JPH0639890B2 - 焼嵌ロータを有する低圧タービンの起動方法及び装置 - Google Patents

焼嵌ロータを有する低圧タービンの起動方法及び装置

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JPH0639890B2
JPH0639890B2 JP59011356A JP1135684A JPH0639890B2 JP H0639890 B2 JPH0639890 B2 JP H0639890B2 JP 59011356 A JP59011356 A JP 59011356A JP 1135684 A JP1135684 A JP 1135684A JP H0639890 B2 JPH0639890 B2 JP H0639890B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は焼嵌ロータを有する低圧タービンの起動方法及
び装置に関する。
〔発明の背景〕
火力及び原子力発電用プラントの大容量化に伴い、蒸気
タービンに使用されるタービンロータも大径化の一途を
たどつており、特に低温低圧の比容積の大きな低圧ロー
タにおいては素材製造上の理由からシヤフトにデイスク
を焼嵌めしたいわゆる焼嵌ロータが広く採用されてい
る。
特に、原子力タービンでは、原子炉で発生する蒸気が火
力に比し低温低圧であることから、単位出力当りの体積
流量は火力の4〜5倍と多いため、焼嵌ロータが従来多
数使用されている。
原子力タービンを例にとつて説明すると、原子力タービ
ンでは第1図に示す如く、原子炉1又は蒸気発生器で発
生した蒸気は主蒸気止め弁2、蒸気加減弁3を通つて高
圧タービン4へ導かれる。高圧タービン4で仕事をした
蒸気は、湿分分離器5あるいは湿分分離再熱器で湿分を
除去された後、中間止め弁6、インターセプト弁7を通
つて低圧タービン8へ導かれる。低圧タービン8で仕事
をした蒸気は復水器9へ排出され、凝縮され復水ポンプ
Pにより再びタービンサイクルへ戻され、原子炉1又は
蒸気発生器に送られる。Gは発電機である。この際、高
圧タービン4及び低圧タービン8内の蒸気はほとんど湿
り蒸気である。
低圧タービン8車室内のロータの断面を第2図に示す。
低圧ロータ10は低圧ケーシング11に囲われており、
低圧ケーシング11の中心付近には蒸気入口部12が形
成されている。約200℃の蒸気が、鎖線13に示す如
く、蒸気入口部12から入り、両側に分流して各段で仕
事をし、温度及び圧力を低下させかつ湿り度を増加させ
ながら後流側に流れる。低圧タービン8車室内の低圧ロ
ータ10は、軸受14に支持されたシヤフト15と、シ
ヤフト15に焼嵌されたデイスク16と、デイスク16
の周囲にそれぞれ設けた動翼17から成つている。
第3図及び第4図に第2図のA部拡大詳細構造を示して
いる。
デイスク16をシヤフト15に焼嵌する際には、蒸気よ
り動翼17が得たトルクをデイスク16とシヤフト15
がすべることなく伝達できるように十分なる焼嵌代を与
える。更に、万一のすべりを考慮して、軸方向に対して
はロツクリング18を、周方向に対してはホイールキー
19が設けられている。
シヤフト15にはデイスク16が焼嵌られ、周方向のす
べり防止のためのホイールキー19がシヤフト15、デ
イスク16の軸方向に加工されたキー道20の中に設け
られる。デイスク16側のキー道20は、デイスク16
の蒸気入口側端16aに開口し、キー道20の後端に
は、焼嵌面全周にわたり逃げ溝21が加工され、デイス
ク16に加わる遠心力とトルクにより生じる応力集中の
軽減を図つている。
ところが、タービンの運転中に、デイスク16の蒸気入
口側端16a等の開口部からキー道20とホイールキー
19の間隙に湿り蒸気が入り込み、第5図及び第6図に
示す如く、デイスク16の内径側底部にクラツク22
