JPH0642311Y2 - カップ式自動販売機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案はコーヒや清涼飲料水などをカップに注入して
販売するカップ式自動販売機に関する。

（従来の技術） この種の自動販売機においては、実開昭58-108588号な
どに開示されているように、販売口の内側にカップステ
ーションが設けられ、飲料の販売時にこのカップステー
ション内に所定のカップがカップケースからカップシュ
ートを通して送り込まれる。そしてこのカップ内にその
上方に配置した注出ノズルから所定の飲料が注入され
る。

ところで一般に、カップケース内のカップをカップステ
ーション内に案内するカップシュートは、カップケース
に一体的に取付けられている。そしてカップケースは、
自動販売機の機体内に対する清掃やメンテナンスなどを
容易に行えるように、カップシュートと共に機体の前方
側に引き出し得るように設けられている。

（考案が解決しようとする課題） ところが、カップケースと共にカップシュートを機体の
前方に引き出して機体内の清掃やメンテナンスなどを行
ない、再びカップケースと共にカップシュートを機体内
に収納した際に、カップシュートとカップステーション
との間で位置ずれが生じ、このような位置ずれによりカ
ップシュートからカップステーション内にカップを送り
込むときに、そのカップがカップシュートとカップステ
ーションとの間に引っ掛かってカップステーション内に
適正に導入させることができなくなることがある。

この考案はこのような点に着目してなされたもので、カ
ップシュートとカップステーションとの間で位置ずれが
生じた場合に、カップケースに対してカップシュートを
移動させてその位置ずれを修正することができるカップ
式自動販売機を提供することを目的とするものである。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） この考案はこのような目的を達成するために、販売口の
内側にカップステーションを設け、このカップステーシ
ョンの上方にカップケースを設け、このカップケースの
下端部にカップシュートを取付け、前記カップケース内
のカップを前記カップシュートを通して前記カップステ
ーション内に送り込み、このカップ内に飲料を注入して
販売するものにおいて、前記カップシュートの後端部に
横長のスリットを形成し、このスリットをカップケース
に設けられた支持片を遊挿して係合させ、カップシュー
トの前端部の内側に支持板を設けると共に、前記前端部
に縦長の長孔を形成し、前記支持板の反対側から前記長
孔にねじを挿入し、このねじを前記支持板に螺挿し締付
けて支持板を前記前端部に固定し、前記カップケースの
前端部の下部に横方向にスライド可能なホルダを設け、
前記支持板をこのホルダに係合させ、この係合および前
記支持片とスリットとの係合によりカップシュートをカ
ップケースに取付けるようにしたものである。

（作用） カップケースに対してホルダをスライドさせることによ
りカップシュートを横方向に移動させることができ、ま
たねじを緩め縦長の長孔に沿ってカップシュートをスリ
ットと支持片との係合部分を支点に回動させることによ
りカップシュートを上下に移動させることができる。

（実施例） 以下、この考案の一実施例について図面を参照して説明
する。

第５図および第６図に自動販売機の主要部の構成を示
し、１が前面が開口した機体、２がこの機体１の前面の
開口部に回動自在に枢着されたメインドアで、このメイ
ンドア２に販売口３が形成されている。機体１内にはカ
ップケース４がその前方側に引き出し可能に設けられ、
このカップケース４内にサイズの異なる多数個ずつのカ
ップが収納され、このカップケース４の下端部にカップ
シュート５が取付けられている。また前記販売口３の内
側に位置してカップステーション６が設けられ、このカ
ップステーション６の上端部にカップガイド７が取付け
られ、このカップガイド７に前記カップシュート５の下
端部が対向して配置している。

カップケース４の背方側にはキャニスタ８が設けられ、
このキャニスタ８内に例えばコーヒの粉末原料が収容さ
れ、このキャニスタ８の下方に原料シュート９が配置
し、さらにこの原料シュート９の下方に調合器10が設け
られ、この調合器10から注出ホース11が導出し、この注
出ホース11の先端部に注出ノズル12が設けられ、この注
出ノズル12が前記カップステーション６の上端部に導入
されている。

