JPH0639111Y2 - スクリユ−ポンプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、塊状物質を含む粘性物質、バルク、生コンク
リート等の移送に使用して好適なスクリューポンプに関
するものである。

［従来の技術］ スクリューポンプにおいては、スクリューをケーシング
の圧送室内に収納し、これを回転させることによって被
輸送物を吸込側から吐出側へ移送するように構成されて
いる。従来スクリューポンプとしては、平行２軸式、平
行３軸式、ケーシングに凹凸をもたせた内側噛み合い
式、鼓形ウォームと薄いウォームホイルの組み合せ式の
ものなどが知られている。

［考案が解決しようとする問題点］ 従来のスクリューポンプにおいては、粘性物質等の輸送
物の中に塊状のものが含まれている場合、これがスクリ
ューの溝とその周囲のケーシング内壁との間に噛み込ま
れ、その結果スクリューの回転、つまりポンプの運転が
不能になってしまうという欠点があった。

［問題点を解決するための手段］ 本考案に係るスクリューポンプは、軸方向に形成された
スリットを有する外筒と、この外筒内に配置されかつ外
周面が所定の曲面形状に形成されたスクリューと、前記
外筒のスリット内に外筒の直径方向へ移動可能に挿入保
持されると共にその端部がスクリュー外周面に当接した
仕切板を具備して成り、前記スクリューの外周面の曲面
形状は、スクリュー軸線方向の断面において周期的に滑
らかに変化する形状であり、前記仕切板は、複数枚のも
のが互いに前記軸線方向に隣接して配列され、スクリュ
ーと外筒の間の空間を仕切っていることを特徴とするも
のである。

［作用］ 本考案に係るスクリューポンプは、仕切板によって仕切
られた圧送室内の閉鎖空間をスクリューの１回転毎に１
ピッチずつ前方に移動させることによって、この閉鎖空
間内の輸送物を所定の方向に移送するようにしている。
したがって、例え輸送物中に塊状物質を含んでいたとし
ても、この輸送物がスクリューの溝とその周囲の外筒と
の間に噛み込まれるようなことはなく、円滑な移送が可
能となる。

［実施例］ 以下、図に示す実施例を用いて本考案の詳細を説明す
る。

第１図は本考案に係るスクリューポンプの一実施例を示
す一部破断斜視図、第２図は第１図のII-II線断面図、
第３図は外筒要部の平断面図、第４図は外筒要部を示す
斜視図、第５図は全体構成を示す断面図である。

第４図から明らかなように、外筒１には軸方向に形成さ
れたスリット1aが設けられている。また、この外筒１の
内部にはスクリュー２が挿入配置されており、軸受部材
2Bにてその両端が外筒１に対して枢支されている。この
スクリュー２は、その軸心方向の断面において外周面が
正弦波形を描く曲面形状に形成されている。なお、第
２、３図において符号2aはスクリュー山径部、2bはスク
リュー谷径部を示す。

前記外筒１のスリット1aには、複数の仕切板３が挿入保
持されている。この仕切板３の下端部3aは前記スクリュ
ー２の外周面に当接しており、かつ上端部3bはスリット
1aから外筒１の外方に突出している。

この仕切板３の上端部3bは、第５図に示す仕切板ハウジ
ング４内に配置された仕切板昇降装置（図示せず）に連
結されている。なお、前記仕切板昇降装置の機構として
は、例えばクランク機構を用いており、前記仕切板３を
スクリュー２の回転に同期させてスクリュー２の半径方
向（第１図において矢印Ａ方向）に出入りし得るように
構成されている。これによって、前記仕切板３はスクリ
ュー２の外周面の正弦波形状に沿って、あたかも波のよ
うな運動をし、常にスクリュー２と外筒１で囲まれた圧
送室５の空間を仕切るようになっている。したがって、
この空間は、前記仕切板３によってスクリュー２の１ピ
ッチ分毎に仕切られた閉鎖空間を形成している。