が、特に、キー道20部にクラツク22が発生すること
がある。
最悪の場合には、クラツク22が進展してデイスク16
全体が破損に至ることがある。このクラツク22は水分
の存在下で材料に引張り応力が作用すると発生する応力
腐食割れといわれるものである。応力腐食割れは、材料
の特性,温度・蒸気条件等の環境,そして作用応力の3
つが所定の条件に重畳した時に発生することが知られて
いる。焼嵌ロータでは、焼嵌構造をとつているため作用
応力が大きく、上記の他の2つの条件しだいで応力腐食
割れが発生する。
焼嵌のためにデイスクに発生する引張り応力は、ロータ
が低温である程大きくなるので、特にタービンの起動時
に、ロータが低温であるのにタービンの回転速度を上昇
させると、焼嵌引張り応力にデイスク及び動翼に作用す
る遠心力による引張り応力が重畳され、クラツクが急速
に進展して、ついにはデイスクが破断に至るという重大
な事故を引き起す恐れがある。
〔発明の目的〕
本発明の目的は焼嵌ロータ構造を有する低圧タービンに
対して、上述した応力腐食割れによるクラックの進展を
抑制しつつも、そのクラックが重大事故に至らない範囲
で低圧タービンを使用するための方法、並びにそれを容
易に実施するための実施方法及び装置を提供することに
ある。
〔発明の概要〕
クラツクが発生したロータの余寿命Yは一般に で示される。
ここでaCR:クラツクの限界き裂深さ a:現在のクラツクの深さ f:クラツクのき裂進展速度であり、デイスク材料の物
性値もしくは測定値 又、クラツクの限界き裂深さaCRで示される。
ここでKIC:破壊靭性値であり、デイスク材料の物性値 C:定数 σ:デイスク欠陥部に作用する応力 デイスク材料の破壊靭性値の一例を第7図に示す。横軸
Teは、デイスクのメタル温度とデイスク材料破面遷移
温度FATTの差を示し、縦軸には、デイスク材料の破
壊靭性値KICを示す。ここで破面遷移温度FATTはデ
イスク材料の経歴により決まるため、KICはデイスクの
メタル温度に左右される。従つて、第7図より、デイス
クのメタル温度が高くなるにつれ、KICは大きな値とな
る或る温度以上ではほぼ一定となり、式(2)におけるク
ラツクの限界き裂深さaCRもメタル温度に依存して大き
な値となり、式(1)から余寿命Yが伸びることがわか
る。
次に、第8図に焼嵌ロータが使用される低圧ロータの運
転時定常温度分布シユミレーシヨン結果例を、第9図に
低圧ロータの起動時温度分布シユミレーシヨン結果例を
示す。第8図において、蒸気23は200℃にてまず低
圧タービン第1段落に流入し、仕事をすると共に温度を
下げながら低圧タービン各段落を通り、32℃の蒸気と
なり復水器へと行く。低圧タービン第4段落の焼嵌部C
に注目すると、焼嵌部デイスクのメタル温度は約11
0℃である。次に、第9図において起動時温度分布を見
ると、低圧ロータ全体が室温付近まで冷えており低圧タ
ービン第4段落の焼嵌部Cデイスクのメタル温度は約
20℃である。
第8図及び第9図の条件において、クラツクを有するロ
ータの余寿命を比較してみる。デイスク材料の破面遷移
温度FATTを5℃、デイスク欠陥部に作用する応力σ
を30Kg/mm2、定数Cを2、現在のクラツクの欠陥深
さaを20mm、デイスク材料のクラツクき裂進展速度f
を5mm/年とすると、第8図の運転時定常温度分布の焼
嵌部Cでは、第7図より破壊靭性値KIC=650Kg/m
m3/2、クラツクの限界き裂深さaCR=117mm、余寿命
Y=19年となる。同様に第9図の起動時温度分布の焼
嵌部Cでは、KIC=400Kg/mm3/2、aCR=44mm、
Y=5年となる。
以上より、低圧ロータにおける焼嵌部では、起動時等の
ロータが冷えている状態での運転を行なうことは、デイ
スクのメタル温度の低さからくるデイスク材料の破壊靭
性値KICの小ささによるクラツクの限界き裂深さaCRの低
下、更にロータの余寿命の低下をまねくものである。
