JPH0642468Y2 - 磯釣り用竿掛金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、磯釣り用竿掛金具の改良に係るものである。

〔従来の技術及び考案が解決しようとする課題〕

従来の磯釣り用竿掛金具は、単に岩場などに打ち込む支
柱の先端に被嵌する嵌合縦孔を竿受杆を支承する取付体
に設け、この取付体の先端に竿受杆を前後揺動自在に枢
着し、取付体に竿受杆の前後傾斜角度を調節保持する調
節機構を設け、竿受杆の前後に釣竿を支持固定する竿受
体と竿係止体とを付設したものであった。

即ち、釣竿を掛ける竿受杆は、竿受杆を枢着した取付体
の嵌合縦孔に支柱を嵌挿して、締付ボルトで単に手によ
り締め付け開閉できる締付力で締付固定するものであっ
た。

そのため、強い風がしばしば吹く磯では釣竿が横風を受
けると容易に締め付け固定されていた嵌合縦孔が支柱の
先端周面に対して滑り廻動し、釣竿が廻ってしまう欠点
があった。

そのため、従来の嵌合縦孔を嵌挿する支柱の先端周面に
単に廻り止め溝を設けたものがあるが、これだけでは前
記欠点は十分に解決されていなかった。

また、この嵌合縦孔を支柱の先端に被嵌して１本の締付
ボルトだけでなく２本の締付ボルトにより締付固定する
ものがあるが、コストが掛かるだけで前記欠点を十分に
解決するには至っていない。

本考案は、このような欠点を解決した磯釣り用竿掛金具
を提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

添付図面を参照して本考案の要旨を説明する。

岩場１などに打ち込む支柱２の先端に被嵌する嵌合縦孔
３を竿受杆４を支承する取付体５に設け、この取付体５
の先端に竿受杆４を前後揺動自在に枢着し、取付体５に
竿受杆４の前後傾斜角度を調節保持する調節機構６を設
けて取付体５に竿受杆４を支承し、この竿受杆４の前後
に釣竿７を支持固定する竿受体８と竿係止体９とを付設
した磯釣り用竿掛金具において、前記取付体５の嵌合縦
孔３に嵌挿せしめる支柱２の先端周面に少許の間隙を置
いて刻設した廻り止め溝10を多数並設して支柱２の先端
周面に廻り止め歯面を形成し、取付体５の嵌合縦孔３の
内周面に少許の間隔を置いて刻設した係止溝11を多数並
設して前記廻り止め歯面に噛み合い廻り止め係止する係
止歯面を形成し、この支柱２の先端を押圧して前記廻り
止め歯面を前記嵌合縦孔３の内周面の係止歯面に押圧噛
合せしめる締付ボルト13を嵌合縦孔３内に進退自在に突
出せしめ、前記取付体５の嵌合縦孔３に嵌挿せしめる支
柱２の先端周面に、少許の間隙を置いて刻設した廻り止
め溝10を多数並設して形成した前記廻り止め歯面を縦方
向に分断形成して、上下の廻り止め歯面の中間部に歯面
を有しない凹部12を形成し、この凹部12に前記締付ボル
ト13の先端が係合して締付ボルト13により前記支柱２の
先端を押圧するように構成したことを特徴とする磯釣り
用竿掛金具に係るものである。

〔作用〕

岩場１などに打ち込んだ支柱２の先端周面に嵌合縦孔３
を被嵌して例えば実施例に示すように締付ボルト13によ
り締付固定して、釣竿７を竿受体８と竿係止体９とによ
り支持固定した竿受杆４を枢着した取付体５を支柱２に
取り付ける。

支柱２の先端周面に少許の間隙を置いて刻設した廻り止
め溝10を多数並設形成して形成された廻り止め歯面と、
嵌合縦孔３の内周面に同様にして係止溝11を多数並設し
て形成した係止歯面とが噛み合い強固に廻り止め係止さ
れる。

従って、取付体５の先端に枢着した竿受杆４の前後に付
設した竿受体８と竿係止体９とにより支持固定した釣竿
７が横風を受けても、支柱２の先端周面とこれに被嵌し
た取付体５の嵌合縦孔３とが強固に廻り止め係止される
ため、この取付体５に枢着した竿受杆４は廻動せず、従
って釣竿７は廻動しない。

