JPH0644892A - 熱陰極構体 - Google Patents

熱陰極構体

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JPH0644892A
JPH0644892A JP19512092A JP19512092A JPH0644892A JP H0644892 A JPH0644892 A JP H0644892A JP 19512092 A JP19512092 A JP 19512092A JP 19512092 A JP19512092 A JP 19512092A JP H0644892 A JPH0644892 A JP H0644892A
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JP
Japan
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sleeve
layer
aluminum
hot cathode
black
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Application number
JP19512092A
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English (en)
Inventor
Tadanori Taguchi
貞憲 田口
Shunji Saito
駿次 斎藤
Yukio Suzuki
行男 鈴木
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 黒色粗面層が安定した状態で形成され、これ
により信頼性ある耐熱性および熱吸収性を備える。 【構成】 中心軸上に配置される加熱用ヒータ2を内臓
しこの加熱用ヒータ2に対向する内壁面に黒色粗面層1
3が形成された円筒状のスリーブ11と、このスリーブ
11の一端に配置される熱陰極ペレット部12とからな
り、前記スリーブ11はモリブデンから構成される熱陰
極構体において、前記黒色粗面層13はアルミニュウム
がイオン打ち込みされたスリーブ面を熱処理することに
よって形成されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱陰極構体に係り、その
スリーブの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばテレビジョン用受像管、表示
管、あるいは撮像管の陰極線管に用いられる熱陰極構体
は、中心軸上に配置される加熱用ヒータを内臓する円筒
状のスリーブと、このスリーブの一端に配置される熱陰
極ペレット部とから構成されている。
【0003】そして、前記スリーブの加熱用ヒータに対
向する内壁面にはいわゆる黒色粗面層が形成されている
のが通常である。
【0004】この黒色粗面層は、黒色あるいは灰色の熱
吸収層として機能するもので、前記加熱用ヒータからの
輻射熱を吸収してスリーブの加熱を効率良く行なうこと
を目的とするものである。特に、含浸形陰極のように動
作温度が高い(約1000℃)場合の熱陰極構体におい
ては不可欠となるものである。
【0005】従来において、この黒色粗面層は、モリブ
デン(Mo)からなるスリーブ面に、たとえば蒸着等に
より数μm以上のアルミニゥム(Al)あるいはそれを
含む合金からなる堆積層を形成し、その後、非酸化性雰
囲気中で加熱することによって、Al3Moからなる金
属層を形成することによって構成している。
【0006】この黒色粗面層を備える熱陰極構体につい
ては、たとえば西独国特許第868026号明細書に詳
述されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成された陰極構体は、そのスリーブをいわゆる深
絞り加工によって形成し、その深絞り加工の前工程にお
いて、アルミニゥム蒸着層を形成している。
【0008】したがって、スリーブを構成する材料の表
面にアルミニゥム層が形成されている状態となるため、
硬さや加工特性がそれぞれ異なる材料が層状に配置され
たものとなる。
【0009】このことから、深絞り加工の段階で、前記
アルミニゥム蒸着層が部分的に剥がれたりし、これによ
り深絞り加工の後に熱処理を施して黒色粗面層を形成し
た場合にも、その層厚の均一なものが得られず、耐熱性
および熱吸収性の面で信頼性が乏しかったという問題点
が残されていた。
【0010】また、黒色粗面層の形成における熱処理に
よって、前記アルミニゥム蒸着層が部分的に蒸発してし
まい、やはり上述したような問題点が残されていた。
【0011】それ故、本発明はこのような事情に基づい
てなされたものであり、その目的とするところのもの
は、黒色粗面層が安定した状態で形成され、これにより
信頼性ある耐熱性および熱吸収性を備える熱陰極構体を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、基本的には、中心軸上に配置され
る加熱用ヒータを内臓しこの加熱用ヒータに対向する内
壁面に黒色粗面層が形成された円筒状のスリーブと、こ
のスリーブの一端に配置される熱陰極ペレット部とから
なり、前記スリーブはモリブデンから構成される熱陰極
構体において、前記黒色粗面層はアルミニュウムがイオ
ン打ち込みされたスリーブ面を熱処理することによって
形成されたものであることを特徴とするものである。
【0013】
【作用】このように、本発明は、そのスリーブの黒色粗
