JPH0643663U - 蒸発の様子を視覚的に把握できる蒸発計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蒸発の様子を気泡や円盤の動きによって視覚
的にとらえ、かつ水位低下量から随時蒸発量を読み取る
ことができる蒸発計。 【構成】 水の入った目盛り付き透明円筒１に円盤５を
入れ、孔穴１１を配した栓４を嵌合し、栓４を下にして
蒸発シート８の上に若干の間隙をあけて据え置く。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は、蒸発の様子を視覚的に把握でき、かつ随時蒸発量の読み取りを可能と した蒸発計に関する。実生活での利用のほか蒸発に関連した理科の実験学習等に も好適である。

【０００２】

【従来の技術】

従来の蒸発計は、百葉箱などと共に芝生の露場といわれる場所に設置されてお り一般にはあまり利用されていない。なおこの蒸発計は直径２０ｃｍの容器に一 定量の水を入れておき、２４時間後に水位を回復させるに要する注水量を計測す ることによって蒸発量を測定していた。このため測定するたびに計量桝と注水用 の水が不可欠であり、また２４時間に１回の測定値では実生活にはほとんど役立 たなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

実生活でも使用できるよう構造が簡単で測定も容易なものとし、かつ蒸発の様 子を視覚的に把握できると共に、随時蒸発量を読み取れる蒸発計を提供すること を目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

片方が閉止した透明な目盛つき円筒１に水を満たし、その口部に孔穴１１を複 数個有した栓４を嵌合し、吸水性のある蒸発シート８の上に栓４を下にして据え る。このとき孔穴１１と蒸発シート８との間には、若干の間隙をあける。また円 筒１内には気泡の浮力で動く円盤５を入れておく。

【０００５】

【作用】

水が円筒１内から流下し蒸発シート８が十分湿潤状態となると、蒸発シート８ と孔穴１１との間に水膜が形成され空隙を埋める。すると孔穴１１から円筒１内 への空気の流入が止まるため、水の流下が停止する。湿潤状態となった蒸発シー ト８の水が徐々に蒸発すると、シートの含水量が低下するため、孔穴１１との間 に形成されていた水膜が切れ、蒸発シート８と孔穴１１との間に空隙が生じる。 すると空気が孔穴１１より流入し気泡となって円筒１内を上昇、入れ代わりに同 量の水が孔穴１１より蒸発シート８上に流下する。水が流下すると蒸発シート８ は再び湿潤状態となり孔穴１１との間の空隙を埋め、空気の流入および水の流下 が停止する。 本作用の繰り返しによって、蒸発量に相当する水が、ほぼ一定の 間隔で円筒１より供給されるため、蒸発量に呼応して円筒１内の水位も徐々に低 下する。また気泡が円筒内を上昇する際、その浮力で円筒内の円盤５を押し上げ るため、蒸発の状況が視覚的に確認できる。

【０００６】

【実施例】

以下図面に示す実施例について詳細に説明する。

【図１】は本考案の斜視図である。１は上部が閉止した透明円筒、２は測定開 始時の水位を示す輪ゴム、３は目盛り、４はつばの付いた栓である。５は気泡の 浮力で動揺するドーナツ状円盤で、栓４に固定した軸棒７に通しておく。８は蒸 発シートで、布、紙あるいは素焼きの焼物等の吸水性材料を用いる。

【図２】は栓４の断面図、

【図３】は同じく栓４の下面の斜視図を示す。栓の 底面９はつば状の脚部１０より約１ｍｍほど上げておき、またこの底面９の周縁 部には直径数ミリの孔穴１１を数個開けておく。なお脚部１０には空気の流通を 容易とする切欠き１２を設けておく。

【０００７】 円筒１の目盛り３は容積目盛のほかに、気象観測基準に準じた目盛もつけてお くと、気象観測のデータと対比するのに都合が良い。なお気象観測の場合は直径 ２０ｃｍの円筒からの蒸発量を基準にしているので、それに従う場合は蒸発シー トの直径を約２０ｃｍとすれば良い。

【０００８】 蒸発量の計測を行うには、透明円筒１に水を入れ、栓４を取付け、これを蒸発 シート８の上に

【図１】のように置く。すると空気が孔穴１１より流入し気泡と なって円筒１内を上昇、入れ代わりに円筒１内の水が孔穴１１より流下する。水 の供給により蒸発シート８が十分湿潤状態となると、蒸発シート８と孔穴１１と の間に水膜が形成され、両者間の空隙を埋めるため、空気の流入が止まり水の流 下が停止する。蒸発シート８の水が徐々に蒸発すると、シートの含水量低下によ り、孔穴１１との間に形成されていた水膜が切れ、空隙が生じるため、再び空気 が孔穴１１より流入し入れ代わりに同量の水が孔穴１１より蒸発シート８上に流 下する。すると蒸発シート８は再び湿潤状態に戻るため、空気の流入および水の 流下が停止する。本作用の繰り返しによって、蒸発量に相当した水が円筒１より 供給されるため、蒸発量に呼応して円筒１内の水位も徐々に低下する。 測定は蒸発シート８が十分湿潤状態となった時点から開始し、輪ゴム２を開始 水位にセットすることにより、その後の水位低下量すなわち蒸発量が随時把握で きる。また気泡が円筒内を上昇する際、その浮力で円筒内の円盤５を押上げるた め、その動きによって蒸発の状況を視覚的に確認できる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は構造が簡単で測定も容易なため実生活でも使用できる。また、短時間 の蒸発の様子を視覚的に把握でき、かつ蒸発量を随時読み取ることが可能である 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す斜視図である。

【図２】実施例における栓の断面図である。

【図３】実施例における栓の下面を示した斜視図であ
る。

【符号の説明】

１・・・透明円筒 ２・・・輪ゴム ３・・・目盛り ４・・・栓 ５・・・円盤 ６・・・気泡 ７・・・軸棒 ８・・・蒸発シート ９・・・栓の底面 １０・・・栓の脚部 １１・・・孔穴 １２・・・脚部の切欠き １３・・・平板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 気泡の浮力で動く円盤（５）を入れた片
   方が閉止した透明な目盛つき円筒（１）に、孔穴（１
   １）を配した栓（４）を嵌合し、吸水性に富んだ蒸発シ
   ート（８）の上に栓（４）を下にして据える蒸発計。