JPH0640937A - Lpsを含む鎮痛剤及び動物用鎮痛剤 - Google Patents

Lpsを含む鎮痛剤及び動物用鎮痛剤

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JPH0640937A
JPH0640937A JP3291844A JP29184491A JPH0640937A JP H0640937 A JPH0640937 A JP H0640937A JP 3291844 A JP3291844 A JP 3291844A JP 29184491 A JP29184491 A JP 29184491A JP H0640937 A JPH0640937 A JP H0640937A
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JP
Japan
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lps
molecular weight
analgesic
macrophage
ability
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JP3291844A
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Genichiro Soma
源一郎 杣
Atsushi Yoshimura
淳 吉村
Daisuke Tsukioka
大輔 月岡
Denichi Mizuno
伝一 水野
Haruyuki Oshima
治之 大島
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CHIBA SEIFUN KK
Original Assignee
CHIBA SEIFUN KK
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化学治療係数が高く、経口、経皮、注射のい
ずれでも投与可能な鎮痛剤、動物用鎮痛剤を提供する。 【構成】 下記LPSの少なくとも1種を含むことを特
徴とする。LPSのインビトロで培養されるマクロファ
ージのTNF産生能を活性化するLPSのマクロファー
ジ活性化能を指標とし、縦軸に、そのLPSを添加しな
いときのマクロファージのTNF産生量を与えるマクロ
ファージ活性化能を0%、マクロファージのTNF産生
量を最大恒量にする時のLPSのマクロファージ活性化
能を100%とするマクロファージ活性化能(%)を表
し、横軸に、そのLPSのリムラステスト陽性LPS含
有量を対数尺で表すシグモイド曲線を描くとき、マクロ
ファージ活性化能のED50を与えるリムラステスト陽
性LPS含有量が0.4〜100ng/培養液mlであ
るLPS。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鎮痛剤及び動物用鎮痛
剤に関する。より詳細には、本発明は、LPSを含む鎮
痛剤及び動物用鎮痛剤に関する。
【0002】
【従来の技術】痛みは、身体のある部位に何らかの障害
があることを示す警告反応である。従って、痛みをなく
すためには、その原因の消退、除去、治癒を待つことが
必要であるが、それにはある程度の時間を要するので、
多くの場合、根本療法と併用して、鎮痛剤が投与されて
いる。又、慢性痛の場合には、時間の経過とともに痛み
が憎悪することが多いので、鎮痛剤の投与は欠かせな
い。現在使用されている鎮痛剤は麻薬系鎮痛剤と非麻薬
系鎮痛剤とに大別される。麻薬系鎮痛剤としては、塩酸
モルヒネ、塩酸エチルモルヒネ、塩酸ペチジン、リン酸
コデイン等が使用されている。これらはいずれも急性痛
には著効を示すが、長期投与を余儀なくされる慢性痛に
対しては、薬剤耐性、耽溺性の出現等により、所定の鎮
痛効果が得られないことが多い。いずれにしても麻薬で
あることからして、投与に際しては最大限の注意が必要
とされている。(昭和56年に株式会社メヂカルフレン
ド社が発行した「痛みの臨床」の70〜74頁)一方、
非麻薬系鎮痛剤の鎮痛作用は一般に麻薬系に比べて弱い
が、非習慣性であることが特徴である。これに属するも
のは数多く市販されており、アスピリン、フェニルブタ
ゾン、ペンタゾシン等が代表例といえる。アスピリンは
最も繁用されている鎮痛剤であり、アレルギー反応と大
量投与に注意すれば、安全性は高いとされている。(前
掲「痛みの臨床」の75頁) しかし、頭痛、関節痛、
歯痛その他の外皮構造の痛みにはよく作用するが、内蔵
痛に対しては効果が薄いという欠点がある。(1986
年に廣川書店が発行した「第十一改正日本薬局方解説
書」のC−46頁) フェニルブタゾンは、鎮痛作用はアスピリンより弱い
が、炎症性疼痛を緩和するので炎症性疾患に伴う疼痛を
鎮めるのに使用されている。しかし、死亡例も多く報告
されている程に副作用が強いので、それ以外の鎮痛目的
に使用されることはない。(前掲「第十一改正日本薬局
方解説書」のC−1342頁) ペンタゾシンは塩酸モルヒネの約1/3の強力な鎮痛効
果を持ち、習慣性のない非麻薬系鎮痛剤として広範に使
用されており、副作用は少ないとされているが、長期使
用においては耐性、依存性がみられるなど、薬理学的に
は麻薬系鎮痛剤と全く同様に取り扱われるべき薬剤であ
ると考えるべきとされている。(前掲「痛みの臨床」の
74頁) このように、現在使用されている鎮痛剤には
幾多の欠点があり、未だ満足すべきものは提供されてい
ない。特に、慢性痛に対する鎮痛剤として、安全性が高
く、副作用がなく、安価で投与方法が簡便な薬剤の開発
が強く待たれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い鎮痛効
果を有し、化学治療係数が高く、長期使用が可能であ
り、生産コストが安く、しかも、経口、経皮、注射いず
れの経路でも投与が可能な、大量に供給可能な新規な鎮
痛剤、動物用鎮痛剤を提供することを技術的課題とする
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、高い
鎮痛効果を有し、化学治療係数が高く、長期使用が可能
であり、生産コストが安く、しかも、経口、経皮、注射
いずれの経路でも投与が可能な、大量に供給可能なLP
Sを含む鎮痛剤、動物用鎮痛剤を提供することにより達
成される。この鎮痛剤、動物用鎮痛剤には、インビトロ
で培養されるマクロファージのTNF産生能を活性化す
るLPSのマクロファージ活性化能を指標とし、縦軸
に、そのLPSを添加しないときのマクロファージのT
NF産生量を与えるマクロファージ活性化能を0%、マ
クロファージのTNF産生量を最大かつ一定の値(本明
細書の他の箇所においては、「最大恒量」と称す)にす
る時のLPSのマクロファージ活性化能を100%とす
るマクロファージ活性化能(%)を表し、横軸に、その
LPSのリムラステスト陽性LPS含有量を対数尺で表
すシグモイド曲線を描くとき、マクロファージ活性化能
のED50を与えるリムラステスト陽性LPS含有量が
0.4〜100ng/培養液mlであるLPSの少なく
とも1種が含まれる。ここで「少なくとも1種を含む」
とは、本発明のLPSは各別に使用できることはもちろ
ん、その意図される用途が阻害されない限り、それらの
2種以上を任意に組み合わせて、又、更には他のいずれ
の物質とも組み合わせて使用できることを意味する。例
えば、他の鎮痛剤、鎮静剤、催眠剤、鎮痙剤、鎮吐剤等
と配合することもできる。
【0005】「マクロファージ」は、免疫担当細胞の一
種であり、動物体内のほとんど全ての組織に分布し、粒
子状の異物や体内の老廃細胞などを捕食して消化する大
型のアメーバ状細胞の総称である。「TNF」は、マク
ロファージにより産生される腫瘍障害因子(Tumor
Necrosis Factor)の総称であり
[1985年に発行された ザ ジャーナル オブ バ
イオロジカルケミストリー(The Journal
of Biol.Chem.、260、2345〜23
54頁]、マクロファージの活性が高まるにつれてその
産生量は増していく。「リムラステスト」は、1968
年にレヴィン(Levin)が創案した、カブトガニ血
球抽出液と発色合成基質を用いたエンドトキシン定量法
である。本発明の鎮痛剤、動物用鎮痛剤の活性成分とし
て使用できるLPSは、特にその採取源、生産方法、精
製方法を限定されることはない。例えば、細菌や植物か
ら採取されるLPSであっても、或は合成リピドAのよ
うな合成品であってもよい。なお、本明細書、特にその
特許請求の範囲において、採取源は特に名称で特定され
たそのものに限定されることなく、その採取源の成長、
保存、流通の過程で付着、共存する細菌その他の全ての
ものが含まれる。例えば、「小麦LPS」と特定された
場合には、小麦そのものから採取されたLPSのみなら
ず、小麦の成長、保存、流通の過程で付着、共存する細
菌その他の全てのものが含まれるものと理解されたい。
なぜならば、特に寄生植物、寄生動物という関係が解明
されているもの以外にも、特定の植物、動物、菌界生
物、地衣界生物に、それらにより付着、共存を許された
ものが棲息している例が多く存在し得ることは当業界で
良く知られていることであるからである。
【0006】これらLPSのうちから、本発明の鎮痛
剤、動物用鎮痛剤の活性成分として使用できるLPSを
選択するには、インビトロで培養されるマクロファージ
のTNF産生能を活性化するLPSのマクロファージ活
性化能を指標とし、縦軸に、そのLPSを添加しないと
きのマクロファージのTNF産生量を与えるマクロファ
ージ活性化能を0%、マクロファージのTNF産生量を
最大恒量にする時のLPSのマクロファージ活性化能を
100%とするマクロファージ活性化能(%)を表し、
横軸に、そのLPSのリムラステスト陽性LPS含有量
を対数尺で表すシグモイド曲線を描くとき、マクロファ
ージ活性化能のED50を与えるリムラステスト陽性L
PS含有量が0.4〜100ng/培養液mlであるも
のを選択すればよい。
【0007】リムラステスト陽性植物源LPS 原料植物として使用できるものを下記に例示する。な
お、本明細書に記載した植物が帰属する科名、属名は、
次の文献の記載を照合して決定された。 裸子植物、単子葉類、双子葉類、シダ植物、ソウ類:昭
和57年(正編)、昭和58年(続編)に北隆館から発
行された「原色牧野植物大図鑑」の記載を照合して所属
を決定した。但し、「燕麦」は、昭和45年に女子栄養
大学出版部から発行された「食用植物図説」と、昭和5
8年に至文堂から発行された「新日本植物誌顕花篇」の
記載を照合し、「裸麦」は、昭和46年に東京同文書院
から発行された「総合食品事典」の記載を照合し、「鳩
