JPH0643166A - 歯周疾患診断用抗体及び該抗体を利用した歯周疾患診断法 - Google Patents
歯周疾患診断用抗体及び該抗体を利用した歯周疾患診断法Info
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- JPH0643166A JPH0643166A JP21715592A JP21715592A JPH0643166A JP H0643166 A JPH0643166 A JP H0643166A JP 21715592 A JP21715592 A JP 21715592A JP 21715592 A JP21715592 A JP 21715592A JP H0643166 A JPH0643166 A JP H0643166A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 歯周疾患原因菌の菌体表層由来多糖と特異的
に反応する抗体、特に該多糖又は該多糖のポリペプチド
を結合させたものを抗原として動物に免疫することによ
って得られる抗体を、被検者からの検体と反応させて、
検体中の歯周疾患原因菌を検出又は測定する。 【効果】 本発明の歯周疾患診断用抗体を用いれば、歯
周疾患原因菌により発症した歯周疾患患者のプラーク
(歯垢)、歯肉溝液、唾液などの検体中の該菌の存否並
びに多寡を確実にかつ高感度で測定することができ、原
因菌の感染状況や病態、あるいは治療過程を確実に知る
ことができる。更に、複数の歯周疾患原因菌由来の抗体
を用いればどの原因菌に起因する疾患であるかを知るこ
とができ、治療及び再発防止法の選択が容易になる。
に反応する抗体、特に該多糖又は該多糖のポリペプチド
を結合させたものを抗原として動物に免疫することによ
って得られる抗体を、被検者からの検体と反応させて、
検体中の歯周疾患原因菌を検出又は測定する。 【効果】 本発明の歯周疾患診断用抗体を用いれば、歯
周疾患原因菌により発症した歯周疾患患者のプラーク
(歯垢)、歯肉溝液、唾液などの検体中の該菌の存否並
びに多寡を確実にかつ高感度で測定することができ、原
因菌の感染状況や病態、あるいは治療過程を確実に知る
ことができる。更に、複数の歯周疾患原因菌由来の抗体
を用いればどの原因菌に起因する疾患であるかを知るこ
とができ、治療及び再発防止法の選択が容易になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯周疾患の診断用抗体及
びその抗体を利用した歯周疾患診断法に関する。更に詳
しくは、ヒト被検者からの検体中に歯周疾患原因菌が存
在するか否かを判定することにより、歯周疾患の病態を
確実にかつ簡便にしかも迅速に診断することができる歯
周疾患の診断法及びこれに用いる試薬(歯周疾患診断用
抗体)に関する。
びその抗体を利用した歯周疾患診断法に関する。更に詳
しくは、ヒト被検者からの検体中に歯周疾患原因菌が存
在するか否かを判定することにより、歯周疾患の病態を
確実にかつ簡便にしかも迅速に診断することができる歯
周疾患の診断法及びこれに用いる試薬(歯周疾患診断用
抗体)に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、歯周疾患診断のための手段として、歯周疾患原因菌
の存否並びに多寡を知るために種々の方法が提案されて
いる。例えば、歯周疾患患者のプラーク(歯垢)、歯肉
溝液及び唾液などを培養することにより菌を検出し、更
に詳細な生化学的性状を調べることにより歯周疾患原因
菌を同定し、その菌数を測定する方法が知られている。
しかし、かかる方法は、かなりの時間と煩雑な操作並び
に多大な労力を必要とするため、一般に広く普及されて
いない。
り、歯周疾患診断のための手段として、歯周疾患原因菌
の存否並びに多寡を知るために種々の方法が提案されて
いる。例えば、歯周疾患患者のプラーク(歯垢)、歯肉
溝液及び唾液などを培養することにより菌を検出し、更
に詳細な生化学的性状を調べることにより歯周疾患原因
菌を同定し、その菌数を測定する方法が知られている。
しかし、かかる方法は、かなりの時間と煩雑な操作並び
に多大な労力を必要とするため、一般に広く普及されて
いない。
【0003】このため、ポルフィロモナス(バクテロイ
デス)・ジンジバリスに対するモノクローナル抗体を利
用した歯周疾患診断法(特開昭60−73463号公
報)、ポルフィロモナス・ジンジバリスの線毛抗原に対
する抗体を感作させたラテックス粒子を用いた該菌の検
出方法(特開平2−107970号公報)が提案されて
いる。
デス)・ジンジバリスに対するモノクローナル抗体を利
用した歯周疾患診断法(特開昭60−73463号公
報)、ポルフィロモナス・ジンジバリスの線毛抗原に対
する抗体を感作させたラテックス粒子を用いた該菌の検
出方法(特開平2−107970号公報)が提案されて
いる。
【0004】しかし、モノクローナル抗体を利用する方
法は、抗体調製のための操作が煩雑で、抗体の維持が難
しいなどの問題点がある。また、線毛を抗原とする場
合、その抗原がタンパク質であるため精製が難しく、そ
れ故他菌種との交差反応が否定できない。
法は、抗体調製のための操作が煩雑で、抗体の維持が難
しいなどの問題点がある。また、線毛を抗原とする場
合、その抗原がタンパク質であるため精製が難しく、そ
れ故他菌種との交差反応が否定できない。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
