JPH0642294A - 泥水シールド工における泥水裏込工法 - Google Patents

泥水シールド工における泥水裏込工法

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JPH0642294A
JPH0642294A JP3110754A JP11075491A JPH0642294A JP H0642294 A JPH0642294 A JP H0642294A JP 3110754 A JP3110754 A JP 3110754A JP 11075491 A JP11075491 A JP 11075491A JP H0642294 A JPH0642294 A JP H0642294A
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mud
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Abstract

(57)【要約】 【目的】トンネル等の泥水シールド工において、切羽部
から排出される泥水を裏込に最も適した部位から取出し
て泥水の掘削利用と裏込の確実な施工を行うようにする
こと。 【構成】掘削機2 からの排出泥水3'を湿式サイクロン1
2、一次土砂脱水篩7 への通路6から取出し口56' より、
或いは、一次土砂脱水篩7 ,調整槽17、更には、該調整
槽17から原水槽23の間の通路14には22に取出し口56''を
設け、更には、原水槽23から貯水槽32までの通路27に取
出し口56''' を設けたり脱水機の貯水槽32からそして、
フイルタプレス37からケーキ40を取出し口57から取出し
て所定の含水比にして裏込に供するようにすること。 【効果】このようにすることにより切羽部から排出され
た泥水3'を裏込に最も適した重量、含水比、粒度分布で
取出し設計通りの最適裏込を行え、無公害裡に残部分を
径外に排出することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】開示技術は鉄道、道路等のトンネ
ルや上水道、下水道等の構築を行うに際し、シールド工
法を採用するに泥水シールド工法を用い、掘削後に掘削
孔内に一次巻立セグメントをセットし、該一次巻立セグ
メントと掘削孔との間に切羽の掘削から排出した泥水を
利用してサイクル裡に裏込する施工技術の分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、市民生活が豊かになると、
勢い産業社会も当然のことながら隆盛になり、各種の生
産施設は勿論のこと、居住施設や情報処理施設もより更
に拡充され、これらに供せられる構築物はますますその
需要が多くなり、これに対して都市周辺は勿論のこと、
都市近郊、或いは、地方に於いても有効利用空間が著し
く狭くなり、土地の需要と供給には著しいアンバランス
が生じ、そこで、ビル、道路、隊道等の構築施設はその
空間利用率を高めるべく高層ビルや超深度構造物構築技
術が盛んに研究開発されるようになり、特に、高層構造
物に対する基礎の地下構造体の超深度構造、そして、こ
れらの間を通る超深度交通網や上下水道等に対する施工
技術も益々重要度を増してきつつある。
【0003】しかしながら、市民社会の向上、産業社会
の隆盛に伴う産業廃棄物等の公害問題も無視出来ない程
大きくなり、しかも、該種産業廃棄物等の大量の廃棄物
はその処理技術は勿論のこと、処分場の供給が基本的に
不足するという事態を招いている。
【0004】而して、高層ビルの基礎地下構造体や鉄
道、道路等のトンネル、上下水道等の地下構造物の構築
に際しての地盤掘削は地中である点等から、旧来より排
出残土処理を含めて施工には著しく困難性が伴い施工条
件は極めて厳しいものがあった。
【0005】これに対処するに、様々な建設工事技術が
研究、開発、改良実用化され、例えば、シールド工法等
が開発されて掘進機による掘削孔に一次巻立セグメント
をセットし、掘削孔と該一次巻立セグメントとの不可避
的な間隙から地盤沈下や出水等のトラブル発生を防止す
るべく、セメントモルタル等の裏込材を注入して固化す
る技術が用いられるようになってきたが、シールド工の
掘削に伴って大量に排出される泥水の産業廃棄物処理の
