23K9/23Arc welding or cutting taking account of the properties of the materials to be welded
    • B23K9/232Arc welding or cutting taking account of the properties of the materials to be welded of different metals

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はボイラ等の伝熱管のうち、異材溶接継手部の構
造に係り、特に腐食や熱応力による併害を防止し得る構
造に関する。
〈従来の技術及びその問題点〉 ボイラの過熱器あるいは再熱器等の伝熱管では蒸気温
度,圧力によつてその材質を変化させている。すなわ
ち、低温側では鋼種記号STB42等の炭素鋼管から段階的
にSTBA22,STBA24等のCr-Mo鋼管が使用され、最も高温
になる個所では第1図に示すようにCr-Mo鋼管1よりも
高温強度が高いステンレス鋼管2を使用している。その
鋼種としては、高温での安定性を考えSUS316HTB,SUS32
1HTB,SUS347HTB等のオーステナイト系ステンレス鋼管
である。材質の決定は高温での強度が支配的であるが、
高温になれば管外面の腐食も考慮しなければならない。
ボイラの熱料には重油,石炭,LNG等があるが、重油
焚ボイラでは熱料油中に含まれるS,Na,V化合物を主
成分とする燃料灰により、バナジウムアタツクと呼ばれ
る高温腐食が発生する。このような高温腐食に対しては
Cr-Mo鋼よりもオーステナイト系ステンレス鋼の方が優
れた特性を示す。しかし、第1図に示したような過熱器
や再熱器におけるCr-Mo鋼管1とオーステナイト系ステ
ンレス鋼管2との異材溶接継手部3の近傍では燃焼ガス
や管壁温度などの条件がほぼ同一であるにもかかわら
ず、第2図に示すように溶接部4を中心としてCr-Mo鋼
管1よりもオーステナイト系ステンレス鋼管2の方に激
しい高温腐食5が見られることがある。対象としている
鋼種は第1図に示すようにCr-Mo鋼管1としては高温強
度の高いSTBA24,あるいは9Cr-Mo系鋼管、またはオース
テナイト系ステンレス鋼管2としてはSUS316HTB,SUS32
1HTB,SUS347HTB等である。
このようにCr-Mo鋼管よりもオーステナイト系ステンレ
ス鋼管の方が腐食されやすい原因としては次のようなこ
とが考えられる。まず第1に生成される酸化膜の性状が
両鋼種では異なる。鋼材そのものの腐食性ではCr-Mo鋼
管よりもオーステナイト系ステンレス鋼管の方が優れて
いるが、生成される酸化膜は、Cr-Mo鋼管の場合には緻
密で比較的厚いFe3O4を基本とした酸化膜が形成され、
腐食に対する保護膜としての機能をもつている。それに
対しオーステナイト系ステンレス鋼管の場合には、母地
が浸炭されCr元素が選択的に固定されることから生成す
る酸化膜〔(Cr,Ni,Fe)2O3〕は非常に多孔質で欠陥
の多いものとなる。
次に異材溶接継手部近傍での応力やひずみの集中が考え
られる。ボイラ起動,停止時や負荷変動時の異材溶接継
手部近傍では、ミクロ的には酸化膜と母地との熱膨張差
や腐食浸炭部と非浸炭部との熱膨張差に起因する応力の
発生、マクロ的にはCr-Mo鋼管とオーステナイト系ステ
ンレス鋼管との熱膨張差による溶接部近傍への応力集中
が考えられる。
まず酸化膜に発生する応力は酸化膜と母地との熱膨張差
に依存し、Cr-Mo鋼管とオーステナイト系ステンレス鋼
管とでは酸化膜との熱膨張差はオーステナイト系ステン
レス鋼管の場合の方が約2倍大きくなる。また、オース
テナイト系ステンレス鋼管の外表面では顕著な浸炭が認
められ、この浸炭部とその直下の浸炭部では浸炭部の熱
膨張係数は非浸炭部に比べ、約80%に低下する。また、
マクロ的には両鋼種の熱膨張差に起因する熱応力が発生
するが、Cr-Mo鋼の熱膨張係数は10〜11×10-6/℃,オ
ーステナイト系ステンレス鋼は17〜18×10-6/℃と大き
な差があり、溶接部境界ではかなり大きな応力が発生す
る。
以上のように異材溶接継手部近傍のオーステナイト系ス
テンレス鋼管の外表面では欠陥の多い酸化膜が生成する
うえ、ボイラの起動,停止時や、負荷変動時の温度変化
に伴い様々な応力やひずみが集中し、酸化膜のはく離や
き裂などが生じて腐食が促進されると考えられる。また
顕著な腐食が見られるのは溶接部境界から100mm程度で
あり、腐食の程度は溶接部近傍の方が大きいが、これは
溶接部近傍の方が発生する応力が大きいためである。こ
れに対しCr-Mo鋼管側では初期の段階では腐食されやす
いが、生成される酸化膜が比較的厚く、かつ緻密である
ため、腐食に対する保護膜の役目を果していると考えら
える。
以上のような理由でCr-Mo鋼管とオーステナイト系ステ
ンレス鋼管との異材溶接継手部近傍では重油燃焼灰によ