麦」、「カラスビシャク」、「ジャノヒゲ」、「ウコ
ン」、「マタタビ」、「アマチャヅル」、「ドクダミ」
、「胡椒」、「トウガラシ」、「ダイウイキョウ」、
「ダイダイ」、「クズ」、「ナンキンカンゾウ」、「オ
タネニンジン」、「ボウフウ」、「オオツヅラフジ」、
「ウンカリア・ヒルスタ」は、昭和63年に北隆館から
発行された「原色牧野和漢薬草大図鑑」の記載を照合
し、「アボガド」は、昭和53年に財団法人農林統計協
会から発行された熱帯農業技術叢書第15号「ブラジル
の果実」の記載を照合し、「カイワレダイコン」は、昭
和59年に北隆館から発行された「原色園芸植物大図
鑑」の記載を照合し、「ニクズク」は、昭和44年に廣
川書店から発行された「図説熱帯植物集成」の記載を照
合し、「クロレラ」は、財団法人日本健康食品協会が昭
和61年に公示した、「クロレラ規格基準」の記載を照
合して所属を決定した。 菌類:昭和62年に保育社から発行された「原色日本新
菌類図鑑」の記載を照合して所属を決定した。但し、酵
母は、昭和37年に技報堂から発行された「微生物学ハ
ンドブック」の記載を照合し、「冬虫夏草」は、前掲の
「原色牧野和漢薬草大図鑑」の記載を照合して所属を決
定した。 本発明で使用できる原料植物は、例えば、裸子植物、単
子葉類、双子葉類、シダ植物、ソウ類、菌類の植物であ
り、これらは個別に或は混合して使用できる。裸子植物
としては、例えば、マツ科マツ属植物であるマツを使用
できる。単子葉類植物としては、例えば、イネ科イネ属
植物であるイネ、イネ科コムギ属植物である小麦、イネ
科オオムギ属植物である大麦、裸麦、イネ科カラス麦属
植物である烏麦、燕麦、イネ科ササ属植物であるクマ
笹、イネ科ジュズダマ属植物である鳩麦、アヤメ科アヤ
メ属植物であるアヤメ、ユリ科ネギ属植物であるニンニ
ク、ユリ科キジカクシ属植物であるアスパラガス、ユリ
科ジャノヒゲ属植物であるジャノヒゲ、ショウガ科ショ
ウガ属植物であるミョウガ、ショウガ科ウコン属植物で
あるウコン、サトイモ科ハンゲ属植物であるカラスビシ
ャクを使用できる。双子葉類植物としては、マメ科ダイ
ズ属植物である大豆、マメ科インゲンマメ属植物である
小豆、マメ科ソラマメ属植物であるそら豆、マメ科クズ
属植物であるクズ、マメ科カンゾウ属植物であるナンキ
ンカンゾウ、ナス科ナス属植物であるジャガイモ、トウ
ガラシ、ナス科トマト属植物であるトマト、ナス科トウ
ガラシ属植物であるトウガラシ、バラ科ビワ属植物であ
るビワ、バラ科サクラ属植物であるモモ、クスノキ科ア
ボガド属植物であるアボガド、クルミ科クルミ属植物で
あるクルミ、ウリ科トウナス属植物であるカボチャ、ウ
リ科アマチャヅル属植物であるアマチャヅル、アブラナ
科ダイコン属植物であるカイワレダイコン、マタタビ科
マタタビ属植物であるマタタビ、ドクダミ科ドクダミ属
植物であるドクダミ、コショウ科コショウ属植物である
胡椒、シキミ科シキミ属植物であるダイウイキョウ、ニ
クズク科ニクズク属植物であるニクズク、ミカン科ミカ
ン属植物であるダイダイ、ウコギ科オタネニンジン属植
物であるオタネニンジン、セリ科サボシュニコビア属植
物であるボウフウ、ツヅラフジ科オオツヅラフジ属植物
であるオオツヅラフジ、アカネ科カギカズラ属植物であ
るウンカリア・ヒルスタを使用できる。シダ植物として
は、例えば、トクサ科トクサ属植物であるスギナ、ゼン
マイ科ゼンマイ属植物であるゼンマイを使用できる。ソ
ウ類植物としては、例えば、カッソウ類植物、紅ソウ類
植物、緑ソウ類植物、ランソウ類植物を使用できる。カ
ッソウ類植物としては、例えば、コンブ科ワカメ属植物
であるワカメ、コンブ科コンブ属植物であるコンブ、ホ
ンダワラ科ヒジキ属植物であるヒジキを使用できる。紅
ソウ類植物としては、例えば、ウシケノリ科アマノリ属
植物であるアサクサノリを使用できる。緑ソウ類植物と
しては、例えば、オオシスティス科クロレラ属植物であ
るクロレラを使用できる。菌類植物としては、例えば、
担子菌類植物、子ノウ菌類植物を使用できる。担子菌類
植物としては、例えば、ヒラタケ科マツオウジ属植物で
ある椎茸、キシメジ科エノキタケ属植物であるエノキ
茸、キシメジ科シメジ属植物であるシメジ、タコウキン
科マイタケ属植物であるマイ茸、サルノコシカケ科ポリ
ポラス属植物であるアワビ茸、ハラタケ科ハラタケ属植
物であるマッシュルーム、キクラゲ科キクラゲ属植物で
あるキクラゲ、モエギタケ科スギタケ属植物であるナメ
コを使用できる。子ノウ菌類植物としては、例えば、エ
ンドミセタセア科サッカロミセス属植物であるパン酵
母、醸造用酵母を使用できる。醸造用酵母にはビール酵
母、清酒酵母、葡萄酒酵母、醤油酵母、味噌酵母等の
他、サッカロミセス セレヴィシドに属する多くの酵母
(例えば、ウイスキーや老酒の製造に使用される酵母)
が含まれる。又、バッカクキン科ノムシタケ属植物であ
る冬虫夏草も使用できる。植物源LPSは、以下に述べ
る方法で分離、精製できる。 原料植物を必要に応じて適宜細切、乾燥、粉砕した後
に蒸留水によく懸濁し、上清を回収する。例えば、原料
植物が穀類の種子である場合は、種皮をつけたまま、或
は、種皮を除いた後に簡単に砕くか、又は、食用に供せ
られている程度の粉末になるまで粉砕し、得られた粉末
に水を加えて分散液とし、撹拌した後に沈降物を静置又
は遠心分離により除去するか、粉末に水を加えて練って
得られるドウをミキサー中でゆるやかに水洗し、沈降物
を除去すればよい。原料植物がクロレラである場合に
は、まず細胞膜を破砕し、エタノール洗浄により脂溶性
物質を除去した後に水抽出するとよい。この水抽出の際
の原料植物の粒度、水の温度、液性、添加量、撹拌の速
度、時間、遠心分離の際の条件等は特に制限する必要は
なく、原料植物の種類に応じて適宜調整すればよい。
又、抽出水の温度は高い方がLPSの採取量、純度とも
に高い傾向があるが、操作の便宜上、原料植物に含まれ
る澱粉の糊化を招来しない50℃以下とすることが好ま
しい。又、水の添加量は、原料植物の種類、粒度により
異なるが、穀類種子の場合にはその割合が70w/v%
以下、望ましくは20〜50w/v%程度とすると操作
上便宜である。更に、撹拌の速度は、起泡を引き起こさ
ない程度のものとすることが好ましい。なお、この段階
の操作迄で、本発明のリムラステスト陽性植物LPSの
純度は、リムラステスト活性データから判断して、例え
ば小麦種子の場合には約30倍に上昇する。以下、穀類
種子を原料として使用する場合を例にとり説明するが、
いわゆる当業者であれば、以下の記載を参考にして、他
植物から夾雑する糖、蛋白等を除去してリムラステスト
陽性LPSを高純度で回収する方法を実施することは極
めて容易である。 純度を更に上げるためには、上記で得られた上清を
常法に従って限外濾過に付して分子量5000以下の画
分を除去すればよい。 得られた乾燥品を、50mg/mlになるように蒸留
水に懸濁し、遠心分離操作に付して上清を回収する。 この上清を氷水で冷却し、酸を添加して酸性にすると
沈殿が生じる。この際使用する酸は特定のものである必
要はなく、例えば、トリクロロ酢酸(以下、TCAと称
す)、過塩素酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、ジクロロ酢
酸を使用できる。 次いで、遠心分離操作に付して沈殿を回収して蒸留水
で洗浄し、再度遠心分離操作に付して沈殿を回収する。 沈殿を蒸留水に懸濁し、沈殿が溶解するまでアルカリ
を加える。この際使用するアルカリも特定のものである
必要はなく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アンモニア、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウムを使
用できる。沈殿の溶解時に塩基性がpH11より大きく
なると目的のLPSが失活するので注意が必要である。 次いで酸を加えてpH8としてから37℃に加温し、
更に酸を加えて酸性にすると沈殿が生ずるので、37℃
に保温した遠心分離器を使用して遠心分離操作に付す。
なお、この際使用する酸も特定のものである必要はな
い。 上清を回収して氷冷し、4℃で再び遠心分離操作に付
す。 上清を回収し、アルカリを添加して中和し、常法に従
って限外濾過で濃縮する。この際使用するアルカリも特
定のものである必要はない。 ▲10▼次いで常法に従ってゲル濾過に付して、リムラ
ステスト陽性画分を回収して併せる。ゲル濾過用の担体
としては、例えばセファデックス(Sephadex)
G−75、G−100、セファクリル(Sephacr
yl)S−200、セファロース(Sepharos
e)6B[以上は米国ファルマシア社(Pharmac
ia Inc.)製]、バイオゲル(Biogel)P
−100[米国バイオラッド(Biorad In
c.)社製]、トーヨーパールHW−50、HW−55
(東洋曹達工業社製)を使用できる。緩衝液はpH3〜
10のものならいずれでもよい。例えば、トリス−HC
l又はリン酸緩衝液を使用できる。 ▲11▼次いでこの画分に蛋白分解酵素を加え、37℃
で2時間以上インキュベーションして残存蛋白質を分解
し、得られた酵素処理液を常法に従って限外濾過により
濃縮する。なお、この際に使用する蛋白分解酵素も特定
なものである必要はなく、例えば、V8プロテアーゼ、
キモトリプシン、トリプシン、サーモライシンを単独
で、或は任意に組み合わせて使用できる。市販品として
は、例えば、プロナーゼE(科研化学社)、プロティネ
ースK(メルク社)を使用できる。 ▲12▼次いでこの画分を常法に従って、例えば、米国
ファルマシア社製のFPLCシステムでファルマシア社
製のモノQ−セファロース(Seph−arose)、
Q−セファロース(Sepha−rose)を使用し
て陰イオン交換クロマトグラフィーに付してリムラステ
スト陽性画分を得る。 ▲13▼次いで、常法に従って脱塩のためにゲル濾過に
付してリムラステスト陽性画分を回収する。 以上の操作により、小麦種子の場合には、当初のリムラ
ス活性の約20%が回収され、純度約95%の精製標品
が得られる。又、段階終了時の純度に比べ約1000
倍の純度(小麦種子の場合)になる。以上の方法によっ
て得られたリムラステスト陽性植物LPSはそのまま、
或いは任意の程度に濃縮した形で提供できる。又、保存
性を高めるために、凍結乾燥や噴霧乾燥などの任意の手
段により乾燥粉末として提供することもできる。これら
はいずれも常法で生産できる。
【0008】リムラステスト陽性細菌源LPS 従来より知られている大腸菌LPS、アルカリゲネス
ラデイオバクター(A. radiobactor)か
ら得られるLPS[ピー.エイチ.グラハム(P.H.
Graham)、エム.エイ.オーブリエン(M.A.