問題を併せて有効に対処し得るように、例えば、出願人
の先願発明である特許第1007959号(特開昭53
−1938号、特公昭55−546号)発明の泥水裏込
方法等が有効に用いられて建設産業に多大な貢献をする
ようになってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
泥水シールド工における泥水裏込工法は地下構造物の沈
下や地下水漏出防止と併せて産業廃棄物による公害問題
に対処し得るという優れた技術ではあるものの、排出さ
れる泥水に対する凝固剤混入等の土木建設技術での精度
をより高くすることを設計的に必要とすることから、掘
削切羽部から排出される泥水を削孔と一次巻立セグメン
トとの間隙に対する裏込にリサイクル裡に利用する際
に、裏込用プラントの効率維持、耐久性保持や一次巻立
セグメントに対する裏込の際の品質保持の点から掘削し
た切羽部から排出される泥水を直接的に使用することは
当該掘削切羽部に於ける土壌の含水比,比重,粒度等の
性情の変化やバラツキが多く、一律に裏込に適用するに
は不適切であり、さりとて、掘削した切羽部から排出さ
れる泥水を裏込プラントにて含水比,比重,粒度につい
てそれらをその都度、全て分析調整し、凝固剤を設定比
率で混入して一次巻立セグメントに裏込するようにする
ことは基本的に、理論的に設計的には可能であっても、
地下の坑道等狭隘な作業空間でこれらの裏込プラントを
搬入設置稼動し、高い精度での制御管理し、併せて保守
点検整備を充分にすることはイニシャルコストは勿論の
こと、ランニングコスト,メンテナンスコストが著しく
高くつく不利点があるうえに、操作、制御、管理が煩瑣
で安全性も保持し難いという不都合さがあり、実効上か
なりの困難性が伴うという難点があった。
【0007】
【発明の目的】この出願の発明の目的は上述従来技術に
基づく高層ビルの地下構造体,トンネル,上下水等の構
造物を地下に構築するに際し、その掘削孔を泥水シール
ド工によって行うに際し、掘削した切羽部から排出され
る泥水を裏込プラントにより掘削孔にセットした一次巻
立セグメントと削孔との間隙に注入して裏込するに、該
切羽部から泥水シールドプラントの所定部位までの設定
処理プロセスから泥水を取出し、当該一次巻立セグメン
トと地山との間に対する裏込を行うに最適な泥水の比
重,粒度を有する部位から取出して凝固剤等と混合調整
して最適設計態様で操作し、シールド工を高精度に有効
に行うことが出来、又、泥水の公害問題発生をも併せて
阻止することが出来るようにして建設産業における土木
技術利用分野に益する優れた泥水シールド工における泥
水裏込工法を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段・作用】上述目的に沿い先
述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成
は、前述課題を解決するために、地盤内の所定部位にて
泥水シールド掘削を行うに際し、掘削孔の切羽部から排
出される泥水を基本的にはポンプを介して一次土砂脱水
篩や、湿式サイクロンを用いて砂と泥水に選別し、この
うち泥水については循環槽を介し一部湿式サイクロンを
循環させ、調整槽にて比重、及び、粘性を調整し、更
に、余剰泥水は余剰泥水槽に送られ、これに所定の凝集
剤を添加してスラリー槽で混合スラリー化し、泥水を凝
集させてフイルタプレス等の脱水機により高能率に固液
分離し、而して、一次巻立セグメントの裏側に裏込する
ようにし、この際、裏込用に取出される掘削泥水は第一
には掘削機から一次土砂脱水篩、或いは、湿式サイクロ
ンまでの間のプロセスで取出すようにし、この場合、粒
度分布が大径寄りの場合には別途にスクリーンやサイク
ロンを用いるようにし、又、第二には湿式サイクロンか
ら調整槽と原水槽との間から取出し、この場合、泥水の
粒度分布が上限一定であることから、そのまま最適泥水
として利用し、必要に応じて比重調整を行い、又、第三
には余剰泥水槽よりフイルタプレス等の脱水機との間か
らでも泥水を取出すようにし、この場合の泥水の濃度が
高い場合、及び、凝集剤による裏込用固化剤の固化に影
響が出る場合には必要に応じて濃度調整、及び、中和を
行って最適裏込が行われるようにし、又、第四にはフイ
ルタプレス等の脱水機によって固液分離されたケーキが