次に、以上のように構成されたスクリューポンプの作用
について説明する。第５図に示すように、被輸送物（粘
性物質、バルク、生コンクリート、砂、ヘドロ等）は、
ポッパ６、スクリューフィーダ７を通った後（なお、こ
のスクリューフィーダ７のスクリュー7aと前記スクリュ
ー２とは連結されており、駆動モータ８にて回転され
る。）、外筒１とスクリュー２とで画成される圧送室５
の空間内に送り込まれる。しかして、この空間は仕切板
３によってスクリュー２の１ピッチ分毎に仕切られた閉
鎖空間となっており、この閉鎖空間はスクリュー２が１
回転する毎に１ピッチ分前方に送られ、したがって、こ
の閉鎖空間内に送り込まれた輸送物も１ピッチ分前方に
移送されることになる。このようにして、輸送物は吐出
口1A側へ漸時移送され、この吐出口1Aから排出される。

なお、上述した実施例においてはスクリュー２の外周面
を正弦波形を描く曲面形状に形成しているので、ハウジ
ング４内の仕切板昇降装置として、共通のクランク軸に
対して所定ピッチでクランクアームを設け、かつ隣接す
るクランクアームの回転方向位相差を等しくした、簡便
な機構のものを採用できる。

また、前記仕切板３の下端部3aは角形状に形成されてい
るが、例えば緩いカーブ曲線を描くような曲面形状に形
成してもよく、また前記下端部3aにゴム等の弾性片を取
り付けた構造としてもよい。このゴム等の弾性片を取り
付けた場合にあっては、スクリュー２と仕切板３との当
たりが緩和され、仕切板３の下端部3aの傷付き等を防ぐ
ことができる。

さらに、この仕切板３はクランク機構等を介して昇降し
得るようになっているが、別にこれに限定されるもので
はなく、例えば仕切板３の上端部3b側にスプリング８を
配設し、このスプリングの弾性力によって仕切板３を常
時スクリュー２側へ押圧付勢した構成としてもよい。こ
のような構成とすれば、仕切板３はスクリュー２の外周
面の曲面形状に追従して昇降することになる。また、仕
切板３をスクリュー２側へ付勢する手段として圧気を仕
切板３の上端部3bにかける手段を採用しても良い。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案に係るスクリューポンプによ
れば、外筒とこの内部に回転自在に配置されたスクリュ
ーとの間の空間を、仕切板によって仕切って閉鎖空間と
し、この閉鎖空間内の被輸送物をスクリューの回転によ
ってその軸方向に移送する構成としている。したがっ
て、例えば輸送物中に塊状物質を含んでいる場合でも、
従来のような噛み込みによる不具合が発生するようなこ
とはなく、円滑な移送が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るスクリューポンプの一実施例を示
す一部破断斜視図、第２図は第１図のスクリューポンプ
の横断面図、第３図は第２図III-III線に沿ってとった
同スクリューポンプの要部断面図、第４図は外筒を上方
より俯瞰した斜視図、第５図は仕切板昇降装置を備えた
スクリューポンプの全体を示す概略構成図である。 １……外筒、1a……スリット、 ２……スクリュー、３……仕切板、 3a……下端部、５……圧送室。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軸方向に形成されたスリットを有する外筒
   と、この外筒内に配置されかつ外周面が所定の曲面形状
   に形成されたスクリューと、前記外筒のスリット内に外
   筒の直径方向へ移動可能に挿入保持されると共にその端
   部がスクリュー外周面に当接した仕切板を具備して成
   り、 前記スクリューの外周面の曲面形状は、スクリュー軸線
   方向の断面において周期的に滑らかに変化する形状であ
   り、 前記仕切板は、複数枚のものが互いに前記軸線方向に隣
   接して配列され、 スクリューと外筒の間の空間を仕切っていることを特徴
   とするスクリューポンプ。
2. 【請求項２】前記スクリューの外周面の曲面形状はスク
   リュー軸線方向の断面において正弦波形状であることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載のスクリ
   ューポンプ。