O’Brien)共著、”アントニック ファン リー
ウヴェンホック(Antonic van Leeuw
enhock)、vol.34、326〜330頁(1
968年);以下、A.ラディオバクターLPSと称
す]、百日咳菌LPS、リピドA等の他、本明細書で追
って詳述する細菌源LPS1、LPS2、LPS3及び
それらの合成LPSが該当する。大腸菌LPSは、例え
ば、米国ディフコ(Difco)社から市販されてい
る。百日咳菌LPSは、例えば、フナコシ薬品(日本)
から市販されている。又、公知の百日咳菌、例えば、東
浜株I相菌の死菌体から、例えば、下記文献記載の公知
方法により調製することもできる。ウエブスター(We
bster)等著の「ジェイ.イミュノル(J.Imm
unol.)、744、55(1955);ウェストフ
ァル(We−stphal)等著の「ツェト.ナツール
フォルシュ(Z.Naturforsch)」、76、
148(1952)。リピドAは、例えば、第一化学薬
品から市販されている。上記菌源LPS1、LPS2、
LPS3をそれぞれ産生する3種の菌は、本発明者等が
検討した小麦からはその産地、種類を問わず分離されて
いる。従って、いずれの産地、種類の小麦及びその加工
品からも分離されると推定される。本発明者等がそれら
3種の細菌を分離できることを確認した小麦粉の産地、
種類は次の通りである。 小 麦 粉 の 名 称 産 地 ダーク・ノザン・スプリングス 米国 1・カナディアン・ホイート カナダ ハード・レッド・ウインター・セミハード 米国 オーストラリアン・スタンダード・ホイート オーストラリア ホロシリ 日本 上記細菌からLPS1、LPS2、LPS3を分離する
には、ウェストファル(Westphal)等が「メソ
ッズ イン カーボハイドレート ケミストリー(Me
thods in Carbohydrate Che
mistry)のvol.V[米国ニューヨークのアカ
デミック プレス(AcademicPress)社が
1965年に発行]の83頁に記載した熱フェノール法
を用い、更に、陰イオン交換樹脂で精製すればよい。即
ち、菌体を蒸留水に懸濁した後、蒸留水と等容量の熱フ
ェノールと共に撹拌し、次いで、遠心分離により水層を
回収し、この水層を透析に付してフェノールを除去し、
限外濾過により濃縮して粗LPS画分を得、この画分を
常法に従い、例えば、ファルマシア社製のFPLCシス
テムでファルマシア社製のモノQ−セファロース(Se
pharose)、Q−セファロース(Sepharo
se)を使用して陰イオン交換クロマトグラフィーに付
して精製し、更に、常法に従って脱塩すればよい。以上
の操作により、純度96%以上の精製標品が得られる。
原料中のリムラステスト陽性LPSの検出、含量測定
は、後記実験例1に詳述する通り、例えば、生化学工業
株式会社からトキシカラーシステムという名称で市販さ
れている試薬セットを使用して実施できる。即ち、原料
植物を同システムのLS−1セットと合わせて発色さ
せ、その発色の強さを、同じく同セットのEt−2セッ
トを使用して作成した検量線と対比させればよい。糖は
フェノール−硫酸法[エム.デュボイス(M.Dubo
is)等著、アナリテイカル ケミストリ(Analy
tical Chemistry)、vol.28、3
50頁、1956年]で、蛋白はローリー法[オー.エ
イチ.ローリー(O.H.Lowry)等著、ジャーナ
ルオブ バイオロジカル ケミストリ(Journal
of Biological Chemistr
y)]、vol.193、65頁、1951年]で測定
した。
【0009】LPSがマクロファージのインビトロTN
F産生能を活性化する能力の測定方法 動物体内にTNFを産生させるためには、産生前駆(プ
ライミング)段階と産生開始(トリガリング)段階とが
必要であることは、カーズウェル(Carswell)
らにより、プロシーディング オブ ナショナル アカ
デミー サイエンス オブ ユーエスエー[Proc.
Natl.Acad.Sci.USA.、72、366
6〜3670頁(1975年)]に報告されている。プ
ライミング段階開始のために投与される薬剤が「プライ
マー」(内因性TNF産生促進剤)であり、トリガリン
グ段階開始のために投与される薬剤が「トリガー」(内
因性TNF産生剤)である。 LPSがマクロファージ
のインビトロTNF産生能を活性化する能力を測定する
には、マウスのマクロファージ腹腔常在細胞を採取し、
これにプライマーとしての組み換えマウスIFN−γを
添加し、次いで、トリガーとしてのLPSを添加し、そ
のTNF活性を測定すればよい。TNF活性は、L−9
29細胞[プロシーディング オブ ナショナル アカ
デミー サイエンス オブユーエスエー72、3666
〜3670頁]に対する細胞毒性を基にして、次のよう
にして測定する。L929細胞を、5%仔牛胎児血清を
加えたイーグルミニマムエッセンシャル培地(以下、M
EM培地と表す)で育成し、8×10個の細胞が10
0μlの同上培地に含まれる様にし、96穴の平底プレ
ートで育種する。育種条件は37℃、2時間、5%CO
、100%HOであり、通常の細胞培養に用いられ
る方法でよい。その後、アクチノマイシンDを培地中に
終濃度1μg/mlとなるように加え、培養液の液量を
150μlとする。即座に、検体を適当にMEM培地で
稀釈したものを50μl加える(この際稀釈率を適宜調
製し、ED50を求める事ができる)。更に、最終液量
200μlとなったL929細胞を上記条件で18時間
培養する。細胞障害活性を測定するには、まず全培地を
除去し、ついで0.1%クリスタルバイオレットを含む
1%メチルアルコール溶液を加えて固定染色する。クリ
スタルバイオレットは全有核細胞を染色するが、死細胞
は染色後にプレート底面より水洗で除去されるので、生
存細胞の結果から細胞障害活性を直接測定できる。この
染色度をOD(590nm)での吸光度を指標として測
定し、対照群に対する染色度と比較する事で細胞障害活
性を測定する。活性の定義は次の様に行う。L929細
胞が50%生存できる検体の稀釈率(N)を求める。対
照としてウサギTNS[腫瘍障害血清(Tumor N
ecrosis Serum)]を使用し、このウサギ
TNSの活性n(単位/ml)を2.4×10単位/
mg/mlのTNF−αを用いて決定する。このウサギ
TNSのED50を与える稀釈率(C)を求める。検体
活性(単位/ml)はN/C×nで計算する。
【0010】提供できる剤の製造方法 本発明の鎮痛剤は、常法の製剤技術により、散剤、顆粒
剤、丸剤、錠剤、トローチ剤、カプセル剤、液剤、貼付
剤、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤、坐剤、注射
剤等の形態で提供できる。又、動物用としては、更に、
飼料添加剤、プレミックス製剤、飲水添加剤として調製
することもできる。飼料添加剤とする場合には、粉剤か
顆粒剤とすることが好ましい。又、プレミックス製剤と
は、飼料との混合を容易にするために澱粉などの飼料成
分で希釈されたものを指す。本発明の鎮痛剤を飼料添加
剤、プレミックス製剤として添加できる飼料は市販され
ている飼料のいずれでもよい。又、ミネラル、ビタミ
ン、アミノ酸等の飼料添加物を含む飼料であってもよ
い。これら製剤には、所望ならば、保存性、均質性を保
持するために、常法により賦形剤、保存剤、緩衝剤等の
添加剤を加えることもできる。更に、矯味剤、矯臭剤、
着色剤を含めることもできる。賦形剤としては、例え
ば、乳糖、デンプンを使用できる。保存剤としては、例
えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸
エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等のパラオキシ安
息香酸エステル類、デヒドロ酢酸ナトリウム、フェノー
ル、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベ
ン等を使用できる。緩衝剤としては、例えば、クエン酸
塩、酢酸塩、リン酸塩等が使用できる。
【0011】鎮痛効果の確認 本発明の鎮痛効果は、非麻薬系鎮痛剤検定法の1つとし
て確立されている「酢酸−ライズィング(Writhi
ng)法」(1982年に医歯薬出版株式会社から発行
された「炎症と抗炎症療法」の415頁)による動物実
験と、エイズ患者における臨床結果により確認した。酢
酸−ライズィング法では、マウスに酢酸を与え、酢酸に
起因する「身もだえ(ライズィング)」の発生頻度を予
防する度合いを、炎症性疼痛の緩和に繁用されているフ
ェニルブタゾンとの比較も含めて観察した。以下、実施
例、製造例、実験例により、本発明を更に詳細に説明す
る。なお、それらで使用された「大腸菌LPS]は、米
国ディフコ(Difco)社製O128:B8である。
【0012】製造例1(小麦LPSの製造) 小型ニーダに、1.09%の灰分を含む硬質小麦粉
(アメリカ又はカナダ産のハードレットスプリング)
(3,120g)を入れ、2.03lの蒸留水を加えて
10分間練ってドウとした。15分間の静置後に10l
の水を加えてゆるやかに撹拌してデンプン乳液を洗い出
し、同時に可溶性成分を溶出させた。この溶出液を5℃
の冷蔵庫中で12時間静置した後、デンプン等の沈降部
を除去した。上澄み液を凍結乾燥して201.1gの粉
末を得た(粉末A)。更に、残留ドウに5lの蒸留水を
加えてゆるやかに撹拌し、以下、上記と同様に処理して
40.1gの粉末を得た(粉末B)。 これら粉末A、Bを米国アミコン社製限外濾過機HF
−Lab1に供し、分子量画分5,000については中
空系カートリッジHF−Lab1PM5を、分子量画分
10,000については中空系カートリッジHF−La
b1PM10を取り付けて限外濾過を行った[温度5〜
10℃。入圧25psi(1.76kg/cm)、出
圧15psi(1.06kg/cm)]。その結果に
基づき各部分を次のように命名した。 粉末A:分子量5,000以下の部分をa 分子量5,000以上の部分をa 粉末B:分子量5,000以下の部分をb 分子量5,000以上の部分をb 粉末A:分子量10,000以下の部分をa 分子量10,000以上の部分をa 粉末B:分子量10,000以下の部分をb 分子量10,000以上の部分をb これら各画分を後記実験例1に詳述する方法に準拠して
リムラステストに付したら、分子量5,000以上の画
分には多量のリムラステスト陽性成分が存在するが、分
子量5,000以下の画分にはほとんど存在しないこと
が確認された。 上記粉末aの30gを1l三角フラスコに入れ、6
00mlの蒸留水を注いで、60分間スターラーで撹拌
した後、日立冷却高速遠心機SCR−20B(ローター
RPR16を事前に4℃に冷却しておいた)で4℃で遠
心分離操作(10,000G×10分)に付して上清を
回収した。 この上清を1l三角フラスコに入れ、氷冷下(液温約
2℃)、スターラーで撹拌しながら、事前に2℃に冷却
してあった100%TCA水溶液20.5mlを滴下
し、滴下終了後氷水中に10分間放置した。 次いで前記と同様にして4℃で遠心分離操作(10,
000G×10分)に付して沈殿を回収し、氷水中で冷
却下、300mlの蒸留水と共に500mlのビーカー
に入れて懸濁し、氷水中で冷却し、前記と同様にして4
℃で遠心分離操作(10,000G×10分)に付して
沈殿を回収した。 この沈殿を1lビーカーに入れ、蒸留水500mlで
懸濁し、1N水酸化ナトリウム溶液約3.5mlを使用
して中和(pH7)し、ついで、氷水中で冷却しなが
ら、1N水酸化ナトリウム溶液約2mlを添加して0.
02N水酸化ナトリウム溶液になるようにして沈殿を溶
解した。 1N塩酸約1.5mlを加えてpH8とし、次いで1
00mlの蒸留水を加えた後に1l三角フラスコに移し
て37℃のインキュベーター内で30分間ゆっくり振盪
した。 100%TCA水溶液30mlを加えて混合した後、
37℃のインキュベーター内で10分間ゆつくり振盪し
てから、約37℃に保温した遠心分離器トミーCD10
0R(トミー精器社製)を使用して遠心分離操作(3,
000G×10分)に付した。 上清を回収して氷冷し、4℃で遠心分離操作(10,
000G×10分)に付した。 ▲10▼上清を回収して10N水酸化ナトリウム溶液約
3.6mlで中和してpH7とし、限外濾過器(東洋濾
紙UHP−150、フィルター:UK−10、N圧:
4.0kg/cm)で濃縮した。 ▲11▼得られた濃縮液60mlを、セファロース(S
epharose)6Bカラム[米国ファルマシア社
(Pharmacia Inc.)製、カラムサイズ:
5cm(内径)×100cm(2リットル)]を使い、
ゲル濾過[緩衝液:10mMトリス−HCl/10mM
NaCl(pH7.5)、流速:60ml/時]に付し
て、各20mlの画分を得た。 ▲12▼初めから43番目から56番目迄の画分280
mlを併せ、プロナーゼE(科研化学社)450μgを
加え、振盪下、37℃に2時間保温した後に、限外濾過
器(東洋濾紙UHP−62、フィルター:UK−10、
圧:4.0kg/cm)で濃縮した。次いで、フ
ァルマシア社製FPLCシステム(カラム:モノQHR
10/10)を使って陰イオン交換クロマトグラフィー
に付した。即ち、10mMトリスーHCl(pH7.