含水率を極めて低くされ、しかも、一定に近くされるこ
とにより比重や含水比の調整を行い易く、裏込用として
有効に活用することが出来るように上述の如く排出され
た泥水の処理プラントでの泥水処理の各プロセスからの
選択的取出しによる裏込再利用を最適に行うようにし、
泥水の固形部分の産業廃棄物としての公害問題発生をも
阻止することが出来るようにした技術的手段を講じたも
のである。
【0009】
【実施例】次に、この出願の発明の実施例を図面、及
び、表を参照して説明すれば以下の通りである。
【0010】図1に示すフローシート態様において、52
はこの出願の発明の泥水シールドにおける泥水裏込工法
に使用する泥水処理プラントで、在来態様と同じであ
り、この出願の発明の要旨の中心の注入装置としてのプ
ラント本体52' を有して成り、掘削機2 は在来態様同様
にトンネル等の図示しない所定径の坑道をシールド工用
の泥水3 により切羽部を掘削して前進するようにされ、
掘削された坑道には後から所定に一次巻立セグメント4,
4 を相互に連続的に接続してセットするようにされてい
る。
【0011】そして、当該泥水処理プラント52は図示し
ない坑道内(或いは、設計により坑道外)に可及的にコ
ンパクト化されて、管理、制御操作、保守点検整備がし
易いように配置されている。
【0012】而して、泥水処理プラント52にあっては切
羽部に於いて掘削に供されたシールド泥水が排出泥水3'
としてポンプ5,5 …により通路6 を介し一次土砂脱水篩
7 に送給されて,砂礫,泥水を篩がけし、選別されて通
路8 により循環槽9 に排出され、更に、ポンプ10を介し
通路11により湿式サイクロン12に送給され、該湿式サイ
クロン12から所定粒度分以下のシルト分を含む泥水は再
び一次土砂脱水篩7 に供給されて循環するようにされ、
この間、水道水13が湿式サイクロン12に供給されて湿式
分離が設計通りに行われるようにされている。
【0013】そして、該湿式サイクロン12、及び、循環
槽9 を循環する泥水は該湿式サイクロン12よりオーバー
フローされて通路14を介し集水器15に供給されて通路16
より調整槽17に供給され、循環装置18により循環されて
均一に分散され、ポンプ19より泥水3 として通路20を介
し切羽部にサイクル裡に供給して泥水シールド掘削に供
される。
【0014】尚、集水器15から一部の泥水は通路16',16
''を介し一次土砂脱水篩7 、循環槽9 に再循環されて泥
水シールド掘削に可及的に均一な粒度分布の泥水3 をリ
サイクル裡に供給するようにされている。
【0015】そして、調整槽17はポンプ21を介し通路22
により余剰泥水槽23に接続され、該余剰泥水槽23からは
ポンプ24を介し調整槽17に泥水がリサイクルされて泥水
3 の不足を補って、確実な泥水の均一粒度分布がなされ
るようにされている。
【0016】又、該余剰泥水槽23からはポンプ26を介し
通路27が所定の凝集剤の貯留槽28からポンプ29を介し、
通路30により接続された混合機31に接続されて凝集剤と
共にスラリー槽32に接続されリサイクル用の泥水3 以外
の余剰泥水の脱水効率を上げるようにされている。
【0017】尚、当該スラリー槽32からはポンプ33によ
る水道水13を送給されて通路35により脱水機としてのフ
イルタプレス37に供給され、通路38を介し、その清澄水
が水道水13と共に清水槽39に供給、排出されるようにさ
れ、フイルタプレス37で固液分離されたケーキ分は通路
40を介して土砂ホッパー42に一次土砂脱水篩7 からの礫
部分と共に排出するようにされている。
【0018】そして、清水槽39からはポンプ43により通
路44を介しシルト部分を設定量含む清澄水分が調整槽17
にフィードバックされて泥水シールド掘削にリサイクル
的に供給するようにされ、設定精度以下のシルト分を含
む実質的な清澄水はポンプ45を介し通路46によりpHコン
トロール装置47に供給される。
【0019】そして、該pHコントロール装置47にpH調整
剤48をポンプ49から通路50を介して供給されて所定にpH
調整され、無公害裡に下水51として排出されていく。
【0020】而して、プラント本体52' ではそのミキサ
ー53に通路54を介しスラリーポンプ55によりこの出願の
