JPH0638953A - X線画像のエネルギー・サブトラクション方法に用いられる積層体 - Google Patents

X線画像のエネルギー・サブトラクション方法に用いられる積層体

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JPH0638953A
JPH0638953A JP4153272A JP15327292A JPH0638953A JP H0638953 A JPH0638953 A JP H0638953A JP 4153272 A JP4153272 A JP 4153272A JP 15327292 A JP15327292 A JP 15327292A JP H0638953 A JPH0638953 A JP H0638953A
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ray
filter
fluorescent intensifying
film
image
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Makoto Okoda
誠 大古田
Nobuyoshi Nakajima
延淑 中島
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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空間分解能、解像度等が向上し、位置ずれの
問題のない良好なエネルギー・サブトラクション画像を
得ることができるX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィ
ルタ積層体を提供する。 【構成】 蛍光体層1a,1bが互に対向するように配
された一対の蛍光増感紙a,bと、蛍光増感紙a,bの
間に介在せしめられたX線写真フイルムAとからなるX
線写真フイルム−蛍光増感紙組合せ、および蛍光体層1
c,1dが互に対向するように配された一対の蛍光体層
1c,1dと蛍光体層1c,1dの間に介在せしめられ
たX線写真フイルムBとからなるX線写真フイルム−蛍
光増感紙組合せの間にX線の低エネルギー成分吸収物質
からなるフィルタ3を介在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はX線画像のエネルギー・
サブトラクション方法に用いられるX線写真フイルム−
蛍光増感紙−フィルタ積層体に関する。さらに詳しく
は、X線写真フイルムと蛍光増感紙とを用いて、X線写
真フイルムにX線画像を記録し、この後このX線画像が
記録されたX線写真フイルムを光学的に走査してX線画
像を透過光あるいは反射光の形で光検出器により光電的
に読み取り、得られた画像信号に信号処理を施したのち
可視像として再生するX線画像記録再生システムにおけ
るX線画像のエネルギー・サブトラクション方法に用い
られるX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィルタ積層体
に関する。
【0002】
【従来の技術】同一被写体に対して相異なるエネルギー
分布を有するX線を照射せしめ、被写体の特定の構造物
(例えば、臓器、骨、血管等)が特有のX線エネルギー
吸収特性を有することを利用して特定の構造物が異なっ
て描出された2つのX線画像を得、その後この2つのX
線画像に適当な重みづけをした上で両画像間で引き算
(サブトラクト)を行ない特定の構造物の画像を抽出す
る、所謂エネルギー・サブトラクション方法がデジタル
サブトラクション方法(デジタルラディオグラフィーと
も呼ばれる。以下DRと略称する。)の一形態として知
られている。ここでDRとしては既存のI.I.チュー
ブとTVカメラとからなるX線透視カメラの出力をデジ
タル処理するデジタル・フルオロスコピー(Digital Flu
oroscopy)と、Xe−検出器等CTに用いられるX線検
出システムを流用するスキャンド・プロジェクション・
ラディオグラフィ(Scanned Projection Radiography)
と呼ばれるものが知られている。
【0003】より具体的には、従来エネルギー・サブト
ラクション方法として、以下に示すような種々の方法が
知られている。
【0004】(I) 相異なるエネルギー分布を有するX
線を短い時間間隔で間欠的に被写体に照射し、これと同
期して被写体を透過したX線をI.I.チューブとT.
V.カメラからなるX線透視カメラあるいはXe−検出
器等のX線検出器により検出し、この結果得られた2つ
以上のX線画像からサブトラクション画像を得る方法。
ここで相異なるエネルギー分布を有するX線を照射する
方法としては、i)X線源をそのような相異なるエネルギ
ー分布を有するX線を放射可能なように改造する、ii)
相異なるエネルギー分布を有するX線を放射する2つ以
上のX線源をそれらから放射されるX線が互いに干渉し
ないように近接させる、iii)X線源と被写体との間にX
線のエネルギー分布を変化させるようなフィルタを出し
入れする等の方法がある。
【0005】(II) 相異なるエネルギー分布を有するX
線を同時に放射することが可能な2つのX線源を近接さ
せて配置し、さらに多数の微細スリットあるいは微細穴
(例えば、円あるいは正方形の形状を有する穴が市松模
様に配されたもの)を有し、かつX線遮蔽部分と空隙部
分との面積比が1:1であるような構造を有する鉛等の
X線遮蔽物質からなるフィルタをX線検出器の受光面に