5)と10mMのNaClを含む緩衝液で試料をカラム
に付した後、上記緩衝液でNaCl量が165mMに増
加された組成を持つ緩衝液(200ml)でカラムを洗
った。次いで、NaCl濃度を、165mMから1Mの
NaCl濃度勾配になるように増加させながら全量40
0mlで目的LPSを溶出させ、各2mlの画分を回収
した。リムラステスト陽性が確認された、濃度勾配をか
けてから5〜8番目の画分を併せて、LPS純度約92
%の8ml[LPS:3.03mg(後記実験例1記載
の方法で測定したリムラステスト陽性LPS換算値であ
る。以下のLPS量も全てこの換算値である)、糖:
0.23mg、蛋白:0.04mg)を回収した。 ▲13▼次いでその8mlを、セファデックス(Sep
hadex)G−25[カラム:2.0cm(内径)×
20.2cm(66ml)]を使ってゲル濾過(緩衝
液:水)に付して各3mlの画分を回収した。リムラス
テスト陽性の確認された第9〜12番目の画分を併せ
て、LPS純度約95%の12ml(LPS:2.7m
g、糖:0.18mg、蛋白:0.03mg)を回収し
た。なお、この画分は、陰イオン交換クロマトグラフィ
ーにより酸性であることを確認した。又,SDSゲル電
気泳動法による分子量は6,000〜10,000だっ
た。 ▲14▼上記画分を−80℃で凍結後に恒量になるまで
凍結乾燥し、重量を測定したら0.75mgあった。
(以下、この凍結乾燥標品を小麦LPSと称す)この小
麦LPSのリムラス活性を後記実験例1記載の方法で測
定したら2.7mgに相当するので、その比活性は
2.7÷0.75=3.6になる。また、夾雑物として
存在し得る単独の糖は、以上の精製により実質上全て除
去されたと考えられるので、検出された糖は全て、小麦
LPSを構成している糖と考えられる。従って、この段
階での小麦LPSの純度を重量に基づいて計算すると 蛋白=0.03mg LPS=0.75−0.03=0.72mg だから、 0.72÷0.75×100=96(%)である。
【0013】小麦LPSの物性 ▲15▼分子量 小麦LPSを蒸留水に溶解して1mg/ml溶液を調製
し、その4μlを1.5mlのトレフチューブに入れ
た。これに、別途、1mMのEDTAに2.5%SD
S、5%メルカプトエタノール、10mMトリス塩酸
(pH8.0)を加えて調製したSDS処理液1μlを
加え、この混液を3分間沸騰水に浸した。ファルマシア
社製のファストシステム(Phast System)
を使用し、電極との間にSDS−バッファー ストリッ
プ(Buffer Strip)(ファルマシア社製)
が介在せられた1μlの上記混液をゲル[ファルマシア
社製のファスト ゲル グラディエント(Phast
Gel Gradient8−25)に塗付し、最大電
圧250v、最大電流10mAにセットして泳動を開始
させた(本明細書でこの泳動法をSDS電気泳動法と称
する)。泳動終了後、クマシー染色と銀染色における挙
動を観察した。クマシー染色では、染色液としてファル
マシア製の0.1%ファスト ゲルブルー(Phast
Gel Blue) Rを、脱色液として、メタノー
ル:酢酸:蒸留水(容量比3:1:6)混液を使い、次
の順序で染色・脱色した。 1)50℃で8分間染色 2)50℃で5分間脱色 3)50℃で8分間染色 4)50℃で10分間脱色 5)50℃で5分間保護(グリセロール、酢酸、蒸留水
の容量比5:10:85混液) 6)乾燥 銀染色は、次の順序で行った。 1)50℃で2分間、洗浄液(エタノール、酢酸、蒸留
水の容量比5:1:4混液)で処理 2)50℃で2分間、洗浄液(エタノール、酢酸、蒸留
水の容量比10:5:85混液)で処理 3)50℃で4分間、洗浄液(エタノール、酢酸、蒸留
水の容量比10:5:85混液)で処理 4)50℃で6分間、増感液(8.3%グルタルジアル
デヒド)で処理 5)50℃で3分間、洗浄液(エタノール、酢酸、蒸留
水の容量比10:5:85混液)で処理 6)50℃で5分間、洗浄液(エタノール、酢酸、蒸留
水の容量比10:5:85混液)で処理 7)50℃で2分間、洗浄液(脱イオン水)で処理 8)50℃で2分間、洗浄液(脱イオン水)で処理 9)40℃で13分間、0.25w/v%硝酸銀で処理 10)30℃で30秒間、洗浄液(脱イオン水)で処理 11)30℃で30秒間、洗浄液(脱イオン水)で処理 12)30℃で30秒間、現像液(0.04v/v%ホ
ルムアルデヒド+2.5w/v%炭酸ナトリウム洗浄
液)で処理 13)30℃で4分間、現像液(0.04v/v%ホル
ムアルデヒド+2.5w/v%炭酸ナトリウム洗浄液)
で処理 14)50℃で2分間、反応停止液(5%v/v%酢
酸)で処理 15)50℃で3分間、保護液(酢酸、グリセロール、
蒸留水の容量比10:8:85混液)で処理 16)乾燥 LPSは銀染色に染まるが、クマシー染色には染まらな
い性質を利用して染色帯を観察したら、分子量8,00
0±1,000の位置に小麦LPSの主要染色帯が検出
された。 ▲16▼リン含有量 チェン−トリバラ(Chen−Toribara)法
[チェン等著、「アナリティカル ケミストリ(Ana
lytical Chemistry)、vol.2
8、1756〜1758頁(1956年)に準拠して次
の通りに行った。小麦LPSを蒸留水に溶解して、25
μgの小麦LPSを含む20μlの溶液を調製し、小試
験管に入 れた。20μlの50v/v%硫酸を添加
し、160℃で2時間加熱した。次いで、20μlの1
0v/v%過塩素酸を添加した後にガスバーナーで1分
間加熱して灰化させた。その後に0.5mlの蒸留水、
次いで0.5mlの反応試薬(1mlの6N硫酸、2m
lの蒸留水、2mlの2.5v/w%モリブデン酸アン
モニウム及び1mlの10v/w%のアスコルビン酸を
混合して調製し、その0.5mlを使用)を添加して室
温で30分間放置した後に、820nmでの吸光度(O
620nm)を測定した。なお、検量線作製用の試料
としては、リン酸二水素カリウム(和光純薬社製)を蒸
留水で希釈し、リン重量としてそれぞれ2.5μg、1
μg、0.25μg、0μgを含む0.5mlの溶液を
調製して使用した。なお、リン1gはリン酸二水素カリ
ウム4.39gに相当する。得られた結果を表1に示
す。
【表1】 表1において、小麦LPSのデータは、無機リンの混入
(例えば、リン酸緩衝液に由来する)による誤差を避け
るために、加熱処理をしていない対照のデータを減じた
値である。小麦LPSの分子量を8,000と仮定し、
上表の結果に基づいてその1分子当たりのリン数を次式
により計算すると1〜4になる。
【数1】 上記実験でリン数が1〜4と変動している原因の1つと
しては、精製段階でのモノフォスフォエステラーゼの混
入により、リン酸が脱離したことも考えられる。 ▲17▼ヘキソサミン含有量 エルソン−モルガン(Elson−Morgan)法
(東京化学同人出版「生化学実験講座」No.4の37
7〜379頁)に準拠して次の通りに行った。小麦LP
Sを蒸留水に溶解して1mg/mlの溶液を調製し、そ
の100μlをスクリューキャップ付きスピッツ(イワ
キガラス社製)に入れ、これに100μlの8NHCl
を添加して110℃で16時間加熱した。4NNaOH
を約200μl添加してpH7とした。その100μl
を分取し、別のスクリューキャップ付きスピッツに入
れ、200μlの下記試薬Aを加えた後に、105℃で
1.5時間加熱し、次いで流水で冷却した。次いで、1
00μlを分取し、670μlの96%エタノールを加
え、更に、67μlの下記試薬Bを加えた後に室温で1
時間放置し、535nmで吸光度を測定した。検量線作
製用試料としては0.20〜200μg/mlのN−ア
セチル グルコサミン(和光純薬社製)を使用した。 (試薬A)75μlのアセチルアセトンと2.5mlの
1.25N炭酸ナトリウムを混合して調製。 (試薬B)1.6gのp−ジメチルベンズアルデヒドと
30mlの濃塩酸と30mlの96%エタノールを混合
して調製。 結果、小麦LPSのヘキソサミン数は6±2/分子(仮
定分子量8,000)だった。 ▲17▼脂肪酸含有量 90μlの小麦LPS蒸留水溶液(1mg/ml)に1
0μlの内部標準(0.55mMのマルガリン酸)を加
えた。1.0mlの0.5Mナトリウムメチラートを加
えて脂肪酸エステルの加水分解とエステル化を行った。
室温で1時間放置後に960μlの0.5NHClを加
えて中和した。これに2mlのヘキサンを加えて15分
間激しく撹拌した。次いで、1,000gで5分間遠心
分離を行いヘキサン層を分取した。窒素ガスでヘキサン
を蒸発させて、約20μlになるまで濃縮した。このサ
ンプルをガスクロマトグラフィー[本体:島津社製のG
C8APF、キャピラリーカラム:カナダのスペルコ
(Spelco)社製FSCAP Sp2330、キャ
リヤーガス:窒素]に付して脂肪酸量を測定した。脂肪
酸量測定の基準としては、第一化学薬品社製の合成リピ
ドAである大腸菌型LA−15−PP(分子量2,00
0で、1分子中の脂肪酸数は6であることが知られてい
る)を用いた。結果、小麦LPSの脂肪酸数は6±2/
分子(仮定分子量8,000)であると推定された。上
記ガスクロマトグラフィーで観察されたチャートを添付
図面第1〜3図に示す。第1図は小麦LPSの、第2図
は大腸菌LPSの、第3図は百日咳菌LPSのチャート
である。第1〜3図において、図示されている主要ピー
ク番号に対応する保持時間(分)は次の通りであった。 第1〜3図の比較により、小麦LPSのチャートは大腸
菌LPSのチャートに似ているが、百日咳菌LPSのも
のとは大きく異なることは明白である。 ▲18▼KDO含有量 KDO(2−ケト−3−デオキシオクトネート)含有量
をジフェニルアミン法[シャビ アール(Shaby
R.)等著、アナリティカル バイオケム(Analy
tical Biochem.)、58(1)、123
〜129頁(1974年)]に準拠して次の通りに行っ
た。500mgのジフェニルアミン、5mlのエタノー
ル、45mlの氷酢酸、50mlの濃塩酸(全て和光純
薬社製)を合わせてKDO検出試薬を調製した。その5
00μlに、1.05mg/mlの小麦LPSを含む蒸
留水250μlを合わせ、100℃の沸騰水浴中で30
分間加熱後に冷水(23℃)中で30分間冷却し、つい
で日立分光光度計320を使って420、470、63
0、650nmでの紫外部吸収を測定した(測定値をそ
れぞれA420、A470、A630、A650とす
る)。標準試料としては、127μg/mlのKDOア
ンモニウム塩[米国シグマ(Sigma)社製]を含む
蒸留水250μlを使用した。検体試料、標準試料それ
ぞれについて、次式の値を求めた。 S=A420−A470+A630−A650 検体試料の値(S)は0.379、標準試料の値(S
)は0.294であった。この値の比較により、小麦
LPSには5±1モル/分子量8千のKDOが含まれる
と推定された。
【0014】製造例2(クロレラLPSの製造) 細胞膜破砕クロレラ((株)マンナンフーズ社製)3
0gを、洗浄液が緑色に着色しなくなるまでエタノール
で洗浄した。 この洗浄残渣26gを100mg/mlの濃度で蒸留
水に溶かし、45℃で2時間振盪後に遠心分離操作(4
℃、10,000G×30分)に付した。 上清を回収し、東洋濾紙No.2で濾過し、次いで蒸
留水で抽出した。 抽出液290mlを下記条件で陰イオン交換クロマト
グラフィーに付した。 カラム:Q−セファロース(φ3cm×23cm、容量
約180ml) 緩衝剤:10mMトリス−HCl(pH7.5)、Na
Cl濃度勾配:10mM、400mM、1M 流速:100〜200ml/時 温度:室温 素通りした画分310mlをグルコアミラーゼで処理
して澱粉を分解した(pH5.0、40℃、約2時
間)。澱粉の分解は、ヨウ素澱粉反応で着色が生じない
ことにより確認した。 遠心分離(10,000G×10分)に付して上清を
回収し、10NNaOH溶液で中和してpH7とし、分
子量20万カットのボアサイズを有するウルトラフィル
ターを使って限外濾過して、分解物の除去及び濃縮を行
った。 得られた濃縮液30mlをファルマシア社製FPLC
システム(カラム:モノQHR10/10)を使って陰
イオン交換クロマトグラフィーに付した。即ち、10m
Mトリス−HClと10mMのNaClを含む緩衝液
(pH7.5)で試料をカラムに付した後、上記緩衝液
でNaCl量が165mMに増加された組成をした液
(200ml)でカラムを洗った。次いで、目的LPS
を溶出するため、165mMから1MのNaCl濃度勾
配になるようにNaCl濃度を増加させながら全量40
0mlでカラムを洗い、各2mlの画分を回収した。リ
ムラステスト陽性が確認された、濃度勾配をかけてから
5〜8番目の画分を併せた。 次いでその8mlを、セファデックス(Sephad
ex)G−25[カラム:2.0cm(内径)×20.