歯周疾患原因菌を特異的に確実に検出又は測定すること
ができる歯周疾患診断用抗体及びこの抗体を用いて歯周
疾患患者の検体中の歯周疾患原因菌を検出又は測定する
ことにより、歯周疾患の病態を確実に診断することがで
きる歯周疾患診断法を提供する。
歯周疾患原因菌を特異的に確実に検出又は測定すること
ができる歯周疾患診断用抗体及びこの抗体を用いて歯周
疾患患者の検体中の歯周疾患原因菌を検出又は測定する
ことにより、歯周疾患の病態を確実に診断することがで
きる歯周疾患診断法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を進めた結果、歯周疾患
原因菌の菌体表層由来の多糖と特異的に反応する抗体、
特に歯周疾患原因菌の菌体表層多糖抗原を動物に免疫す
ることによって得られる抗体、とりわけ該表層多糖にポ
リペプチドを結合させた標品を抗原として動物に免疫す
ることによって得られる抗体を用いることにより、歯周
疾患患者のプラーク(歯垢)、唾液、歯肉溝液などの検
体中の歯周疾患原因菌の存否並びに多寡を確実に検出す
ることができ、とりわけ上記菌体表層多糖にBSA(牛
血清アルブミン)などのポリペプチドを結合させたもの
を動物に免疫して得られた抗体は歯周疾患原因菌との反
応性が著しく向上し、高感度で該原因菌を検出できるこ
とを知見し、本発明をなすに至った。
記目的を達成するため鋭意検討を進めた結果、歯周疾患
原因菌の菌体表層由来の多糖と特異的に反応する抗体、
特に歯周疾患原因菌の菌体表層多糖抗原を動物に免疫す
ることによって得られる抗体、とりわけ該表層多糖にポ
リペプチドを結合させた標品を抗原として動物に免疫す
ることによって得られる抗体を用いることにより、歯周
疾患患者のプラーク(歯垢)、唾液、歯肉溝液などの検
体中の歯周疾患原因菌の存否並びに多寡を確実に検出す
ることができ、とりわけ上記菌体表層多糖にBSA(牛
血清アルブミン)などのポリペプチドを結合させたもの
を動物に免疫して得られた抗体は歯周疾患原因菌との反
応性が著しく向上し、高感度で該原因菌を検出できるこ
とを知見し、本発明をなすに至った。
【0007】従って、本発明は、歯周疾患原因菌の菌体
表層由来多糖と特異的に反応する抗体、特に歯周疾患原
因菌の菌体表層由来多糖あるいはこの菌体表層由来多糖
にポリペプチドを結合させた抗原を動物に免疫すること
によって得られる抗体からなることを特徴とする歯周疾
患診断用抗体、及び、この診断用抗体をヒト被検者から
の検体と反応させることによって検体中の歯周疾患原因
菌を検出又は測定することを特徴とする歯周疾患診断法
を提供する。
表層由来多糖と特異的に反応する抗体、特に歯周疾患原
因菌の菌体表層由来多糖あるいはこの菌体表層由来多糖
にポリペプチドを結合させた抗原を動物に免疫すること
によって得られる抗体からなることを特徴とする歯周疾
患診断用抗体、及び、この診断用抗体をヒト被検者から
の検体と反応させることによって検体中の歯周疾患原因
菌を検出又は測定することを特徴とする歯周疾患診断法
を提供する。
【0008】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の歯周疾患診断用抗体(試薬)は、上述した
ように歯周疾患原因菌の菌体表層由来多糖と特異的に反
応する抗体である。
と、本発明の歯周疾患診断用抗体(試薬)は、上述した
ように歯周疾患原因菌の菌体表層由来多糖と特異的に反
応する抗体である。
【0009】ここで、歯周疾患原因菌とは、一般的に歯
周疾患と病因論的因果関係が深いと考えられているアク
チノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス,ポルフ
ィロモナス・ジンジバリス,プレボテーラ・インターメ
ディア,フゾバクテリウム・ヌクレアタム,キャプノサ
イトファガ属菌種、オイケネラ・コローデンス,ボリネ
ラ・レクタ,バクテロイデス・フォーサイサス,トレポ
ネーマ・デンティコーラなどのスピロヘータ等をいう。
周疾患と病因論的因果関係が深いと考えられているアク
チノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス,ポルフ
ィロモナス・ジンジバリス,プレボテーラ・インターメ
ディア,フゾバクテリウム・ヌクレアタム,キャプノサ
イトファガ属菌種、オイケネラ・コローデンス,ボリネ
ラ・レクタ,バクテロイデス・フォーサイサス,トレポ
ネーマ・デンティコーラなどのスピロヘータ等をいう。
【0010】上記抗体としては、これら歯周疾患原因菌
の菌体表層由来多糖、より好ましくは該表層多糖にポリ
ペプチドを結合したものを抗原とし、これを動物に免疫
することによって得られる抗体が好適に使用される。
の菌体表層由来多糖、より好ましくは該表層多糖にポリ
ペプチドを結合したものを抗原とし、これを動物に免疫
することによって得られる抗体が好適に使用される。
【0011】この場合、歯周疾患原因菌の菌体表層由来
多糖は、周知の方法で調製することができる。例えば培
養した菌体をオートクレーブ処理する方法、菌体に亜硝
酸を作用させて抽出する方法、菌体からフェノール・水
抽出する方法などが利用できる。また、化学構造が既知
の菌体表層由来多糖、例えば次の一般式(a),
(b),(c)で示されるアクチノバチルス・アクチノ
マイセテムコミタンスの血清型特異多糖などの場合は、
菌体から抽出する方法の他に単糖などより化学的に合成
した多糖あるいは糖鎖工学的手法を用いて合成した多糖
を用いることも可能である。
多糖は、周知の方法で調製することができる。例えば培
