JPH0642380Y2 - プリント基板装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本考案は、耐湿、絶縁処理を施したプリント基板装置に
関する。

(ロ)従来の技術 従来例として第４図に示すように、プリント基板（51）
を収容するための樹脂ケース（52）の底面に、凸部（5
3）を膨出形成し、該凸部（53）に前記プリント基板（5
1）を載置し、前記樹脂ケース（52）内に耐湿性及び絶
縁性のある充填剤（54）を充填すると共に、前記樹脂ケ
ース（52）及びプリント基板（51）を、操作パネル（5
5）の裏面に突設したボス部（56）に、前記凸部（53）
の裏面側から螺子（57）にて共締めするようにしたプリ
ント基板装置が、実開昭63−55482号公報（H05K7/14）
に示されている。

(ハ)考案が解決しようとする課題 従来例にあっては、凸部（53）に内径ｒを螺子頭の径Ｒ
よりも大きくする必要があるために、凸部（53）の上面
の面積が大きくなる。そして、この上面は、プリント基
板（51）に当接する所であるので、当然プリント基板
（51）に占める面積が大きくなり、プリント基板の回路
設計が制限される危惧がある。また、凸部の外径が大き
くなると充填材を注入しても凸部の近傍が万遍に注入さ
れ難く、耐湿性及び絶縁性の耐久度が均一になりにく
い。

本考案は、斯かる問題点に鑑み、耐湿、絶縁処理を施し
たプリント基板装置に於いて、基板の回路設計の自由度
の向上を図り、充填材の充填状態を均一に充填すること
にある。

(ニ)課題を解決するための手段 本考案のプリント基板装置は、プリント基板を収容する
ための樹脂ケースの底面に、凸部を膨出形成し、該凸部
に前記プリント基板を載置し、前記樹脂ケース内に耐湿
性及び絶縁性のある充填剤を充填すると共に、前記樹脂
ケース及びプリント基板を、操作パネルの裏面に突設し
たボス部に、前記凸部の裏面側から螺子にて共締めする
ようにしたものに於いて、前記凸部の高さを前記螺子の
長さよりも小さく設定すると共に、前記凸部の内径を前
記螺子の頭の径よりも小さく設定したものである。

(ホ)作用 即ち、螺子頭を凸部の基部（ケースの裏面）に当接させ
て締結するようにしたので、凸部の内径を極力小さくし
て、凸部の上面の面積を小さくでき且つ、樹脂ケースの
凸部の外径が小さくなり凸部の近傍も充填材を万遍に充
填できる。

(ヘ)実施例 本考案の実施例を各図面に基づいて説明する。

（１）は上面開放型の樹脂ケース、（２）…は該ケース
（１）の底面（1a）に膨出形成された凸部で、該凸部
（２）…の上面（2a）は、特に肉薄に形成されている。
（３）…は前記ケース（１）の側壁に上下方向に複数立
設された位置決めリブであり、該リブ（３）…及び前記
凸部（２）…は前記ケース（１）の成形時に一体に形成
される。（４）は抵抗（５）やスイッチ（６）等の電装
部品が実装されたプリント基板であり、前記リブ（３）
…に沿って前記凸部（２）…上に載置され、且つ前記凸
部（２）…の上面（2a）に当接する箇所に、透孔（７）
…が穿設されている。（８）…は操作パネル（９）の裏
面から垂設された螺子ボスであり、前記凸部（２）…に
対応するよう設けられている。

而して、前記基板（４）を前記ケース（１）内の前記凸
部（２）…上に載置し、前記操作パネル（９）の螺子ボ
ス（８）…に下方から当てがって、前記凸部（２）…の
裏面側から螺子（10）…にて共締めする。この時、前記
凸部（２）…の内径ｒを、前記螺子（10）…の頭の径Ｒ
よりも小さく設定し、前記凸部（２）の高さＨを、前記
螺子（10）…の長さＬよりも小さく設定している。例え
ば、螺子（10）…としてJIS規格B1122類十字孔付タッピ
ンネジトラスの１種（R:9.4mm、L:6〜30mm）を用いるの
ならば、前記凸部（２）…の高さＨを3mm、内径ｒを4.3
mmに設定する。また、前記基板（４）の厚みは1mmであ
る。

即ち、締結状態は、第２図の通り、前記螺子（10）…の
頭が、前記凸部（２）…の基部（ケース（１）の下面
（1a））に当接した状態となる。

ケース（１）及び基板（４）の取り付けが完了すれば、
前記ケース（１）内に耐湿、絶縁性のある充填材（例え
ばウレタン樹脂）（11）を注入し充填する。このとき、
凸部（２）の外径が小さいので特に凸部（２）近傍での
充填材（11）の流れがスムーズになり、ケース（１）全
体に万遍なく充填される。

以上の通り、本実施例では、前記凸部（２）…の内径ｒ
を可能な限り小さくできるので、該凸部（２）…の上面
（2a）面積及び外径も小さくなる。

また、凸部（２）…の上面（2a）を肉薄（0.1mm）にし
たので、締結時には螺子（10）…の先端で突き破ること
ができ、前記上面（2a）に螺子（10）…の慣通孔を開け
る必要がなく、また開けたとしても簡単なものでよく、
加工が容易である。

(ト)考案の効果 本考案のプリント基板装置にあっては、プリント基板を
支持するケースの凸部の、上面の面積を極力小さくする
構成としたので、基板の有効面積が広がって、基板上の
回路設計の自由度が向上すると共に、凸部の外径も小さ
くしたので充填材を万遍なく充填ができ、耐湿性及び絶
縁性の処理が均一にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のプリント基板装置の要部断面図、第２
図は第１図中Ａ部拡大図、第３図はケースの要部斜視
図、第４図は従来例に於ける第１図相当図である。 （１）…樹脂ケース、（２）…凸部、（４）…プリント
基板、（８）…螺子ボス（ボス部）、（10）…螺子、
（11）…充填材。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭50−135005（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−87492（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−55482（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プリント基板を収容するための樹脂ケース
   の底面に、凸部を膨出形成し、該凸部に前記プリント基
   板を載置し、前記樹脂ケース内に耐湿性及び絶縁性のあ
   る充填材を充填すると共に、前記樹脂ケース及びプリン
   ト基板を、操作パネルの裏面に突設したボス部に、前記
   凸部の裏面側から螺子にて共締めするようにしたものに
   於いて、前記凸部の高さを前記螺子の長さよりも小さく
   設定すると共に、前記凸部の内径を前記螺子の頭の径よ
   りも小さく設定したことを特徴とするプリント基板装
   置。