2cm(66ml)]を使ってゲル濾過(緩衝液:水)
に付して各3m1の画分を回収した。リムラステスト陽
性の確認された第9〜12番目の画分を併せて12ml
を回収した(LPS:14.3mg、糖:2.0mg、
蛋白:0.53mg)。LPSは後記実験例1記載の方
法で測定した。 上記画分を−80℃で凍結後に恒量になるまで凍結乾
燥し、重量を測定したら5.8mgあった。(以下、こ
の凍結乾燥標品をクロレラLPSと称す)このクロレラ
LPSのリムラス活性は14.3mgに相当するので、
その比活性は 14.3÷5.8=2.5 になる。また、以上の精製で、夾雑物として存在し得る
単独の糖は実質上全て除去されたと考えられるので、検
出された糖は全て、クロレラLPSを構成している糖と
考えられる。従って、この段階でのクロレラLPSの純
度を重量に基づいて計算すると、 蛋白=0.53mg LPS=5.8−0.53=5.27mg だから、 5.27÷5.8×100=91(%)である。クロレラLPSの物性 製造例1に記載の方法と同様にして、次の値が得られ
た。但し、分子量は、後記製造例4に記載のSDS−P
AGE法により測定した。 主要分子量=40,000〜90,000 リン数=4±1/分子量1万 ヘキソサミン数=7±1/分子量1万 脂肪酸数=6±1/分子量1万 KDO数=2±1/分子量1万
【0015】製造例3(百日咳菌LPSの製造) 千葉県血清研究所から入手した試験用百日咳菌液(2.
0×1010細胞/ml)を死菌体として用いた。上記
死菌体を25mg(乾燥重量)/mlとなるように滅菌
水に懸濁した。これに等量の90%熱フェノール液(6
8〜70℃)を添加し、68℃で1時間振盪しながら抽
出した。8,000G、4℃で20分間遠心分離して水
層を分取した。残りのフェノール層に、上記水層と等量
の滅菌水を加えて同様の抽出を行った。得られた水層を
先の水層と合わせて流水中で一晩透析後に、ロータリー
エバポレータで1/10に濃縮した。これを8,000
G、4℃で20分間遠心分離した。上清を分取し、酢酸
ナトリウムを少量加え、0〜4℃の冷エタノールを6倍
量加えて−20℃で一晩放置した。4,000G、4℃
で30分間遠心分離して回収した沈殿物をエタノールで
2回、次いでアセトンで1回遠心洗浄し、アスピレータ
で乾燥させた。残さを、20mg/mlとなるように蒸
留水に懸濁し、米国ブランソン(Branson)社製
のソニファイア185型で超音波処理(出力コントロー
ル5、15分、室温)に付した。次いで2,500G、
4℃で10分間遠心分離し、上清を分取した。この上清
を4℃で、米国シグマ(Sigma)社製の核酸分解酵
素DNaseI、RNase Aで15〜16時間処理
した(最終的には10μg/mlのDNase Iと、
20μg/mlのRNase Aを使用した)。更に同
じ濃度の核酸分解酵素を加えて37℃で2時間加温し
た。次いで2,500G、4℃で10分間遠心分離し、
上清を分取した。この上清を米国ゲルマン(Gelma
n)社のアクロディスク(Acrodisc)を使い、
孔径0.2μmで濾過した。濾液を分子篩にかけ[樹
脂:米国ファルマシア(Pharmacia)社製セフ
ァロース(Sepharose)6B、カラムサイズ=
内径5cm×長さ100cm、緩衝液=10mMのトリ
ス−HCl、10mMのNaCl(pH7.5)、流速
=約3ml/cm/時)、生化学工業社製のLS−1
キットを用いてリムラス活性陽性画分を調べて合わせ、
上記ゲルマン社のアクロディスクを使い、孔径0.2μ
mで濾過した。濾液をイオン交換にかけ[装置:米国フ
ァルマシア(Pharmacia)社製FPLC、樹
脂:米国ファルマシア社製モノQ HR10/10、緩
衝液=10mMのトリス−HCl+10mMのNaCl
(pH7.5)で15分洗浄し、次いで、NaCl量を
165mMに増加して30分洗浄し、次いで、20分か
けて、NaCl量が165mMから1Mの濃度勾配にな
るようにNaCl量を増加させながら洗浄し、次いで、
1MのNaCl量で30洗浄する、流速=2ml/
分]、生化学工業社製のLS−1キットを用いてリムラ
ス活性陽性画分を調べて合わせた。合わせた画分をカラ
ムで脱塩し[樹脂:米国ファルマシア(Pharmac
ia)社製セファデックスG−25ファイン(fin
e)、カラムサイズ=内径2cm×長さ25cm、溶出
液=蒸留水]、次いで凍結乾燥した。この凍結乾燥標品
(4.50mg)に混入している可能性の最も高い物質
は核酸である。そこで、紫外吸収曲線(200〜400
nm)をとり、260nmでの吸光度を求めた。吸光度
1のときの核酸濃度が50μg/mlであることを用い
て上記吸光度から核酸濃度を算出したら1%以下であっ
た。又、SDS電気泳動では蛋白質は明確には検出され
なかった。従って、検出感度を考慮すると、上記凍結乾
燥標品に混入している蛋白質は高々0〜3%と推定され
る。従って、上記凍結乾燥標品の純度は96%以上と推
定された。製造例1に記載の方法と同様にして測定され
たこの百日咳菌LPSの物性は次の通りであった。但
し、分子量は後記製造例4に記載のSDS−PAGE法
によって測定した。百日咳菌LPSの物性 主要分子量=6,000±1,000、 リン数=4/分子量6千 ヘキソサミン数=12/分子量6千 脂肪酸数=4/分子量6千 KDO数=2±1/分子量6千
【0016】なお、製造例1に記載の方法と同様にして
測定された大腸菌LPS[米国ディフコ(Difco)
社製O128:B8]の物性は次の通りであった。但
し、分子量は後記製造例4に記載のSDS−PAGE法
によって測定した。大腸菌LPSの物性 主要分子量=40,000±10,000 8,000±4,000 リン数=12/分子量3万 ヘキソサミン数=45±6/分子量3万 脂肪酸数=18/分子量3万 KDO数=5±1/分子量3万
【0017】製造例4 50ml容コーニングチューブに、1.09%の灰分
を含む硬質小麦粉(カナダ産の1・カナデイアン・ホイ
ート)1.04gを秤量して入れ、20mlの蒸留水を
加えて50mg/mlの小麦粉液を調製した。 この液を37℃の水浴中で振とう培養し、経過時間0
時、1時、2時、3時、4時、6時、8時、10時、1
2時、20時、24時、45時に各0.5mlを採取
し、10〜10倍希釈して標準寒天培地(日水製薬
社製の培地であり、下記の組成を持つ)に100μl宛
をまき込み、生菌数の測定、コロニーの観察を行った。標準寒天培地(日水製薬社コード番号:05618) 1リットル中 酵母エキス 2.5g ペプトン 5.0g ブドウ糖 1.0g カンテン 15.0g pH 7.1±0.1 種類が異なると考えられた、培養経過時間8時間目、
10時間目に認められた黄〜クリーム色不透明コロニー
(コロニー1)、クリーム色不透明コロニー(コロニー
2)、黄色半透明コロニー(コロニー3)、乳白色不透
明コロニー(コロニー4)、白色不透明な小さなコロニ
ー(コロニー5)を上記と同種の別の標準寒天培地にま
き、植え継ぎ、一方で、コロニー1〜5の細菌のグラム
染色性、リムラス活性を調べた。上記コロニーのうち、
コロニー4及びコロニー5(共にグラム染色性+)のリ
ムラス活性はコロニー1〜3(共にグラム染色性−)に
比べて極めて低かったので、以後の検討から除き、日水
製薬社製の培地及びIDテスト・EB−20を使用し、
コロニー1〜3の形態、生化学的性状を観察した。次の
結果が得られた。
【0018】コロニー1を形成する細菌(識別番号:9
00814−1) (通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に平成2
年8月17日から微工研菌寄第11664号として国内
寄託され、平成3年8月12日より微工研条寄第350
9号としてブダペスト条約に従った国際寄託に移管され
た)以下に記載する形態、生化学的性状に基づき、本細
菌は腸内細菌科のセラチア属に属すると推定される。 (a)形態 短桿状 運動性なし グラム染色性:− (b)生育状態 標準寒天培地:黄〜クリーム色で丸形の不透明なコロ
ニーを形成する。 SS寒天培地:白色で半透明なコロニーを形成する。 [SS寒天培地:日水製薬社コード番号:05031] 組成1リツトル中 肉エキス 5.0g 胆汁酸塩 9.0g ペプトン 7.5g ラクトース 10.0g クエン酸ナトリウム 8.5g チオ硫酸ナトリウム 5.5g クエン酸第二鉄 1.0g ニュートラルレッド 0.025g ブリリアントグリン 0.033g カンテン 13.5g pH:7.1±0.1 TSI寒天培地:斜面部での変化はないが、高層部は
黄変する。ガスを生成する。 [TSI寒天培地:日水製薬社コード番号:0510
3] 組成1リットル中 肉エキス 5.0g NaCl 5.0g ペプトン 15.0g ラクトース 10.0g シュクロース 10.0g ブドウ糖 1.0g クエン酸第二鉄 0.2g チオ硫酸ナトリウム 0.2g フェノールレッド 0.02g カンテン 15.0g pH:7.6±0.1 (c)生理的性質 フォーゲス・プロスカウエル反応:+ インドールの生成:− 硫化水素の生成:− クエン酸の利用:+ ウレアーゼ:− オキシダーゼ:− O−Fテスト:+ (d)炭素源の利用性 ラクトース:+ アドニット:− ラムノース:+ マンニット:+ エスクリン:+ イノシット:− ソルビット:+ アラビノース:+ ラフィノース:+ ▲10▼シュクロース:+ (e)その他 リジンの脱炭酸反応:− マロン酸の利用:− アルギニンの分解:− フェニルアラニンの脱アミノ化反応:− オルニチンの脱炭酸反応:−
【0019】コロニー2を形成する細菌(識別番号:9
00814−2) (通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に平成2
年8月17日から微工研菌寄第11665号として国内
寄託され、平成3年8月12日より微工研条寄第351
0号としてブダペスト条約に従った国際寄託に移管され
た)以下に記載する形態、生化学的性状に基づき、本細
菌は腸内細菌科のエンテロバクター属に属すると推定さ
れる。 (a)形態 短桿状 運動性なし グラム染色性:− (b)生育状態 標準寒天培地:クリーム色で不透明なコロニーを形成
する。 SS寒天培地:赤色で不透明なコロニーを形成する。 TSI寒天培地:斜面部での変化はないが、高層部は