カップステージ６の内底部にはカップステージ15が設け
られ、このカップステーション15の上方にカップホルダ
16が配設されている。カップステージ15は駆動機構17に
より支持され、この駆動機構17によりカップステーショ
ン６内で上下に昇降するようになっている。またカップ
ケース４の一側部にはマドラーボックス18が設けられ、
このマドラーボックス18の下方に送出パイプ19が配設さ
れている。前記カップガイド７は第３図および第４図に
示すように、合成樹脂によりテーパ筒状に形成され、そ
の外周面の一部に斜め下方に傾斜するマドラー導入孔20
が一体に形成され、このマドラー導入孔20の上端側の開
口部に前記送出パイプ19の下端が対向して配置してい
る。

このような状態において、飲料の販売指令が投入される
と、カップケース４内の所定のサイズのカップがカップ
シュート５からカップガイド７を通してカップステーシ
ョン６内のカップステージ15の上に送り込まれ、またキ
ャニスタ８内の粉末原料が原料シュート９を通して調合
器10内に排出され、この原料粉末が調合器10内で熱湯と
混合されてホット飲料が調合され、このホット飲料が注
出ホース11から注出ノズル12を通してカップステージ15
の上のカップ内に注入される。そしてこのカップを顧客
が販売口３からカップステーション６内に手を差入れて
取出すものである。

なお、カップステーション６の上端部には前記注出ノズ
ル14と並列して、他のホット飲料を注出する注出ノズル
やジュース類などのコールド飲料を注出する多数の注出
ノズルが設けられているものである。そしてコールド飲
料が販売される際には、ホット飲料の場合よりもサイズ
の大きいカップがカップステージ15の上に送り込まれ、
これに応じてカップステージ15がカップと共に所定量下
降し、この状態でカップ内にコールド飲料が注入され
る。そしてコールド飲料が注入された際には、マドラー
ボックス18内に収納されていたマドラーが送出パイプ19
からカップガイド７のマドラー導入孔20を通してカップ
内に投入され、このマドラーでコールド飲料を攪拌する
ことができるようになっている。

このマドラーはマドラー導入孔20を通してカップ内に投
入されるが、前記マドラー導入孔20がカップの内側面に
向かって傾斜しているから、マドラーがその内側面に当
たって確実にカップ内に挿入される。また従来一般のマ
ドラー導入部材は金属で形成されており、このためその
内面に結露による水分が付着し、このような水分でマド
ラーがその内面に付着して引っ掛かってしまうことがあ
るが、この実施例ではマドラー導入孔20がカップガイド
７と一体に合成樹脂で形成されており、このため結露の
発生がほとんどなく、したがってマドラーの付着が防止
され、常にマドラーを円滑にカップ内に導入させること
ができる。

次にカップケース４に対するカップシュート５の取付構
造について第１図および第２図を参照して説明する。

カップケース４はその下端部に基板22を有し、この基板
22の前端側の下面にホルダ23が設けられ、このホルダ23
には横長の長孔24,24が形成され、これら長孔24,24を通
して前記基板22にねじ25,25が螺挿され、これらねじ25,
25の締付によりホルダ23が基板22に取付けられ、また基
板22の後端側の下面には他のホルダ27がねじ28,28を介
して固定されている。前記一方のホルダ23の上部には横
長のスリット30,30が穿設されていると共に、下端縁に
縦長の切欠溝31,31が切欠形成され、また他方のホルダ2
7の下端縁には直角に折曲した水平な支持片32,32が一体
に設けられている。

33はスライダで、このスライダ33の上端縁には直角に折
曲した水平な係合片34、34が一体に設けられ、またこの
スライダ33の下端縁からその中間部側に向かってＬ形に
屈曲する係止溝35,35が切欠形成されている。そしてこ
のスライダ33が前記一方のホルダ23の前面に配置され、
このスライダ33の係合片34,34がホルダ23のスリット30,
30内に挿入されている。

カップシュート５は矩形状のフレーム38と、このフレー
ム38の両端面に取付けられたガイド体39,39とで構成さ
れている。ガイド体39,39はそれぞれ上端部に一対のカ
ップ受入口40…を有すると共に、下端部が互いに結合
し、この結合部分に前記各カップ受入口40…に連通する
単一の導出口41が形成され、この導出口41が前記カップ
ガイド７に対向して配置している。そしてカップケース
４内に収納されたサイズの異なるカップがそのサイズに
対応した前記カップ受入口40…に排出され、このカップ
がガイド体39を通して導出口41に案内され、さらにこの
導出口41からカップガイド７を通してカップステーショ
ン６内に導出されるものである。

