JPH0640764A - 複合体の製造方法 - Google Patents

複合体の製造方法

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JPH0640764A
JPH0640764A JP3068052A JP6805291A JPH0640764A JP H0640764 A JPH0640764 A JP H0640764A JP 3068052 A JP3068052 A JP 3068052A JP 6805291 A JP6805291 A JP 6805291A JP H0640764 A JPH0640764 A JP H0640764A
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JP3068052A
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Junji Asaumi
順治 浅海
Hisaya Enomoto
尚也 榎本
Kazunari Naito
一成 内藤
Hideto Yoshida
秀人 吉田
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Nihon Cement Co Ltd
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Nihon Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ムライト系セラミックスをマトリックスとし
た2次元織物強化複合体の製造方法を提供すること。特
に、55kgf/mm2以上の降伏応力を有する上記複
合体の製造方法を提供すること。 【構成】 上記ムライト系セラミックスのマトリックス
材にウィスカ−を含む短繊維を添加すること。 【効果】 上記短繊維を添加することにより、ムライト
系セラミックスをマトリックスとした2次元織物強化複
合体の降伏応力を55kgf/mm2以上に向上させる
ことができ、特に、高出力型のエンジンに対応した高回
転型のブレ−ド部として利用できる有用な材料を提供す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ムライト系セラミック
スをマトリックスとした2次元織物強化複合体の製造方
法に関し、特に、降伏応力が極めて高い上記複合体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ムライト系セラミックス焼結体は、通
常、ムライト質粉末をプレス法により成型し、必要に応
じて、CIP処理を施し、その後焼成することにより製造
されている。
【0003】近年、このムライト焼結体に信頼性をもた
せるため、ウィスカーなどの短繊維を添加した後、焼成
して複合体を製造する試みが検討されている。この複合
体が信頼性を持つには、破壊の際、十分に安定破壊する
必要がある。ここで、「複合体の信頼性」とは、複合体
を曲げ試験したとき、応力ー歪曲線において、応力の急
激な、しかも、大きな降下を示さず、安定破壊し続ける
とき、その材料は、信頼性があるとする。
【0004】しかしながら、上記従来法で製造した焼結
体のムライト系セラミックスは、その破壊挙動は、後者
の場合(ウィスカーなどの短繊維を添加したもの)で
も、依然として、不安定破壊(即断破壊)を示すもので
ある。
【0005】ムライト系セラミックスは、高温における
耐熱性が優れているため、宇宙往還機などの外壁材料と
して使用される可能性があるが、異物の衝突により、そ
の部材が完全に破損するという欠点を有している。外壁
材料の観点から、宇宙往還機の安全を保証するには、異
物が衝突しても衝突部のみに安定破壊が発生し、部材全
体に破壊が広がるのを防ぐ必要がある。そのため、破壊
の際、安定破壊を示す材料の出現が望まれているところ
である。
【0006】本発明者等は、上記要望に沿うムライト系
セラミックス焼結体について、研究した結果、本発明以
前に、ムライト系セラミックスをマトリックスとした2