換言すれば、低圧ロータの焼嵌部のメタル温度が低い状
態で、タービンを定常回転速度まで昇速すれば、限界き
裂深さが小さいため比較的短期間でクラツクが限界き裂
深さに達してしまい、重大な事故に発展する恐れがあ
る。また、クラツクが或る程度進展していても焼嵌部の
温度を高く保つた状態で昇速すれば、破壊靭性値KIC
大きいので、破壊に至ることなく運転できることを示し
ている。
従つて、本発明は、焼嵌ロータを有するタービンの起動
時等においてロータの焼嵌部を可能な限り高い温度に保
持する運転を行なうことにより、焼嵌部を有する低圧ロ
ータに対して応力腐食割れの進展によつて破壊に至るま
での時間を極力長くするようにしたものである。
その具体的な方法として本発明は、シャフトにディスク
を焼嵌して構成した焼嵌ロータを有する低圧タービンの
起動方法において、前記焼嵌ロータのメタル温度を、前
記ディスク材料によって定まる物性値と前記焼嵌部の亀
裂長さ、及び前記低圧タービンの所望使用時間とに基づ
いて求められたメタル温度近傍にまで上昇させ、その後
にタービンをターニング状態から昇速させるようにした
ことを特徴とし、更に前記メタル温度を上昇させるため
の手段として、流入した蒸気を直接復水器へ導くように
構成された低圧タービンにおいては、前記復水器の真空
度を通常運転時よりも高くすることを特徴とする。
〔発明の実施例〕
第10図に本発明を実施したタービンプラントの構成図
を示している。この実施例では、低圧タービン8のロー
タメタル温度を検知する温度センサー100と、このセ
ンサーの信号を受けて、低圧タービンロータ温度が予め
定められた温度になつたときに、加減弁3を開いてター
ビンの昇速を可能とする制御装置101とを備えてい
る。
制御装置101は、タービン昇速前のターニング時に低
圧タービン8を予熱するための蒸気量を制御するインタ
ーセプト弁7の開度を制御する。
今、或る期間運転された低圧タービンのキー道にクラツ
クが発生し、数回の定期検査によりクラツクのき裂進展
速度が判つている場合の余寿命と限界き裂深さaCRとの
関係は(1)式で求められる。
定期検査の結果からき裂進展速度が6mm/年で、現在す
でにき裂深さが10mmに達しており、余寿命Yとして最
底でも8年を保障したい場合には、(1)式にY=8年,
a=10mm,f=6mm/年を代入してaCR=58mmを得
ることができる。
対象の低圧タービンのデイスク材料及び焼嵌代定格速度
時の遠心力から定速速度時の作用応力σ及び定数Cが既
知の値として与えられるので、(2)式より、必要とするK
ICの値が求められる。
即ちσ=34Kg/mm2,C=2とすれば、(2)式よりKIC
=520Kg/mm3/2が求まる。
一方、デイスクの材質が定まり、デイスク材の経歴すな
わち熱処理などの状況が判れば破面遷移温度FATT、
並びに第7図に示すTとKICの関係があらかじめ求め
ておくことができる。
FATT=5℃の場合には、第7図の特性よりKIC=5
20の値に対応するTの値は35℃が求まり、ロータ
のメタル温度は40℃が求まる。
つまり、メタル温度を40℃以上に保つてタービンを運
転するならば、現時点で8年間の余寿命を保障すること
ができる。
低圧タービンの定常運転時におけるロータの温度分布
は、第8図に示す如く、40℃以上となつており、定常
運転では、上記条件を満している。
ところが、起動時には、第9図に示す如く、ほとんどの
デイスクは20℃程度であり、この温度のままで、定格
速度まで昇速すると余寿命8年は保障できない。
第7図の特性図からはTe=55℃(メタル温度60
℃)にすれば、破壊靭性値KICは600Kg/mm3/2余寿命
Yを更に押すことができる。(他の条件が変らないと仮
定すれば余寿命は約11年となる。) 前述の(1),(2)式及び第7図の特性図が与えられると余
寿命とロータメタル温度との関係が一義的に定まるの
