JPH0641587A - 精密部品用洗浄剤 - Google Patents

精密部品用洗浄剤

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JPH0641587A
JPH0641587A JP19028992A JP19028992A JPH0641587A JP H0641587 A JPH0641587 A JP H0641587A JP 19028992 A JP19028992 A JP 19028992A JP 19028992 A JP19028992 A JP 19028992A JP H0641587 A JPH0641587 A JP H0641587A
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JP
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alkylbenzene
cleaning
ether
weight
carbon atoms
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JP19028992A
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Yoichi Shimizu
洋一 清水
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D7/00Compositions of detergents based essentially on non-surface-active compounds
    • C11D7/50Solvents

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械・電子・電気部品などの精密部品表面に
存在する油脂、機械油、グリース、フラックスなどの汚
れの除去性に優れ、またかかる汚れ成分による劣化を受
けにくく、かつ毒性の低い洗浄剤を開発する。 【構成】 炭素数4〜18のアルキル基を有するアルキ
ルベンゼンよりなる精密部品用洗浄剤、あるいは前記ア
ルキルベンゼン70〜99.99重量%および炭素数3
〜18のアルコールなどの特定の化合物、界面活性剤、
非プロトン系極性溶媒から選ばれるいずれか1種以上の
化合物0.01〜30重量%からなる精密部品用洗浄剤
組成物により目的を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は精密部品たとえば機械・
電子・電気部品用洗浄剤に関し、さらに詳しくはこれら
の精密部品表面に存在する油脂、機械油、グリース、フ
ラックスなどの汚れの除去性に優れ、またかかる汚れ成
分による劣化を受けにくく、かつ毒性の低い精密部品用
洗浄剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、防錆油、加工油などとして精密部
品、治工具などの表面に存在する油などの有機物を主体
とする汚れ、あるいはハンダのロジンフラックスの除去
には、ケロシン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化
水素系溶剤;トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ン、トリクロロエタンなどの塩素系溶剤;トリクロロト
リフルオロエタンなどのフロン系溶剤;オルソケイ酸ソ
ーダや苛性ソーダに界面活性剤やビルダーを配合した水
系の洗浄剤などが使用されている。特に電子、電気、機
械などの精密部品にはその高洗浄性、難燃性によりフロ
ン系溶剤または塩素系溶剤が使用されている。
【0003】近年では、環境汚染が少なくかつ安全性の
高い洗浄剤として、リモネン、ピネン、ジテルペン等の
ようなテルペン類やシクロヘキサン、デカリンなどのナ
フテン類も提案されている。そのほか、フロンと石油か
らの芳香族留分との混合溶剤も半導体ウェハの洗浄剤と
して提案されている(特開昭63ー279000号公
