JPH0641444B2 - 光学活性スレオニンの製造法 - Google Patents

光学活性スレオニンの製造法

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JPH0641444B2
JPH0641444B2 JP62324399A JP32439987A JPH0641444B2 JP H0641444 B2 JPH0641444 B2 JP H0641444B2 JP 62324399 A JP62324399 A JP 62324399A JP 32439987 A JP32439987 A JP 32439987A JP H0641444 B2 JPH0641444 B2 JP H0641444B2
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    • C07C269/06Preparation of derivatives of carbamic acid, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups by reactions not involving the formation of carbamate groups

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、2−N−アシルアミノ−アセト酢酸エステル
類を、触媒としてルテニウム−光学活性ホスフイン錯体
を用いて不斉水素化し、次いでこれを加水分解すること
により、不可欠アミノ酸として重要な、且つ、医薬品の
中間体として用いられる光学活性スレオニンを製造する
方法に関するものであつて、使用するルテニウム−光学
活性ホスフイン錯体の配位子の絶対配置を選択すること
により、天然型スレオニン、非天然型スレオニンをつく
り分けることができるものである。
〔従来の技術〕
光学活性スレオニンの製造方法としては、従来から数多
く知られているが、その代表的な例を挙げると、まず、
ラセミ体のDL−スレオニンを合成し、これを酵素を用
いて光学分割し、不要部はラセミ化して再使用する方法
が知られている (Fodorら;J.Biol.Chem.,178,503(1949))。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来のスレオニン合成に於いて問題となる点は、第一
に、スレオ体だけを選択的に合成することは難しく、普
通はスレオ/エリスロ=8/2となること及びスレオ
体、エリスロ体の各々に光学異性体(対掌体)が存在す
るために各々を純粋に作る場合の手段としては、ラセミ
体の光学分割法によらなければならないことである。そ
してこのことから分離精製工程、不要部のラセミ化工程
等が必要となり、スレオニンの製造価格が高くなるとい
う問題点があつた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、このような問題点を解決し、工業界の要
請に答えるべく研究を重ねた結果、ルテニウム−光学活
性ホスフイン錯体を触媒とし、2−N−アシルアミノ−
アセト酢酸エステル類を水素化することにより光学活性
なN−アシルスレオニン類を選択的に、且つ高収率で合
成できることを見出した。また、この方法によれば、ル
テニウム−光学活性ホスフイン錯体の配位子の絶対配置
を選択することで、天然型スレオニン、または非天然型
スレオニンのどちらでも自由に合成することができるこ
とを見出した。
本発明は、これらの知見に基き完成されたものであり、
次の一般式(I) (式中、R1は低級アルキル基、低級アルキル基若しくは
低級アルコキシ基で置換してもよいフエニル基、または
低級アルキル基若しくは低級アルコキシ基で置換しても
よいベンジル基を、R2は水素原子、低級アルキル基、低
級アルコキシ基、低級アルキル基若しくは低級アルコキ
シ基で置換してもよいフエニル基、または低級アルキル