で、余寿命との関係で所望のロータメタル温度が定ま
る。
そこで、このようにして求められた所望温度値を第10
図の制御装置101にTとして入力し、センサー10
0で検出したメタル温度Tが T≦T となつたときに、タービンを昇速すれば、所期の目的を
達成することができる。
尚、タービン昇速前のターニング時にはロータのメタル
温度は低いが、この時にはデイスクに作用する応力のう
ち遠心力によるものが小さいために、破壊に至る恐れは
ない。
起動時等において、低圧タービン8の温度を変化させる
一つの方法として、復水器9の真空度を変える手段があ
り、第11図に復水器真空度に追従して低圧タービン排
気室温度が変化する状況を示している。タービンのター
ニング時には、低圧タービン排気室温度と低圧タービン
のメタル温度とはほぼ等しくなつているので、ターニン
グ中の復水器真空度を変えることによりロータのメタル
温度を制御することができる。
今、ロータのメタル温度を40℃に制御したい場合に
は、第11図の特性から復水器真空度をゲージ圧力で−
705mmHgに保つてターニングを行えば良いことを示
している。
復水器真空度を制御するための具体例を第12図に沿つ
て述べる。復水器9の真空度調節方法として、冷却水取
入口27より冷却水ポンプ26にて汲み上げられ冷却水
送水管28より復水器9の冷却水入口側水室24へと導
かれる冷却水量をコントロールする方法がある。冷却水
量のコントロールは、冷却水出口側水室25から放水部
31へと結ばれる冷却水送水管30の途中に設けられた
冷却水調整弁29にて行ない、制御信号38がその指示
にあたる。又、復水器9の真空度調節に関する別の方法
としては、特開昭48−54303号公報にて述べられ
ている如く、フイルター35より空気等のガスを導入管
36、ガス流入口39から復水器9へ導くようにし、真
空度の調節は制御信号38により関度制御されるガス調
整弁37を導入管の途中に設け、復水器圧力センサ10
5の検出値が所望の値になるように制御することにより
行う。更に、空気抽出器33が蒸気駆動エゼクタである
場合は第13図のような系統としても復水器真空度を調
節できる。つまり、接続管32とエゼクタ33とを接続
する管路にガス調整弁37を設けても良い。
第12図の実施例では、圧力センサー105の信号を圧
力制御器(図示を省略)に取り込んで、復水器真空度が
所望の設定値となるように制御器から調整弁29,37
に制御信号を与えてフイードバツク制御する。第12図
には、復水器真空度を制御する2つの方法を示したが、
これらを同時に使用しても、単独に使用しても良い。
復水器の真空度を調整して、低圧タービンのロータ温度
を間接的に制御する場合は、所望の真空度に保つたまま
一定時間ターニングを続けなければならない。低圧ロー
タのメタル温度が排気室温度とバランスするに必要な時
間は、低圧ロータの初期温度とロータの熱容量によつて
決るから、タービンの容量から経験的に或る値に決める
ことができるので、タービンの起動に際しては、設定さ
れた復水器真空度に達したら、或る時間ターニングを続
けしかる後にタービンを昇速するようにすれば良い。
具体的には、復水器の圧力制御器内に、設定圧力に達し
たときに起動するタイマーを設けておきタイマーの設定
時限経過後に、タービンの昇速を許可する信号を出す装
置を内蔵させることにより実現できる。
低圧ロータ10の温度監視方法としては、第14図に示
すように低圧ロータ10に取付けた伸び差計を用いて低
圧ロータ内温度分布から生ずる低圧ロータ自体の伸びか
ら監視する方法がある。伸び差は、低圧ロータ10のシ
ヤフト15に取付けられたリング40に対して、リング
40をはさむように対向に取付けられた検出器41によ
り測定され伸び差の信号42が伸び差計43へと伝えら
れる。
シヤフト15の左端は、スラスト軸受14aにより支え
られており、ロータ10の温度が上昇するとシヤフト1