り、Cr-Mo鋼管側よりもオーステナイト系ステンレス鋼
管側の方が高温腐食されやすい現象が発生する。
〈本発明の目的〉 本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、Cr
-Mo鋼管とオーステナイト系ステンレス鋼管との異材溶
接継手部近傍におけるオーステナイト系ステンレス鋼管
の極端な高温腐食を防止することのできる異材溶接継手
部構造を提供することである。
〈問題点を解決するための手段の要約〉 要するにこの発明は、CrMo鋼管とオーステナイト系
ステンレス鋼管とを中間層部を設けて溶接接続した異材
溶接継手構造において、該中間層部を耐食材で被覆した
構造とすることを特徴とする異材溶接継手構造である。
〈実施例〉 以下本発明の実施例につき説明する。
第3図は本発明になるCr-Mo鋼管とオーステナイト系ス
テンレス鋼管との異材溶接継手部の構造を示したもので
あるが、図示のようにオーステナイト系ステンレス鋼管
(SUS321HTB)2の溶接部近傍をクロム拡散浸透処理
し、その内外の表面にクロマイズ層6を形成している。
その範囲Lは少なくとも顕著な腐食が見られる部分であ
る溶接部境界から100mmの部分に対して必要であるが、
ここでは安全と見積もり、例えば200mmとしている。ク
ロム拡散浸透処理方法は一般的な粉末法で、その層6の
厚さは80〜120μmである。本発明の本来の目的からす
れば外表面だけクロム拡散浸透処理を施せば良いが、施
工的には管内外面にクロム拡散浸透処理を施した方が簡
単であり、また、内面の水蒸気酸化に対しても優れた特
性を示すことから前述の如く内外面にクロム拡散浸透処
理を施している。溶接部7はCr-Mo鋼管1とオーステナ
イト系ステンレス鋼管2(表面はクロム拡散浸透処理
管)との異材溶接継手であるため、インコネル(80%N
i,14%Cr,6%Feの合金の商品名)系の溶接材料を使
用する。また溶接方法は全周自動TIG溶接で、溶接条
件は、電流130〜150A,電圧13V,溶接速度10cm/minで
行うと効果的である。
以上の様に構成すれば、クロマイズ処理した部分につい
て耐食性が大幅に向上するため、この部分に応力が生じ
ても腐食部のはく離、脱落等による減肉等の問題が生じ
ない。
第4図は、オーステナイト系ステンレス鋼及びクロマイ
ズ管(SUS347HTB)の耐高温腐食性を実験的に検討した
結果である。合成灰組成は20%V2O5−80%Na2SO4,ガス
組成は1%SO2−5%O2−15%CO2−balN2であり、試験
温度は650℃,試験時間は20時間である。この図から明
らかなように、クロマイズ管の耐高温腐食性はオーステ
ナイト系ステンレス鋼管に比較し、非常に優れているこ
とがわかる。また、クロム拡散浸透処理を施していない
オーステナイト系ステンレス鋼管2で発生する熱応力は
非クロマイズ処理部が溶接部7から離れているためかな
り緩和される。
次に溶接部7にインコネル系の溶接材料を使用する。こ
れはインコネル系の溶接材料の熱膨張係数がCr-Mo鋼と
オーステナイト系ステンレス鋼の中間であることが最大
の理由である。クロマイズ処理した部分は高耐食性を有
しているため、かなりの応力やひずみが発生しても問題
とはならないが、もとより発生する熱応力が小さい程安
全である。このため溶接部7の使用金属をインコネルす
ると、熱膨張係数が両鋼種の中間であるため、発生する
熱応力はかなり緩和される。
以上のようにして作製した異材溶接継手部を650℃の1
%SO2−5%O2−15%CO2−balN2のガス中で20%V2O5−8
0%Na2SO4合成灰を塗布し、72時間加熱−冷却−合成灰
塗布を30回繰り返す試験を実施したが、クロマイズ処理
層6及びオーステナイト系ステンレス鋼管2の外表面
(クロマイズ処理をしていない部分)には異常な減肉は
確認されなかつた。
第5図は第2の実施例を示す。同図に示す様にCr-Mo鋼
管(STBA24)1とオーステナイト系ステンレス鋼管(SU
S321HTB)2との間にトランジションピース8を挿入す
る構造にすることによつて、同様の効果が得られる。こ
のトランジションピース(遷移部材)8は、オーステナ
イト系ステンレス鋼管2と同種類のものとし、その管内
外面にクロム拡散浸透処理によるクロマイズ処理層6を
形成した鋼管を使用する。長さは前述したように顕著な
腐食が見られる範囲である100mmあれば良いが、溶接作
業性を考え200mmとしておくとよい。溶接部9は実施例
に示した溶接部7と同様、Cr-Mo鋼管とオーステナイト
系ステンレス鋼管(クロム拡散浸透処理管)との異材溶
接継手であることから、インコネル系の溶接材料を使用
し、全周自動TIG溶接を前記実施例と同条件で行う。
また、溶接部10はオーステナイト系ステンレス鋼管の同
材溶接継手(一方はクロム拡散浸透処理管)であること
から、オーステナイト系ステンレス鋼用の溶接材料を使