次元織物強化複合体並びにその製造方法を開発している
(特願平2−277017号等)。
【0007】本発明者等の既提案の上記複合体は、「無
機質繊維よりなる2次元織物とムライト系セラミックス
との交互積層焼結複合体構造を有する複合体」であり、
これは、次の方法によって製造される。 (1) 成型用の鋳型に、無機質繊維製2次元織物(又
はマトリックス材と同じ材質を含浸させた無機質繊維製
2次元織物)を敷設し、次に、マトリックスとなるムラ
イト系セラミックス粉末又はムライト系前駆体粉末を適
量投入して水平にならし、これを交互に積層した後、該
積層面に対して垂直方向から1軸加圧(ホットプレス)
焼成する複合体の製造方法。及び、(2) 上記2次元
織物を積層する際、該2次元織物の間に熱軟化性バイン
ダ−を含むムライト系セラミックスのマトリックス材シ
−ト成型物を挿入し、熱圧着する複合体の製造方法。更
に、(3) 上記(2)の複合体を製造する方法におい
て、マトリックス材にSiC粉末を2〜40重量%添加
する複合体の製造方法。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記既
提案の複合体について更に研究を重ねた結果、上記
(1)〜(3)により製造された複合体は、いずれも、
その破壊挙動は、弾性変形に続き降伏点を示した後、安
定破壊を示すものの、弾性的な破壊を示す降伏点までの
強度が低く、その降伏応力は、上記(1)の複合体で
は、10kgf/mm2程度であり、上記(2)及び
(3)の複合体では、約30kgf/mm2及び約40
〜53kgf/mm2である。
【0009】ところで、上記したムライト系セラミック
スをマトリックスとする2次元織物強化複合体は、ムラ
イト焼結体に比して、破壊靱性が大きく、かつ、耐熱性
が優れているため、自動車用ガスタ−ビン部材として利
用される可能性が高い素材である。
【0010】しかし、自動車用ガスタ−ビン部材の中
で、回転体のブレ−ド部としての利用を考えた場合、高
出力型のエンジンに対応して、ロ−タ−の回転が更に高
回転することになり、この高回転に伴う遠心力の発生が
原因となって、ブレ−ドが変形し、かつ、破損する欠点
を有している。そのため、より降伏応力が高く(55k
gf/mm2以上)、かつ、安定破壊する新素材の出現
が今日強く要望されている。
【0011】そこで、本発明者等は、上記のムライト系
セラミックスをマトリックスとした2次元織物強化複合
体について、更に研究を重ねた結果、本発明を完成した
ものである。即ち、本発明は、上記要望に沿う複合体の
製造方法を提供するにあり、特に、55kgf/mm2
以上の降伏応力を有するムライト系セラミックスをマト
リックスとする2次元織物強化複合体の製造方法を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】そして、本発明は、上記
目的とする高降伏応力(55kgf/mm2以上)の新
素材を得るため、無機質繊維よりなる2次元織物とムラ
イト系セラミックスとの交互積層焼結複合体構造を有す
る複合体の製造方法であって、特に、上記マトリックス
材にウィスカ−等の短繊維を添加する点を特徴とするも
のである。
【0013】即ち、本発明は、(1)ムライト系セラミ
ックスをマトリックスとした2次元織物強化複合体を製
造する方法において、上記マトリックス材にウィスカ−
等の短繊維を添加することを特徴とする複合体の製造方
法であり、(2)このウイスカ−等の短繊維の添加量
は、気孔を除くマトリックスの体積に対し2〜30容積
%であり、(3)ムライト系セラミックスのマトリック
スを含浸した無機質繊維よりなる2次元織物を積層し、
次いで、予備成形した後1軸加圧(ホットプレス)焼結
して複合体を製造するにあたり、この2次元織物を積層
する際、該2次元織物の間に熱軟化性バインダ−を含む
ムライト系セラミックスのマトリックス材シ−ト成型物
を挿入し、熱圧着する複合体の製造方法において、上記
2次元織物に含浸するマトリックス材及び/又は上記シ
−ト成型物中のマトリックス材にウィスカ−等の短繊維