5の熱伸びは、専らリング40を右方に変移させるよう
に生じ、検出器41でリング40とのギヤツプを測るこ
とにより間接的にロータ10の温度を検知することがで
きる。
伸び差計43の出力信号はロータの温度に対応している
ので、この信号Tと設定値Tとを比較器107で比
較し、 T≧T となつたとき、タービン昇速許可信号を出すようにす
る。Tが設定値に到らないときは、ターニングを続行
し、インターセプト弁7により低圧ロータの予熱を行う
ようにする。
また、低圧ロータの温度を監視する方法として低圧ロー
タ回りのケーシングの複数の個所に温度センサーを設け
ておき、それらのセンサーの測定値から演算によりロー
タ温度を求めることが知られており、この公知の方法を
適用しても良い。
第15図に本発明の運転方法の流れを示す。低圧タービ
ンは、回転数制御にてターニング又は低速モードにある
とする。ここで、前述の如く、低圧タービン排気室温度
を所定の温度とするために復水器真空度を調節する。こ
の時点で温度,真空度をセツトする際、従来のタービン
プラントでは、低圧タービンのデイスク焼嵌部の応力腐
食割れによるクラツクについての考慮がなされていなか
つたために、タービンプラント自体に低圧タービン最終
段過熱防止を優先策として、復水器真空度の低下をきら
う復水器真空度の下限及び低圧ロータの温度上昇を下げ
ようとする低圧タービン排気室温度上限が設定されてい
ることから、制限値にかからぬよう多少の余裕をもつて
セツトする。次に上述低圧ロータの温度監視を行ない、
低圧ロータが所定の温度になつたか否かを判定する。所
定の温度に低圧ロータが達していない場合には、図の上
流側へ戻り、回転数制御の再設定、低圧タービン排気室
温度調節の再設定あるいは低圧ロータの温度監視の続行
のみを行なう。所定の温度に低圧ロータが達した場合に
は、回転数制御にて昇速モードに入り、通常の起動等を
行なう。
本発明の実用に際しては、上記運転方法を手動,半手
動,自動のいずれでも対応できる。
尚、タービン降下時に際しても低圧ロータ温度を高く保
持しておく必要があるならば、起動時と同様の運転方法
で対処できる。
〔発明の効果〕
本発明の効果を、本発明の運転方法を用いて低圧ロータ
温度をコントロールした場合の計算例にて示す。
復水器真空度を742mmHgに保ち、低圧ロータが低圧
タービン排気室温度の20℃になるまでターニング運転
し、低圧タービンを定格回転数まで昇速した場合、前述
計算例の如く焼嵌部Cでは、KIC=400Kg/mm3/2
aCR=44mm、Y=5年である。次に、復水器真空度を
705mmHgに保ち、低圧ロータが低圧タービン排気室
温度の40℃になるまでターニング運転し、低圧タービ
ンを定格回転数まで昇速した場合、焼嵌部Cでは、K
IC=520Kg/mm3/2、aCR=75mm、Y=11年とな
り、復水器真空度742mmHgの条件と比較し、クラツ
クの限界き裂深さaCRについては1.7倍、余寿命Yについ
ては2.2倍となる。
以上の如く、本発明の運転方法を用いることにより、起
動時等において低圧ロータを可能な限り高い温度に保持
でき、焼嵌部を有する低圧ロータに対して応力腐食割れ
によるクラツクが限界値に達するまでの期間を長くする
ことができる。
更に、運転に際しては、系統等の大きな追加はなく対処
できるため設備費も少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
第1図は原子力タービンプラント蒸気システム系統、第
2図は低圧タービンの断面図、第3図は焼嵌部の詳細
図、第4図は第3図のIV−IV線に沿う断面図、第5図は
クラツクが生じた焼嵌部の詳細図、第6図はクラツク部
分の断面図、第7図はデイスク材料の破壊靭性値と温度
の関係を示す特性図、第8図は低圧ロータの運転時定常
温度分布シユミレーシヨン結果の一例を示す図、第9図
