JPH0643795B2 - シールドトンネルの構築方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は地下鉄等のトンネルの構築方法に関するもので
ある。

（従来の技術） 地下鉄等のトンネルは一般に開削工法によって施工され
るが、沿道に対しては公害発生源となり易いほか経済性
に欠けている。

この問題を解決するために、最近ではシールド工法が採
用されているが、これは一般に円形断面が採用され、一
次覆工としてセグメントが使用されている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、上記のシールド工法は、円形断面であるため空
間の有効利用が図れず、しかも一次覆工としてセグメン
トが使用されるため依然として工費がかかるという問題
があった。

また、このセグメントを使用しない工法として場所打ち
ライニング工法が提案されているが、これは狭い空間で
の鉄筋組立て作業に時間がかかるという問題があった。

本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、空間を有効利用できる断面で、しかも
経済的でかつ鉄筋の組立て作業が容易にでき、特にトン
ネルの長さ方向の鉄筋を強固に接続する施工方法を提供
することを最大の目的とすることである。

（問題点を解決するための手段） 以上の課題を達成するための本発明のシールドトンネル
の構築方法の要旨は、矩形状のシールドマシンと場所打
ちライニングとにより矩形断面のトンネルを施工するシ
ールドトンネルの施工方法であって、鉄筋篭が裏面に取
外し自在な金具を介して固定され、かつ前記鉄筋篭の縦
筋の端部近傍に開閉可能な開口部を備えた型枠装置を、
矩形状のシールドマシンテール部内側の周面方向に複数
個組み立てて矩形状の内型枠を形成した後、該内型枠の
鉄筋篭とトンネルの長さ方向に隣接して形成された既設
内型枠の鉄筋篭とを前記開口部を利用して接続して、該
内型枠とシールドマシンテール部との間にコンクリート
を打設し、該コンクリートを前記鉄筋篭の縦筋が貫通さ
れたプレスリングで加圧し、この加圧反力でシールド掘
進機を掘進させることに存する。

（作用） 而して、鉄筋篭が裏面に固定され、かつ開閉可能な開口
部を備えた型枠装置を、矩形状のシールドマシンテール
部内側の周面方向に複数個組み立てて矩形状の内型枠を
形成した後、該内型枠の鉄筋篭とトンネルの長さ方向に
隣接して形成された内型枠の鉄筋篭とを前記開口部を利
用して接続して、該内型枠とシールドマシンテール部と
の間にコンクリートを打設し、該コンクリートを前記鉄
筋篭の縦筋が貫通されたプレスリングで加圧し、この加
圧反力でシールド掘進機を掘進させることより、既設覆
工部から突出している縦筋と新設内型枠の鉄筋篭の縦筋
とを強固に接続することができるので、覆工の品質を確
保しつつ工期の短縮及び工費の節減を図ることでき、か
つ空間が有効利用できる断面矩形のトンネルを構築する
ことができる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図はトンネル構築時の全体の断面図、第２図は完成
したトンネルの断面図、第３図はトンネルの構築作業を
示す断面図、第４図はシールドマシンの反力伝達板の背
面図、第５図は本発明に使用する型枠装置を組立てた正
面図、第６図は型枠内にコンクリートを打設した断面
図、第７図は内型枠を組立てた断面図、第８図は型枠板
の正面図、第９図は型枠板の一部省略側面図である。

シールドマシン１は断面矩形であり、機体先端に刃口を
備えると共に、テール部２には掘進用の油圧ジャッキ１
４を有している。

また、このシールドマシンテール部２の内側に組立てら
れる型枠装置４は、適宜大きさの型枠板４ａの裏面にＵ
字金具８がボルト及びナットで取外可能に突設され、該
Ｕ字金具８に鉄筋篭３が溶接されている。

ここで前記型枠板４ａの裏面とは内型枠の外周面、すな
わちコンクリートと接する面をいう。

この鉄筋篭３はトンネルの長さ方向に連続的に配筋され
る上下２段の縦筋６と、該縦筋６に交差してトンネルの
周面方向へ配筋される主筋５とにより構成されている。

また、前記型枠板４ａは鉄筋篭３の縦筋６の端部近傍に
開閉自在な開口部９が設けられており、この開口部９か
ら隣接する型枠同士の鉄筋篭３の接続作業を行うもので
ある。

このような、シールドマシン１と型枠装置４とによりト
ンネル１８を構築するには、先ずシールドマシン１によ
り立坑１６から横坑を掘削し、一覆工分掘削した後にシ
ールドマシンテール部２内の周面方向に、鉄筋籠３を装
着した型枠装置４を順次組み立てて内型枠４ｂを形成す
る。