しかも第３図に示すように、支柱２の先端周面が締付ボ
ルト13に押圧されるから、廻り止め溝10による廻り止め
歯面と係止溝11による係止歯面とが押圧接触し、強固に
噛み合い廻り止め係止されることとなる。

また、前記取付体５の嵌合縦孔３に嵌挿せしめる支柱２
の先端周面に、少許の間隙を置いて刻設した廻り止め溝
10を多数並設して形成した前記廻り止め歯面を縦方向に
分断形成して、上下の廻り止め歯面の中間部に歯面を有
しない凹部12を形成し、この凹部12に前記締付ボルト13
の先端が係合して締付ボルト13により前記支柱２の先端
を押圧するように構成したから、締付ボルト13の先端が
歯面を有しない凹部12に係合状態当接するから締付ボル
ト13の先端が廻動方向に滑りにくく、締付ボルト13によ
り押圧する構成であっても廻り止め防止作用に与える支
障は少なく、そのため廻動方向に滑ることなく双方の噛
合を押圧噛合できるため、この噛合による廻り止め作用
を十分に活かすことができる。

〔実施例〕

第１図〜第３図に示す本実施例について詳述する。

本実施例の支柱２は、下端に岩場１などに打ち込む打ち
込みテーパ面14を形成し、先端を取付体５の嵌合縦孔３
に嵌挿し易いように先細り状に設け、この先端周面に上
下方向に且つ少許の間隙を置いて多数条刻設した廻り止
め溝10を並設形成して廻り止め歯面を形成し、この廻り
止め歯面を上下二段に中断せしめてその中間部に締付ボ
ルト13の先端が係合する凹部12を支柱２の先端周面に形
成したものである。

取付体５は、支柱２の先端周面に被嵌する嵌合縦孔３を
有する筒状部に、先端に竿受杆４を前後揺動自在に枢着
したＬ型取付体５′を連設し、嵌合縦孔３内に突出し支
柱２の先端周面に形成した前記凹部12に係合して支柱２
の先端を嵌合縦孔３内に押圧するハンドル15付締付ボル
ト13をこの嵌合縦孔３に設け、竿受杆４の前後傾斜角度
を調節保持する調節機構６として先端が竿受杆４の下面
に当接し上下に螺動せしめることにより竿受杆４を取付
体５との枢着部16を支点として前後傾斜角度を調節する
調節ボルト６′をＬ型取付体５′の中央に設けたもので
ある。

また、この取付体５の嵌合縦孔３の内周面に、前記支柱
２の先端周面に形成した廻り止め溝10による廻り止め歯
面に噛み合うようにこの廻り止め溝10と同じく上下方向
に且つ少許の間隙を置いて多数条刻設した係止溝11を並
設形成した係止歯面を形成したものである。

また、竿受杆４の前後に釣竿７を支持するに適した間隔
を置いて前端にＵ字状の竿受体８を起伏自在に付設し、
後端に釣竿７の竿尻を挿入する方形枠状の竿係止体９を
起伏自在に設けたものである。

この竿係止体９は一般の磯釣り用の釣竿７の竿尻が方形
形状であるため方形枠状のものを採用したものである。

図中符号17は、この方形枠状の竿係止体９上面に穿設し
たピン孔19に嵌挿し、磯釣り用の釣竿７の竿尻に穿設さ
れているピン孔19′に嵌挿して磯釣り用の釣竿７を係止
する係止ピンである。

また符号18は、Ｕ字状の竿受体５に付設して釣竿７を係
止する係止バンドである。

尚、本考案の廻り止め溝10及び係止溝11を図示した本実
施例に限られるものではなく、この両者による歯面同志
が互い噛み合い係合し、しっかりと廻り止め状態に取付
体５即ち釣竿７を支持固定した竿受杆４が廻り止めされ
ればどのようなものでも良く、例えば廻り止め溝10を網
目状に形成し、係止溝11をこの網目の噛み合い係合する
多数の小突起を多数密集形成しても良い。