は低圧ロータの起動時温度分布シユミレーシヨン結果の
一例を示す図、第10図は本発明を実施するタービンの
概略図、第11図は復水器真空度と低圧タービン排気室
温度の関係を示す特性図、第12図及び第13図は復水
器真空度調節系統を示す構成図、第14図は低圧ロータ
の伸び差検出の原理図、第15図は本発明の運転方法の
フローチヤートを示すものである。 8……低圧タービン、9……復水器、10……低圧ロー
タ、15……シヤフト、16……デイスク、19……ホ
イールキー、20……キー道、22……クラツク、10
0……温度センサ、101……制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 漆谷 春雄 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 金子 了市 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 実開 昭56−49207(JP,U)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シャフトにディスクを焼嵌して構成した焼
    嵌ロータを有する低圧タービンの起動方法において、前
    記焼嵌ロータのメタル温度を、前記ディスク材料によっ
    て定まる物性値と前記焼嵌部の亀裂長さ、及び前記低圧
    タービンの所望使用時間とに基づいて求められたメタル
    温度近傍にまで上昇させ、その後にタービンをターニン
    グ状態から昇速させるようにしたことを特徴とする焼嵌
    ロータを有する低圧タービンの起動方法。
  2. 【請求項2】シャフトにディスクを焼嵌して構成した焼
    嵌ロータを有し、流入した蒸気を直接復水器へ導くよう
    に構成された低圧タービンの起動方法において、前記低
    圧タービンがターニング状態の時には、前記焼嵌ロータ
    のメタル温度が所望のメタル温度近傍に達するように、
    前記復水器の真空度を通常運転時よりも低くすることを
    特徴とする焼嵌ロータを有する低圧タービンの起動方
    法。
  3. 【請求項3】シャフトにディスクを焼嵌して構成した焼
    嵌ロータを有し、流入した蒸気を直接復水器へ導くよう
    に構成された低圧タービンの起動方法において、前記低
    圧タービンがターニング状態の時には、前記焼嵌ロータ
    のメタル温度が前記ディスク材料によって定まる物性値
    と前記焼嵌部の亀裂長さ、及び前記低圧タービンの所望
    使用時間とに基づいて求められたメタル温度近傍に達す
    るように、前記復水器の真空度を通常運転時よりも低く
    することを特徴とする焼嵌ロータを有する低圧タービン
    の起動方法。
  4. 【請求項4】シャフトにディスクを焼嵌して構成した焼
    嵌ロータを有する低圧タービンにおいて、 前記焼嵌ロータのメタル温度を検知するメタル温度検知
    手段と、 該メタル温度検知手段によって検知されたメタル温度
    が、前記ディスク材料によって定まる物性値と前記焼嵌
    部の亀裂長さ、及び前記低圧タービンの所望使用時間と
    に基づいて求められたメタル温度以上になったとき、タ
    ービン回転速度を昇速するように制御する制御手段、 とを備えたことを特徴とする焼嵌ロータを有する低圧タ
    ービンの起動装置。
  5. 【請求項5】前記メタル温度検知手段は、前記低圧ター
    ビンロータの軸方向の熱伸びを検知する装置から成るこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第4項記載の焼嵌ロータ
    を有する低圧タービンの起動装置。
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