養した菌体をオートクレーブ処理する方法、菌体に亜硝
酸を作用させて抽出する方法、菌体からフェノール・水
抽出する方法などが利用できる。また、化学構造が既知
の菌体表層由来多糖、例えば次の一般式(a),
(b),(c)で示されるアクチノバチルス・アクチノ
マイセテムコミタンスの血清型特異多糖などの場合は、
菌体から抽出する方法の他に単糖などより化学的に合成
した多糖あるいは糖鎖工学的手法を用いて合成した多糖
を用いることも可能である。
【0012】
【化1】
【0013】なお、上記化合物(a),(b)及び
(c)は、それぞれアクチノバチルス・アクチノマイセ
テムコミタンスの血清型a,b及びcの菌から調製する
ことができ、この場合血清型aの株としてはアクチノバ
チルス・アクチノマイセテムコミタンスATCC295
23,SUNYaB75など、血清型bの株としてはY
4,ATCC29522など、血清型cの株としてはN
CTC9710、SUNYaB67などが挙げられる。
(c)は、それぞれアクチノバチルス・アクチノマイセ
テムコミタンスの血清型a,b及びcの菌から調製する
ことができ、この場合血清型aの株としてはアクチノバ
チルス・アクチノマイセテムコミタンスATCC295
23,SUNYaB75など、血清型bの株としてはY
4,ATCC29522など、血清型cの株としてはN
CTC9710、SUNYaB67などが挙げられる。
【0014】一方、上記歯周疾患原因菌の菌体表層多糖
と結合させるポリペプチドは、特に限定されるものでは
ないが、安価で多糖と結合させて免疫抗原とした際に多
糖に対する抗体価を著しく増大させるポリペプチドであ
るものが好ましい。この目的のために使用されるポリペ
プチドとしては、BSA(牛血清アルブミン)、卵白ア
ルブミンなどの各種アルブミン、γ−グログリン、カゼ
イン,ビオチン,コレラトキシンBサブユニット,フェ
リチン,トランスフェリン,チトクロームC,ミオシン
などが挙げられる。
と結合させるポリペプチドは、特に限定されるものでは
ないが、安価で多糖と結合させて免疫抗原とした際に多
糖に対する抗体価を著しく増大させるポリペプチドであ
るものが好ましい。この目的のために使用されるポリペ
プチドとしては、BSA(牛血清アルブミン)、卵白ア
ルブミンなどの各種アルブミン、γ−グログリン、カゼ
イン,ビオチン,コレラトキシンBサブユニット,フェ
リチン,トランスフェリン,チトクロームC,ミオシン
などが挙げられる。
【0015】菌体表層多糖とポリペプチドの結合方法
は、一般的な多糖とポリペプチドとを結合する方法が用
いられ、多糖とポリペプチドを結合することができ、し
かも多糖の抗原性が変化しない方法であればどのような
結合方法を用いてもいっこうに差し支えない。具体的に
は、吸着法、共有結合法のいずれの方法でも結合できる
が、結合力の強さの点から、共有結合法がより好まし
い。多糖とポリペプチドを共有結合させる方法は多くの
様式が知られているが、いずれの様式も利用できる。例
えば多糖を臭化シアンで活性化した後、ポリペプチドを
結合させる方法、多糖に芳香族アミノ基を導入した後、
ポリペプチドの芳香族基とジアゾ結合させる方法、多糖
にアミノ基を導入した後、ポリペプチドのアミノ基と反
応させてシッフ塩基を形成させる方法、多糖とトレシル
クロリドを反応させた後ポリペプチドのアミノ基やチオ
ール基と結合させるトレシルクロリド法などが挙げられ
る。
は、一般的な多糖とポリペプチドとを結合する方法が用
いられ、多糖とポリペプチドを結合することができ、し
かも多糖の抗原性が変化しない方法であればどのような
結合方法を用いてもいっこうに差し支えない。具体的に
は、吸着法、共有結合法のいずれの方法でも結合できる
が、結合力の強さの点から、共有結合法がより好まし
い。多糖とポリペプチドを共有結合させる方法は多くの
様式が知られているが、いずれの様式も利用できる。例
えば多糖を臭化シアンで活性化した後、ポリペプチドを
結合させる方法、多糖に芳香族アミノ基を導入した後、
ポリペプチドの芳香族基とジアゾ結合させる方法、多糖
にアミノ基を導入した後、ポリペプチドのアミノ基と反
応させてシッフ塩基を形成させる方法、多糖とトレシル
クロリドを反応させた後ポリペプチドのアミノ基やチオ
ール基と結合させるトレシルクロリド法などが挙げられ
る。
【0016】上記抗原を動物に免疫する方法としては、
皮下注射、筋肉注射、口腔内注射、静脈注射、経鼻投
与、経口投与、経口腔粘膜投与などの方法を採用でき
る。また、抗体力価を上げるために、フロイントのコン
プリートアジュバント、インコンプリートアジュバン
ト、コレラトキシンBサブユニットなどのアジュバント
と共に免疫する方法も適宜利用できる。免疫される動物
としては、ウサギ,ヤギ,ヒツジ,ウシ,ウマ等の哺乳
動物やニワトリ,カモ,ダチョウ,アヒル,ウズラ等の
家禽類が挙げられる。また、免疫する抗原は上述した抗
原の1種を単独に用いても、あるいは2種以上を組み合
わせて使用することも可能である。
皮下注射、筋肉注射、口腔内注射、静脈注射、経鼻投
与、経口投与、経口腔粘膜投与などの方法を採用でき
る。また、抗体力価を上げるために、フロイントのコン
プリートアジュバント、インコンプリートアジュバン
ト、コレラトキシンBサブユニットなどのアジュバント
と共に免疫する方法も適宜利用できる。免疫される動物
としては、ウサギ,ヤギ,ヒツジ,ウシ,ウマ等の哺乳
動物やニワトリ,カモ,ダチョウ,アヒル,ウズラ等の
家禽類が挙げられる。また、免疫する抗原は上述した抗