おいて一方のX線源からのX線と他方のX線源からのX
線とが互に干渉しないようにX線源と被写体との間に挿
入し、このような状態で上記2つのX線源から被写体に
対してX線を同時に照射し、これによって相異なるエネ
ルギー分布を有するX線によりX線検出器受光面上にX
線画像を形成させてそれらX線画像をX線検出器により
検出し、検出されたX線画像を読出し時に、あるいは読
み出し後に分離し、その後分離された画像からサブトラ
クション画像を得る方法。
【0006】(III) 被写体をX線源およびX線検出器に
対して相対的に移動しつつ、X線源より相異なるエネル
ギー分布を有する扇状X線を一定時間交互に連続的に発
生させ、被写体を透過した扇状X線を被写体後方に設置
されたX線検出器により検出し、得られた画像信号から
相異なるエネルギー分布を有するX線に対応するX線画
像を得、その後それらX線画像からサブトラクション画
像を得る方法。相異なるエネルギー分布を有するX線を
発生せしめる方法としては、(I) と同様の方法が考えら
れる。
【0007】(IV) 方法 (II) で用いられるフィルタと
同様の形状を有するフィルタを銅等のX線の低エネルギ
ー成分を吸収する金属で形成し、このフィルタを1つの
X線源と被写体との間に挿入してX線源から放射された
X線よりX線検出器受光面において互に干渉しないよう
な相異なるエネルギー分布を有するX線を生じさせ、こ
れら相異なるエネルギー分布を有するX線によりX線検
出器受光面上にX線画像を形成させてそれらX線画像を
X線検出器で検出し、検出されたX線画像を読み出し時
に、あるいは読み出し後に分離し、その後分離された画
像からサブトラクション画像を得る方法。
【0008】エネルギー・サブトラクション方法は被写
体のエネルギー吸収特性の異なる構造物の画像を分離抽
出することが可能であり、骨部を除いた軟部組織のみの
画像を形成することが可能である。例えば、縦隔部に存
在する気管支等、従来は骨と重なって診断し難かった構
造物の画像を骨の画像より分離し抽出することが可能で
ある。また、腹部血管造影等の撮影で時間サブトラクシ
ョンを行なうと腹部ガス像によるアーティファクトが問
題となるが、エネルギー・サブトラクション方法によれ
ば軟部組織に関する情報を消すことが可能であり、ガス
像のない骨と造影像のみの画像形成が可能である。従っ
て、エネルギー・サブトラクション方法は従来の方法で
は得られなかった診断情報を得ることができ、原理的に
は非常に卓越した方法として医療診断分野で注目されて
いる方法である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のエネルギー・サブトラクション方法はDRに係わる
本質的な欠点を有している。即ち、DRによって得られ
たサブトラクション画像の空間分解能は、一般にI.
I.チューブとT.V.カメラとからなるX線透視カメ
ラあるいはXe−検出器等のX線検出器の分解能で決定
されるが、このような従来のDRに使用されているX線
検出器の分解能はあまり高くなく、従って従来のエネル
ギー・サブトラクション方法は特定の構造物に対する十
分微細な診断が不可能であるという問題がある。さら
に、DRにおける撮影範囲はX線検出器の受光面積で限
られるため、従来のエネルギー・サブトラクション方法
は広範囲な被写体の構造物に対して同時にサブトラクシ
ョン画像を得ることができないという問題がある。
【0010】さらに上記従来のエネルギー・サブトラク
ション方法(I) ,(II),(III) および(IV)は以下のよう
な欠点を有している。
【0011】1.特殊なX線源を必要とする〔方法(I) お
よび方法(II)〕。
【0012】2.2つのX線画像の対応する画素間に位置
ずれが発生する〔2つのX線源を使用する場合の方法
(I) ,方法(II),方法(III) および方法(IV)〕。
【0013】3.通常のX線画像形成方法に比べて半分の
解像度しか得ることができない〔方法(II)および方法(I
V)〕。
【0014】4.相異なるエネルギー分布を有するX線に
よる各X線画像が同一平面上に形成されるので、それら
X線画像を読み出し時あるいは読み出し後に分離するこ
とが困難である〔方法(II)および方法 (IV) 〕。
【0015】5.相異なるエネルギー分布を有するX線が
間欠的に被写体に照射されるので、被写体の筋肉運動、
呼吸運動、蠕動等により各画像間に位置ずれが生じ、結
果として良好なサブトラクション画像が得られなくなる
〔方法(I) 〕。
【0016】6.被写体が扇状X線により走査されるの
で、一画像を形成するのに時間がかかり、走査の始めと
終りで時間差ができ、被写体の筋肉運動、呼吸運動、蠕
動等により各画像中に位置ずれが生じ、結果として良好
なサブトラクション画像が得られず、特に血管造影像を
抽出するには不向きである〔方法(III) 〕。
【0017】従って、本発明の目的は上記従来のエネル
ギー・サブトラクション方法が有するような欠点を有し
ておらず、良好なサブトラクション画像を得ることが可
能なX線画像のエネルギー・サブトラクション方法に用
いられる積層体を提供することにある。
【0018】ところで、X線写真フイルムに一旦X線画
像を記録し、このX線画像が記録されたX線写真フイル
ムを光学的に走査することによりX線画像を透過光ある
いは反射光の形で光電的に検出し、この検出によって得
られた画像信号に信号処理を施したのち可視像として再
生することによってX線画像の記録再生を行なうX線写