基若しくは低級アルコキシ基で置換してもよいベンジル
オキシ基を示す) で表わされる2−N−アシルアミノ−アセト酢酸エステ
ル類を、後記の一般式(III)、(V)、(VI)又は(V
II)で表わされるルテニウム−光学活性ホスフイン錯体
を触媒として不斉水素化を行い、次の一般式(II) (式中、R1及びR2は上記と同じ意義を有する) で表わされる光学活性スレオニン誘導体を得、ついでこ
れを加水分解することを特徴とする光学活性スレオニン
の製造法である。
本発明方法の原料である2−N−アシルアミノ−アセト
酢酸エステル類は、例えばShulginら;J.Am.Chem.So
c.,74,2427(1952),Attenburrowら;J.Chem.Soc.,31
0(1948)に記載の方法により得ることが出来る。2−N
−アシルアミノ−アセト酢酸エステル類としては、たと
えば、2−N−アセトアミド−アセト酢酸メチルエステ
ル、2−N−アセトアミド−アセト酸酸エチルエステ
ル、2−N−アセトアミド−アセト酢酸n−ブチルエス
テル、2−N−アセトアミド−アセト酢酸t−ブチルエ
ステル、2−N−アセトアミド−アセト酢酸ベンジルエ
ステル、2−N−アセトアミド−アセト酢酸p−メトキ
シベンジルエステル、2−N−アセトアミド−アセト酢
酸p−メチルベンジルエステル、2−N−ベンズアミド
−アセト酢酸メチルエステル、2−N−ベンズアミド−
アセト酢酸エチルエステル、2−N−ベンズアミド−ア
セト酢酸ベンジルエステル、2−N−ベンジルオキシカ
ルボニルアミド−アセト酢酸エチルエステル、2−N−
エトキシカルボニルアミド−アセト酢酸メチルエステ
ル、2−N−t−ブトキシカルボニルアミド−アセト酢
酸エチルエステル、2−N−ベンジルオキシカルボニル
アミド−アセト酢酸ベンジルエステル、2−N−ホルム
アミド−アセト酢酸メチルエステル、2−N−ホルムア
ミド−アセト酢酸ベンジルエステル、2−N−ホルムア
ミド−アセト酢酸t−ブチルエステル等が使用できる
が、これらに限られるものではない。
本発明に用いられる触媒のルテニウム−光学活性ホスフ
ィン錯体は、次の一般式(III)、(V)、(VI)また
は(VII)で表わされるものである。
RuxHyclz(R3-BINAP)2(S)p (III) (式中、R3−BINAPは式(IV) で表わされる三級ホスフインを示し、R3は水素、メチル
基またはt−ブチル基を示し、Sは三級アミンを示し、
yが0のときxは2、zは4、pは1を示し、yが1の
ときxは1、zは1、pは0を示す) 〔RuHu(R3-BINAP)v〕Yw (V) (式中、R3−BINAPは上記と同じ意義を有し、YはCl
O4、BF4又はPF6を示し、uが0のときvは1、wは2を
示し、uが1のときvは2、wは1を示す) (式中、R3−BINAPは上記と同じ意義を有し、R4は低級
アルキル基またはトリフロロメチル基を示す) 〔Ru(R3-BINAP)MClklXm (VII) (式中、R3−BINAPは上記と同じ意義を有し、MはZn、A
l、TiまたはSnを意味し、Xは N(C2H5)3またはCH3CO2を意味し、XがN(C2H5)3の場合、
lが2、mが1であり、かつMがZnのときはkが4、Al
のときはkが5、TiまたはSnのときはkが6であり、X
がCH3CO2の場合、lが1、mが2であり、かつMがZnの
ときはkが2、Alのときはkが3、TiまたはSnのときは
kが4である) 式(III)のルテニウム−光学活性ホスフイン錯体は、T.I
kariyaら;J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,(1985)p.9
22−924及び特開昭61−63690号で開示されている方法
により得ることができる。すなわち、y=0の場合の式
(III)の錯体は、ルテニウムクロライドとシクロオクタ
−1,5−ジエン(以下、CODと略す)をエタノール
溶液中で反応させることにより得られる〔RuCl2(CO