原の1種を単独に用いても、あるいは2種以上を組み合
わせて使用することも可能である。
【0017】なお、抗体の精製は、通常の精製法に従う
ことができ、血清や乳汁、あるいは卵から分離すること
ができる。抗体精製法としては、塩析法、ゲル濾過法、
イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマト
グラフィーなどを用いることができる。
ことができ、血清や乳汁、あるいは卵から分離すること
ができる。抗体精製法としては、塩析法、ゲル濾過法、
イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマト
グラフィーなどを用いることができる。
【0018】本発明おいて、歯周疾患原因菌の菌体表層
由来多糖と特異的に反応する抗体としては、上述した抗
体以外にモノクローナル抗体を利用することも可能であ
る。このモノクローナル抗体としては、例えば上記菌体
表層多糖又はポリペプチドを結合した上記菌体表層多糖
をマウスに免疫し、この脾細胞を取り出し、マウス骨髄
腫細胞とポリエチレングリコール等を用いて細胞融合さ
せ、クローニングした後、該菌体表層多糖抗原と特異的
に反応するモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マを選択し、このハイブリドーマの培養上清等から調製
したものを使用することができる。
由来多糖と特異的に反応する抗体としては、上述した抗
体以外にモノクローナル抗体を利用することも可能であ
る。このモノクローナル抗体としては、例えば上記菌体
表層多糖又はポリペプチドを結合した上記菌体表層多糖
をマウスに免疫し、この脾細胞を取り出し、マウス骨髄
腫細胞とポリエチレングリコール等を用いて細胞融合さ
せ、クローニングした後、該菌体表層多糖抗原と特異的
に反応するモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マを選択し、このハイブリドーマの培養上清等から調製
したものを使用することができる。
【0019】本発明抗体を用いて検体中の歯周疾患原因
菌を測定する方法としては、一般的な抗原抗体反応に基
づく抗原の検出測定法がそのまま利用できる。例えばオ
クテロニー法、免疫電気泳動法、受身赤血球凝集反応
法、菌体凝集法、ラテックス凝集法、ELISA法など
が挙げられるが、簡便かつ迅速に検出するならばラテッ
クス凝集法が、原因菌の多寡を精度よく測定するならば
ELISA法が好ましい。なお、ヒト被検者からの検体
としては、プラーク(歯垢)、歯肉縁下プラーク、歯肉
溝液、唾液等が用いられる。検体は、そのまま本発明抗
体と反応させてもよく、また、検体をオートクレーブ処
理、亜硝酸処理などの方法で処理して菌体表層多糖を抽
出した後、反応させることもできる。
菌を測定する方法としては、一般的な抗原抗体反応に基
づく抗原の検出測定法がそのまま利用できる。例えばオ
クテロニー法、免疫電気泳動法、受身赤血球凝集反応
法、菌体凝集法、ラテックス凝集法、ELISA法など
が挙げられるが、簡便かつ迅速に検出するならばラテッ
クス凝集法が、原因菌の多寡を精度よく測定するならば
ELISA法が好ましい。なお、ヒト被検者からの検体
としては、プラーク(歯垢)、歯肉縁下プラーク、歯肉
溝液、唾液等が用いられる。検体は、そのまま本発明抗
体と反応させてもよく、また、検体をオートクレーブ処
理、亜硝酸処理などの方法で処理して菌体表層多糖を抽
出した後、反応させることもできる。
【0020】
【発明の効果】本発明の歯周疾患診断用抗体を用いれ
ば、歯周疾患原因菌により発症した歯周疾患患者のプラ
ーク(歯垢)、歯肉溝液、唾液などの検体中の該菌の存
否並びに多寡を確実にかつ高感度で測定することがで
き、原因菌の感染状況や病態、あるいは治療過程を確実
に知ることができる。更に、複数の歯周疾患原因菌由来
の抗体を用いればどの原因菌に起因する疾患であるかを
知ることができ、治療及び再発防止法の選択が容易にな
る。
ば、歯周疾患原因菌により発症した歯周疾患患者のプラ
ーク(歯垢)、歯肉溝液、唾液などの検体中の該菌の存
否並びに多寡を確実にかつ高感度で測定することがで
き、原因菌の感染状況や病態、あるいは治療過程を確実
に知ることができる。更に、複数の歯周疾患原因菌由来
の抗体を用いればどの原因菌に起因する疾患であるかを
知ることができ、治療及び再発防止法の選択が容易にな
る。
【0021】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。 (1)菌体表層多糖の調製 アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンスY4
株を1%酵母エキスを加えたトッドヘビットブロスに接
種し、5%CO2を含むインキュベーター中で37℃,
3日間培養した。集菌後、生理食塩水で3回洗浄して生
理食塩水に懸濁し、121℃,15分間オートクレーブ
処理を行った。冷却後、10,000×gで20分間遠
心して上清を分取し、沈渣には再度生理食塩水を加えて
上述の抽出操作を繰り返した。得られた上清を集め、蒸
留水に対して十分透析し、凍結乾燥した。これを菌体表
層多糖とした。
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。 (1)菌体表層多糖の調製 アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンスY4
株を1%酵母エキスを加えたトッドヘビットブロスに接