真記録再生システムが本出願人によりすでに提案されて
いる(特開昭54−121043号公報)。
【0019】一般にX線写真フイルムはX線撮影に適し
た高い感度と広い露光域とを持ち、かつ観察読影に適し
た高いコントラスト、高い鮮鋭度および細かい粒状性を
かねそなえている必要がある。しかし、これらの特性は
互いに矛盾するところが多く、すべての特性が満たされ
たX線写真フイルムを作ることは困難であり、撮影適性
と観察読影適性とを少しづつ犠牲にしてフイルムが設計
されていたが、上記X線画像記録再生システムを利用す
るとコントラスト、鮮鋭度および粒状性を改善すること
ができ、これによりX線画像の診断性能を向上させるこ
とができる。従って、多くの診断情報を得ることができ
ると同時に、X線写真フイルムに更に良好な撮影適性を
持たせることが可能となる。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明のX線画像のエネ
ルギー・サブトラクション方法に用いられる積層体は上
記X線画像記録システムに利用されるものである。すな
わち、本発明のX線画像のエネルギー・サブトラクショ
ン方法に用いられる積層体は複数枚のX線写真フイルム
が蛍光増感紙およびX線の低エネルギー成分吸収物質か
らなるフィルタと共に積層状態で配されたX線写真フイ
ルム−蛍光増感紙−フィルタ積層体であり、この積層体
にX線エネルギー吸収特性が他とは異なる特定の構造物
を含む被写体を透過したX線を照射することにより該積
層体に上記特定の構造物に対応する部分の画像情報が異
なる少なくとも2つのX線画像を記録し、その後積層体
を構成する各フイルムから読み出された各X線画像から
サブトラクション画像を得ることを特徴とするものであ
る。
【0021】すなわち、本発明のX線画像のエネルギー
・サブトラクション方法に用いられるX線写真フイルム
−蛍光増感紙−フィルタ積層体は、 a) 積層状態で配された i) 蛍光体層が対向するように配された一対の蛍光増感
紙と、 ii) これら蛍光増感紙の対向する蛍光体層の間に介在せ
しめられたX線写真フイルムとからなるX線写真フイル
ム−蛍光増感紙組合わせ複数組と、 b) これら組合わせの各組合わせ間の少なくとも1個所
に介在せしめられたX線の低エネルギー成分吸収物質か
らなるフィルタとからなることを特徴とするものであ
る。
【0022】なお、本発明のX線写真フイルム−蛍光増
感紙−フィルタ積層体は、以下に示すようなX線画像の
エネルギー・サブトラクション方法に用いられるもので
ある。すなわち、X線エネルギー吸収特性が他とは異な
る特定の構造物を含む被写体を透過したX線を、本発明
のX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィルタ積層体に照
射することにより、フィルタが介在せしめられている個
所に関して被写体とは反対の側に位置するX線写真フイ
ルムに被写体の側に位置するX線写真フイルムよりも前
記特定の構造物に対応する部分においてX線の低エネル
ギー成分がより吸収された画像情報が記録されるように
X線画像が記録された前記各X線写真フイルムを光学的
に走査して各フイルムに記録されているX線画像を透過
光あるいは反射光の形で光電的に読み取ってデジタル画
像信号に変換し、フィルタが介在せしめられた個所によ
って(フィルタが介在せしめられた個所の数+1)個の
ブロックに分けられた別記X線写真フイルム−蛍光増感
紙−フィルタ積層体の各ブロック毎にそのブロックに存
在するX線写真フイルムから得られた前記デジタル画像
信号に変換されたX線画像より1つのサブトラクション
すべきX線画像を得ることによって(フィルタが介在せ
しめられた個所の数+1)個のサブトラクションすべき
X線画像を得、それらサブトラクションすべきX線画像
の対応する画素間でデジタル画像信号の引き算を行なっ
て前記特定の構造物の画像を抽出することを特徴とする
エネルギー・サブトラクション方法に用いられるもので
ある。
【0023】上記本発明においては、X線写真フイルム
−蛍光増感紙−フィルタ積層体は2枚もしくは3枚のX
線写真フイルムで構成されるのが好ましい。積層体が2
枚のX線写真フイルムで構成される場合には、勿論それ
ぞれのフイルムから得られた2つのX線画像が直接2つ
のサブトラクションすべき画像となる。また、上記本発
明のX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィルタ積層体の
エネルギー・サブトラクション方法において、X線画像
の対応する画素間でデジタル画像信号の引き算を行なう
とはX線画像の対応する画素のデジタル画像信号に重み
係数を乗じて引き算をし、新らたな画像信号を得ること
を意味する。さらに、X線の低エネルギー成分吸収物質
とは、X線の高エネルギー成分よりも低エネルギー成分
をより吸収する物質を意味する。
【0024】なお、上記本発明のエネルギー・サブトラ
クション方法に用いられる積層体を構成するX線写真フ
イルム−蛍光増感紙組合わせは、必ずしも組合わせ単位
で分離可能なものである必要はない。すなわち、積層体
を構成する蛍光増感紙のうち被写体に最も近い位置に配
される増感紙と被写体より最も遠い位置に配される増感
紙以外の増感紙は、1枚でその前後に配されているX線
写真フイルム双方の増感が可能な実質的に2枚の増感紙
の機能を有するもの(すなわち、連続する2組の組合わ
せを構成する4枚の増感紙のうち2枚のX線写真フイル
ムの間に配される2枚の増感紙の機能を1枚で有してい