を添加することを特徴とする複合体の製造方法である。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。 (ウィスカ−等の短繊維について)本発明で使用するウ
ィスカ−等の短繊維は、その材質としては、SiC、S
34、AIN、炭素(カ−ボン)、AI23、BN、
TiN又はTiC等であり、そして、本発明は、これら
の短繊維を複数組合わせて用いることができる。
【0015】本発明において、添加するウイスカ−等の
短繊維は、マトリックスに対して均一に分散し、そのた
め、ムライト相互の接触を防止し、ムライト粒子の粒成
長が妨げられ、その結果、マトリックスの強度向上が期
待できる作用が生じ、また、マトリックスに食込む短繊
維のブリッジング効果及びプルアウト効果により、マト
リックスの強度向上と靱性向上が期待できる作用が生ず
るものである。
【0016】ウイスカ−等の短繊維の添加効果を有効に
引出すためには、添加する短繊維は、適当なアスベクト
比をもつ必要があり、このため、本発明では、特に限定
するものではないけれども、この短繊維のアスベクト比
が3以上、好ましくは5以上である。
【0017】また、本発明において、ウィスカ−等の短
繊維の添加量は、気孔を除くマトリックスの体積のうち
2〜30容積%が好ましい。添加量が2容積%より少な
い場合、ムライト粒子の粒成長防止効果が低下し、逆に
添加量が30容積%より多いと、マトリックスの焼結能
力が低下し、焼結しなくなる。従って、ウィスカ−等の
短繊維の添加量は、上記範囲が好ましく、特に、3〜2
0重量%が好適であり、最適範囲は、5〜15重量%で
ある。
【0018】(ムライト系セラミックスについて)本発
明で使用するマトリックスとしてのムライト系セラミッ
クス粉末(ムライト質粉末)は、理論組成のムライト
(3Al23・2SiO2)、或いは、少量のAl23
及び/又はSiO2を固溶したムライト粉末であり、そ
の粒度は、それが焼結しやすく、緻密化しやすいという
観点から、通常、平均粒径3μm以下、好ましくは1μ
m以下が好適である。
【0019】また、本発明は、無機質繊維よりなる2次
元織物にムライト系セラミックス粉末(ムライト質粉
末)を含浸させたものを積層するが(請求項3)、この
ムライト質粉末以外に、2次元織物に対する含浸物とし
て、ムライト系前駆体(アルミナ成分とシリカ成分との
混合物)が考えられ、この前駆体も本発明で使用でき、
この態様も本発明に包含するものである。この前駆体と
しては、各種アルミナ・シリカ系混合溶液を使用するこ
とができる。混合のためのアルミナ溶液(アルミナ成
分)としては、アルミニウムゾルだけでなく、塩化アル
ミニウム溶液、硝酸アルミニウム溶液等のアルミニウム
塩溶液及びアルミニウムアルコキシド等のアルミニウム
アルコラ−ト溶液が挙げられる。一方、シリカ溶液(シ
リカ成分)としては、シリカゾルだけでなく、シリコン
アルコキシド等のシリコンアルコラ−ト溶液が挙げられ
る。こららの溶液をムライト系組成となるように混合調
整する必要があり、好ましくは、適量の溶媒(水、アル
コ−ル等)を加え、十分に混合してシリカ成分とアルミ
ナ成分がμmオ−ダ−で均一に混合されていることが好
ましい。
【0020】(含浸について)本発明において、ウィス
カ−等の短繊維を含むムライト質混合粉末を含浸物とし
て用いる場合には、適当な溶媒(水、アルコ−ル等)を
加えてスラリ−化した含浸液とするのが好ましい。特
に、予めポットミル等で短繊維とムライト質粉末とを十
分に混合し、次いで、この混合粉末に上記溶媒を添加
し、均一に分散したスラリ−(含浸液)とするのが好ま
しい。ただし、短繊維とムライト質粉末とを混合する
際、この混合の衝撃で繊維が損傷し、繊維本来の補強効
果が期待できない可能性が考えられる。従って、ポット
ミル混合の場合、樹脂製のポットとボ−ルを使用し、か
つ、ミルの回転数を遅くするなどして対処するのが好ま
しい。また、スラリ−中に粉末を均一に分散させるた
め、分散剤を添加することもできる。
【0021】無機質繊維よりなる2次元織物へのウィス
カ−等の短繊維を含むムライト及び/又はムライト前駆
体の含浸手段としては、上記含浸液に織物を浸積させる