報)。一方、衣類の洗浄に関して、例えばドライクリー
ニングには石油系溶剤が使われることもあるが、衣類の
汚れは、タンパク質、脂質などを主とするものがその原
因物質であり、機械・電子・電気部品の汚れとは異質な
ものであると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のこれらの洗浄剤
はいずれをとっても、汚れ除去性、耐劣化性および低毒
性という洗浄剤組成物に要求される条件の全てを満たす
ようなものではなかった。すなわち、塩素系およびフロ
ン系の溶剤を用いる洗浄剤は塩素系あるいはフロン系化
合物を含む限り安全性、毒性、環境汚染などに大きな問
題を有しており、また炭化水素系溶剤、特にベンゼン、
キシレンなどは毒性が高く、労働安全法上の有害物に指
定されている化合物であるため、これらを取り扱う作業
の危険性および煩雑さを考慮した場合、洗浄剤として用
いることは好ましくない。一方、水系洗浄剤は、溶剤系
洗浄剤に比べて火災などの危険性や毒性が低い点では好
ましいが、洗浄力において数段劣っているうえに鉄系製
品の場合には発錆の問題がある。
【0005】またリモネンに代表されるテルペン類は、
安全性と洗浄性を両立させ得る化合物であるが、不飽和
結合を有する化合物であるため使用の際に経時変化によ
り劣化し易く耐久性が問題であるばかりではなく、天然
物由来のために安定品質の物が得にくく、高価でかつ供
給量に限界があり、そのため工業用洗浄剤として実用的
ではない。
【0006】ナフテン系洗浄剤は優れた洗浄剤である
が、通常これは芳香族炭化水素を核水素添加することに
より製造され、必ずしも安価な溶剤とはいえない。従っ
て、本発明は上述のような従来技術の持つ欠点を改良
し、精密部品またはその組み立て加工に使用される治工
具類の固体表面に存在する、油脂、グリース、フラック
スなどの汚れの除去性、耐劣化性および安全性に優れか
つ環境汚染のない洗浄剤を安価に提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる事情において、本
発明者は上記問題点を解決すべく鋭意研究を行った結
果、炭素数4〜18のアルキル基を有するアルキルベン
ゼンよりなる洗浄剤組成物が、ベンゼンよりも毒性が弱
く、ナフテン類よりも溶解性が大きいことから前記条件
を満足する洗浄剤として使用し得るものであることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の第一は、炭素数4〜1
8のアルキル基を有するアルキルベンゼンよりなる精密
部品用洗浄剤に関する。
【0009】また本発明の第二は、炭素数4〜18のア
ルキル基を有するアルキルベンゼン70〜99.99重
量%および炭素数3〜18のアルコール、エステル、エ
ーテル、一般式R-OCn2nOH(Rは炭素数3〜18
の脂肪族炭化水素、nは1〜4の整数を示す)で表わさ
れる化合物、界面活性剤、非プロトン系極性溶媒から選
ばれるいずれか1種以上の化合物0.01〜30重量%
からなる精密部品用洗浄剤組成物に関する。
【0010】本発明はまた、上記精密部品用洗浄剤組成
物が水を0.001〜5重量%含む精密部品用洗浄剤組
成物にも関する。
【0011】以下に本発明についてさらに詳細に述べ
る。本発明においてアルキルベンゼンとはベンゼン環に
アルキル基を少なくとも1つ結合させていればよく、該
アルキル基の形状は分岐型、直鎖型いずれでもよい。ま
た、ベンゼン環に上記アルキル基とは別に炭素数の少な
いアルキル基を有するものでもよい。さらに、一つのア
ルキル基が2箇所で1つのベンゼン環に結合していても
よい。一つのアルキル基が2つのベンゼン環に結合して
いてもよい。本発明におけるアルキルベンゼンのアルキ
ル基の炭素数は4〜18、好ましくは、4〜10がよ
い。アルキル基が4未満であれば毒性が強くなり、18
を超えると乾燥が難しくなるためである。本発明におけ
るアルキルベンゼンの例を(化1)に示す。
【0012】
【化1】
【0013】本発明のアルキルベンゼンの製造方法は特
に限定されないが、たとえば以下のような方法により製
造することが出来る。すなわち、プロピレン、ブテンな