るもの)であってもよい。勿論そのような増感紙はその
両面(それぞれのX線写真フイルムに対向する面)に蛍
光体層を有していなければならず、そのような増感紙と
して支持体の両面に蛍光体層が設けられた増感紙、蛍光
体層のみからなる自己支持性の増感紙等が用いられる。
このように積層体を構成する蛍光増感紙は必ずしもその
枚数が同じく積層体を構成するX線写真フイルムの枚数
の2倍である必要はない。但し、本発明のエネルギー・
サブトラクション方法に用いられるX線写真フイルム−
蛍光増感紙−フィルタ積層体においては、フィルタが介
在せしめられる個所に上記のような2枚の増感紙の機能
を有する増感紙が用いられることはなく、フィルタは必
ず2枚の増感紙の間に介在せしめられる。
【0025】
【作用および発明の効果】本発明のX線画像のエネルギ
ー・サブトラクション方法に用いられるX線写真フイル
ム−蛍光増感紙−フィルタ積層体においては、積層状態
で配された複数組のX線写真フイルム−蛍光増感紙組合
わせの各組合わせの少なくとも1個所にX線の低エネル
ギー成分吸収物質からなるフィルタを介在させ、このフ
ィルタによって被写体を透過したX線の低エネルギー成
分を吸収させることによってX線画像の記録が行なわれ
る。この場合、X線の低エネルギー成分吸収物質からな
るフィルタはX線の低エネルギー成分吸収物質のみから
なるものであってもよいし、あるいはX線の低エネルギ
ー成分吸収物質と、この物質を分散状態で含有している
別の物質とからなるものであってもよい。
【0026】この本発明のX線画像のエネルギー・サブ
トラクション方法に用いられる積層体においては被写体
を透過したX線の低エネルギー成分の吸収が、蛍光増感
紙とは別体として設けられたフィルタにより行なわれる
ので、X線の低エネルギー成分の吸収を効率よく行なう
ことができ、また蛍光増感紙も単純撮影に用いられる蛍
光増感紙をそのまま転用することができる。
【0027】先に述べたように、X線の低エネルギー成
分吸収物質とは、X線の高エネルギー成分よりも低エネ
ルギー成分をより吸収する物質を意味するが、その具体
例として金属が挙げられ、特にCu,W,Mo,Ni,
Pb,Au,Ag,Ba,Ta,Fe,Al,Zn,C
d,Ti,Zr,V,Nd,Cr,CoおよびSnのう
ちの少なくとも1種であるのが好ましい。
【0028】本発明のX線写真フイルム−蛍光増感紙−
フィルタ積層体を用いたエネルギー・サブトラクション
方法においては読み出しの際にX線写真フイルム上を走
査する光ビームのスポット径を小さくして、単位面積当
たりの画素数を増加させることができ、かつサブトラク
ション処理及び各種の信号処理を施した後の画像データ
の最終出力を銀塩等の感光材料上に直接記録することが
できるので、従来のDRに比べて空間分解能の著しく高
いサブトラクション画像を得ることができ、原理的には
人間の視覚の識別分解能以下の空間分解能を有する鮮明
なサブトラクション画像を得ることができる。それと同
時にX線写真フイルムあるいは蛍光増感紙の面積を大き
くすることに何ら技術的支障はないので、人体の広範囲
の構造物をカバーする大面積に対して一度にサブトラク
ション画像を得ることができる。このように本発明のX
線写真フイルム−蛍光増感紙−フィルタ積層体をエネル
ギー・サブトラクション方法を用いれば、DRにおける
X線検出器に基づく本質的な問題点は解消される。
【0029】また、本発明のエネルギー・サブトラクシ
ョン方法に用いるX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィ
ルタ積層体においては、X線源から放射され被写体を透
過したX線がX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィルタ
積層体を構成する各X線写真フイルムに同時に照射され
るので、サブトラクションすべき少なくとも2つのX線
画像の形成に時間差が生じることがなく、従って、時々
刻々に変化する人体の特定の構造物のサブトラクション
画像も良好なものとして得ることができる。さらに本発
明のX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィルタ積層体に
おいては、単一のX線源を使用できるので、少なくとも
2つのX線画像の対応する画素間に位置ずれが生じるこ
とがない。さらに本発明のX線写真フイルム−蛍光増感
紙−フィルタ積層体においては、従来汎用のX線発生装
置および撮影装置をそのまま使用することができる。さ
らに本発明のX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィルタ
積層体においては、相異なったエネルギー分布を有する
X線に対するX線画像が別個のX線写真フイルムに記録
されるので、読み出し時あるいは読み出し後に画像を分
離しなければならないという問題も発生せず、また、サ
ブトラクション画像を得ることによって解像度が半減す
るということもない。このように本発明のX線写真フイ
ルム−蛍光増感紙−フィルタ積層体をエネルギー・サブ
トラクション方法に用いれば従来のエネルギー・サブト
ラクション方法の有する問題を一挙に解消することがで
きる。
【0030】本発明のX線写真フイルム−蛍光増感紙−
フィルタ積層体が用いられるX線画像のエネルギー・サ
ブトラクション方法においては、サブトラクション画像
を得るためにサブトラクションすべきX線画像の対応す
る画素間で引き算が行なわれるが、この引き算とは先に