D)〕1モルと、2,2′−ビス(ジ−p−R3−フエ
ニルホスフイノ)−1,1′−ビナフチル(R3−BINA
P)1.2モルをトリエチルアミンのごとき三級アミン4モ
ルの存在下、トルエンまたはエタノール等の溶媒中で加
熱反応させることにより得られる。y=1の場合の化合
物は、〔RuCl2(COD)〕1モル、R3−BINAP2.25モル
及び三級アミン4.5モルを反応させることにより得られ
る。
式(V)のルテニウム−光学活性ホスフイン錯体のうち、
uが0、vが1、wが2の場合の錯体も上記の方法によ
り得られたRu2Cl4(R3-BINAP)2(NEt3)(Etはエチル基
を示す)を原料として製造することができる。すなわ
ち、このものと次式(VIII) MY (VIII) (式中、MはNa、K、Li、Mg、Agの金属を示し、Yは前
記と同様の意義を有する) で表わされる塩とを、溶媒として水と塩化メチレンを用
いて、次式(IX) R5R6R7R8AB (IX) 式中、R5、R6、R7及びR8は炭素数1〜16のアルキル
基、フエニル基またはベンジル基を意味し、Aは窒素原
子またはリン原子を意味し、Bはハロゲン原子を意味す
る) で表わされる四級アンモニウム塩または四級ホスホニウ
ム塩を相間移動触媒として使用し、反応せしめてルテニ
ウム−ホスフイン錯体を得る。
Ru2Cl4(R3-BINAP)2(NEt3)と塩(VIII)との反応は、水と
塩化メチレンの混合溶媒中に両者と相間移動触媒(IX)を
加えて撹拌して行わしめる。塩(VIII)及び相間移動触媒
(IX)の量は、ルテニウムに対してそれぞれ2〜10倍モ
ル(好ましくは5倍モル)、1/100〜1/10倍モル
である。反応は5〜30℃の温度で6〜18時間、通常
は12時間の撹拌で充分である。相間移動触媒(IX)とし
ては、文献〔例えば、W.P.Weber、G.W.Gokel共著、田伏
岩夫、西谷孝子共訳「相間移動触媒」(株)化学同人
(1978−9−5)第1版〕に記載されているものが
用いられる。反応終了後、反応物を静置し、分液操作を
行い、水層を除き、塩化メチレン溶液を水洗した後、減
圧下、塩化メチレンを留去し目的物を得る。
式(V)の錯体のうち、uが1、vが2、wが1に相当す
る錯体を製造する場合は、RuHCl(R3-BINAP)2を原料とし
て、これと塩(VIII)とを相間移動触媒(IX)の存在下に塩
化メチレン等と水の混合溶媒中で反応せしめればよい。
塩(VIII)と相間移動触媒(IX)の量は、ルテニウムに対し
てそれぞれ2〜10倍モル(好ましくは5倍モル)、1
/100〜1/10倍モルである。反応は、5〜30℃の
温度で6〜18時間、通常は12時間の撹拌で充分であ
る。
式(VI)のルテニウム−光学活性ホスフイン錯体は、Ru2C
l4(R3-BINAP)2(NEt3)を原料とし、これとカルボン酸塩
をメタノール、エタノール、t−ブタノール等のアルコ
ール溶媒中で、約20〜110℃の温度で3〜15時間
反応させた後、溶媒を留去して、エーテル、エタノール
等の溶媒で目的の錯体を抽出した後、乾固すれば粗製の
錯体が得られる。更に酢酸エチル等で再結晶して精製品
を得ることができる。アシルオキシ基は、用いるカルボ
ン酸の種類を変えることにより所望のものを得ることが
出来る。上記の錯体を原料とし、酢酸ソーダを用いた場
合は、Ru(R3-BINAP)(OCOCH3)2を得る。また、トリフロ
ロ酢酸基を有する錯体を製造する場合は、上記の如くし
て得たジアセテート錯体にトリフロロ酢酸を塩化メチレ
ンを溶媒として約25℃で約12時間反応せしめて得る
ことが出来る。
式(VII)のルテニウム−光学活性ホスフイン錯体は、Ru2
Cl4(R3-BINAP)2(NEt3)あるいはRu(R3-BINAP)(OCOCH3)2
を原料として製造することができる。すなわち、Ru2Cl4
(R3-BINAP)2(NEt3)と、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、