どのオレフィンを酸触媒、例えば液体もしくは固体のリ
ン酸触媒により重合して得られるトリマー、テトラマー
などのオレフィンオリゴマーをベンゼンと硫酸、フッ化
水素などをアルキル化触媒としてアルキル化することに
よりアルキルベンゼンを製造する方法である。
【0014】エチレンを低重合してなるα−オレフィン
も採用することができ、またパラフィンワックスを熱分
解することによって得られるα−オレフィンも同様であ
る。さらにパラフィン、たとえばノルマルパラフィンを
脱水素してなるオレフィンも同じくアルキル化の原料と
することが出来る。そのほか、ノルマルパラフィン、た
とえば灯油留分から抽出されたノルマルパラフィンを塩
素化して得られる塩素化パラフィンを、塩素化アルミニ
ュウムなどのフリーデル・クラフト触媒によりアルキル
化することによっても製造することが出来る。
【0015】プロピレンオリゴマーなどのオレフィンオ
リゴマーとベンゼンとのアルキル化反応の触媒としてフ
ッ化水素または硫酸を用いる場合、99%以上の無水フ
ッ化水素あるいは90〜98%の硫酸を用いることが好
ましい。また、そのアルキル化の反応温度は5〜50
℃、好ましくは10〜30℃である。オレフィンオリゴ
マーの使用量はベンゼンに対して0.05〜1mol
倍、好ましくは0.1〜0.5mol倍である。触媒の
使用量はフッ化水素では基質の0.5〜1容量倍、硫酸
では0.05〜0.1容量倍である。アルキル化後、常
法により触媒を除去し蒸留することによってアルキルベ
ンゼンを容易に得ることが出来る。
【0016】ここでフッ化水素あるいは硫酸をアルキル
化触媒とすると、プロピレンオリゴマー部分は開裂を
し、その結果、供給したプロピレンオリゴマーが単純に
ベンゼンに付加したアルキルベンゼンのほかに各種の化
合物が生成する。そのうち、プロピレンテトラマーをア
ルキル化原料とするアルキル鎖の炭素数が12であるよ
うなアルキルベンゼンは界面活性剤、可塑剤などの用途
に使用されている。また、アルキル鎖の炭素数が12の
アルキルベンゼンを目的として工業的に製造される工程
において、多量にアルキル鎖の炭素数が12未満の軽質
アルキルベンゼンが副生している。なお通常、このよう
な工程から副生する副生アルキルベンゼンのアルキル基
の炭素数は4〜9の範囲にある。
【0017】かかるアルキルベンゼンは従来有効な用途
がなかったのであるが、本発明により機械・電子・電気
部品用洗浄剤という有用な用途が見いだされたものであ
る。すなわち、本発明のアルキルベンゼンとしてかかる
副生軽質アルキルベンゼンを利用すれば副生物の有効利
用ともなり好ましい。
【0018】もちろん、かかる副生軽質アルキルベンゼ
ンを、たとえばプロピレントリマーをアルキル化原料と
してベンゼンにアルキル化する目的生産により製造して
もよい。かかる軽質アルキルベンゼンとしては、炭素数
9のアルキル基を有する軽質アルキルベンゼンを主とす
る留分がある。上記のようなアルキルベンゼンは、単に
石油から蒸留により得られるアルキルベンゼン留分より
も、安全性が高くまた洗浄性が適当であり好ましいもの
である。
【0019】本発明において炭素数4〜18のアルキル
基を有するアルキルベンゼンは混合して使用しても、ま
たアルキル化による製造過程で生成するものを単離せず
に、留分として使用してもよい。さらに例えば、界面活
性剤用のドデシルベンゼンのアルキル化製造工程から副
生するものを使用すれば本発明の洗浄剤組成物が経済的
に生産できる。この上記アルキルベンゼンは、それ単独
でも精密部品たとえば機械・電子・電気部品用のすぐれ
た洗浄剤となり得るものである。
【0020】しかしながら、上記アルキルベンゼンと脂
肪族アルコール、エステル、エーテル、一般式R-OCn
2nOH(Rは炭素数3〜18の脂肪族炭化水素、n
は1〜4の正数を示す)で表される化合物または界面活
性剤を単独あるいは複数組み合わせて配合して洗浄剤組
成物とすることにより、さらに洗浄性を向上させること
ができる。
【0021】ここで脂肪族アルコールとしては、炭素数
3〜18のアルコールが用いられ、例えば、プロパノー
ル、ブタノール、ペンタノール、t−ブタノール、ヘキ