用し、同条件で全周自動TIG溶接を行う。なおトラン
ジションピース8の母管をオーステナイト系ステンレス
鋼管2と同鋼種としたのは、もし、別の鋼種を使用すれ
ば熱膨張係数が異なり、オーステナイト系ステンレス鋼
管2に従来技術に示したのと同様の問題が発生するため
である。この実施例この実施例では、従来のトランジシ
ョンピースの目的である、接続すべき管体の肉厚の相違
を調整することもできる。すなわち、第6図に示すよう
に、許容応力の違いからCr-Mo鋼管1とオーステナイト
系ステンレス鋼管2との肉厚は異なるのが普通である。
したがつて、トランジションピース8の内面を削ること
によつて両鋼種の肉厚を修正することができる。
第7図は第3の実施例を示す。この実施例においてはト
ランジションピースとして前述のクロマイズ処理管に対
して二重管を使用する。つまりトランジションピースと
しての条件は耐食性が良好で、かつ熱膨張係数がオース
テナイト系ステンレス鋼管2に近いことである。このこ
とから第7図に示すようにトランジションピースとして
密着二重管11を使用し、内管12はオーステナイト系ステ
ンレス鋼管2と熱膨張係数を等しくするために同鋼種の
ものとし、外管13は耐食性の良い材料として21重量%以
上のクロムを含有する高クロム鋼を使用する。例えば内
管12をSUS321HTB,外管13をSUS310S(25Cr-20Ni)とす
る。外管13の肉厚は1.5〜2.0mmである。溶接材料,溶接
方法,溶接条件はトランジションピースとしてクロマイ
ズ処理管とした場合と同様である。
また第8図は第4の実施例を示し、同図に示すようにト
ランジションピース16として21重量%以上のクロムを含
有するオーステナイト系の鋼管を使用したものを示す。
ここでは一例としてNCF800HTB(21Cr-32Ni-Al-Ti)を使
用した。この場合の特有の効果として肉厚とともに第9
図に示すように外径も修正することもできる。
〈効果〉 本発明を実施することにより、異材溶接継手部のうち、
オーステナイト系ステンレス鋼管の部分を中心とする溶
接継手部近傍の異常腐食を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は過熱器伝熱管の正面図、第2図は異材溶接継手
部近傍を示す断面、第3図は本発明になる異材溶接継手
部の構造を示す一部破断側面図、第4図は各種オーステ
ナイト系ステンレス鋼及びクロマイズ管の重油模擬灰中
での腐食減量を表す線図、第5図ないし第9図は異材溶
接継手部の構造を示す管体の一部破断側面図であり、第
5図は第2の実施例を、第6図は第2の実施例の変形例
を、第7図は第3の実施例を、第8図は第4の実施例
を、第9図は第4の実施例の変形例を各々示す。 1……Cr-Mo鋼管 2……オーステナイト系ステンレス鋼 3……異材溶接継手 6……クロマイズ処理層 7,9,10……溶接部 8,11,16……トランジションピース

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CrMo鋼管とオーステナイト系ステンレ
    ス鋼管とを中間層部を設けて溶接接続した異材溶接継手
    構造において、該中間層部を耐食材で被覆した構造とす
    ることを特徴とする異材溶接継手構造。
  2. 【請求項2】該中間層部は少なくとも外表面をクロマイ
    ズ処理した耐食部であることを特徴とする特許請求の特
    許請求の範囲第1項記載の異材溶接継手構造。
  3. 【請求項3】前記中間層部を外表面クロマイズ処理した
    トランジションピースとし、該トランジションピースの
    端部をCrMo鋼管とオーステナイト系ステンレス鋼管
    に夫々溶接接続した構造とすることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の異材溶接継手構造。
  4. 【請求項4】前記トランジションピースを二重管構造と
    し、内管をオーステナイト系ステンレス鋼管と近似する
    熱膨張係数を有する材料とし、かつ外管を耐食性を有す
    る材料により形成したことを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の異材溶接継手構造。
  5. 【請求項5】前記二種類の管体とトランジションピース
    とを溶接接続する材料を80%Ni,14%Cr,6%
    Fe,系の金属としたことを特徴とする特許請求の範囲
    第3項または第4項記載の異材溶接継手構造。
  6. 【請求項6】トランジションピースを21重量パーセン
    ト以上のCrを含有するオーステナイト系鋼管とするこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の異材溶接継
    手構造。
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