だけの常圧法を用いることもできるが、織物の繊維間隙
に確実に効率良く含浸させるために、含浸液に織物を浸
漬させた後減圧する減圧法の採用が好ましい。
【0022】含浸した織物は、次いで、乾燥させて複合
材料(積層材)として準備するが、この際、繊維中にウ
ィスカ−等の短繊維を含むムライト及び/又はムライト
前駆体の含有量を多くするため、含浸とその後の乾燥操
作を繰返すことができる。
【0023】(2次元織物について)本発明で使用する
2次元織物は、フイラメントが数100本〜数1000
本からなる1本のヤーンが単位となり、1軸以上多軸に
わたって織られたものであれば、いずれも使用可能であ
るが、製造工程において、特に、含浸する時に繊維が解
れず、保形性を持たせるために、2軸以上の織物である
のが好ましい。更に、織物の外周部がステッチされてい
るものが好適である。また、2次元織物の形状について
は、特に限定されるものではなく、目的とする形状に応
じて適宜選択することができる。
【0024】2次元織物に用いられる繊維は、高温高圧
での製造プロセスにおいて、塑性変形する金属質又はプ
ラスチック質は好ましくなく、塑性変形しない無機質繊
維が好ましい。しかしながら、無機質繊維であっても、
高温で塑性変形するガラス質繊維等は好ましくない。ま
た、複合体の製造過程において、1500〜1800℃
の高温状態でムライトと反応するSi34繊維は好まし
くない。
【0025】高温高圧において、ムライト質マトリック
スとの反応が少ない繊維としては、炭素(カ−ボン)、
SiC及びAl23系セラミックス繊維を挙げることが
でき、これらの繊維は、本発明において特に好ましい。
なお、炭素(カ−ボン)繊維は、ピッチ系でもパン系で
も使用できる。また、2次元織物にサイジング剤等が被
覆されている場合、積層成型する前にアセトンなどの有
機物で処理するか、或いは、積層成型した後、適当な温
度、適当な雰囲気で仮焼し、サイジング剤等の有機物を
除去することが好ましい。
【0026】(熱軟化性バインダ−について)本発明に
おいて、熱軟化性バインダ−とは、通常知られているセ
ラミックス質テ−プ成型用のバインダ−類を指し、熱を
加えると軟化性を示し、脱脂処理後残渣が残らず、シ−
ト塗工時に保形性を与えるものであれば、どのようなも
のでも使用することができる。例示すれば、ポリビニル
ブチラ−ル、ポリビニルアルコ−ル、ポリアクリル酸エ
ステル、エチルセルロ−ス等を挙げることができる。
【0027】また、シート成形用スラリーは、上述した
熱軟化性バインダーとムライト質粉末並びにウィスカ−
等の短繊維に、可塑剤、分散剤及び溶剤を加え、十分に
混合粉砕して調整することができる。可塑剤は、バイン
ダーに柔軟性を与えるもので、例えば、ジブチルフタレ
ート、ブチルベンジルフタレート、ブチルステアレー
ト、ジメチルフタレート等が用いられる。また、分散剤
は、スラリーの凝集を防ぐための配合剤であり、例え
ば、オレイン酸エチル、脂肪酸、天然魚油、オクタジエ
ン等が用いられる。更に、溶剤としては、水又はメタノ
ール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール等の
低級アルコール、或いは、キシレン、トルエン等の芳香
族系溶剤、更には、トリクロロエチレン、酢酸エチル、
メチルエチルケトン等を挙げることができ、いずれも本
発明で使用できる。
【0028】(予備積層物・予備積層体について)本発
明の複合体の製造方法を具体的に説明すると、まず、ウ
ィスカ−等の短繊維を含むムライト質粉末とバインダ−
等との混合スラリ−を準備する。この混合スラリ−の調
製は、ボ−ルミル中で、少なくとも10時間以上にわた
って行なうことが好ましい。上記混合スラリ−をドクタ
−ブレ−ドによって所要の厚さに塗工し、乾燥する。次
に、含浸乾燥させた2次元織物の間に前記シ−ト成型物
を挿入して挟み、これを繰返すことにより予備積層物を
準備する。
【0029】得られた予備積層物を熱圧着して予備成形
体を作製する。熱圧着に際して、シ−トを50〜150
℃に加熱する。これによって、シ−トに含まれているマ
トリックス材の粉末及び短繊維が2次元織物の空隙に入