四塩化チタン、四塩化スズのうちより選ばれたルイス酸
の1種とを、塩化メチレンのごとき溶媒中で、10〜2
5℃の温度で2〜20時間反応せしめた後、溶媒を留去
し、乾固すれば目的のルテニウム−ホスフイン錯体が得
られる。また、Ru(R3-BINAP)(OCOCH3)2と、上記のルイ
ス酸の1種を、塩化メチレンのごとき溶媒中で、10〜
25℃の温度で2〜20時間反応せしめた後、溶媒を留
去し、乾固することによつても目的のルテニウム−ホス
フイン錯体が得られる。
以上の製造法において、光学活性なR−BINAPを使用
することにより、これに対応する光学活性な性質を有す
るルテニウム−ホスフイン錯体を得ることが出来る。
以上のルテニウム−光学活性ホスフイン錯体の例として
次のものが挙げられる。
Ru2Cl4(BINAP)2(NEt3) 〔BINAPは、2,2′−ビス(ジフエニルホスフイノ)
−1,1′−ビナフチルをいう〕 Ru2Cl4(T-BINAP)2(NEt3) 〔T-BINAPは、2,2′−ビス(ジ−p−トリルホスフ
イノ)−1,1′−ビナフチルをいう〕 Ru2Cl4(t-Bu-BINAP)2(NEt3) 〔t-Bu-BINAPは、2,2′−ビス(ジ−p−ターシヤリ
ーブチルフエニルホスフイノ)−1,1′−ビナフチル
をいう〕 RuHCl(BINAP)2 RuHCl(T-BINAP)2 RuHCl(t-Bu-BINAP)2 〔Ru(BINAP)〕(ClO4)2 〔Ru(T-BINAP)〕(ClO4)2 〔Ru(t-Bu-BINAP)〕(ClO4)2 〔Ru(BINAP)〕(BF4)2 〔Ru(T-BINAP)〕(BF4)2 〔Ru(t-Bu-BINAP)〕(BF4)2 〔Ru(BINAP)〕(PF6)2 〔Ru(T-BINAP)〕(PF6)2 〔RuH(BINAP)2〕ClO4 〔RuH(T-BINAP)2〕ClO4 〔RuH(BINAP)2〕BF4 〔RuH(T-BINAP)2〕BF4 〔RuH(BINAP)2〕PF6 〔RuH(T-BINAP)2〕PF6 Ru(BINAP)(OCOCH3)2 Ru(BINAP)(OCOCF3)2 Ru(T-BINAP)(OCOCH3)2 Ru(BINAP)(OCO-t-Bu)2 (t-Buは、ターシヤリーブチルをいう) Ru(T-BINAP)(OCOCF3)2 Ru(t-Bu-BINAP)(OCOCH3)2 〔Ru(BINAP)ZnCl42(NEt3) 〔Ru(BINAP)AlCl52(NEt3) 〔Ru(BINAP)SnCl62(NEt3) 〔Ru(BINAP)TiCl62(NEt3) 〔Ru(T-BINAP)ZnCl42(NEt3) 〔Ru(T-BINAP)AlCl52(NEt3) 〔Ru(T-BINAP)SnCl62(NEt3) 〔Ru(T-BINAP)TiCl62(NEt3) 〔Ru(BINAP)ZnCl2〕(OCOCH3)2 〔Ru(BINAP)AlCl3〕(OCOCH3)2 〔Ru(BINAP)SnCl4〕(OCOCH3)2 〔Ru(BINAP)TiCl4〕(OCOCH3)2 〔Ru(T-BINAP)ZnCl2〕(OCOCH3)2 〔Ru(T-BINAP)AlCl3〕(OCOCH3)2 〔Ru(T-BINAP)SnCl4〕(OCOCH3)2 〔Ru(T-BINAP)TiCl4〕(OCOCH3)2 本発明を実施するには、先ず、窒素気流中、オートクレ
ーブに、2−N−アシルアミノ−アセト酢酸エステル類
を等量〜10倍量のメタノール、エタノール、イソプロ
パノール等の溶媒に溶解したものを入れ、続いて基質に
対して50分の1〜1000分の1モルのルテニウム−
光学活性ホスフイン錯体を加える。これを水素圧力10
〜100kg/cm2、温度25〜50℃で、15〜48時間
反応させることによりN−アシル−スレオニン類を得る
ことができる。このアシル体を、常法により塩酸水中で
加水分解し、精製して目的物のスレオニンを得る。
〔実施例〕
次に参考例及び実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明
