JPH0641514Y2 - 香床用敷物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、お香を焚くための香床用敷物に関する。

［従来の技術］ 従来お香を焚くときは、灰又は金属、陶器、樹脂等の不
燃治具を用いていたが、灰以外の不燃素材では、治具に
触れる部分が燃えず、若干の燃え残りが避けられなかっ
た。

［考案が解決しようとする課題］ 従って、本考案の目的は、前記の様な欠点を解消し、ど
のようなタイプのお香でも完全に燃焼させることができ
る香床を提供することにある。

［課題を解決するための手段および作用］ 本考案の香床用敷物は、前記目的を達成するために、ポ
リオレフィンにハロゲン系難燃剤を配合した発泡性架橋
性組成物を発泡させて気泡体を生成させ、次いで機械的
変形を加えて気泡を連通化させて、得られた架橋ポリオ
レフィン連続気泡体にリン系難燃剤を含浸させ、次いで
電子線を照射し、該連続気泡体の内部および表面に不溶
性の重合物を生ぜしめることによって製造される難燃性
架橋ポリオレフィン連続気泡体を用いることを特徴とす
る。

本考案において、難燃性架橋ポリオレフィン連続気泡体
の基材としては、加工性及び弾性の点からポリエチレン
又はエチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。

本考案の香床用敷物の形状は、特には限定されず、円
形、楕円形、菱形、台形等種々の形状が可能であるが、
お香を寝かせて焚く上面を矩形にしておくと、お香のケ
ースに収納し易い。

本考案の香床用敷物の上面は、平面でも良いが、お香を
寝かせて焚くための凹溝を形成することによって、お香
が転がって該敷物から落ちることを防ぐことができる。
凹溝の配列の仕方は、該敷物の表面の中央部から周縁部
に放射状に設けても良いし、或は縦方向もしくは横方向
に並列的に設けても良く、縦横に碁盤目上に設けても良
い。又、凹溝は、直線状のみならず曲線状もしくは波形
状等種々の形状のものが用いられる。

本考案の上面に波形を形成して、お香の転落を防止する
こともできる。又は、上面にプロファイル加工等によっ
て、凹凸を形成して、お香の転落を防止することもでき
る。

本考案に用いる難燃性連続気泡体の難燃性が不充分であ
ると、お香を焚いたときに、気泡体が燃えたり、基材が
溶けてしまい、不都合である。連続気泡体の難燃性の程
度としては、米国UL（Underwriters Laboratories）規
格の94HF−１（水平燃焼テスト）に合格するものが好ま
しく、UL規格94V−０（垂直燃焼試験）に合格するもの
が特に好ましい。この様な高度な難燃性を有する連続気
泡体であれば、表面にお香を寝かせて焚いても、黒く焦
げるだけであり、連続気泡体が燃えたり、溶けたりする
ことがない。

本考案の香床用敷物の縦横のサイズは、特には制限され
ないが、厚みは、５〜15mmの範囲が好ましく、７〜13mm
が特に好ましい。厚みが5mm未満であると、お香が燃え
たときの黒いヤニが香床用敷物の下面に抜けてしまい、
下の机等を汚す恐れがある。一方、厚みが15mmを超える
と、連続気泡体の材料費が高くつく。

本考案の連続気泡体の連続気泡率は、好ましくは80〜10
0％、特に好ましくは90〜100％である。連続気泡率が80
％未満であると、空気の供給が不充分になり、お香の火
が消えてしまうことがある。

［実施例］ 次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は、上面が矩形であり、難燃性架橋ポリエチレン
連続気泡体からなる香床用敷物２及び棒状のお香１を焚
いたときの使用例を示す。

第２図は、上面にお香を寝かせて焚くための凹溝３が並
列的に形成されてなる香床用敷物４を示す。凹溝３にお
香を寝かせて焚けば、転がることがなく、安全である。

第３図は、上面に波形が形成されてなる香床用敷物５を
示し、波形の谷部６にお香を寝かせて焚くことができ
る。この様な波形はワイヤーカット等によって加工され
る。

第４図は、上面に凹凸が形成されてなる香床用敷物７を
示し、凹部８のつながっているところにお香を寝かせて
焚く。このような凹凸はプロファイル加工等によって得
られる。

上記第２図、第３図及び第４図に示された香床用敷物は
お香の転がり防止の効果を有する。

［考案の効果］ かかる香床用敷物を用いれば、お香と敷物との接触面積
が小さいので、棒状、線状、円錐状等のどのようなタイ
プのお香でも、完全に燃焼させることができる。又、熱
伝達率の低い難燃性架橋ポリオレフィン連続気泡体で構
成されているので、燃焼熱が逃げず、棒状、線状等のお
香を寝かせて焚くことができ、途中で消えることがな
い。

本願考案の香床用敷物の表面に種々の形状を形成させる
ことによって、お香を転がりを防止でき、一般家庭で安
全かつ簡単に使用できる。更に、本考案の香床用敷物
は、簡単な構成であるので、極めて安価に製造でき、汎
用性がある。

【図面の簡単な説明】

第１図、香床面が矩形である香床用敷物の斜視図及び使
用例、第２図は、上面に凹溝が形成されてなる香床用敷
物の斜視図及び使用例、第３図は、上面に波形が形成さ
れてなる香床用敷物の斜視図及び使用例、第４図は、上
面に凹凸が形成されてなる香床用敷物の斜視図及び使用
例である。 図面において、１はお香、２は上面が矩形である香床用
敷物、４は上面に凹溝が形成されてなる香床用敷物、５
は上面に波形が形成されてなる香床用敷物、７は上面に
凹凸が形成されてなる香床用敷物。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ポリオレフィンにハロゲン系難燃剤を配合
   した発泡性架橋性組成物を発泡させて気泡を生成させ、
   次いで機械的変形を加えて気泡を連通化させて、得られ
   た架橋ポリオレフィン連続気泡体にリン系難燃剤を含浸
   させ、次いで電子線を照射し、該連続気泡体の内部およ
   び表面に不溶性の重合物を生ぜしめることによって製造
   される難燃性架橋ポリオレフィン連続気泡体からなる香
   床用敷物。
2. 【請求項２】上面が矩形である請求項１記載の香床用敷
   物。
3. 【請求項３】上面にお香を寝かせて焚くための凹溝が形
   成されてなる請求項１又は２記載の香床用敷物。
4. 【請求項４】上面に波形が形成されてなる請求項１又は
   ２記載の香床用敷物。
5. 【請求項５】上面に凹凸が形成されてなる請求項１又は
   ２記載の香床用敷物。