黄変する。ガスを生成する。 (c)生理的性質 フォーゲス・プロスカウエル反応:+ インドールの生成:− 硫化水素の生成:− クエン酸の利用:+ ウレアーゼ:− オキシダーゼ:− O−Fテスト:+ (d)炭素源の利用性 ラクトース:+ アドニット:− ラムノース:+ マンニット:+ エスクリン:+ イノシット:− ソルビット:+ アラビノース:+ ラフィノース:+ ▲10▼シュクロース:+ (e)その他 リジンの脱炭酸反応:− マロン酸の利用:+ アルギニンの分解:+ フェニルアラニンの脱アミノ化反応:− オルニチンの脱炭酸反応:+
【0020】コロニー3を形成する細菌(識別番号:9
00814−3) (通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に平成2
年8月17日から微工研菌寄第11666号として国内
寄託され、平成3年8月12日より微工研条寄第351
1号としてプダペスト条約に従った国際寄託に移管され
た)以下に記載する形態、生化学的性状に基づき、本細
菌は腸内細菌科のパントエア属に属すると推定される。 (a)形態 短桿状 運動性なし グラム染色性:− (b)生育状態 標準寒天培地:黄色で丸形の半透明なコロニーを形成
する。 SS寒天培地:コロニーを形成しない。 TSI寒天培地:斜面部での変化はないが、高層部は
黄変する。ガスを生成しない。 (c)生理的性質 フォーゲス・プロスカウエル反応:+ インドールの生成:− 硫化水素の生成:− クエン酸の利用:+ ウレアーゼ:− オキシダーゼ:− O−Fテスト:+ (d)炭素源の利用性 ラクトース:+ アドニット:− ラムノース:+ マンニット:+ エスクリン:+ イノシット:− ソルビット:+ アラビノース:+ ラフィノース:− ▲10▼シュクロース:+ (e)その他 リジンの脱炭酸反応:− マロン酸の利用:+ アルギニンの分解:− フェニルアラニンの脱アミノ化反応:− オルニチンの脱炭酸反応:一
【0021】コロニー1、2、3をそれぞれ1リット
ルのL−肉汁培地に移し、37℃で一夜振とうし、5,
000G、4℃で20分間遠心処理して集菌した。な
お、このL−肉汁培地は、ディフコ(Difco)社の
ポリペプトン10g、同社の酵母エキス5g、和光純薬
社の特級NaCl(5g)を蒸留水に入れ、NaOHで
pH7.5に合わせ、オートクレーブし、別途、予め調
製済みの和光純薬社の特級グルコースの40%溶液を4
00倍に希釈して加えて調製したものである。 各菌体をそれぞれ50mlの蒸留水に懸濁し、これに
50mlの90%熱フェノールを加えて65〜70℃で
20分間撹拌し、冷却後に、10,000G、4℃で2
0分間遠心処理して、水層を回収した。フェノール層を
更に2回上記と同一の操作に付した。3つの水層を合わ
せ、一夜透析してフェノールを除去し、内液を、アドヴ
ァンテック・トーヨー(ADVANTEC TOYO)
社のUK−200を使用して限外濾過に付して分子量2
0万カット−オフにより濃縮した(N圧:2気圧)。 この濃縮サンプルを、ファルマシア社製のQ−セファ
ロース ファスト フロー(Q−Sepharose
Fast Flow)を使って陰イオン交換クロマトグ
ラフィーに付した。即ち、10mMトリス−HCl(p
H7.5)と10mMのNaClを含む緩衝液で試料を
カラムに付した後、400mMNaCl/10mMトリ
ス−HCl(pH7.5)でリムラス活性画分を溶出さ
せた。この溶出液を上記と同じ条件で限外濾過に付して
脱塩、濃縮して、純度96%以上のLPSを得た。な
お、核酸は1MNaCl/10mMトリス−HCl(p
H7.5)で溶出した。
【0022】各菌体の結果は次表2〜4の通りであっ
た。核酸量はOD(260nm)での測定値に基づき
(10D=50μg)、純度(%)は次式に基づき計算
した。
【数2】
【0023】
【表2】
【表3】
【表4】
【0024】分子量 各菌体から得られたLPSを各々蒸留水に溶解して2m
g/ml溶液を調製し、その10μlを1.5ml容プ
ラスチックチューブに入れた。これに、別途、180μ
lの10%(w/v)SDS、45μlの5%β−メル
カプトエタノール、90μlのCBB色素溶液、11
2.5μlの0.5Mトリス塩酸(pH6.8)及び2
2.5μlの蒸留水を加えて調製したSDS処理液10
μlを加えてよく混合し、次いで5分間沸騰水浴中に浸
した。この加熱後直ちに氷水中に浸して急冷した。10
mlの10%(w/v)SDS、17.9gのトリシン
及び3.03gのトリスを1リットルの蒸留水に溶解し
て調製した泳動緩衝液をマリソル社製のスラブゲル電気
泳動槽に入れた。20%ポリアクリルアミドゲルを泳動
槽に固定し、サンプル溝に検体を入れ、電圧を50vに
1時間、次いで、150vに固定して、色素がゲルより
溶出するまで泳動を続けた(本明細書においてこの泳動
法をSDS−PAGE法と称する)。泳動終了後に、バ
イオラッド社の銀染色キット161−0443を使い銀
染色を室温で行って、挙動を確認した。同時に泳動させ
た蛋白分子量マーカー[ファルマシア社製のLMWキッ
トE:ホスホリラーゼb(94k)、アルブミン(67
k)、オブアルブミン(43k)、カーボニックアンヒ
ドラーゼ(30k)、トリプシンインヒビター(20
k)、α−ラクトアルブミン(14k)]、ペプチド分
子量マーカー[ファルマシア社製の1860−101分
子量マーカー:ミオグロビン(16.9k)、ミオグロ
ビンI&II(14.4k)、ミオグロビンI(8.2
k)、ミオグロビンII(6.0k)、ミオグロビンI
V(2.5k)]の泳動位置からLPSの分子量を計算
したら、5,000±1,000(菌体900814−
1に由来するLPS1)、6,500±2,500(菌
体900814−2に由来するLPS2及び菌体900
814−3に由来するLPS3)であった。上記銀染色
におけるLPS1、LPS2、LPS3の染色帯を図4
に示す。図4において、番号1〜3がそれぞれLPS1
〜3に対応する。図4に示されるように、LPS1は分
子量3万付近にもややまとまった染色帯を示した。LP
S2は30,000から43,000の間にも染色帯が
認められるが、14,000以下の染色帯の染色度と比
較すると、高分子のものは極めて少ないと推定される。
後述する糖量、ヘキソサミン量から判断しても、LPS
2は最も糖含有率が低く、ついでLPS3、LPS1の
順で高くなり、電気泳動で観察されたパターンと一致す
ると考えられる。又、LPS量/総乾燥収量の比もLP
S2、LPS3、LPS1の順に低くなっている。以上
の観察結果から、LPS2は比較的低分子のLPSが多
く、次いで、LPS3、LPS1の順にその割合は少な
くなると推定される。
【0025】リン含有量 チェン−トリバラ(Chen−Toribara)法
[チェン等著、「アナリティカル ケミストリ(Ana
lytical Chemistry)、vol.2
8、1756〜1758頁(1956年)に準拠して次
の通りに行った。LPS1、LPS2、LPS3を各別
に蒸留水に溶解して、それぞれ、31.6μg、57.
6μg、103.6μgのLPSを含む20μlの溶液
を調製し、小試験管に入れた。20μlの50v/v%
硫酸を添加し、160℃で2時間加熱した。次いで、2
0μlの10v/v%過塩素酸を添加した後にガスバー
ナーで1分間加熱して灰化させた。その後に0.5ml
の蒸留水、次いで0.5mlの反応試薬(1mlの6N
硫酸、2mlの蒸留水、2mlの2.5v/w%モリブ
デン酸アンモニウム及び1mlの10v/w%のアスコ
ルビン酸を混合して調製し、その0.5mlを使用)を
添加して室温で30分間放置した後に、820nmでの
吸光度OD(820nm)を測定した。なお、検量線作
成用の試料としては、リン酸二水素カリウム(和光純薬
社製)を蒸留水で希釈し、リン酸重量としてそれぞれ
2.5μg、1μg、0.25μg、0μgを含む0.
5mlの溶液を調製して使用した。なお、リン1gはリ
ン酸二水素カリウム4.39gに相当する。結果を次表
5に示す。なお、吸光度を示す数値は、無機リンの混入
(例えば、リン酸緩衝液に由来する)による誤差を避け
るために、加熱処理をしていない対照のデータを減じた
値である。リン量(μg)は吸光量から計算された値で
ある。リン量(重量%)は、次式により計算した。な
お、式中の「0.67」は、標準のリン1μgのOD値
を指し、サンプル濃度は、蒸留水に溶解した各LPSの
濃度(mg/ml)を指す。
【数3】 リン数は、次式により計算した、分子量5,000当た
りの換算数である。
【数4】
【0026】
【表5】
【0027】ヘキソサミン含有量 エルソン−モルガン(Elson−Morgan)法
(東京化学同人出版「生化学実験講座」No.4の37
7〜379頁)に準拠して次の通りに行った。LPSを
蒸留水に溶解して1.58mg(LPS1)、2.88
mg(LPS2)、5.18mg(LPS3)/mlの
溶液を調製し、その100μlをスクリューキャップ付
きスピッツ(イワキガラス社製)に入れ、これに100
μlの8NHClを添加して110℃で16時間加熱し
た。4NNaOHを約200μl添加してpH7とし
た。その100μlを分取し、別のスクリューキャップ
付きスピッツに入れ、200μlの下記試薬Aを加えた
後に、105℃で1.5時間加熱し、次いで流水で冷却
した。次いで、100μlを分取し、670μlの96
%エタノールを加え、更に、67μlの下記試薬Bを加
えた後に室温で1時間放置し、535nmで吸光度を測
定した。検量線作製用試料としては0.20〜200μ
g/mlのN−アセチル グルコサミン(和光純薬社
製)を使った。 (試薬A)75μlのアセチルアセトンと2.5mlの
1.25N炭酸ナトリウムを混合して調製した。 (試薬B)1.6gのp−ジメチルベンズアルデヒドと
30mlの濃塩酸と30mlの96%エタノールを混合
して調製した。 結果、LPS1、LPS2、LPS3のヘキソサミン数
は各々9±1/分子量5,000、7±1/分子量5,
000、5±1/分子量5,000だった。
【0028】KDO含有量 KDO(2−ケト−3−デオキシオクトネート)含有量
をジフェニルアミン法[シャビ アール(Shaby
R.)等著、アナリティカル バイオケム(Analy
tical Biochem.)、58(1)、123
〜129頁(1974年)]に準拠して次の通りに行っ
た。500mgのジフェニルアミン、5mlのエタノー
ル、45mlの氷酢酸、50mlの濃塩酸(全て和光純
薬社製)を合わせてKDO検出試薬を調製した。その5
00μlに、(1)0.505mg/mlのLPS1を
含む250μl蒸留水溶液;(2)0.576mg/m
lのLPS2を含む250μl蒸留水溶液;(3)0.