〔考案の効果〕

本考案は、上述のように構成したから、岩場などに打ち
込む支柱の先端に強固な廻り止め状態にして竿受杆を枢
着した取付体の嵌合縦孔を嵌挿固定できるから、釣竿が
強い横風を受けても竿受杆が廻動して釣竿が廻動するこ
とのない実用性に秀れた磯釣り用竿掛金具となる。

即ち、本考案は単に支柱の先端に廻り止め用の凹凸歯面
を形成する発想に留まるものではなく、前記取付体の嵌
合縦孔に嵌挿せしめる支柱の先端周面に少許の間隙を置
いて刻設した廻り止め溝を多数並設して支柱の先端周面
に廻り止め歯面を形成し、且つ取付体の嵌合縦孔の内周
面に少許の間隔を置いて刻設した係止溝を多数並設して
前記廻り止め歯面に噛み合い廻り止め係止する係止歯面
を形成し、締付ボルトによりこの支柱の先端を押圧して
前記廻り止め歯面を前記嵌合縦孔の内周面の係止歯面に
押圧噛合する噛合廻り止め構造としたもので、本考案は
噛合構造であるから、極めて強固に廻り止め固定される
秀れた磯釣り用竿掛金具となる。

しかも、本考案は前記取付体の嵌合縦孔に嵌挿せしめる
支柱の先端周面に、少許の間隙を置いて刻設した廻り止
め溝を多数並設して形成した前記廻り止め歯面を縦方向
に分断形成して、上下の廻り止め歯面の中間部に歯面を
有しない凹部を形成し、この凹部に前記締付ボルトの先
端が係合して締付ボルトにより支柱の先端を押圧するよ
うに構成したから、締付ボルトの先端が歯面を有しない
凹部に係合状態で当接するから締付ボルトの先端が廻動
方向に滑りにくく、締付ボルトにより押圧する構成であ
っても廻り止め防止作用に与える支障は少なく、そのた
め廻動方向に滑ることなく双方の噛合を押圧噛合できる
ため、この噛合による廻り止め作用を十分に活かすこと
ができる極めて実用性に秀れた磯釣り用竿金具となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は使用状
態での側面図、第２図は分解斜視図、第３図は要部の平
断面図である。 １……岩場、２……支柱、３……嵌合縦孔、４……竿受
杆、５……取付体、６……調節機構、７……釣竿、８…
…竿受体、９……竿係止体、10……廻り止め溝、11……
係止溝、12……凹部、13……締付ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】岩場などに打ち込む支柱の先端に被嵌する
   嵌合縦孔を竿受杆を支承する取付体に設け、この取付体
   の先端に竿受杆を前後揺動自在に枢着し、取付体に竿受
   杆の前後傾斜角度を調節保持する調節機構を設けて取付
   体に竿受杆を支承し、この竿受杆の前後に釣竿を支持固
   定する竿受体と竿係止体とを付設した磯釣り用竿掛金具
   において、前記取付体の嵌合縦孔に嵌挿せしめる支柱の
   先端周面に少許の間隙を置いて刻設した廻り止め溝を多
   数並設して支柱の先端周面に廻り止め歯面を形成し、取
   付体の嵌合縦孔の内周面に少許の間隔を置いて刻設した
   係止溝を多数並設して前記廻り止め歯面に噛み合い廻り
   止め係止する係止歯面を形成し、この支柱の先端を押圧
   して前記廻り止め歯面を前記嵌合縦孔の内周面の係止歯
   面に押圧噛合せしめる締付ボルトを嵌合縦孔内に進退自
   在に突出せしめ、前記取付体の嵌合縦孔に嵌挿せしめる
   支柱の先端周面に、少許の間隙を置いて刻設した廻り止
   め溝を多数並設して形成した前記廻り止め歯面を縦方向
   に分断形成して、上下の廻り止め歯面の中間部に歯面を
   有しない凹部を形成し、この凹部に前記締付ボルトの先
   端が係合して締付ボルトにより前記支柱の先端を押圧す
   るように構成したことを特徴とする磯釣り用竿掛金具。