シルアルコール、オクチルアルコール、ラウリルアルコ
ール、オレイルアルコール、グリセリン、グリコール、
ゲルベアルコールやオキソ法によって合成されるアルコ
ール等の天然および合成で得られる各種アルコールが挙
げられる。
【0022】エステルとしては炭素数18以下のエステ
ルが用いられ、具体的には酢酸プロピル、酢酸ブチル、
酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸エチル、プ
ロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン
酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、酪酸メチル、酪酸
エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチル、酪酸ペンチル、酪
酸ヘキシル等がある。
【0023】エーテルとしてはやはり炭素数18以下の
エーテルが用いられ、具体的にはジメチルエーテル、ジ
エチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ジペンチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチ
ルプロピルエーテル、メチルペンチルエーテル、エチル
プロピルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルペン
チルエーテル、プロピルブチルエーテル、プロピルペン
チルエーテル、ブチルペンチルエーテル、グリセリンメ
チルエーテル等がある。
【0024】前記一般式R-OCn2nOH(Rは炭素数
3〜18の脂肪族炭化水素、nは1〜4の正数を示す)
の化合物として具体的には、ヒドロキシジメチルエーテ
ル、ヒドロキシメチルエチルエーテル、ヒドロキシメチ
ルプロピルエーテル、ヒドロキシメチルイソプロピルエ
ーテル、ヒドロキシメチルブチルエーテル、ヒドロキシ
メチルペンチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ペ
ンチルセロソルブ、3−ヒドロキシプロピルメチルエー
テル、3−ヒドロキシプロピルエチルエーテル、3−ヒ
ドロキシジプロピルエーテル、3−ヒドロキシプロピル
イソプロピルエーテル、3−ヒドロキシプロピルブチル
エーテル、4−ヒドロキシブチルメチルエーテル、4−
ヒドロキシブチルエチルエーテル等がある。これらは、
たとえば、プロパノール、ブタノールなどの炭素数3〜
18の脂肪族アルコールにエチレンオキサイドまたはプ
ロピレンオキサイドなどを付加させることにより製造さ
れる。好ましい化合物は、プロピレンオキサイドを付加
させることにより製造される前記一般式R-OCn2n
H(Rは炭素数3〜18の脂肪族炭化水素、nは1〜4
の正数を示す)で表される化合物である。
【0025】また、界面活性剤としてはアニオン性活性
剤、カチオン性活性剤、両イオン性活性剤等のいずれも
使用することができるが金属性被洗浄品の発錆が少ない
という点では非イオン系界面活性剤が最も良い。例えば
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシア
ルキレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシアル
キレンアルキル脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン
アリルフェノールエーテル、ポリオキシアルキレンソル
ビタン脂肪酸エーテル、ポリオキシルアルキレンアルキ
ルアミン、ソルビタン酸脂肪酸エステル、ポリオキシア
ルキレンなどが好ましい。ここで、ポリオキシアルキレ
ンとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ドまたはブチレンオキサイドの重合体が好ましい。これ
らの界面活性剤は、被洗浄物の表面に残り易いため全体
量の5重量%以下、好ましくは2重量%以下がよい。
【0026】上記界面活性剤の中でも、平均HLB4〜