種し、5%CO2を含むインキュベーター中で37℃,
3日間培養した。集菌後、生理食塩水で3回洗浄して生
理食塩水に懸濁し、121℃,15分間オートクレーブ
処理を行った。冷却後、10,000×gで20分間遠
心して上清を分取し、沈渣には再度生理食塩水を加えて
上述の抽出操作を繰り返した。得られた上清を集め、蒸
留水に対して十分透析し、凍結乾燥した。これを菌体表
層多糖とした。
【0022】また、上記と同様の方法で、ポルフィロモ
ナス・ジンジバリス381株、プレボテーラ・インター
メディアATCC33563株,トレポネ−マ・デンテ
ィコーラATCC33405株の各培養菌体から、菌体
表層多糖を調製した。
ナス・ジンジバリス381株、プレボテーラ・インター
メディアATCC33563株,トレポネ−マ・デンテ
ィコーラATCC33405株の各培養菌体から、菌体
表層多糖を調製した。
【0023】(2)菌体表層多糖とポリペプチドの結合 前記調製した各菌体表層多糖を臭化シアンで活性化した
後、アジピン酸ジヒドラジドと反応させてアミノ基を付
与した。更に、カルボジイミド法により牛血清アルブミ
ン(BSA)と結合させた。以下、この抗原を菌体表層
多糖−BSAと表わす。
後、アジピン酸ジヒドラジドと反応させてアミノ基を付
与した。更に、カルボジイミド法により牛血清アルブミ
ン(BSA)と結合させた。以下、この抗原を菌体表層
多糖−BSAと表わす。
【0024】(3)抗体の調製 前記調製した多糖抗原を家兎に免疫して抗体を得た。免
疫の方法は通常行われている方法に準じて行った。即
ち、初回免疫は、多糖抗原1mgをフロイントコンプリ
ートアジュバントと共に皮下注射した。その後7日毎に
計4回多糖抗原2mgを耳静脈内に投与した。得られた
抗血清は50%硫安で2回塩析後、生理食塩水で透析
し、抗体標品とした。
疫の方法は通常行われている方法に準じて行った。即
ち、初回免疫は、多糖抗原1mgをフロイントコンプリ
ートアジュバントと共に皮下注射した。その後7日毎に
計4回多糖抗原2mgを耳静脈内に投与した。得られた
抗血清は50%硫安で2回塩析後、生理食塩水で透析
し、抗体標品とした。
【0025】(4)抗体の評価菌体表層多糖免疫家兎血清抗体及び菌体表層多糖−BS
A免疫家兎血清抗体の菌体凝集活性 前記のように調製した各種抗体標品の菌体凝集活性を測
定した。アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタ
ンスY4株、ポルフィロモナス・ジンジバリス381
株、ストレプトコッカス・サンギス(Streptoc
occus sanguis)ATCC10556株、
ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptoc
occus salivarius)ATCC1341
9株をそれぞれ対数増殖期後期まで培養し、集菌後、生
理食塩水で3回洗浄して、濁度がOD550nm=1.0と
なるように生理食塩水に懸濁した。一方、各種抗体標品
は、タンパク質濃度が1mg/mlとなるように生理食
塩水で調製し、これを菌体凝集活性の検定抗体標品とし
た。各検定抗体標品は、生理食塩水で順次2n倍希釈し
た。各希釈液に等量の菌体懸濁液を加え、よく撹拌後、
室温で一晩放置し、菌の凝集の有無を観察した。結果を
表1に示す。
A免疫家兎血清抗体の菌体凝集活性 前記のように調製した各種抗体標品の菌体凝集活性を測
定した。アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタ
ンスY4株、ポルフィロモナス・ジンジバリス381
株、ストレプトコッカス・サンギス(Streptoc
occus sanguis)ATCC10556株、
ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptoc
occus salivarius)ATCC1341
9株をそれぞれ対数増殖期後期まで培養し、集菌後、生
理食塩水で3回洗浄して、濁度がOD550nm=1.0と
なるように生理食塩水に懸濁した。一方、各種抗体標品
は、タンパク質濃度が1mg/mlとなるように生理食
塩水で調製し、これを菌体凝集活性の検定抗体標品とし
た。各検定抗体標品は、生理食塩水で順次2n倍希釈し
た。各希釈液に等量の菌体懸濁液を加え、よく撹拌後、
室温で一晩放置し、菌の凝集の有無を観察した。結果を
表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1の結果から明らかなように、菌体表層
多糖を抗原として免疫して得られた抗体は、口腔内常在
細菌であるストレプトコッカス・サンギス、ストレプト
コッカス・サリバリウム等に対する反応性が低く、特異
性が高い抗体であることが認められた。また、菌体表層
多糖にBSAを結合した菌体表層多糖−BSAを抗原と
して免疫して得られた抗体は更に特異性の高い抗体であ
ることが認められた。
多糖を抗原として免疫して得られた抗体は、口腔内常在
細菌であるストレプトコッカス・サンギス、ストレプト
コッカス・サリバリウム等に対する反応性が低く、特異
性が高い抗体であることが認められた。また、菌体表層
多糖にBSAを結合した菌体表層多糖−BSAを抗原と
して免疫して得られた抗体は更に特異性の高い抗体であ
ることが認められた。
【0028】(5)抗体感作ラテックス標品の調製 ラテックス粒子としてイムノテックスG2801(粒径
0.876μm:日本合成ゴム(株)製)を用い、0.