り込み、その結果、マトリックス材の粉末が均一に分布
して、大きな空隙の無い複合体のグリ−ンを得る。この
グリ−ンには、バインダ−、分散剤等を含有しているの
で、この後適当な温度、雰囲気で仮焼し、上記バインダ
−、分散剤等の有機物を除去することが好ましい。
【0030】(加圧・焼成について)次に、1軸加圧
(ホットプレス)焼結して複合体を製造するが、焼成温
度が低く、また、加圧圧力が低いと複合体は焼結しなく
なる。一方、温度が高いと、マトリックスであるムライ
トが分解し、複合体の降伏強度が向上しなしなくなる。
また、加圧圧力は、高すぎると織物を構成する繊維の剪
断破壊による損傷の割合が多くなり、これも強度の向上
が望めない。従って、本発明における複合体の焼成温度
は、1500〜1800℃、好ましくは、1590〜1
750℃である。また、加圧圧力は、50〜600kg
f/cm2、好ましくは、100〜500kgf/cm2
である。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例1〜12を比較例1〜
4と共に挙げ、本発明をより具体的に説明する。
【0032】(実施例1〜6、比較例1、2)ムライト
粉末「日本セメント社製、高純度ムライト粉末(AM−
72S)、平均粒径0.2μm」に、SiCウィスカ−
「タテホ化学社製、SCW#1−50M、径1〜1.5
μm、アスベクト比5以上」を0〜40容積%添加し、
混合粉末を準備した。この混合粉末100gに水を20
0mI加え、樹脂製のボ−ルを有する樹脂製のポットミ
ルに投入した。更に、有効成分として、 バインダ− 22g (セラモTB−13、セラモTB−01:
第一工業製薬社) 可塑剤 17.5g (セラモP−17:第一工業製
薬社) 分散剤 3.72g (セラモD−102:第一工業
製薬社) 界面活性剤 2.1g (セラモR−30:第一工業製
薬社) 消泡剤 0.7g (アンチフロスF−233:第一
工業製薬社) を加え、32時間湿式混合してスラリ−を作った。
【0033】このスラリ−を充分に脱泡した後、目開き
500μmの条件にて、ドクタ−ブレ−ド法でシ−ト成
形した。次に、乾燥工程を経て、膜厚が約160〜18
0μmの値を示すムライト/SiCウィスカ−からなる
シ−トを準備した。
【0034】含浸に用いる2次元織物は、カ−ボン繊維
(日本石油製「ピッチ系カ−ボン繊維」(XN−4
0))で、2次元2軸(90度直交)平織物を使用し、
この織物を予めアセトンで濡らし、脱サイジング剤処理
をした。
【0035】前記のスラリ−に更に水を100ml追加
し、このスラリ−の中に、上記平織物を浸漬し、減圧に
よる含浸処理を1時間行ない、その後シ−ト成形に用い
るキャリア−フィルム上で充分に自然乾燥させる。そし
て、この含浸乾燥工程を4回繰返す。
【0036】その後、ホットプレス鋳型と同じ形状の金
型に、含浸した上記織物1枚に対して、上記シ−トを1
枚の割合で重ね、これを20枚積層した。次いで、N2
雰囲気、300℃、100kgf/cm2の条件下で熱
圧着処理する。得られたグリ−ン成形体を脱脂処理した
後、400kgf/cm2、1700℃×1hr、N2
囲気下でホットプレス焼成を施し、複合体を得た。
【0037】この複合体から1×4×40mmの試験片
を作製し、曲げ試験(スパン30mm−3点曲げ)を行
ない、降伏点までの強度を測定した。その結果を表1に
示す。また、降伏点を測定した後の破壊挙動について安
定破壊、不安定破壊の判定を行なったところ、表1中の
実施例1〜6及び比較例1、2とも、降伏点を測定した
後の破壊挙動は、すべて安定破壊であった。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、SiCウィスカ
−を2〜30容量%添加した実施例1〜6では、56〜
72kgf/mm2という高降伏点強度を有する複合体
が得られることが理解できる。一方、SiCウィスカ−
を添加しない比較例1では、32kgf/mm2であ
り、また 、SiCウィスカ−を40容量%添加した比
較例2では、16kgf/mm2であった。
【0040】(実施例7〜12、比較例3、4)上記実