15の非イオン性界面活性剤が機械・電子・電気部品の
洗浄のために特に優れた効果を発現する。非プロトン系
極性溶媒としてはスルフォラン、炭酸プロピレンなどが
あげられる。これらの脂肪族アルコール、エステル、エ
ーテル、一般式R-OCn2nOH(Rは炭素数3〜18
の脂肪族炭化水素、nは1〜4の正数を示す)で表され
る化合物および界面活性剤、非プロトン系極性溶媒の配
合量は、洗浄剤組成物に対して、これらの合計で0.0
01〜30重量%の範囲にあることが好ましく、さらに
好ましくは、0.01〜10重量%である。0.001
重量%より少ないとこれを加えたことによる効果がでに
くく、また30重量%を越えると界面活性剤などが洗浄
表面に残留して、洗浄された部品の特性に影響を及ぼす
ことがある。
【0027】本発明においては使用目的に応じて界面活
性剤などを介して水を加えて使用してもよい。水を加え
て使用する場合、水の量は0.001重量%未満である
と水を添加した効果が奏せず、5重量%を超えると錆が
発生することがあるところから0.001から5重量%
が適当であり、更に好ましくは0.01から3重量%で
ある。
【0028】本発明においては、使用目的、使用製品に
よってアルキルベンゼンが70重量%以上含まれていれ
ば洗浄剤組成物中に、3〜8量体程度のオレフィンやナ
フテンが混合していてもよいが、アルキルベンゼンの乾
燥に障害となってはならない。
【0029】また、本発明洗浄剤組成物には、その効果
を損なわない範囲で必要に応じてさらにエタノール;ク
エン酸、酒石酸、フタル酸等の有機酸;防腐剤、防錆
剤、消泡剤、酸化防止剤、洗浄用酵素等を配合してもよ
い。
【0030】本発明の洗浄剤組成物は、精密部品および
その組み立て加工工程に使用される治工具類の洗浄に特
に優れた効果を有する。
【0031】本発明において精密部品とは例えば電子部
品、電気部品、精密機械部品、樹脂加工部品、光学部品
等をいう。ここで、電子部品としては例えば電算機およ
びその周辺機器、家電製品、通信機器、OA機器、その
他電子応用機器などに用いられるプリント配線基板;I
Cリードフレーム、抵抗器、コンデンサー、リレー等接
点部材に用いられるフープ材;OA機器、時計、電算機
器、玩具、家電機器等に用いられる液晶表示器;映像、
音声記録/再生部品、その関連部品などに用いられる磁
気記録部品;;シリコンやセラミックのウエハなどの半
導体部品/材料;水素振動子のような電歪用部品;C
D、PD、複写機器、光記録機器などの光変換部品など
が挙げられる。電気部品としては、例えば、ブラシ、ロ
ーター、ステータ、ハウジング等の電動機部品、販売機
や各種機器に用いられる貨幣検査用部品などが挙げられ
る。精密機械部品としては、例えば精密駆動機器、ビデ
オレコーダー等に用いられるベアリング;超硬化製チッ
プなどの加工品が挙げられる。樹脂加工部品としては、
例えばカメラ、自動車等に用いられる精密樹脂加工部品
等が挙げられる。さらに、光学部品としてはカメラ、眼
鏡、光学機器に用いられるレンズが挙げられ、またその
他の部品として眼鏡フレーム、時計ケース、時計ベルト
等がある。
【0032】さらに、本発明における精密部品には、該
精密部品自体の他、該精密部品の組み立て加工工程に使
用される治工具類等の精密部品をも含むものである。こ
の治工具類等とは、上述の各部品例で示したような精密
部品を製造、成形、加工、組み立て、仕上げなどの各種
工程において取り扱う治具、工具の他、これらの精密部
品を取り扱う各種機器、その部品などをいう。
【0033】本発明の洗浄組成物の適用は、上述の使用
例に限られるものではなく、組み立て加工工程において
防錆油などの各種の加工油やフラックス等の後工程に対
する妨害物質、または製品の特性を低下させる各種の油
性汚染物質が付着している一定形状の固体表面を持つ精
密部品類および治工具類などに対して本発明の洗浄剤組
成物を適用できる。
【0034】さらに、これらの汚染物質が例えば油脂、
機械油、切削油、グリース、フラックス等の主として有
機油分の汚れである場合、本願発明の洗浄剤組成物は特
に有効でありこれに金属粉、水分が混入した汚れであっ