発明としては、例えば、1態様として受入口としてのジ
ョイント56を次述する裏込用泥水の所定に選ばれた取出
し口に対するジョイント56',56'',56''',56'''',56''''
' ,57 …を介しての選択的な接続により裏込用の泥水を
吸引すると共に、凝固剤タンク58からの所定の凝固剤58
' をポンプ59を介し流量計59' により所定比率にして吸
引し、泥水と凝固剤を均一に混合撹拌し、通路60を介し
ポンプ61により一次巻立セグメント4 の裏側に対するノ
ズル62から所定に裏込注入を行って該一次巻立セグメン
ト4 と図示しない掘削孔の地山との断面リング状の間隙
に充填するようにした態様である。
【0021】尚、実設計としては受入口のジョイント56
を泥水処理プラント52の取出し口のジョイント56',56'
',56''',56'''',57と選択的に接続するのではなく、前
もっての選択的な設計により固定的に接続するようにす
る。
【0022】そして、凝固剤として早期ゲルタイムの、
例えば、SG-2号,SG-4号等の場合、親水性ポリウレタン
樹脂があり、該親水性ポリウレタン樹脂としてはエチレ
ンオキサイドとプロピレンオキサイドから成る共重合体
のアルキレングリコールでジオール以上のポリオールと
ジイソシアネート以上のポリイソシアネートをイソシア
ネート基/活性水酸基の比が2以上の末端イソシアネー
トのウレタンポリマーとポリイソシアネートの混合物等
が上げられ、例えば、平均分子量4000のエチレンオキサ
イド/プロピレンオキサイド=80/20(重量比)の共重
合ジオール1モルにトリレンジイソシアネート8モルを
混合加熱して合成するウレタンポリマーとトリレンジイ
ソシアネートの混合物や、又、平均分子量3000のエチレ
ンオキサイド/プロピレンオキサイド=80/20(重量
比)の共重合トリオール1モルにキシレンジイソシアネ
ート3.3 モルを混合加熱して合成するウレタンポリマー
とキシレンジイソシアネートの混合物等がある。
【0023】勿論、この出願の発明の凝固剤としては上
記親水性ポリウレタン樹脂に限るものではなく、地盤,
土壌による泥水の種類性状に応じて他の凝固剤も適宜選
択され得るものである。
【0024】そして、裏込用泥水のプラント本体52' の
ジョイント56の発明として選択的に接合する取出し口の
各ジョイント56',56'',56''',56'''',56''''' 57の部位
については次の如く掘削した切羽部からポンプ5,5,5 に
より排出される泥水3'の所定部位からの選択的な取出し
口に連接接合されて(上述した如く、装置的に接続する
のではなく、固定的に接続する設計を実祭には採る。)
泥水を取出して凝固剤と混合した後にノズル62から一次
巻立セグメント4 と掘削孔の地山との間に注入充填する
ようにされる。
【0025】次に、取出し口の各ジョイント56',56'',5
6''',56'''',56''''' ,57 の選択的な接続態様について
の実施例を説明する。
【0026】即ち、掘削機2 が掘削前進するにつれてそ
の切羽部の土粒子は地盤の性情によって土砂の含水比や
比重,土砂の粒径等がさまざまに変化するものであり、
したがって、後方で設置する一次巻立セグメント4 とそ
の周囲の掘削孔の地山との間に於ける裏込泥水について
も比重,含水比,粒度,凝固剤との所定比率等が変るた
めに、又、プラント本体52' の設計変更や稼動最適効率
のために予め取出される泥水3'の性情ごとに抽出してお
くことが前述の如く好ましいが、発明者においては前記
先願の特許第1007959号発明の発明後多くの作業
現場に於いて長年に亘って分析検討した結果、次のよう
に取出し口位置を変えて各取出し口に応じた性情の泥水
3'を裏込用に供することが好ましいものと知得されたも
のである。
【0027】而して、基本的には排出残土による裏込用
の泥水3'は残土の粒度分が砂分以下であることが好まし
く、したがって、この出願の発明の第1の実施例におい
てはまず、切羽部に於ける掘削機2 からの通路6 の泥水
3'を土砂脱水篩7 と湿式サイクロン12との通路6,6'との
間にプラント本体52' の受取口6 のジョイント56に接続
させて(したがって、泥水処理プラント52にあっては取
出し口のジョイント56' 以降の機構は実祭には不要であ