面層が、該スリーブ面にイオン打ち込みにより形成され
たアルミニゥム層を熱処理することによって形成された
ものである。
【0014】イオン打ち込みによって形成されたアルミ
ニゥム層は、スリーブを構成する材料の表面内部に浸透
して存在するため、該アルミニゥム層の硬さおよび加工
特性は主としてスリーブの材料に支配されることにな
る。
【0015】このため、深絞り加工の段階で前記アルミ
ニゥム層が極めて剥がれ難くなる。
【0016】また、黒色粗面層の形成における熱処理に
おいても、前記アルミニゥム層を形成するアルミニゥム
が蒸発され難くなる。
【0017】したがって、黒色粗面層が安定した状態で
形成され、これにより信頼性ある耐熱性および熱吸収性
を備えることができるようになる。
【0018】
【実施例】図5は、本発明による熱陰極構体が適用され
るカラーブラウン管の一実施例を示す一部破断構成図で
ある。
【0019】同図において、映像面側から、フェースパ
ネル21、蛍光体膜22、シャドウマスク23、電子銃
25がそれぞれ順次配置されている。そして、フェース
パネル21側からつぼまって電子銃25を内包するよう
にしてファネル26が設けられている。
【0020】ここで、電子銃25から放射された電子ビ
ーム27は、ファネル26の外面に配置された偏向ヨー
クの磁界で偏向作用を受け、シャドウマスク23を通過
して蛍光体膜22に照射されるようになっている。
【0021】図6は、図5に示した電子銃25の一実施
例を示す斜視図である。
【0022】電子銃25は、同じ構造の青電子銃25
B、赤電子銃25R、および緑電子銃25Gからなり、
各電子銃はそれぞれの中心軸が正三角形の各頂点に位置
付けられるように配置されたものである。
【0023】そして、これら各電子銃は、ガラス支持ビ
ード28によって固定され、その蛍光体膜22側(前方
部)にはコンバゼンス磁極29が設けられたものとなっ
ており、また、後方部にはベースが設けられたものとな
っている。
【0024】そして、図7は、図6におけるたとえば青
電子銃25Bを取りだして示した斜視分解構成図であ
る。円筒状からなる第1グリッドG1、第2グリッド
2、第3グリッドG3、第4グリッドG4が、それぞれ
中心軸を一致づけて配置され、前記第1グリッドG1
に、本実施例で特に改良された熱陰極構体1が内臓さ
れ、さらに、この熱陰極構体1内に加熱用ヒータ2が内
臓されている。
【0025】図1は、前記熱陰極構体1と、この陰極構
体1に内臓された加熱用ヒータ2のさらに詳細な構成を
示す断面図である。
【0026】同図において、電子銃の中心線と一致づけ
られて配置されたたとえばモリブデン(Mo)から構成
される円筒状のスリーブ11があり、このスリーブ11
内には加熱用ヒータ2が配置されている。そして、この
スリーブ11の前方部(加熱用ヒータ2の端子が取りだ
される側と反対側)にはカップ状の障壁層12Aと含浸
形熱陰極ペレット12Bとからなる熱陰極ペレット部1
2が配置されている。
【0027】熱陰極ペレット12Bは多孔質基体にBa
O−CaO−Al23からなるエミッタ剤が含浸されて
いる。
【0028】そして障壁層12Aは、該熱陰極ペレット
12Bの保持とBa,BaOの蒸発を防止するようにな
っている。
【0029】そして、この実施例では、特に、前記スリ
ーブ11の前記加熱用ヒータ2に対向する内壁面には、
該スリーブ11面にイオン打ち込みで形成されアルミニ
ゥム層を熱処理することにより得られる黒色粗面層13
が形成されている。
【0030】このように構成された熱陰極構体は、その
スリーブ11の黒色粗面層13が、該スリーブ11面に
イオン打ち込みにより形成されたアルミニゥム層を熱処
理することによって形成されたものである。
【0031】イオン打ち込みによって形成されたアルミ
ニゥム層は、スリーブを構成する材料の表面内部に浸透
して存在するため、該アルミニゥム層の硬さおよび加工
特性は主としてスリーブの材料に支配されることにな
る。
【0032】このため、深絞り加工の段階で前記アリミ
ニゥム層は極めて剥がれ難くなる。
【0033】また、黒色粗面層13の形成における熱処
理においても、前記アルミニゥム層を形成するアルミニ
ゥムは極めて蒸発され難くなる。このことは、たとえば
1×10~6Pa以下の高真空中で1150℃、5000
時間の連続加熱試験を実施した場合、該アルミニュムの
蒸着は全く認められないことが判明した。
【0034】したがって、黒色粗面層13が安定した状
態で形成され、これにより信頼性ある耐熱性および熱吸
収性を備えることができるようになる。
【0035】図3は、上記実施例のようにして構成され
る熱陰極構体1による効果を示す説明図であり、スリー
ブ11面に黒色粗面層が全く形成されていない場合、黒
色粗面層がアルミニゥム蒸着層の熱処理によって形成さ
れている場合と比較して示したものである。
【0036】同図において、横軸に温度(℃)を、縦軸
に熱輻射率をとっている。図中、特性Aに示したもの
が、本実施例によって得られた熱陰極構体であり、10
00℃に到るまで熱輻射率は高く維持され、その効果の
大きいことが判明する。また、本実施例による熱陰極構
体の黒色粗面層13は、極めて微細な凹凸構造からなっ
ており、いわゆるガス吸着法によって有効表面積の測定
を行なった結果、マクロ的表面積の約4.1倍の表面積
を有していることが知られた。
【0037】なお、同図において、特性Bに示したもの
はアルミニゥム蒸着層を熱処理によって黒色粗面層を形