する。
参考例1 Ru2Cl((+)-BINAP)2(NEt3)(ジ〔2,2′−ビス(ジフ
エニルホスフイノ)−1,1′−ビナフチル〕テトラク
ロロ−ジルテニウムトリエチルアミン)の合成: 〔RuCl2(COD)〕1g(3.56ミリモル)、(+)-BINAP2.6
6g(4.27ミリモル)及びトリエチルアミン1.5gを10
0mlのトルエン中に窒素雰囲気下に加える。10時間加
熱還流させた後、溶媒を減圧下留去した。結晶を塩化メ
チレンを加えて溶解した後、セライト上でろ過し、ろ液
を濃縮乾固したところ3.7gの濃褐色の固体を得た。
元素分析値:C94H79Cl4NP4Ru2として 1H-NMR(CDCl3)δppm: 1.30−1.50(t,6H,NCH2CH3) 3.05−3.30(q,4H,NCH2CH3) 6.40−8.60(m,32H,Ar-H) 参考例2 〔Ru((-)-T-BINAP)〕(ClO4)2(〔2,2′−ビス(ジ−
p−トリルホスフイノ)−1,1′−ビナフチル〕ルテ
ニウム過塩素酸塩)の合成: Ru2Cl4((-)-T-BINAP)2(NEt3)0.54g(0.30ミリモル)
を、250mlのシユレンク管に入れ、充分窒素置換を行
つてから、塩化メチレン60mlを加え、続いて過塩素酸
ソーダ0.73g(6.0ミリモル)を60mlの水に溶解した
ものと、トリエチルベンジルアンモニウムブロマイド1
6mg(0.06ミリモル)を3mlの水に溶かしたものを加え
た後、室温にて12時間撹拌して反応させた。反応終了
後、静置し、分液操作を行い水層を取り除き、塩化メチ
レンを減圧下にて留去し、減圧下で乾燥を行い、濃褐色
の固体〔Ru((-)-T-BINAP)〕(ClO4)20.59gを得た。収率
99.6% 元素分析値:C48H40Cl2O8P2Ruとして 31P-NMR(CDCl3)δppm: 12.920(d,J=41.1Hz) 61.402(d,J=41.1Hz 参考例3 Ru((-)-BINAP)(OCOCH3)2(〔2,2′−ビス(ジフエニ
ルホスフイノ)−1,1′−ビナフチル〕ルテニウム−
ジアセテート)の合成: Ru2Cl4((-)-BINAP)2(NET3)錯体1.43g(0.85ミリモル)
と酢酸ソーダ3.06g(37ミリモル)を、250mlのシ
ユレンク管に入れ、充分窒素置換を行つてから、t−ブ
タノール100mlを加え、12時間加熱還流して反応さ
せた。反応終了後、20mmHgの減圧下で、t−ブタノー
ルを留去して乾固した後、エチルエーテル10mlで2回
抽出した。エチルエーテルを留去して乾固し、得られた
固体を更にエタノール10mlで2回抽出した。抽出液を
濃縮して乾固し、粗製のRu((-)-BINAP)(OCOCH3)21.50g
を得た。このものを更に酢酸エチルエステルから再結晶
を行い、黄褐色の固体0.79gを得た。収率52%。
融点:180〜181℃(分解) 元素分析値:C48H38O4P2Ruとして 31P-NMR(CDCl3)δppm: 65.00(s)1 H-NMR(CDCl3)δppm: 参考例4 〔Ru((-)-T-BINAP)SnCl62(NEt3)(ビス〔ルテニウム
(2,2′−ビス(ジ−p−トリルホスフイノ)−1,
1′−ビナフチル)ヘキサクロロチン〕トリエチルアミ
ン)の合成: Ru2Cl4((-)-T-BINAP)2(NEt3)0.52g(0.3ミリモル)を
80mlのシユレンク管に入れ、充分窒素置換を行つてか
ら、塩化メチレン20mlと、SnCl40.16g(0.6ミリモ
ル)を加え、室温にて15時間かき混ぜた。反応終了
後、減圧下で塩化メチレンを留去して、乾固したとこ
ろ、濃褐色の〔Ru((-)-T-BINAP)SnCl62(NEt3)0.68g
を得た。収率100%。
元素分析値:C102H95Cl12NP4Sn2Ru2 31P-NMR(CDCl3)δppm: 14.14(d,J=41.7Hz) 62.57(d,J=41.7Hz) なお、以上の各参考例において、31P核磁気共鳴スペク