施例1〜6では、2次元織物に含浸するムライト粉末及
び熱軟化性バインダ−を含むムライト粉末のマトリック
ス材シート成形物の両者にSiCウィスカ−を添加した
場合の例であるが、この実施例7〜12では、熱軟化性
バインダ−を含むムライト粉末のマトリックス材シート
成形物を準備する際にのみ、SiCウィスカ−を添加
し、2次元織物に含浸するムライト粉末にこれを添加し
ない例である。
【0041】即ち、この実施例7〜12では、SiCウ
ィスカ−を添加しないスラリ−を2次元織物に含浸する
点のみを除いて、その他は、上記実施例1〜6と同一の
材料を用い、同一条件で複合体を製造した。そして、こ
の複合体に対して、上記実施例1〜6と同様の試験片を
作製し、同じく曲げ試験を行ない、降伏点までの強度を
測定した。その結果を表2に示す。また、降伏点を測定
した後の破壊挙動について安定破壊、不安定破壊の判定
を行なったところ、表2中の実施例7〜12及び比較例
3、4とも、降伏点を測定した後の破壊挙動は、すべて
安定破壊であった。
【0042】
【表2】
【0043】表2から明らかなように、SiCウィスカ
−を2〜30容量%添加した実施例7〜12は、55〜
67kgf/mm2の高降伏点強度を有する複合体が得
られることが理解できる。一方、SiCウィスカ−を添
加しない比較例3では、32kgf/mm2であり、ま
た 、SiCウィスカ−を40容量%添加した比較例4
では、16kgf/mm2であった。
【0044】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、ムライ
ト系セラミックスをマトリックスとした2次元織物強化
複合体を製造するにあたり、ムライト系セラミックスの
マトリックス材にウィスカ−を含む短繊維を添加するも
のであり、これによって、ムライト系セラミックスをマ
トリックスとした2次元織物強化複合体の降伏応力を5
5kgf/mm2以上に向上させることができる効果が
生じ、高降伏応力が要求される材料、例えば、自動車用
ガスタ−ビン部材(回転体のブレ−ド部)に有用な材料
であり、特に、高出力型のエンジンに対応した高回転型
のブレ−ド部として利用できる有用な材料を提供するも
のである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ムライト系セラミックスをマトリックス
    とした2次元織物強化複合体を製造する方法において、
    上記マトリックス材にウィスカ−等の短繊維を添加する
    ことを特徴とする複合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ウイスカ−等の短繊維の添加量は、気孔
    を除くマトリックスの体積に対し2〜30容積%である
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ムライト系セラミックスのマトリックス
    を含浸した無機質繊維よりなる2次元織物を積層し、次
    いで、予備成形した後1軸加圧(ホットプレス)焼結し
    て複合体を製造するにあたり、この2次元織物を積層す
    る際、該2次元織物の間に熱軟化性バインダ−を含むム
    ライト系セラミックスのマトリックス材シ−ト成型物を
    挿入し、熱圧着する複合体の製造方法において、上記2
    次元織物に含浸するマトリックス材及び/又は上記シ−
    ト成型物中のマトリックス材にウィスカ−等の短繊維を
    添加することを特徴とする複合体の製造方法。
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Cited By (3)

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CN115448732A (zh) * 2022-09-05 2022-12-09 衡阳凯新特种材料科技有限公司 一种氮化硅纤维增强透波陶瓷材料及其制备方法

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