前記フレーム38の前面には上下に一対ずつ縦長の長孔4
2,42,43,43が形成され、またこのフレーム38の背面に横
長のスリット46,46が穿設されている。そして前記スリ
ット46,46がカップケース４に取付けられた他方のホル
ダ27における支持片32,32に挿入され、またフレーム38
の前面壁の内面に支持板47が配設され、この支持板47に
フレーム38の前面側から前記長孔42,42を通してねじ48,
48が螺挿され、これらねじ48,48の締付により支持板47
がフレーム38に固定されている。そして前記スライダ33
の前面側から係止溝35,35、切欠溝31,31および長孔43,4
3を順に通してねじ49,49が支持板47に螺挿され、これら
ねじ49,49が前記係止溝35,35の水平部35a,35aに係合
し、この係合によりフレーム38の前端部が支持板47を介
してホルダ23に支持されている。

このようにフレーム38の後端部がスリット46,46を介し
てホルダ27に支持され、前端部が支持板47を介してホル
ダ23に支持され、このような支持構造でカップシュート
５がカップケース４に取付けられている。

このような状態において、カップシュート５を左右方向
にずらす場合には、ねじ25,25を緩め、これらねじ25,25
と長孔24,24との遊び分およびスリット46,46と支持片3
2,32との遊び分に基づいてカップシュート５を左右に移
動させ、所定の位置でねじ25,25を再び締付けてカップ
シュート５を固定する。またカップシュート５を上下方
向にずらす場合には、ねじ48,48を緩め、これらねじ48,
48と長孔42,42との遊び分に基づいてフレーム38の前端
側をスリット46,46と支持片32,32との係合部分を支点に
上下に回動してカップシュート５を上下に移動させ、所
定の位置でねじ48,48を再び締付けてカップシュート５
を固定する。

このようにカップシュート５を左右および上下に位置を
ずらすことができ、したがってカップシュート５がカッ
プステーション６に対して位置がずれて配置したような
場合に、上述のような操作によりその位置ずれを修正し
てカップシュート５をカップステーション６に適正に対
向させることができる。

また、カップステーション６を清掃やメンテナンスなど
のためにカップケース４から取外す場合においては、ね
じ49,49を緩め、スライダ33を横方向にスライドさせて
相対的に係止溝35,35の垂直部35b,35bにねじ49,49を位
置させ、この状態でカップシュート５を下方に引下げて
前記ねじ49,49を前記垂直部35b,35bを通してスライダ33
から離脱させ、さらにカップシュート５を前方に引いて
スリット30,30から支持片32,32を抜き、これによりカッ
プケース４からカップシュート５を分離することができ
る。

［考案の効果］ 以上説明したようにこの考案によれば、カップシュート
とカップステーションとの間で位置ずれが生じた場合
に、カップケースに対してカップシュートを移動させて
その位置ずれを修正することができ、このような修正に
よりカップケース内のカップをカップシュートからカッ
プステーション内に常に円滑に導入させることができる
利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図はカップケー
スに対するカップシュートの支持部分の断面図、第２図
は同じく分解状態の斜視図、第３図はカップガイドの断
面図、第４図は同じく斜視図、第５図は自動販売機の主
要部の正面構成図、第６図は同じく側面構成図である。 ４……カップケース、５……カップシュート、６……カ
ップステーション、23……ホルダ、32……支持片、42…
…長孔、46……スリット、47……支持板、48……ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】販売口の内側にカップステーションを設
   け、このカップステーションの上方にカップケースを設
   け、このカップケースの下端部にカップシュートを取付
   け、前記カップケース内のカップを前記カップシュート
   を通して前記カップステーション内に送り込み、このカ
   ップ内に飲料を注入して販売するものにおいて、前記カ
   ップシュートの後端部に横長のスリットを形成し、この
   スリットをカップケースに設けられた支持片に遊挿して
   係合させ、カップシュートの前端部の内側に支持板を設
   けると共に、前記前端部に縦長の長孔を形成し、前記支
   持板の反対側から前記長孔にねじを挿入し、このねじを
   前記支持板に螺挿し締付けて支持板を前記前端部に固定
   し、前記カップケースの前端部の下部に横方向にスライ
   ド可能なホルダを設け、前記支持板をこのホルダに係合
   させ、この係合および前記支持片とスリットとの係合に
   よりカップシュートをカップケースに取付けたことを特
   徴とするカップ式自動販売機。