518mg/mlのLPS3を含む250μl蒸留水溶
液;のいずれかを合わせ、100℃の沸騰水浴中で33
分間加熱後に冷水(24.5℃)中で30分間冷却し、
ついで日立分光光度計320を使い420、470、6
30、650nmでの紫外部吸収を測定した(測定値を
各々A420、A470、A630、A650とす
る)。標準試料としては、0.5μモル/mlのKDO
アンモニウム塩[米国シグマ(Sigma)社製]を含
む蒸留水250μlを使用した。検体試料、標準試料そ
れぞれについて、次式の値を求めた。 S=A420−A470+A630−A650 検体試料の値(S)はLPS1で0.109、LPS
2で0.078、LPS3で0.099であった。標準
試料の値(S)は0.246であり、蒸留水のみの値
は0.005であった。この値の比較により、LPS1
には2±1/分子量5,000、LPS2には1〜2/
分子量5,000、LPS3には2±1/分子量5,0
00のKDOが含まれると推定された。なお、これらの
値は、LPS1を例にとると、次のように計算される。
溶液に含まれるKDDの濃度をx(μモル/ml)とす
ると、
【数5】 上記式から、x=0.221となる。従って、LPS1
の1モル(5,000と仮定)に含まれるKDDのモル
数をyとすると、次式により、y=2.19となる。
【数6】
【0029】以下は、本発明のLPSを含む製剤の処方
例である。なお、実施例2〜5におけるLPS量は、リ
ムラステストによる大腸菌LPS換算量である。実施例2(錠剤) 小麦LPS 0.04g 6%HPC乳糖 178g ステアリン酸タルク 8g バレイショデンプン 14g 以上を混和し、打錠して、0.1mgの小麦LPSを含
む0.5gの錠剤400個を調製した。実施例3(内用液剤) クロレラLPS 1mg 精製水 100ml実施例4(軟膏剤) 実施例5(注射剤) LPS3 0.5mg注射用蒸留水 適量 合計 1000ml
【0030】実験例1(リムラステスト陽性植物LPS
の定量) 各種植物に含まれるリムラステスト陽性LPSの定量
を、生化学工業株式会社のトキシカラーシステムを使っ
て行った。 96穴の平底または丸底プレートに注射用蒸留水を1
穴当たり180μl入れた。試料20μl(試料が固体
の場合には注射用蒸留水に溶解して調製した)をプレー
トの穴の1つに加えた。プレートミキサーで撹拌しなが
らピペッティングを行って10倍希釈液を調製した。
(以後、順次希釈試料を20μlずつとり、同様に処理
することで100倍、1000倍、…と10倍希釈系列
液を調製できる。また、注射用蒸留水と試料の量比を変
えることにより希釈率は任意に設定できる。) 内部標準として1.5μg/mlの大腸菌LPS溶液
の100,000倍希釈液を調製し、希釈やリムラステ
スト発色が正常であることを確認した。 上記の10倍希釈液35μlを別のプレートの穴に
とり、生化学工業株式会社のトキシカラーシステムのL
S−1セット35μlを添加し、37℃で30分間放置
した。ついで105μlの1M酢酸水を加えて撹拌して
反応を停止させた。この試料液の波長415nmでの吸
光度を、96穴用吸光度計プレートリーダーMTP−1
00(コロナ電気株式会社製)で測定した。バックグラ
ンドとしては蒸留水を、検量線作成用としては42pg
/mlの生化学工業株式会社のトキシカラーシステムの
ET−1セットを使用して検量線を作成し、この検量線
を基準にして各試料中のリムラステスト陽性LPSの定
量を行った。(試料が蒸留水である場合の吸光度を0と
した。)なお、この方法で前記LS−1セットを使用し
た場合には10〜45pg/mlの範囲内で発色に定量
性があることが確認されたので、この範囲に入らないと
きは、希釈率を変えて再実験した。希釈試料の定量値
は、 (検量線から読み取った値)×(希釈率) で計算した。得られた結果を、固体試料の場合にはng
/g単位で、液体試料の場合にはng/ml単位で次表
6に示す。なお、表中の試料の欄の会社名、地名等は、
当該試料の入手先、産地をさす。かかる記載がない品は
スーパーストアー忠実屋の神奈川県津久井郡中野町店で
購入した品で、製造者が不明なものを指す。なお、「ホ
クレン」は、北海道農業協同組合連合会の略称である。
【表6】
【0031】実験例2(マクロファージのインビトロT
NF産生能を活性化する際のED50を与えるリムラス
テスト陽性LPSの含有量が0.4〜100ng/培養
液mlであるLPSの選択方法) 9週齢の、平均体重29gの各群3匹のオスのC3H/
Heマウスのマクロファージ腹腔常在細胞200μl
(2×10個)/穴を96穴の平底プレートに入れ、
プライマーとしての組換えマウスIFN−γ(100単
位/ml)を各穴に10μl宛加えた。別途、各種LP
S源を65℃の熱水(g/ml)で5時間抽出して調製
した抽出液を各種希釈し、その10μl/穴をプライマ
ー投与の3時間後にトリガーとして加えた。2時間培養
後に遠心分離操作に付した(3000G、20分)。各
穴から得られた130μlの、TNF活性はL929細
胞に対する毒性に基づいて測定し、又、リムラステスト
陽性LPS含有量は生化学工業株式会社のトキシカラー
システムを使用して測定した。測定値を、縦軸にTNF
産生量(単位/培養液ml)を、横軸(対数尺)に対応
リムラステスト陽性LPS含有量(ng/培養液ml)
を表す座標にプロットし、プロットされた各点から推定
されるシグモイド曲線を描いた。トリガーを投与しなか
った場合のTNF産生量を与える各トリガーのマクロフ
ァージ活性化能を0%とし、トリガー投与の効果として
増大するTNF産生量が最大恒量に達したときの各トリ
ガーのマクロファージ活性化能を100%とし、その5
0%に相当するマクロファージ活性化能を与えるリムラ
ステスト陽性LPS含有量を曲線から読み取つた。マク
ロファージ活性化能とリムラステスト陽性LPS含有量
との相関関係が上記条件を満たしたLPS採取源の結果
を表7に示す。表中で、「TNF」はTNF産生量(単
位/培養液ml)を、「活性化能」はマクロファージ活
性化能(%)を、「LPS」はリムラステスト陽性LP
S含有量(ng/培養液ml)を表す。なお、トリガー
無添加時のTNF産生量は0.75単位/mlであった
ので、TNF産生量が0.75単位/ml以下である場
合をマクロファージ活性化能0%とし、マクロファージ
活性化能(%)は次式により計算した。
【数7】
【表7】 表7に示された結果を図5〜8に示す。図5〜8におい
て、縦軸はマクロファージ活性化能(%)を表し、横軸
(対数尺)はリムラステスト陽性LPS含有量(ng/
培養液ml)を表している。図5において、○はターメ
リックの、●はカンボーイの、□はコンブの、▲黒四角
▼はアサクサノリのデータを示す。図6において、○は
ワカメ芽株エキスの、□は芽ヒジキの、▲黒四角▼はエ
ビオスのデータを示す。図7において、○は冬虫夏草
の、●はワカメ芽株の、□はクロレラのデータを示す。
図8において、○は大腸菌LPSの、●は小麦LPS
の、□は百日咳菌LPSの、▲黒四角▼はリピドAのデ
ータを示す。
【0032】実験例3(実験動物での鎮痛効果−その
1) 8週齢の各群6匹のC3H/He雄マウス(体重20
〜25g)に、重量で0、10−4、10−3、10
−2、10−1、1、10μg/匹ずつの本発明のLP
S(製造例1で生産された小麦LPS)を生理的食塩水
0.2mlに溶解して静注した。その3時間後に0.5
mlの1%酢酸を腹腔内投与し、30分間にわたり、各
マウスの身もだえ回数(各群6匹の平均)を計数し、次
表8に示す結果を得た。表中、「身もだえ阻止率
(%)」は、次式により計算した。
【数8】
【表8】 両側t検定により、10−2μg/匹以上の投与量であ
れば危険率1%以下で、1μg/匹以上の投与量であれ
ば危険率0.1%以下で、有意な鎮痛効果があると判断
された。図9は、表7に示された「身もだえ阻止率」
(図中、○で示す)と、大腸菌LPS(米国ディフコ社
製0128:B8)の身もだえ阻止率(図中、●で示
す)とをグラフにしたものである。大腸菌LPSのデー
タは、その10μg/匹を投与したときの平均身もだえ
数1、対照群での平均身もだえ数24に基づいて計算さ
れた身もだえ阻止率96%を示している。このグラフか
ら明らかな通り、本発明のLPSを重量で1μg/匹以
上投与すると、酢酸に起因する身もだえは、その約90
%が阻止された。 8週齢の各群6匹のC3H/He雄マウス(体重20
〜25g)に次の薬剤を投与した。 投与群A:重量で1μg/匹のLPS(製造例1で生産
された小麦LPS)を生理的食塩水0.2mlに溶解し
て調製した静注液 投与群B:1mg/匹の既知鎮痛剤フェニルブタゾンを
1%CMC水溶液0.2mlに溶解して調製した静注液 投与群C:生理的食塩水0.2ml 薬剤投与の0.5時間、1.5時間、3時間、8時間又
は18時間経過後に、0.5mlの1%酢酸を腹腔内投
与し、30分間にわたり、各マウスの身もだえ回数(各
群6匹の平均)を計数し、次表9に示す結果を得た。表
中、「身もだえ阻止率(%)」は、次式により計算し
た。
【数9】 上記式で、「投与群Cの場合の身もだえ数」は、生理的
食塩水投与の30分後に酢酸を投与し、30分間にわた
って計数した場合の身もだえ数であり、投与群Aに対し
ては39、投与群Bに対しては35であることが観察さ
れた。
【表9】 図10は、表9に示された「身もだえ阻止率」をグラフ
にしたものである。図中、○は投与群Aの、●は投与群
Bのデータを示す。表9及び図10に示された結果から
明らかな通り、本発明のLPSはフェニルブタゾンの千
分の1という驚異的な少量でフェニルブタゾンに優ると
も劣らない鎮痛効果を発揮し、効果発現に要する時間も
同程度である。更に、両側t検定で危険率5%以下とし
た場合、本発明のLPSの場合には、投与後8〜18時
間経過しても有意な鎮痛効果を持続しているが、フェニ
ルブタゾンの場合には、投与後3時間経過すると有意な
鎮痛効果は示さないと判断された。即ち、本発明のLP
Sの鎮痛効果は、フェニルブタゾンに比して、極めて長
く持続すると言える。
【0033】実験例4(実験動物での鎮痛効果−その
2) 7〜10週齢の各群5匹のC3H/He雄マウス(平均
体重約28g)に、LPS換算でそれぞれ0、1、5、
25、400μg/匹ずつのLPS3或いは大腸菌LP
Sを含むように調製した200μlの蒸留水をゾンデで
経口投与した。その1.5時間後に500μlの0.7
%酢酸を5分かけて腹腔内投与し、その後30分間にわ
たり、各マウスの身もだえ回数を計数し、表10に示す
結果が得られた(各群5匹の平均)。表中、「−」は該
当量では測定しなかったことを示す。又、「身もだえ阻
止率(%)」は、次式により計算した。
【数10】
【表10】
【0034】実験例5(実験動物での鎮痛効果−その
3) 7週齢の各群6匹のC3H/He雄マウス(平均体重約
23g)に、LPS換算でそれぞれ1μg/匹ずつの
A.ラデイオバクターLPS、LPS3或いは大腸菌L
PSを含むように調製した200μlの生理的食塩水を
静注した。対照群には生理的食塩水のみを投与した。そ
の1.5時間後に500μlの1%酢酸を5分かけて腹
腔内投与し、その後30分間にわたり、各マウスの身も
だえ回数を計数した。結果、各群6匹の平均として、対
照群では17回の身もだえが観察されたが、LPS投与
群ではいずれも対照群における半分以下である8回の身
もだえしか観察されなかった。
【0035】実験例6(実験動物での鎮痛効果−その
4) 8週齢の各群5匹のC3H/He雄マウス(平均体重約
29g)に、LPS換算でそれぞれ0μg、0.7μ
g、3.5μg、17.5μg/匹の製造例1で製造さ
れた粉末A−a含むように調製した200μlの蒸留
水をゾンデで経口投与した。その1.5時間後に500