トル(以下、31PNMRと略す)は、ブルツカー社製AM400
型装置(161MHz)を用いて測定し、化学シフトは8
5%リン酸を外部標準として測定した。
実施例1 あらかじめ窒素置換を行つた500mlのステンレスオー
トクレーブに、2−N−ベンズアミド−アセト酢酸エチ
ルエステル29g(0.12モル)と参考例1に準じて合成
したルテニウム−光学活性ホスフイン錯体Ru2Cl4((-)-T
-BINAP)2(NEt3)582mg(0.33ミリモル)を二塩化メチ
レン100mlに溶かしたものを加え、室温下、水素圧4
0kg/cm2で、80時間撹拌持続して反応させた。水添反
応物の溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフイー(溶離液は、ヘキサンとイソプロパノールの
7:3の混合液を使用)により触媒を除き、23.0gのN
−ベンゾイル−D−スレオニンエチルエステルを得た。
これをエチルエーテルとn−ヘキサンの2:1の混合液
から結晶化して15.0gの精製品を得た。更にベンゼンと
エチルエーテルの2:1の混合液より再結晶して12.0g
の精製品を得た。収率41.4%。m.p.85−86.5℃。▲
〔α〕25 D▼−29.5°(クロロホルム c=3.225)。
次に、N−ベンゾイル−D−スレオニンエチルエステル
3.6gをとり、10%塩酸中、3時間還流して均一溶液
を得た。氷冷下1時間放置して安息香酸の結晶を去し
た後、液を濃縮乾固した。次いで水10mlを加えて溶
解し、28%アンモニア水でpH7.0に調整し、水とエタ
ノールの1:2の混合液より再結晶精製して1.2gのD
−スレオニンを得た。収率71%。▲〔α〕25 D▼+27.
6°(H2O c=1.23)。光学純度97.2ee%。1 H-NMR(重水)δppm: 4.18(1H) 3.55(1H,J=4.86Hz) 1.25(3H,J=6.78HZ) 実施例2 あらかじめ窒素置換を行つた500mlのステンレスオー
トクレーブに、2−N−アセトアミド−アセト酢酸エチ
ルエステル20.7g(0.11モル)と参考例1に準じて合成
したルテニウム−光学活性ホスフイン錯体Ru2Cl4((-)-T
-BINAP)2(NEt3)444mg(0.25ミリモル)を二塩化メチ
レン200mlに溶かしたものを加え、50℃、水素圧1
00kg/cm2で、24時間撹拌持続して反応させた。水添
反応物の溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフイー(溶離液は、ヘキサンとイソプロパノール
の7:3の混合液を使用)に付して触媒を除き、19.5g
のN−アセチル−D−スレオニンエチルエステルを得
た。収率93%。
次にN−アセチル−D−スレオニンエチルエステル4.4
gをとり、10%塩酸中3時間還流して均一溶液を得
た。濃縮乾固し、水10mlを加え28%アンモニア水で
pH7に調整し、水とエタノールの1:2の混合液より再
結晶精製して2.2gのD−スレオニンを得た。収率79
%。
▲〔α〕25 D▼+28.0°(H2O c=1.85)。光学純度9
8.6ee%。1H-NMRスペクトル(重水)は実施例1と同じ
結果を得た。
実施例3 2−N−アセトアミド−アセト酢酸メチルエステル17.3
g(0.1モル)と、参考例1で得たRu2Cl4((+)-BINAP)
2(NEt3)422mg(0.25ミリモル)をメタノール50ml
にとかし、窒素気流下でオートクレーブに仕込んだ。3
5℃、水素圧40kg/cm2で24時間水素化し、メタノー
ルを留去した後、10%塩酸72mlを加えて3時間加熱
還流して均一溶液を得た。溶液を濃縮乾固して水50ml
を加え、28%アンモニア水でpH7に調整し、析出した
結晶を集めて乾燥し、L−スレオニン8.1g(0.07モ
ル)を得た。収率68%。
▲〔α〕25 D▼−27.8°(H2O c=2.0)。光学純度97.