述べたようにサブトラクションすべきX線画像の対応す
る画素の画像信号に重み係数を乗じて引き算をし、新ら
たな画像信号を得ることを意味する。例えばサブトラク
ションすべき画像が2つの場合についてこの引き算を式
で表わすと L=mP−nQ (但し、P,QはサブトラクションすべきX線画像のデ
ジタル画像信号、m,nは重み係数、Lは新らたな画像
信号)となる。サブトラクション画像を得るにあたり、
抽出すべき特定の構造物に関する画像情報以外の画像情
報を消すためには、サブトラクションすべき画像間で消
去すべき部分の画像信号の強度分布を一致させるとよい
が、このためには消去すべき部分の階調を一致させるの
が簡便である。このことを実現するためには重み係数
m,nを両画像の消去すべき部分の階調が一致するよう
に選んで引き算を行なうのが好ましい。撮影の条件によ
っては、m=n、さらにm=n=1となる場合もある。
また、サブトラクションすべき画像中には、種々の構造
物が複雑に重なって積分像として記録されるため、上記
重み係数は必らずしも定数ではなく、場合によっては構
造物の厚みの関数となり、非線型性を有することもあ
る。
【0031】上記引き算の具体的方法としては、消去す
べき構造物(例えば胸部写真において肺等の軟部組織)
の領域の強度分布を一致させるように重み係数を選び、
各サブトラクションすべき画像の全画素の画像信号に上
記重み係数を乗じる方法が挙げられる。この方法によれ
ば、各サブトラクションすべき画像中の軟部組織のみの
領域は一定の強度となり、そこで各サブトラクションす
べき画像間で引き算を行なうと、軟部組織に関する画像
情報は失なわれ、骨のみの画像情報が差となって描出さ
れる。従って、このような簡便な方法を実用するのが好
ましい。
【0032】本発明のX線画像のエネルギー・サブトラ
クション方法に用いられるX線写真フイルム−蛍光増感
紙−フィルタ積層体においては、積層体を構成する複数
組のX線写真フイルム−蛍光増感紙組合わせの各組合わ
せ間の少なくとも1個所にX線の低エネルギー成分吸収
物質からなるフィルタが介在せしめられ、フィルタが介
在せしめられた個所によって(フィルタが介在せしめら
れた個所の数+1)個のブロックに区切られた積層体の
各ブロック毎にサブトラクションすべきX線画像が得ら
れるが、ブロックが2組以上のX線写真フイルム−蛍光
増感紙組合わせにより構成される場合には、それら連続
する組合わせそれぞれを構成するX線写真フイルムより
得られたX線画像から1つのサブトラクションすべきX
線画像が得られる。このように連続する複数組のX線写
真フイルム−蛍光増感紙組合わせそれぞれを構成するX
線写真フイルムより得られたX線画像から1つのサブト
ラクションすべきX線画像を得るのには、重ね合わせ処
理を利用するのが好ましい。すなわち、連続する複数組
のX線写真フイルム−蛍光増感紙組合わせそれぞれを構
成するX線写真フイルムより得られたX線画像は被写体
からより遠い位置に位置するX線写真フイルムより得ら
れたX線画像ほどより多くのノイズを含んでいるが、そ
れぞれのX線画像に適当な重み係数を乗じた上でそれら
複数のX線画像を重ね合わせ処理することによって処理
前のいずれのX線画像よりもS/N比の向上したX線画
像(すなわち、サブトラクションすべきX線画像)を得
ることができる。
【0033】本発明のX線画像のエネルギー・サブトラ
クション方法に用いられるX線写真フイルム−蛍光増感
紙−フィルタ積層体においては、下記I),II) およびII
I)のいずれかのX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィル
タ積層体を使用するのが好ましい。
【0034】I) 2組のX線写真フイルム−蛍光増感紙
組合わせと、この2組の組合わせの間に介在せしめられ
たフィルタとからなるX線写真フイルム−蛍光増感紙−
フィルタ積層体。
【0035】II) 3組のX線写真フイルム−蛍光増感紙
組合わせと、これら組合わせの被写体側に位置する組合
わせと中間に位置する組合わせとの間に介在せしめられ
たフィルタとからなるX線写真フイルム−蛍光増感紙−
フィルタ積層体。
【0036】III) 3組のX線写真フイルム−蛍光増感
紙組合わせと、これら組合わせの各組合わせ間に介在せ
しめられたフィルタとからなるX線写真フイルム−蛍光
増感紙−フィルタ積層体。
【0037】上記I)あるいはIII)のX線写真フイルム−
蛍光増感紙−フィルタ積層体の場合、それぞれのX線写
真フイルム−蛍光増感紙組合わせを構成するX線写真フ
イルムから得られた2つあるいは3つのX線画像が直接
2つあるいは3つのサブトラクションすべきX線画像と
なる。また、上記II) のX線写真フイルム−蛍光増感紙
−フィルタ積層体の場合、被写体側に位置するX線写真
フイルム−蛍光増感紙組合わせを構成するX線写真フイ
ルムから得られたX線画像が1つのサブトラクションす
べきX線画像となり、残りの2組のX線写真フイルム−
蛍光増感紙組合わせそれぞれを構成するX線写真フイル
ムより得られた2つのX線画像から例えば重ね合わせ処
理によって得られたX線画像がもう1つのサブトラクシ
ョンすべきX線画像となる。
【0038】本発明のX線写真フイルム−蛍光増感紙−
フィルタ積層体を用いたX線画像のエネルギー・サブト
ラクション方法においては、予め特定のフィルタによっ
て高エネルギー帯と低エネルギー帯とに分離されたX線
を被写体に照射するX線として使用すると、X線写真フ
イルム−蛍光増感紙−フィルタ積層体におけるX線の高
エネルギー成分と低エネルギー成分との分離がより一層