成した場合、特性Cに示したものは黒色粗面層を全く形
成していない場合を示している。
【0038】次に、このように構成された熱陰極構体1
におけるスリーブ11の製造方法について、以下、図2
を用いて工程順に説明する。
【0039】工程1.同図(a) たとえば厚さ75μmからなるモリブデン(Mo)薄板
11Aを用意し、その一方の表面にアルミニゥム(A
l)をイオン打ち込みし、これによりAlイオン打ち込
み層13Aを形成する。イオン打ち込み装置としては大
容量イオン打ち込み装置を用い、300〜10000n
mの層厚で、好ましくは1010〜1022個/cm2、望
ましくは1018〜1022個/cm2のイオン密度を有す
るAlイオン打ち込み層13Aを形成する。
【0040】工程2.同図(b) このようにしてAlイオン打ち込み層13Aが形成され
たモリブデン(Mo)薄板11Aを、いわゆる深絞り加
工によって、所定寸法の円筒状スリーブ11を形成す
る。
【0041】この場合、Alイオン打ち込み層13Aが
形成された面が内壁面となるように前記スリーブ11を
形成する。
【0042】工程3.同図(c) スリーブ11を真空あるいは非酸化性雰囲気中の容器に
配置し、この容器内で500〜650℃の熱処理(第1
次熱処理)を約0.5時間行ない、ついで、同様の容器
内で750〜1100℃の熱処理(第2次熱処理)を約
0.5〜数時間行なう。このような順次熱処理によっ
て、モリブデン薄板11Aの表面には金属間化合物層
(AlMo3およびAlMo4)13Bが形成される。
【0043】ここで、アルミニゥムの融点(660℃)
以下の温度で第1次熱処理を施す理由は、該アルミニゥ
ムが急速な拡散や移動によって、不均一分布になるのを
防ぐためであり、この処理によってアルミニゥムがスリ
ーブ面近傍(深さ方向)に均一に固着されるようにな
る。また、第2次熱処理によって、モリブデンとアルミ
ニゥムの金属間化合物(AlMo3、Al3Mo、および
その他の中間生成物)13Cが形成される。高温度で安
定な金属間化合物はAlMo3であり、その他は図4に
示すAl−Mo系状態図から明らかなように不安定なも
のとなる。
【0044】工程4.同図(d) 前記スリーブ11を湿潤水素雰囲気中の容器に配置し、
この容器内で950〜1200℃の熱処理を1〜2時間
行なう。このような熱処理によって、モリブデン薄板1
1Aの表面には、AlMo3、Al−Moの酸化物、お
よびAl23からなる耐熱性に優れた黒色粗面層13が
得られる。
【0045】なお、このような熱処理においては、前工
程で生成されたAl3Moが安定なAlMo3に移行する
過程が見られる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明による熱陰極構体によれば、黒色粗面層が安定し
た状態で形成され、これにより信頼性ある耐熱性および
熱吸収性を備えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による熱陰極構体の一実施例を示す断
面図である。
【図2】 (a)ないし(d)は、本発明による陰極構
体の製造方法の一実施例を示す工程図である。
【図3】 本発明による陰極構体の効果を説明するため
の説明図である。
【図4】 Al−Mo系状態図を示す図である。
【図5】 本発明による熱陰極構体が適用されるカラー
ブラウン管の一実施例を示す一部破断構成図である。
【図6】 図6は、図5に示した電子銃25の一実施例
を示す斜視図である。
【図7】 図7は、図6におけるたとえば青電子銃25
Bを取りだして示した斜視分解構成図である。
【符号の説明】
1…熱陰極構体、2…加熱用ヒータ、11…スリーブ、
12A…障壁層、12B…熱陰極ペレット、12…熱陰
極ペレット部、13…黒色粗面層(イオン打ち込みで形
成されたAlの熱処理による)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心軸上に配置される加熱用ヒータを内
    臓しこの加熱用ヒータに対向する内壁面に黒色粗面層が
    形成された円筒状のスリーブと、このスリーブの一端に
    配置される熱陰極ペレット部とからなり、前記スリーブ
    はモリブデンから構成される熱陰極構体において、前記
    黒色粗面層はアルミニュウムがイオン打ち込みされたス
    リーブ面を熱処理することによって形成されたものであ
    ることを特徴とする熱陰極構体。
JP19512092A 1992-07-22 1992-07-22 熱陰極構体 Pending JPH0644892A (ja)

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JP19512092A JPH0644892A (ja) 1992-07-22 1992-07-22 熱陰極構体

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004505411A (ja) * 2000-07-21 2004-02-19 トムソン プラスマ 導電性材料で作られた電極を設けたガラスプレート

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004505411A (ja) * 2000-07-21 2004-02-19 トムソン プラスマ 導電性材料で作られた電極を設けたガラスプレート
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