9ee%。
実施例4 2−N−アセトアミド−アセト酢酸エチルエステル18.7
g(0.1モル)と、参考例2に準じて合成した〔Ru((+)-
BINAP)〕(ClO4)2461mg(0.5ミリモル)をエタノール
50mlにとかし、窒素気流下でオートクレーブに仕込ん
だ。25℃、水素圧70kg/cm2で40時間水素化し、反
応液からエタノールを留去した後、10%塩酸70mlを
加えて4時間加熱還流した。溶液を濃縮乾固してから水
47mlを加え、更に28%アンモニア水でpH7に調整
し、析出した結晶を集めて乾燥し、L−スレオニン8.56
gを得た。収率72%。
▲〔α〕25 D▼−27°(H2O c=1.5)。光学純度9
5ee%。
実施例5 2−N−ベンジルオキシカルボニルアミド−アセト酢酸
エチルエステル28g(0.1モル)と、参考例4に準じ
て合成した〔Ru((-)-BINAP)SnCl62(NEt3)1105mg
(0.5ミリモル)をエタノール80mlにとかし、窒素気
流下でオートクレーブに仕込んだ。30℃、水素圧50
kg/cm2で30時間水素化し、反応液からエタノールを留
去した後、10%塩酸70mlを加えて3時間加熱還流し
た。溶液を濃縮乾固してから水50mlを加え、更に28
%アンモニア水でpH7とした。析出した結晶を集めて乾
燥し、D−スレオニン8.33gを得た。収率70%。▲
〔α〕25 D▼+25.6°(H2O c=2.1)。光学純度90e
e%。
実施例6 2−N−アセトアミド−アセト酢酸エチルエステル18.7
g(0.1モル)と、参考例3に準じて合成したRu((-)-T-
BINAP)(OCOCH3)289.7mg(0.1ミリモル)をエタノール5
4mlにとかし、窒素気流下でオートクレーブに仕込ん
だ。30℃、水素圧70kg/cm2で、35時間水素化し、
反応液からエタノールを留去した後、10%塩酸70ml
を加えて3時間加熱還流した。溶液を濃縮乾固してから
水50mlを加え、更に28%アンモニア水でpH7に調整
し、析出した結晶を集めて乾燥し、D−スレオニン8.9
gを得た。収率72%。
▲〔α〕25 D▼+27°(H2O c=1.7)。光学純度8
8ee%。
実施例7〜14 基質、触媒、反応条件を変えたほかは、実施例1〜6に
準じて操作を行つた結果を次の第1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明は、安価なルテニウム−光学活性ホスフイン錯体
を触媒として用いて、2−N−アシルアミノ−アセト酢
酸エステル類を不斉水素化し、次いでこれを加水分解す
ることにより、不可欠アミノ酸として重要な、且つ、医
薬品の中間体として用いられる光学活性スレオニンを製
造する方法である。そして、本発明方法によればルテニ
ウム−光学活性ホスフイン錯体の絶対配置を選択するこ
とにより天然型スレオニン、非天然型スレオニンをつく
り分けることができるので、極めて工業的に優れたもの
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(I) (式中、Rは低級アルキル基、低級アルキル基若しく
    は低級アルコキシ基で置換してもよいフェニル基または
    低級アルキル基若しくは低級アルコキシ基で置換しても
    よいベンジル基を、Rは水素原子、低級アルキル基、
    低級アルコキシ基、低級アルキル基若しくは低級アルコ
    キシ基で置換してもよいフェニル基、または低級アルキ
    ル基若しくは低級アルコキシ基で置換してもよいベンジ
    ルオキシ基を示す) で表わされる2−N−アシルアミノ−アセト酢酸エステ
    ル類を、次の一般式(III)、(V)、(VI)または(V
    II) で表わされるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体を触
    媒として不斉水素化を行い、次の一般式(II) (式中、R及びRは上記と同じ意義を有する)で表
    わされる光学活性スレオニン誘導体を得、ついでこれを
    加水分解することを特徴とする光学活性スレオニンの製
    造法。
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