この時鉄筋篭３における周面方向の主鉄筋５は継ぎ手部
を重ね合わせて接続する。

次に、型枠装置４における開閉自在な開口部９を利用し
て型枠装置４同士がトンネルの長さ方向に隣接する未接
続の縦筋６をカプラー１０などの金具により接続して鉄
筋篭３を連結する。

よって、この内型枠４ｂと、シールドマシンテール部２
と、油圧ジャッキ１４の反力伝達板１１とで囲まれた覆
工空間１２が形成され、該覆工空間１２に現場打ちコン
クリート１３を打設すると共に、油圧ジャッキ１４で前
記コンクリート１３を加圧し、この加圧による反力でシ
ールドマシン１の掘進を行うものである。

この際シールドマシンテール部２の後部の空隙１５は押
し出されたコンクリート１３によって充填される。

このような覆工作業を順次繰り返すことにより、セグメ
ントを使用することなく矩形断面のトンネルが構築でき
る。

なお、コンクリート１３の加圧と矩形状のシールドマシ
ン１の掘進によって内型枠４ｂの接続箇所とコンクリー
トの打ち継ぎ面２４とに差ができるので、１覆工分の型
枠支保工７の組み立てに先立って開口部９を利用してコ
ンクリート打ち継ぎ端部に主鉄筋５を補うための補足鉄
筋２３を挿入しておく。

１５ａは完成した躯体構造物、１７は打設中の躯体構造
物、１８は完成したシールドトンネル、１９は次回解体
して転用する型枠、２０は反力伝達板１１に穿ってトン
ネル方向の鉄筋を貫通するための孔、２１は油圧ジャッ
キの受け金具、２２は資材の搬出入用の空間、２４はコ
ンクリート打ち継ぎ面、２５はナット、２６は型枠装置
の継手部を示すものである。

（発明の効果） 本発明は以上のような構成にしたことにより、下記の効
果を有する。

鉄筋篭が裏面に取外し自在な金具を介して固定さ
れ、かつ開閉可能な開口部を備えた型枠装置を、矩形状
のシールドマシンテール部内側の周面方向に複数個組み
立てて矩形状の内型枠を形成して現場打ちにてトンネル
をライニングしたことにより、内型枠の組立てと鉄筋の
組立作業が同時にできるので、セグメントを使用せずに
トンネルを短期間かつ経済的に構築することができる。

隣接する鉄筋篭の縦筋を開口部を利用して容易に接
続することが出来るので、縦筋をトンネルの長さ方向に
１本の連続筋として配筋することができる。

内型枠内に打設されたコンクリートを前記鉄筋篭の
縦筋が貫入されたプレスリングで加圧し、この加圧反力
でシールド掘進機を掘進させることにより、覆工空間に
設置された鉄筋かごに掘進反力を伝達することなくプレ
スリングで打設コンクリートが加圧することができる。
また、既設鉄筋篭の縦筋を既設覆工部分から突出させる
ことができるので、次工程分の縦筋の接続作用が容易に
できる。

矩形状のシールドマシンを使用することにより、ト
ンネル空間の有効利用が図れる断面矩形のトンネルが構
築できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はシールドマシンの掘進状態を示す断面図、第２
図は完成したトンネルの断面図、第３図はトンネルの構
築作業を示す断面図、第４図はシールドマシンの反力伝
達板の背面図、第５図は本発明に使用する型枠装置を組
立てた正面図、第６図は型枠内にコンクリートを打設し
た断面図、第７図は内型枠を組み立てた断面図、第８図
は型枠装置の正面図、第９図は型枠装置の一部省略側面
図である。 １：シールドマシン、２：シールドマシンテール部、
３：鉄筋篭、４：型枠装置、４ａ：型枠板、５：主鉄
筋、６：縦筋、７：型枠支保工、８：Ｕ字金具、９：開
口部、１０：カプラー、１１：反力伝達板、１２：覆工
空間、１３：コンンクリート、１４：油圧ジャッキ、１
５：空隙、１６：立坑

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】矩形状のシールドマシンと場所打ちライニ
   ングとにより矩形断面のトンネルを施工するシールドト
   ンネルの施工方法であって、鉄筋篭が裏面に取外し自在
   な金具を介して固定され、かつ前記鉄筋篭の縦筋の端部
   近傍に開閉可能な開口部を備えた型枠装置を、矩形状の
   シールドマシンテール部内側の周面方向に複数個組み立
   てて矩形状の内型枠を形成した後、該内型枠の鉄筋篭と
   トンネルの長さ方向に隣接して形成された既設内型枠の
   鉄筋篭とを前記開口部を利用して接続して、該内型枠と
   シールドマシンテール部との間にコンクリートを打設
   し、該コンクリートを前記鉄筋篭の縦筋が貫通されたプ
   レスリングで加圧し、この加圧反力でシールド掘進機を
   掘進させることを特徴とするシールドトンネルの構築方
   法。