る。)切羽部からの排出泥水3'を取出すようにすること
により、処理工程を短く出来る。
【0028】その場合の含水比における水と土との関係
は図2,図3の通りである。
【0029】次に、一次土砂脱水篩7 から循環槽9 への
プロセス、或いは、湿式サイクロン12,集水器15から調
整槽17、或いは、余剰泥水槽23、もしくは、廃棄槽への
プロセスにおける流過泥水は掘削切羽からの排出残土の
粒子分布のサイズも許容範囲の上限値であり、しかも、
一定であることから裏込用の泥水としては好適であり、
そこで、これらのプロセスにおいて取出し口のジョイン
ト56'',56'' の部位から設計により泥水の取出しに便利
であるように泥水を選択的に取出して一次巻立セグメン
ト4 の裏込に用いるようにする。
【0030】この場合、裏込用の泥水として泥水比重が
一定とならない場合には比重調整の必要があるが、その
場合次の表1による泥水比重換算表により比重調整を行
うが、近時例えば、ST-60B,ST-50B等の泥水固化剤の開
発によって泥水の固化現象に大きな変化が現われないよ
うにすることが可能になったことから、固化剤による泥
水比重調整の必要性は極めて低くなってきた。
【0031】
【表1】 又、この場合、泥水シールド工法に用いられる高分子系
の凝集剤の添加以前に泥水の切羽部残土を利用すること
から凝集剤の節約にも大きくプラス出来、コスト的にも
著しいメリットが生ずるものである。
【0032】このことは泥水比重1.20と1.15と1.10の場
合に図4に示す様に、一軸圧縮強度がほとんど変らない
ことからも明らかである。
【0033】次に、余剰泥水槽23(廃棄槽)からスラリ
ー槽32(泥水凝集槽)より脱水機のフイルタプレス37間
に流過する泥水に於いては泥水の分布粒度の上限が一定
であって、スラリー槽32により後からの泥水が濃度の高
い泥水の取出しが可能であることから原水槽23から該ス
ラリー槽32の通路27とスラリー槽32からフイルタプレス
37までの通路35の56''' の部位から泥水を取出す。
【0034】この場合、泥水の沈殿凝集効率を上げるた
めに高分子系の凝集剤、例えば、AlCl3 ・6H2 O 、又
は、Al2 (SO 4 ) 3 ・18H 2 O 等を用いられるが、この
場合の泥水を使用するとセメント系の固結剤では泥水中
の凝集剤とセメントとの水和反応が促進されて急硬化が
開始され、裏込注入以前に固化現象が生ずる虞がある
が、近時水和反応抑制剤や水和反応遅延剤、或いは、中
和剤等を用いることによりこれに対処することが出来
る。
【0035】このようなことは水和反応安定剤S・T使
用によりセメント系固結剤を混合した泥水の利用可能時
間を表わす次の表2によっても明らかである。
【0036】
【表2】 次に、一次土砂脱水篩7 により粒径の大きい砂や礫等を
ベルトコンベヤ41により土砂ホッパ42に排出して適宜に
系外に廃棄するが、スラリー槽32から排出された低シル
ト分の液についてはフイルタプレス37で固液分離しケー
キ状の固形分はベルトコンベヤ40により上記土砂ホッパ
42に排出して本来的には裏込に使用されないものとして
廃棄されるが、該フイルタプレス37により分離されたケ
ーキ部分については含水率が極めて少なく、特に、近時
高性能に開発された高圧フイルタプレスによれば、含水
率が著しく低くされることからこれに新たに水道水等を
添加することにより含水率を所定比率にして裏込用の泥
水に使用出来ることから含水比の調整が可能である利点
を利用して裏込の品質管理を高く保つことが出来ること
が経験的に明らかとなったので、フイルタプレス37から
土砂ホッパ42にかけてのベルトコンベヤ40の中途プロセ
ス57の部分からケーキ分を取出して表3に示す様に、適
宜に水道水により設計含水比にして裏込に供することが
出来るものである。
【0037】
【表3】 而して、当該プロセスにおいて凝集剤を混入することに
より前述問題点も生ずる虞が無くはないが、前述した如
く、水和反応が抑制されたり、遅延されたり、中和され
たりすることによって安定させることが出来る。
【0038】この場合のケーキに対する水道水添加によ
る泥水比重調整については図5,図6,図7に示す様な
泥水比重調整早見表を用いて計算することが出来る。
【0039】当該早見表による泥水管理の計算式は、例