ても充分に洗浄除去することができる。
【0035】本発明の洗浄剤組成物は、浸漬法、超音波
洗浄法、振動法、スプレー法、蒸気洗浄法、手拭き法、
水置換乾燥法等の各種の洗浄方法において使用でき、か
つ好ましい結果を得ることができる。
【0036】本発明の洗浄剤を、フラックスの付着した
プリント基板の洗浄工程に用いる場合、例えば、先ず本
発明の洗浄剤組成物を入れた超音波洗浄層で超音波洗浄
し、ついで本発明の洗浄剤組成物で満たした液浴槽に浸
漬洗浄し、最後に本発明の洗浄剤組成物によりシャワー
洗浄や蒸気洗浄するなどの方法を連続的に行うことによ
り効果的に行うことができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが本発明の主旨を逸脱しない限り本発明はこれらに限
定されるものではない。 (参考製造例1)プロピレンの重合により得られた沸点
範囲45〜150℃のノネンを主とするオレフィンを用
いて、フッ化水素触媒により25℃、1.1kg/cm
2の条件でアルキル化を行い、得られた生成物から触媒
を分離して、その後軽質アルキルベンゼンを蒸留塔で分
離した後、それに続く蒸留塔塔頂からアルキルベンゼン
(以下、「A−1」と称する)[密度 0.870g/
cm3 ;沸点245〜263℃;アニリン点 32℃
(混合)]を得た。
【0038】(参考製造例2)プロピレンの重合により
得られた沸点範囲170〜220℃のドデセンを主とす
るオレフィンを用いて、フッ化水素触媒により15℃、
1.1kg/cm2の条件でアルキル化を行い、得られ
た生成物から触媒を分離して、その後軽質アルキルベン
ゼンを蒸留塔で分離した後、それに続く蒸留塔塔頂から
アルキルベンゼン(以下、「A−2」と称する)[密度
0.870g/cm3 ;沸点260〜303℃;アニ
リン点 34℃(混合)]を得た。
【0039】(参考製造例3)プロピレンの重合により
得られた沸点範囲170〜220℃のドデセンを主とす
るオレフィンを用いて、フッ化水素触媒により15℃、
1.1kg/cm2の条件でアルキル化を行い、得られ
た生成物から触媒を分離して、その後軽質アルキルベン
ゼンを蒸留塔で分離することにより参考製造例3アルキ
ルベンゼン(以下、「A−3」と称する。)[密度
0.862g/cm3 ;沸点190〜230℃;アニリ
ン点 30℃(混合)]を得た。
【0040】(洗浄剤の製造)上記参考製造例のアルキ
ルベンゼンの他、以下に挙げる市販の界面活性剤、溶媒
を表1に示す処方で配合することにより洗浄液を製造し
た。但し、比較例1は軽油のみの場合、比較例2はフロ
ンCFC113のみの場合である。 (界面活性剤) B−1;ラウリルエーテル B−2 ;ルビタンエチルエステル B−3;エチレンオキシドプロピレンオキシドブロック
ポリマー(HLB=11.8) (溶媒) C−1;1−ブタノール C−2;ラウリルアルコール C−3;ポリエチレングリコール C−4;炭酸プロピレン C−5;3−ヒドロキシジプロピルエーテル
【0041】(実施例1〜24、比較例1〜2)30mm
×70mmのガラス板に、500mg/m2の割合により精密
機械部品用として使用されている鉱油系防錆油の廃油を
塗布した。このガラス板を40℃に保った上記の洗浄液
に浸漬し、28KHzの超音波で2分間洗浄した後、目視
によりその洗浄性を評価した。結果をまとめて表1に示
した。また繰り返し同一洗浄液で洗浄を行ったが洗浄液
の劣化は認められなかった。なお、洗浄性評価は以下の
基準にしたがって示した。 ◎:表面がきわめて清浄となった。 ○:ほとんど残油なし △:僅かに残油あり
【0042】
【表1】
【0043】(実施例25)実施例1〜24と同様な条
件により鉱油系防錆廃油をガラス板に塗布し以下の組成
をもつ洗浄液で上記と同様に洗浄した後、比較をした。 洗浄剤;アルキルベンゼン80重量%+ラウリルエーテ
ル2重量%+炭酸プロピレン18重量% (比較例3)実施例25と同様な条件により鉱油系防錆
廃油をガラス板に塗布し以下の組成をもつ洗浄液で上記
と同様に洗浄した後、比較をした。 洗浄剤;シクロヘキサン50重量%+ラウリルエーテル