容易になるので好ましい。
【0039】また、本発明のX線画像のエネルギー・サ
ブトラクション方法に用いられるX線写真フイルム−蛍
光増感紙−フィルタ積層体において、被写体により近い
位置に置かれる蛍光増感紙の厚さをより薄くすること
は、被写体からより遠い位置に置かれる蛍光増感紙に届
くX線量の低減を防ぐのに有効である。
【0040】本発明において、X線写真フイルムからX
線画像を読み出すための、X線写真フイルムを光学的に
走査する手段としては、光ビームをX線写真フイルム上
を二次元的に走査せしめるもの、光ビームを固定しX線
写真フイルムを回転ドラムに取りつけ、回転軸に平行な
方向に移動せしめることにより行なうもの、あるいはフ
ライングスポットスキャナーのような電子走査等の種々
の手段を用いることができる。ここで光ビームとして点
光源から発せられた光を集光レンズで集光せしめること
によって得られたもの、レーザービーム等の種々のもの
が使用できる。読取りはX線写真フイルムが光学的に走
査された時のX線画像からの反射光あるいは透過光(X
線フイルムが透過性の場合)を光検出手段によって検出
することによって行なうことができる。
【0041】本発明のX線写真フイルム−蛍光増感紙−
フィルタ積層体が用いられるX線画像のエネルギー・サ
ブトラクション方法においては、サブトラクションの前
あるいは後にX線画像に種々の信号処理を施すことがで
きるが、用いられる信号処理としては、特開昭56−1103
5 号、同56−75136 号、同56−75138 号、同56−75140
号、同56−91735 号等に開示されている周波数処理、特
開昭55−116338号、同55−88741 号等に開示されている
階調処理等が挙げられる。
【0042】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。
【0043】図1は本発明のX線画像のエネルギー・サ
ブトラクション方法に用いられるX線写真フイルム−蛍
光増感紙−フィルタ積層体の一実施例を示す概略断面図
である。このX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィルタ
積層体は積層状態で配された2組のX線写真フイルム−
蛍光増感紙組合わせと、この2組の組合わせの間に介在
せしめられたX線の低エネルギー成分吸収物質からなる
フィルタ3とからなる。フィルタ3に関して被写体側に
あるX線写真フイルム−蛍光増感紙組合わせは蛍光体層
1aおよび1bが互に対向するように配された一対の蛍
光増感紙aおよびbと、これら蛍光増感紙aおよびbの
対向する蛍光体層の間に介在せしめられたX線写真フイ
ルムAとからなる。同様にフィルタ3に関して被写体と
は反対側にあるX線写真フイルム−蛍光増感紙組合わせ
は蛍光体層1cおよび1dが互に対向するように配され
た一対の蛍光増感紙cおよびdと、これら蛍光増感紙c
およびdの対向する蛍光体層間に介在せしめられたX線
写真フイルムBとからなる。なお、蛍光増感紙a,b,
cおよびdの蛍光体層1a,1b,1cおよび1dの表
面(支持体2a,2b,2cおよび2d側とは反対側の
面)には、それら蛍光体層を物理的あるいは化学的に保
護するためのポリエチレンテレフタレートフイルム等の
保護膜が設けられていてもよい(以下図5、図6に示さ
れる積層体においても同様である)。また、蛍光増感紙
a,b,cおよびdはそれぞれ支持体2a,2b,2c
および2dを有しているが、これら蛍光増感紙は支持体
を有さない自己支持性のものであってもよい。フィルタ
3はX線の低エネルギー成分吸収物質と、この物質を分
散状態で含有している別の物質からなるものであっても
よいし、あるいはX線の低エネルギー成分吸収物質のみ
からなるものであってもよく、このフィルタ3により被
写体を透過したX線の低エネルギー成分の吸収が行なわ
れる。
【0044】図2は図1に示されるX線写真フイルム−
蛍光増感紙−フィルタ積層体を用いてX線画像のエネル
ギー・サブトラクション方法によりX線写真フイルムに
X線画像を記録する様子を説明する概略図である。図中
上方にはX線6を放射する単一のX線源4が配されてお
り、被写体7後方には図1に示されるX線写真フイルム
−蛍光増感紙積層体がカセッテ5中に収納されて配置さ
れている。
【0045】X線源4からX線6が放射されると、この
X線6はX線エネルギー吸収特性が他とは異なる特定の
構造物を含む被写体7を透過してまず蛍光増感紙aおよ
びbとX線写真フイルムAにより構成されるX線写真フ
イルム−蛍光増感紙組合わせに到達する。ここで被写体
7のX線画像がX線写真フイルムAに記録される。次に
上記X線写真フイルム−蛍光増感紙組合わせを透過した
X線はフィルタ3を通り蛍光増感紙cびdとX線写真フ
イルムBにより構成されるX線写真フイルム−蛍光増感
紙組合わせに到達し、X線写真フイルムBに被写体7の
X線画像が記録される。ここでフィルタ3はX線の低エ
ネルギー成分をより多く吸収するのでフィルタ3を透過
したX線は低エネルギー成分が低減して高エネルギー成
分が強調された状態になっており、従ってX線写真フイ
ルムBにはX線の低エネルギー成分に係わる画像情報が
低減した被写体7のX線画像が記録される。このように
して被写体7の特定の構造物に対応する部分において画
像情報が異なる2つのX線画像が2枚のX線写真フイル
ムAおよびBに同時に記録される。
【0046】このようにして得た2枚のX線写真フイル
ムAおよびBから、図3に示されるような読出系によっ