えば、一例として脱水ケーキ所定単位体積重量1.7 に水
を加え泥水比重1.2 に調整する時は式
【0040】
【数1】 脱水ケーキ (1.2 −1 /1.7 −1 )×100 =28.57 % 水 100 −28.57 =71.43 % のようにして泥水管理を行うことが出来る。
【0041】
【発明の効果】以上、この出願の発明によれば、基本的
に近時土地有効利用に即応して高層ビルや地下構造物が
構築されることからトンネル等の地下構築体を施工する
に極めて有効に機能する泥水シールド工法における掘削
孔の地山と一次巻立セグメントとの間に充填する裏込材
として用いるに掘削に伴って排出される泥水を切羽部か
ら最終段のフイルタプレスに至るプロセスにて裏込に最
適であり、又、裏込注入機器にも最適である比重,含水
比,粒度分布等最適設計に沿う最適部位から取出しする
ことが出来るようにしたことにより、泥水裏込工法が極
めて正確に、且つ、高能率で操作性良く、狭隘な掘削孔
内部等のスペースに於いて行うことが出来るという優れ
た効果が奏され、裏込用に供されるシールド工法の泥水
の有効利用が図れ、最適処理を行い、しかも、無公害裡
に処理することが出来るという優れた効果が奏される。
【0042】したがって、泥水シールド工法を安全、且
つ、最も経済的に行うことが出来る効果があり、工事後
の構造物の耐久性を向上させることが出来るという利点
もある。
【図面の簡単な説明】
図面はこの出願の発明の実施例の説明図である。
【図1】裏込プラントの施工機構フロー図である。
【図2】含水比における水と土との特性グラフ図であ
る。
【図3】は含水比と土の単位体積重量との特性関係グラ
フ図である。
【図4】は泥水比重と一軸圧縮強度との特性関係グラフ
図である。
【図5】泥水比重調整早見表のグラフ図ある。
【図6】泥水比重調整早見表のグラフ図ある。
【図7】泥水比重調整早見表のグラフ図ある。
【符号の説明】
2 …掘削機 4 …一次巻立セグメント 12…一次土砂 7 …脱水篩 9 …循環槽 17…調整槽 23…余剰泥水槽 32…スラリー槽 37…脱水機 1 …泥水シールドプラント

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】泥水シールド工に伴い掘削孔と一次巻立セ
    グメントとの間に掘削泥水を凝固剤と混合して裏込する
    工法において、掘削切羽部からの排出泥水を排出処理プ
    ロセス部位から裏込に最適である泥水状態の位置から取
    出して裏込するようにすることを特徴とする泥水シール
    ド工における泥水裏込工法。
  2. 【請求項2】上記泥水の取出しをシールド掘削機から一
    次土砂脱水篩と湿式サイクロンまでの間で行うようにし
    たことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の泥水シ
    ールド工における泥水裏込工法。
  3. 【請求項3】上記泥水の取出しを湿式サイクロンから余
    剰泥水槽までの間で行うようにしたことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の泥水シールド工における泥水
    裏込工法。
  4. 【請求項4】上記泥水の取出しを余剰泥水槽より脱水機
    までの間で行うようにしたことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の泥水シールド工における泥水裏込工
    法。
  5. 【請求項5】泥水シールド工に伴い掘削孔と一次巻立セ
    グメントとの間に掘削泥水を凝固剤と混合して裏込する
    工法において、掘削切羽部からの排出泥水を脱水機を通
    過させて固液分離したケーキを取出して裏込に供するよ
    うにすることを特徴とする泥水シールド工における泥水
    裏込工法。
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JPS6375297A (ja) * 1986-09-18 1988-04-05 三井建設株式会社 シ−ルドトンネルにおける裏込め剤注入装置

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