2重量%+炭酸プロピレン18重量% 結果は目視によれば、実施例25と比較例3の両者は洗
浄の程度にほとんど差がみられなかった。しかし、ソッ
クスレーによりヘキサン抽出した後、その重量を比較す
ると7〜12%程度アルキルベンゼンの方が洗浄性が優
れている事が確認できた。また実施例25の洗浄液は繰
り返し同一洗浄液で洗浄を行ったが洗浄液の劣化は認め
られなかった。
【0044】(実施例26)実施例25と同様な条件に
より鉱油系防錆廃油をガラス板に塗布し以下の組成をも
つ洗浄液で上記と同様に洗浄した後、比較をした。 洗浄液;アルキルベンゼン90重量%+ソルビタン酸脂
肪族エステル2重量%+ラウリルアルコール8重量% (比較例4)実施例26と同様な条件により鉱油系防錆
廃油をガラス板に塗布し以下の組成をもつ洗浄液で上記
と同様に洗浄した後、比較をした。 洗浄液;シクロヘキサン50重量%+デカリン40重量
%+ソルビタン酸脂肪族エステル2重量%+ラウリルア
ルコール8重量% 結果は目視によれば、実施例26と比較例4の両者は洗
浄の程度にほとんど差がみられなかった。しかし、ソッ
クスレーによりヘキサン抽出した後、その重量を比較す
ると7〜12%程度アルキルベンゼンの方が洗浄性が優
れている事が確認できた。また実施例26の洗浄液は繰
り返し同一洗浄液で洗浄を行ったが洗浄液の劣化は認め
られなかった。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の洗浄剤は、優れ
た洗浄性、耐劣化性を有するとともに安全性に優れてお
り、環境汚染の心配がないので、電気部品、精密部品ま
たはその組み立て加工工程に用いられる治工具用の洗浄
剤等として有利に使用できるものである。さらにまた、
界面活性剤原料の製造工程である側鎖炭素数がC12の
アルキルベンゼンのアルキル化工程から副生する総炭素
数18未満のアルキルベンゼンあるいは、炭素数9のア
ルキル基を有する軽質アルキルベンゼン留分を使用する
ことができるので経済的にも有利となり、本発明の洗浄
剤により従来の課題を解決できた意義は大きく、その産
業上の利用価値は甚だ大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数4〜18のアルキル基を有するア
    ルキルベンゼンよりなる精密部品用洗浄剤。
  2. 【請求項2】 炭素数4〜18のアルキル基を有するア
    ルキルベンゼン70〜99.99重量%および炭素数3
    〜18のアルコール、エステル、エーテル、一般式R-
    OCn2nOH(Rは炭素数3〜18の脂肪族炭化水
    素、nは1〜4の整数を示す)で表わされる化合物、界
    面活性剤、非プロトン系極性溶媒から選ばれるいずれか
    1種以上の化合物0.01〜30重量%からなる精密部
    品用洗浄剤組成物。
  3. 【請求項3】 水を0.001〜5重量%含む請求項2
    記載の精密部品用洗浄剤組成物。
JP19028992A 1992-06-25 1992-06-25 精密部品用洗浄剤 Pending JPH0641587A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998050339A1 (fr) * 1997-05-07 1998-11-12 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. 1-ACETOXY-3-n-PROPOXYPROPANE ET SOLVANTS D'ETHER ALCOOL
US5954891A (en) * 1997-01-09 1999-09-21 Kao Corporation Detergent composition for removing resinous stains
JP2008093615A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Taiheiyo Cement Corp 静電チャックの洗浄方法

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