てX線画像を読み出し、画像を表わすデジタル画像信号
を得る。先ず、X線写真フイルムAを矢印Yの方向に副
走査のために移動させながら、レーザー光源10からのレ
ーザー光11を走査ミラー12によってX方向に主走査さ
せ、X線写真フイルムAから該フイルムに記録されたX
線画像を反射光13として読み出す。反射光13は透明なア
クリル板を成形して作った集光板14の一端面からこの集
光板14の内部に入射し、中を全反射を繰返しながらフォ
トマル15に至り、その光量が画像信号Sとして出力され
る。この出力された画像信号Sは増幅器とA/D変換器
を含む対数変換器16により対数値(logS)のデジタル画
像信号 logSA に変換される。このデジタル画像信号 l
ogSA はデジタル演算器17に入力され、そこに記録され
る。次に、全く同様にして、もう1枚のX線写真フイル
ムBの記録画像が読み出され、そのデジタル画像信号lo
g SB がデジタル演算器17に記憶される。デジタル演算
器17では、対応する画素間でデジタル画像信号 logSA
よりデジタル画像信号 logSB が差し引かれ抽出したい
特定の構造物の画像信号が得られる。この際デジタル画
像信号 logSA および logSB それぞれに適当な重み係
数が乗じられるが、2つの重み係数は両画像の消去すべ
き部分の階調が一致するように選ばれるのが好ましい。
なお、ここでデジタル画像信号が対数値として扱われる
のは、画像データの帯域圧縮がなされ、かつ不必要な画
像情報の完全除去が可能となるからであり、対数値に変
換しない原画増信号により同様のことを行なうことも可
能である。
【0047】このようにして、デジタルサブトラクショ
ン処理を行なうことにより得られた信号は、必要に応じ
て空間周波数処理、階調処理、加算平均処理等の画像処
理が施されたのち、CRT等の表示装置上に直接再生さ
れるかあるいは以下に説明するように感光フイルム等の
記録材料上に再生記録される。
【0048】図4は再生用の画像走査記録の例を示すも
のである。感光フイルム20を矢印Yの副走査方向へ移動
させるとともにレーザービーム21をこの感光フイルム20
上にX方向に主走査させ、レーザービーム21をA/O変
調器22により画像信号供給器23からの画像信号によって
変調することにより感光フイルム20上に可視像を形成す
る。この画像信号として、前記デジタル演算器17の出力
を使用すればデジタルサブトラクション処理が施された
所望の特定構造物の画像を感光フイルム20上に再生記録
することができる。
【0049】なお、以下図5、図6に示されるX線写真
フイルム−蛍光増感紙−フィルタ積層体を用いてエネル
ギー・サブトラクションを実施する場合にも、サブトラ
クション処理は上述と同じように行なわれる。
【0050】図5は本発明のX線画像のエネルギー・サ
ブトラクション方法に用いられるX線写真フイルム−蛍
光増感紙−フィルタ積層体の別の実施例を示す概略断面
図である。このX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィル
タ積層体は積層状態で配された3組のX線写真フイルム
−蛍光増感紙組合わせと、これら組合わせの被写体側に
位置する組合わせと中間に位置する組合わせとの間に介
在せしめられたX線の低エネルギー成分吸収物質からな
るフィルタ3とからなる。なお、積層体を構成する蛍光
増感紙a,b,c,d,eおよびfはそれぞれ支持体2
a,2b,2c,2d,2eおよび2fを有している
が、これら蛍光増感紙は支持体を有さない自己支持性の
ものであってもよい。また、フィルタ3はX線の低エネ
ルギー成分吸収物質と、この物質を分散状態で含有して
いる別の物質からなるものであってもよいし、あるいは
X線の低エネルギー成分吸収物質のみからなるものであ
ってもよい。
【0051】上記のような構成を有するX線写真フイル
ム−蛍光増感紙−フィルタ積層体を用いてサブトラクシ
ョン画像を得るには、積層体に被写体を透過したX線を
照射し、しかる後上述のようにして各フイルムA,Bお
よびB′からX線画像を読み出し、フイルムBおよび
B′より得られたX線画像から重ね合わせ処理により1
つのサブトラクションすべきX線画像を得、一方フイル
ムAから得られたX線画像を直接もう一方のサブトラク
ションすべきX線画像とし、両者のサブトラクションす
べきX線画像間で上述と同様の引き算を行なえばよい。
【0052】図6は本発明のX線画像のエネルギー・サ
ブトラクション方法に用いられるX線写真フイルム−蛍
光増感紙−フィルタ積層体のさらに別の実施例を示す概
略断面図である。この積層体は積層状態で配された3組
のX線写真フイルム−蛍光増感紙組合わせと、これら組
合わせの各組合わせ間に介在せしめられたX線の低エネ
ルギー成分吸収物質からなるフィルタ3および3′とか
らなる。なお、積層体を構成する蛍光増感紙a,b,
c,d,eおよびfはそれぞれ支持体2a,2b,2
c,2d,2eおよび2fを有しているが、これら蛍光
増感紙は支持体を有さない自己支持性のものであっても
よい。また、フィルタ3および3′はX線の低エネルギ
ー成分吸収物質と、この物質を分散状態で含有している
別の物質からなるものであってもよいし、あるいはX線
の低エネルギー成分吸収物質のみからなるものであって
もよい。
【0053】上記のような構成を有するX線写真フイル
ム−蛍光増感紙−フィルタ積層体を用いてサブトラクシ
ョン画像を得るためには、積層体に被写体を透過したX
線を照射した後、各フイルムA,BおよびCより得られ