1Mグリシン緩衝生理食塩水(0.05%アジ化ナトリ
ウム含有:以下GBSと略す)中に0.5%(W/V)
となるように浮遊させた。この浮遊液に、100μg/
mlとなるようにGBSで希釈した各種抗体標品を等量
混合し、37℃で90分間ゆるやかに撹拌して抗体を吸
着させた。このラテックス粒子を3,000×gで5分
間の遠心により沈殿させた後、その沈渣を0.1%牛血
清アルブミン−リン酸緩衝生理食塩水(BSA−PB
S)に浮遊させ、室温で15分間反応させてブロッキン
グを行った。最終的に0.5%(W/V)となるように
BSA−PBSに浮遊させたものを抗体感作ラテックス
標品とした。
0.876μm:日本合成ゴム(株)製)を用い、0.
1Mグリシン緩衝生理食塩水(0.05%アジ化ナトリ
ウム含有:以下GBSと略す)中に0.5%(W/V)
となるように浮遊させた。この浮遊液に、100μg/
mlとなるようにGBSで希釈した各種抗体標品を等量
混合し、37℃で90分間ゆるやかに撹拌して抗体を吸
着させた。このラテックス粒子を3,000×gで5分
間の遠心により沈殿させた後、その沈渣を0.1%牛血
清アルブミン−リン酸緩衝生理食塩水(BSA−PB
S)に浮遊させ、室温で15分間反応させてブロッキン
グを行った。最終的に0.5%(W/V)となるように
BSA−PBSに浮遊させたものを抗体感作ラテックス
標品とした。
【0029】(6)ラテックス凝集法によるヒト歯肉縁
下プラーク中の各種歯周疾患原因菌の検出 6名の健常者(臨床的診査により歯肉の炎症等を認め
ず、かつプラーク中に歯周疾患原因菌を検出しなかった
者)及び10名の歯周疾患患者(若年性歯周炎及び成人
性歯周炎患者)より歯肉縁下プラークを採取し、これに
8M亜硝酸ナトリウム50μlと2M酢酸50μlの混
合液を加え、5分間反応させた。反応後、1M水酸化ナ
トリウム100μlを加えて反応液を中和した。このよ
うにしてプラークから抽出した各多糖抗原20μlと上
記抗体感作ラテックス標品20μlとを混合し、室温で
反応させた。10分間反応後、観察される凝集の程度を
下記の基準で3段階に評価した。結果を表2に示す。凝集の判定基準 −:肉眼的に凝集を認めず、ラテックス粒子が白く均一
に濁ったままのもの +:明らかな凝集を認めるが、未反応のラテックス粒子
で背景が白く濁っているもの ++:全てのラテックス粒子が凝集塊を形成し、背景が
透けて見えるもの
下プラーク中の各種歯周疾患原因菌の検出 6名の健常者(臨床的診査により歯肉の炎症等を認め
ず、かつプラーク中に歯周疾患原因菌を検出しなかった
者)及び10名の歯周疾患患者(若年性歯周炎及び成人
性歯周炎患者)より歯肉縁下プラークを採取し、これに
8M亜硝酸ナトリウム50μlと2M酢酸50μlの混
合液を加え、5分間反応させた。反応後、1M水酸化ナ
トリウム100μlを加えて反応液を中和した。このよ
うにしてプラークから抽出した各多糖抗原20μlと上
記抗体感作ラテックス標品20μlとを混合し、室温で
反応させた。10分間反応後、観察される凝集の程度を
下記の基準で3段階に評価した。結果を表2に示す。凝集の判定基準 −:肉眼的に凝集を認めず、ラテックス粒子が白く均一
に濁ったままのもの +:明らかな凝集を認めるが、未反応のラテックス粒子
で背景が白く濁っているもの ++:全てのラテックス粒子が凝集塊を形成し、背景が
透けて見えるもの
【0030】
【表2】 *下記菌株由来菌体表層多糖−BSA抗原で免疫した抗
体感作ラテックス A:アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス
Y4株 B:ポルフィロモナス・ジンジバリス381株 C:プレボテーラ・インターメデイアATCC3356
3株 D:トレポネーマ・デンティコーラATCC33405
株
体感作ラテックス A:アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス
Y4株 B:ポルフィロモナス・ジンジバリス381株 C:プレボテーラ・インターメデイアATCC3356
3株 D:トレポネーマ・デンティコーラATCC33405
株
【0031】表1から明らかなように、健常者6名はラ
テックス凝集反応が全て陰性であった。一方、歯周疾患
患者はいずれかの歯周疾患原因菌に対する特異抗体との
反応性が陽性であった。
テックス凝集反応が全て陰性であった。一方、歯周疾患
患者はいずれかの歯周疾患原因菌に対する特異抗体との
反応性が陽性であった。
【0032】(7)ELISA法によるヒト歯肉縁下プ
ラーク中の各種歯周疾患原因菌の検出6名の健常者及び
10名の歯周疾患患者より歯肉縁下プラークを採取し、
これに8M亜硝酸ナトリウム50μlと2Mの酢酸50
μlの混合液を加え、5分間反応させた。反応後、1M
水酸化ナトリウム100μlを加えて反応液を中和し
た。これを被検プラーク液とした。
ラーク中の各種歯周疾患原因菌の検出6名の健常者及び
10名の歯周疾患患者より歯肉縁下プラークを採取し、
これに8M亜硝酸ナトリウム50μlと2Mの酢酸50
μlの混合液を加え、5分間反応させた。反応後、1M
水酸化ナトリウム100μlを加えて反応液を中和し