μlの0.7%酢酸を5分かけて腹腔内投与し、その後
30分間にわたり、各マウスの身もだえ回数を計数し、
表11に示す結果が得られた(各群5匹の平均)。表
中、「−」は該当量では測定しなかったことを示す。
又、「身もだえ阻止率(%)」は、次式により計算し
た。
【数11】
【表11】 図11は表10、表11に示した結果をグラフ化したも
のである。図11より、LPS3、粉末A−a、大腸
菌LPSの身もだえ阻止率ED50はそれぞれ2.8μ
g/匹、0.46μg/匹、17μg/匹と推定され、
従って、大腸菌LPSに比べ、LPS3は約6倍の、粉
末A−aは約36倍の鎮痛効果があると推定される。
【0036】実験例7(臨床での鎮痛効果) 患者A(女性、年令41才) [1986年]異性との性交渉によりHIV(ヒト免疫
不全ウイルス)に感染。[1990年8月]ARC(エ
イズ関連症候群) p24抗体:+ [1990年8月20日]400mg/日のAZT(ア
ジトチミジン)投与開始。[同年9月28日]左大腿部
の2箇所に発疹確認。[同年10月4日]左臀部から左
大腿部、左ふくらはぎにまでVZV(水痘・帯状庖疹)
拡大。[同月5日]入院。 白血球数:4000 C反応性蛋白:0.25 T4細胞数:196 痛み:+++ 製造例1で生産された粉末A−aを1mg/ml(リ
ムラステスト陽性LPS量で1μg/ml)含む50w
/v%グリセリン液(グリセリン:水=1:1)(以
下、この液を「薬剤A」と称す)を1日1回40mlず
つをVZV部位に直接塗付するとともに、1日3回1m
lずつを経口投与した。この間、他薬剤は投与しなかっ
た。その結果、塗付数時間後に痛みは劇的に消失し、発
疹も約1週間でほぼ消失した。
【0037】投与量、投与間隔、毒性値 本発明のLPSを鎮痛剤、動物用鎮痛剤として投与する
さいの量、投与間隔は、当然、担当医師或いは獣医師の
厳重な管理下、投与対象の年齢、症状、体重、投与効果
を勘案して個別に決定されるが、人間の成人(60k
g)で、経口投与で1μg〜100mg、静脈投与で1
0ng〜10mg、経皮投与で100ng〜1mgが1
日1回の投与量の一応の目安となる。なお、動物では、
牛、馬等の大型動物は上記の量の60分の1を体重1k
g当たりの量の目安とし、豚、犬、猫等の中型、小型の
動物ではその2倍量を体重1kg当たりの量の目安と
し、鶏等の鳥類では更にその2倍量を体重1kg当たり
の量の目安とし投与できる。なお、ベーレンス ケルバ
ー(Behrens K rber)法により測定した、7週齢の平均体重22g
のC3H/He雄マウスにおけるLPS1、LPS2、
LPS3のLD50はそれぞれ150、180、180
μg/匹であり、大腸菌LPS[米国ディフコ(Dif
co)社製0128:B8]の値300μg/匹の60
%以下であった。又、小麦LPS(製造例1)、大腸菌
LPS(同上)、百日咳菌LPS(製造例3)の毒性値
LD50(1群2匹の雄BALB/Cマウス、平均体重
45g、における平均値)は静脈内投与でそれぞれ3.
2、3.4、11mg/kgであり、皮内投与でそれぞ
れ16、16、32mg/kgだった。
【0038】
【発明の効果】本発明により、化学治療係数が高く、持
続時間が長く、生産コストが低く、しかも、経口、経
皮、注射のいずれの経路でもで投与可能な、大量に供給
可能な鎮痛剤、動物用鎮痛剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】小麦LPSをガスクロマトグラフィーにかけて
得られる、分子中における脂肪酸の存在を示すピークを
図示したチャートである。
【図2】大腸菌LPSをガスクロマトグラフィーにかけ
て得られる、分子中における脂肪酸の存在を示すピーク
を図示したチャートである。
【図3】百日咳菌LPSをガスクロマトグラフィーにか
けて得られる、分子中における脂肪酸の存在を示すピー
クを図示したチャートである。
【図4】LPS1、LPS2、LPS3の、SDS−P
AGE法におけるパターンを示す図である。
【図5】マクロファージ活性化能とリムラステスト陽性
LPS含有量との相関関係が本発明の条件を満たしてい
る各種LPSの当該相関関係を示すグラフである。
【図6】マクロファージ活性化能とリムラステスト陽性
LPS含有量との相関関係が本発明の条件を満たしてい
る各種LPSの当該相関関係を示すグラフである。
【図7】マクロファージ活性化能とリムラステスト陽性
LPS含有量との相関関係が本発明の条件を満たしてい
る各種LPSの当該相関関係を示すグラフである。
【図8】マクロファージ活性化能とリムラステスト陽性
LPS含有量との相関関係が本発明の条件を満たしてい
る各種LPSの当該相関関係を示すグラフである。
【図9】本発明のLPSの鎮痛効果の用量−応答曲線を
示すグラフである。
【図10】本発明のLPSの鎮痛効果を、既知鎮痛剤フ
ェニルブタゾンの鎮痛効果との比較で表すグラフであ
る。
【図11】本発明のLPSの鎮痛効果を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
図4において、1はLPS1の、2はLPS2の、3は
LPS3のパターンを示す。図5〜図8において、縦軸
はマクロファージ活性化能(%)を表し、横軸(対数
尺)はリムラステスト陽性LPS含有量(ng/培養液
ml)を表す。図5において、○はターメリックの、●
はカンボーイの、□はコンブの、▲黒四角▼はアサクサ
ノリのデータを示す。図6において、○はワカメ芽株エ
キスの、●は芽ヒジキの、□はエビオスのデータを示
す。図7において、○は冬虫夏草の、●はワカメ芽株
の、□はクロレラのデータを示す。図8において、○は
大腸菌LPSの、●は小麦LPSの、□は百日咳菌LP
Sの、▲黒四角▼はリピドAのデータを示す。図9にお
いて、○は小麦LPSの、●は大腸菌LPSのデータを
示す。図10図において、○は小麦LPSの、●はフェ
ニルブタゾンのデータを示す。図11において、□はL
PS3の、●は粉末A−aの、○は大腸菌LPSのデ
ータを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 月岡 大輔 千葉県千葉市春日1−21−17 (72)発明者 水野 伝一 神奈川県鎌倉市岡本18 (72)発明者 大島 治之 東京都八王子市館町1097館ケ丘団地2−1 −513

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LPSを含む鎮痛剤であり、 インビトロで培養されるマクロファージのTNF産生能
    を活性化するLPSのマクロファージ活性化能を指標と
    し、 縦軸に、そのLPSを添加しないときのマクロファージ
    のTNF産生量を与えるマクロファージ活性化能を0
    %、マクロファージのTNF産生量を最大恒量にする時
    のLPSのマクロファージ活性化能を100%とするマ
    クロファージ活性化能(%)を表し、横軸に、そのLP
    Sのリムラステスト陽性LPS含有量を対数尺で表すシ
    グモイド曲線を描くとき、 マクロファージ活性化能のED50を与えるリムラステ
    スト陽性LPS含有量が0.4〜100ng/培養液m
    lであるLPSの少なくとも1種を含む鎮痛剤。
  2. 【請求項2】 LPSが、植物から得られるLPS、細
    菌から得られるLPS、リピドA、それらの合成LPS
    及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項
    1記載の鎮痛剤。
  3. 【請求項3】 植物から得られるLPSが、小麦から得
    られ、次の物性を有するLPSである、請求項2記載の
    鎮痛剤。 主要分子量:8,000±1,000(SDS電気泳動
    法による) リン数:1〜4/分子量8千 ヘキソサミン数:6±2/分子量8千 脂肪酸数:6±2/分子量8千 KDO数=5±1/分子量8千
  4. 【請求項4】 植物から得られるLPSが、クロレラか
    ら得られ、次の物性を有するLPSである、請求項2記
    載の鎮痛剤。 主要分子量=40,000〜90,000(SDS−P
    AGE法による) リン数=4±1/分子量1万 ヘキソサミン数=7±1/分子量1万 脂肪酸数=6±1/分子量1万 KDO数=2±1/分子量1万
  5. 【請求項5】 細菌から得られるLPSが、大腸菌から
    得られ、次の物性を有するLPSである、請求項2記載
    の鎮痛剤。 主要分子量=40,000±10,000 8、000±4,000(SDS−PAGE法による) リン数=12/分子量3万 ヘキソサミン数=45±6/分子量3万 脂肪酸数=18/分子量3万 KDO数=5±1/分子量3万
  6. 【請求項6】 細菌から得られるLPSが、次の物性を
    有するLPSである、請求項2記載の鎮痛剤。 主要分子量:5,000±1,000(SDS−PAG
    E法による) リン数:2±1/分子量5,000 ヘキソサミン数:9±1/分子量5,000 KDO数:2±1/分子量5,000
  7. 【請求項7】 細菌から得られるLPSが、次の物性を
    有するLPSである、請求項2記載の鎮痛剤。 主要分子量:6,500±2,500(SDS−PAG
    E法による) リン数:1〜2/分子量5,000 ヘキソサミン数:7±1/分子量5,000 KDO数:1〜2/分子量5,000
  8. 【請求項8】 細菌から得られるLPSが、次の物性を
    有するLPSである、請求項2記載の鎮痛剤。 主要分子量:6,500±2,500(SDS−PAG
    E法による) リン数:2±1/分子量5,000 ヘキソサミン数:5±1/分子量5,000 KDO数:2±1/分子量5,000
  9. 【請求項9】 細菌から得られるLPSが、百日咳菌か
    ら得られ、次の物性を有するLPSである、請求項2記
    載の鎮痛剤。 主要分子量=6,000±1,000(SDS−PAG
    E法による) リン数=4/分子量6千 ヘキソサミン数=12/分子量6千 脂肪酸数=4/分子量6千 KDO数=2±1/分子量6千
  10. 【請求項10】 細菌から得られるLPSが、A.ラデ
    イオバクターLPSである、請求項2記載の鎮痛剤。
  11. 【請求項11】 LPSを含む動物用鎮痛剤であり、 インビトロで培養されるマクロファージのTNF産生能
    を活性化するLPSのマクロファージ活性化能を指標と
    し、縦軸に、そのLPSを添加しないときのマクロファ
    ージのTNF産生量を与えるマクロファージ活性化能を
    0%、マクロファージのTNF産生量を最大恒量にする
    時のLPSのマクロファージ活性化能を100%とする
    マクロファージ活性化能(%)を表し、横軸に、そのL
    PSのリムラステスト陽性LPS含有量を対数尺で表す
    シグモイド曲線を描くとき、 マクロファージ活性化能のED50を与えるリムラステ
    スト陽性LPS含有量が0.4〜100ng/培養液m
    lであるLPSの少なくとも1種を含む動物用鎮痛剤。
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JP2-312932 1990-11-20
JP2-218599 1990-11-20
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100705997B1 (ko) * 1995-07-11 2007-07-09 나카무라 도시카즈 안정화된 hgf 동결건조제제 및 그 제조방법
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