たX線画像間で引き算を行なえばよい。
【0054】以上詳細に説明したように、本発明のX線
画像のエネルギー・サブトラクション方法は極めて優れ
た特徴を有するものであり、それが医療診断分野に寄与
するところは著しく大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィ
ルタ積層体の一実施例を示す概略断面図
【図2】本発明のX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィ
ルタ積層体に被写体のX線画像を記録する様子を説明す
る概略図
【図3】X線写真フイルムから記録されたX線画像を反
射光の形で光電変換してデジタル信号を得、これをサブ
トラクション処理するステップを説明する概略図
【図4】サブトラクション処理によって得られた信号を
利用して感光フイルム上にサブトラクション処理された
画像を再生記録するステップを説明する概略図
【図5】本発明のX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィ
ルタ積層体の別の実施例を示す概略断面図
【図6】本発明のX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィ
ルタ積層体のさらに別の実施例を示す概略断面図
【符号の説明】
A,B,B′,C X線写真フイルム a,b,c,d,e,f 蛍光増感紙 1a,1b,1c,1d,1e,1f 蛍光体層 2a,2b,2c,2d,2e,2f 支持体 3,3′ フィルタ 4 X線源 6 X 線 7 被写体 10 レーザー光源 11 レーザー光 12 走査ミラー 13 反射光 14 集光板 15 フォトマル 16 対数変換器 17 デジタル演算器 20 感光フイルム 21 レーザー光 22 A/O変調器 23 画像信号供給器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a) 積層状態で配された i) 蛍光体層が対向するように配された一対の蛍光増感
    紙と、 ii) これら蛍光増感紙の対向する蛍光体層の間に介在せ
    しめられたX線写真フイルムとからなるX線写真フイル
    ム−蛍光増感紙組合わせ複数組と、 b) これら組合わせの各組合わせ間の少なくとも1個所
    に介在せしめられたX線の低エネルギー成分吸収物質か
    らなるフィルタとからなることを特徴とするX線画像の
    エネルギー・サブトラクション方法に用いられるX線写
    真フイルム−蛍光増感紙−フィルタ積層体。
  2. 【請求項2】 前記X線写真フイルム−蛍光増感紙−フ
    ィルタ積層体が2組の前記X線写真フイルム−蛍光増感
    紙組合わせと、これら組合わせの間に介在せしめられた
    前記フィルタとからなることを特徴とする請求項1記載
    のX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィルタ積層体。
  3. 【請求項3】 前記X線写真フイルム−蛍光増感紙−フ
    ィルタ積層体が3組の前記X線写真フイルム−蛍光増感
    紙組合わせと、これら組合わせの被写体側に位置する組
    合わせと中間に位置する組合わせとの間に介在せしめら
    れた前記フィルタとからなることを特徴とする請求項1
    記載のX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィルタ積層
    体。
  4. 【請求項4】 前記X線写真フイルム−蛍光増感紙−フ
    ィルタ積層体が3組の前記X線写真フイルム−蛍光増感
    紙組合わせと、これら組合わせの各組合わせ間に介在せ
    しめられた前記フィルタとからなることを特徴とする請
    求項1記載のX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィルタ
    積層体。
  5. 【請求項5】 前記フィルタが前記X線の低エネルギー
    成分吸収物質と、この物質を分散状態で含有している別
    の物質とからなることを特徴とする請求項1から4のい
    ずれか1項記載のX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィ
    ルタ積層体。
  6. 【請求項6】 前記フィルタが前記X線の低エネルギー
    成分吸収物質のみからなることを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれか1項記載のX線写真フイルム−蛍光増感
    紙−フィルタ積層体。
  7. 【請求項7】 前記X線の低エネルギー成分吸収物質が
    金属であることを特徴とする請求項1から6のいずれか
    1項記載のX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィルタ積
    層体。
  8. 【請求項8】 前記金属がCu,W,Mo,Ni,P
    b,Au,Ag,Ba,Ta,Fe,Al,Zn,C
    d,Ti,Zr,V,Nb,Cr,CoおよびSnのう
    ちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項7記
    載のX線写真フイルム−蛍光増感紙−フィルタ積層体。
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