た。これを被検プラーク液とした。
【0033】被検プラーク液中の歯周疾患原因菌由来多
糖抗原量の測定は、ELISA法により下記の通り行っ
たが、これに限定されるものではなく、一般のELIS
A試験法のいずれの方法を用いても差し支えない。
糖抗原量の測定は、ELISA法により下記の通り行っ
たが、これに限定されるものではなく、一般のELIS
A試験法のいずれの方法を用いても差し支えない。
【0034】前記調製した各種抗体標品を0.1M炭酸
緩衝液(pH9.6)にて100μg/mlとなるよう
に調製し、96穴マイクロタイタープレートの各ウェル
に100μlずつ入れた後、4℃で一昼夜放置して抗体
を吸着(コーティング)させた。その後、各ウェルを軽
く洗浄し、2%BSAを含む0.1M炭酸緩衝液(pH
9.6)を300μlずつ入れ、4℃で保存した。使用
直前に0.05%Tween20及び0.02%アジ化
ナトリウムを含むリン酸緩衝液生理食塩水(以下、PB
S−Tweenと略す)でウェルを3回洗浄した後、P
BS−Tweenで適当に希釈した上記被検プラーク液
(通常10倍希釈)100μlを入れ、室温で2時間反
応させた。反応後、PBS−Tweenでウェルを3回
洗浄した。あらかじめ、常法に従ってアルカリホスファ
ターゼで標識した各種抗体標品の1000倍希釈溶液を
各ウェルに100μlずつ入れ、室温で2時間反応させ
た。PBS−Tweenでウェルをよく洗浄後、100
μlの酵素基質溶液(10%ジエタノールアミン緩衝液
(pH9.8)に1mg/mlとなるようにパラニトロ
フェニルリン酸2ナトリウムを溶解した溶液)を入れ、
37℃で30分間反応させた。反応後、直ちに3M−N
aOHを50μlずつ各ウェルに加えて酵素反応を停止
させ、ELISAプレートリーダー(タイターテック,
マルチスキャンMCC)を用いて各ウェルの405nm
における吸光度(OD405)を測定した。OD405をもっ
てELISA値とした。
緩衝液(pH9.6)にて100μg/mlとなるよう
に調製し、96穴マイクロタイタープレートの各ウェル
に100μlずつ入れた後、4℃で一昼夜放置して抗体
を吸着(コーティング)させた。その後、各ウェルを軽
く洗浄し、2%BSAを含む0.1M炭酸緩衝液(pH
9.6)を300μlずつ入れ、4℃で保存した。使用
直前に0.05%Tween20及び0.02%アジ化
ナトリウムを含むリン酸緩衝液生理食塩水(以下、PB
S−Tweenと略す)でウェルを3回洗浄した後、P
BS−Tweenで適当に希釈した上記被検プラーク液
(通常10倍希釈)100μlを入れ、室温で2時間反
応させた。反応後、PBS−Tweenでウェルを3回
洗浄した。あらかじめ、常法に従ってアルカリホスファ
ターゼで標識した各種抗体標品の1000倍希釈溶液を
各ウェルに100μlずつ入れ、室温で2時間反応させ
た。PBS−Tweenでウェルをよく洗浄後、100
μlの酵素基質溶液(10%ジエタノールアミン緩衝液
(pH9.8)に1mg/mlとなるようにパラニトロ
フェニルリン酸2ナトリウムを溶解した溶液)を入れ、
37℃で30分間反応させた。反応後、直ちに3M−N
aOHを50μlずつ各ウェルに加えて酵素反応を停止
させ、ELISAプレートリーダー(タイターテック,
マルチスキャンMCC)を用いて各ウェルの405nm
における吸光度(OD405)を測定した。OD405をもっ
てELISA値とした。
【0035】抗体として各種菌体表層多糖抗原で免疫し
た家兎血清抗体を用いた場合の結果を表3に、また、抗
体として各種菌体表層多糖−BSA抗原で免疫した家兎
血清抗体を用いた場合の結果を表4に示す。
た家兎血清抗体を用いた場合の結果を表3に、また、抗
体として各種菌体表層多糖−BSA抗原で免疫した家兎
血清抗体を用いた場合の結果を表4に示す。
【0036】表3、表4の結果から明らかなように、歯
周疾患患者の歯肉縁下プラーク中には、いずれかの歯周
疾患原因菌由来特異多糖抗原の存在が確認され、従って
該歯周疾患原因菌の存在が示唆された。更に、菌体表層
多糖−BSAを抗原として免疫した家兎血清抗体を用い
ると、菌体表層多糖を抗原として免疫した家兎血清抗体
に比べて、検体中の抗原との反応性がより一層高くな
り、高感度に歯周疾患原因菌を検出できる効果が認めら
れた。
周疾患患者の歯肉縁下プラーク中には、いずれかの歯周
疾患原因菌由来特異多糖抗原の存在が確認され、従って
該歯周疾患原因菌の存在が示唆された。更に、菌体表層
多糖−BSAを抗原として免疫した家兎血清抗体を用い
ると、菌体表層多糖を抗原として免疫した家兎血清抗体
に比べて、検体中の抗原との反応性がより一層高くな
り、高感度に歯周疾患原因菌を検出できる効果が認めら
れた。
【0037】
【表3】 *下記菌株由来菌体表層多糖抗原で免疫した家兎血清抗
体 A:アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス
Y4株 B:ポルフィロモナス・ジンジバリス381株 C:プレボテーラ・インターメディアATCC3356
3株 D:トレポネーマ・デンティコーラATCC33405
株
体 A:アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス
Y4株 B:ポルフィロモナス・ジンジバリス381株 C:プレボテーラ・インターメディアATCC3356
3株 D:トレポネーマ・デンティコーラATCC33405
株
【0038】
【表4】 *下記菌株由来菌体表層多糖−BSA抗原で免疫した家
兎血清抗体 A:アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス
Y4株 B:ポルフィロモナス・ジンジバリス381株 C:プレボテーラ・インターメディアATCC3356
3株 D:トレポネーマ・デンティコーラATCC33405
株
兎血清抗体 A:アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス
Y4株 B:ポルフィロモナス・ジンジバリス381株 C:プレボテーラ・インターメディアATCC3356
3株 D:トレポネーマ・デンティコーラATCC33405
株
【0039】以上のように、本診断法により歯周疾患原
因菌の存否が明らかになり、歯周疾患の診断が確実にで
きると共に、どの原因菌に感染しているかの推定もでき
るため、個々の患者にとって最適な治療法の判断も容易
となることが認められる。
因菌の存否が明らかになり、歯周疾患の診断が確実にで
きると共に、どの原因菌に感染しているかの推定もでき
るため、個々の患者にとって最適な治療法の判断も容易
となることが認められる。
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】一方、上記歯周疾患原因菌の菌体表層多糖
と結合させるポリペプチドは、特に限定されるものでは
ないが、安価で多糖と結合させて免疫抗原とした際に多
糖に対する抗体価を著しく増大させるポリペプチドであ
るものが好ましい。この目的のために使用されるポリペ
プチドとしては、BSA(牛血清アルブミン)、卵白ア
ルブミンなどの各種アルブミン、γ−グログリン、カゼ
イン,アビジン,コレラトキシンBサブユニット,フェ
リチン,トランスフェリン,チトクロームC,ミオシ
ン,ゼラチン,コラーゲンなどが挙げられる。
と結合させるポリペプチドは、特に限定されるものでは
ないが、安価で多糖と結合させて免疫抗原とした際に多
糖に対する抗体価を著しく増大させるポリペプチドであ
るものが好ましい。この目的のために使用されるポリペ
プチドとしては、BSA(牛血清アルブミン)、卵白ア
ルブミンなどの各種アルブミン、γ−グログリン、カゼ
イン,アビジン,コレラトキシンBサブユニット,フェ
リチン,トランスフェリン,チトクロームC,ミオシ
ン,ゼラチン,コラーゲンなどが挙げられる。
Claims (4)
- 【請求項1】 歯周疾患原因菌の菌体表層由来多糖と特
異的に反応する抗体からなることを特徴とする歯周疾患
診断用抗体。 - 【請求項2】 歯周疾患原因菌の菌体表層由来多糖を動
物に免疫することによって得られる抗体からなる歯周疾
患診断用抗体。 - 【請求項3】 歯周疾患原因菌の菌体表層由来多糖にポ
リペプチドを結合させた抗原を動物に免疫することによ
って得られる抗体からなる歯周疾患診断用抗体。 - 【請求項4】 請求項1,2又は3の歯周疾患診断用抗
体を被検者からの検体と反応させて、検体中の歯周疾患
原因菌を検出又は測定することを特徴とする歯周疾患診
断法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21715592A JPH0643166A (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 歯周疾患診断用抗体及び該抗体を利用した歯周疾患診断法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21715592A JPH0643166A (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 歯周疾患診断用抗体及び該抗体を利用した歯周疾患診断法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0643166A true JPH0643166A (ja) | 1994-02-18 |
Family
ID=16699719
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21715592A Pending JPH0643166A (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 歯周疾患診断用抗体及び該抗体を利用した歯周疾患診断法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0643166A (ja) |
-
1992
- 1992-07-23 JP JP21715592A patent/JPH0643166A/ja active Pending
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