JPH0638836Y2 - コルゲートマシンのミルロールスタンド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、コルゲートマシンのミルロールスタンド装置
に関する。

（従来技術） 一般に、この種のミルロールスタンド装置は例えば段ボ
ール紙等を製造する場合に使用され、従来は第４図示の
ような、回動軸２のキー2aに嵌装され、さらにシリンダ
ー3,3等により摺動する互いに平行な一対のアーム1,1の
先端部1a,1aに、先端が回動軸２と略平行に対向する大
略円錐状のローリングセンター4,4がそれぞれ取着部材
5,5によって回動自在に取着されたものが知られてい
る。

さらに、この装置は第４図示のように、前記シリンダー
3,3によってアーム1,1を介してローリングセンター4,4
を巻取り原紙Ａの紙管Ｂに契合することにより該巻取り
原紙Ａを装着し、必要に応じて所定量の原紙を引出して
使用する。しかしながら前記の装置によると、巻取り原
紙Ａの重量がかなり大きい為に、ローリングセンター4,
4を相当に大きな力で紙管Ｂを嵌込んで保持する必要が
あるので、該ローリングセンター4,4が紙管Ｂに食込ん
でしまう場合があった。

この為、原紙のサイズの変更時等に装置から該巻取り原
紙Ａを取外して交換しようとすると、ローリングセンタ
ー4,4の一方だけが紙管Ｂから外れて、他方が紙管Ｂに
食込んだまま離れない場合が頻繁にあった。

そこで、これまではこのような場合に、図示しない駆動
装置によって、紙管Ｂに食込んだまま離れないローリン
グセンター４と連結する側のアーム１を回動軸２と共に
急激に回動させることにより、巻取り原紙Ａの重さを利
用してこじりながら外していた。

しかしこの場合、原紙Ａの重さが片側のアーム1,1にだ
けかかる為に、該アーム1,1と回動軸２の摺接部分でキ
ー結合されたブッシュ6,6等が損傷しやすく、その為に
アーム1,1の互いの平行度が失われやすかった。

このため、該アーム1,1に連結するローリングセンター
4,4に装着された巻取り原紙Ａが傾斜してしまい。該原
紙Ａを引出して製造される製品の寸法精度や外観が損な
われやすかった。

（解決すべき課題） 本考案はかかる不都合に対処すべく、ローリングセンタ
ーに装着した巻取り原紙の取外しを従来のように装置を
損傷させる懸念なく、迅速簡単に行えることのできるコ
ルゲートマシンのミルロールスタンド装置を提供するこ
とを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は、かかる目的を達成すべく、回動軸と、該回動
軸と共に回動自在であり、かつ摺動自在に取着された互
いに平行な一対のアームと、該アームの先端部に固定さ
れ、それぞれの先端が前記回動軸と略平行に対向する略
円錐形状のローリングセンターとから成り、該ローリン
グセンターで巻取り原紙の紙管の両端を係合保持して該
巻取り原紙を挿着するコルゲートマシンのミルロールス
タンド装置において、該ミルロールスタンド装置が、前
記巻取り原紙の両端面面と平行なプッシャープレート
と、該プッシャープレートを該巻取り原紙の両端側に前
記ローリングセンターの少なくとも上方の側面に沿って
押圧移動する押圧装置とを有するエジェクターを前記ア
ームにそれぞれ備えたことを特徴とする。

（作用） 本考案においては、前記エジェクターを前記アームに備
えたので、前記ローリングセンターを巻取り原紙の紙管
に契合する際に前記アームを移動させたとき、該アーム
と共に前記エジェクターも移動する。巻取り原紙の紙管
を前記ローリングセンターに契合するときには、前記エ
ジェクターの前記プッシャープレートを巻取り原紙及び
その紙管に緩衝しない位置に位置させておく。また、前
記ローリングセンターは略円錐形状であるので、内径が
異なる他の紙管を契合することも可能である。

また、前記ローリングセンターに契合保持された巻取り
原紙の紙管を前記エジェクターによって離脱させるとき
には、先ず、前記プッシャープレートを前記押圧装置に
よって巻取り原紙に向かって進出させて巻取り原紙の端
面に当接させる。次いで、前記ローリングセンターを後
退させる。同時に、前記プッシャープレートをローリン
グセンターと相対的に更に進出させることにより、プッ
シャープレートと巻取り原紙の端面とが当接した状態を
維持し、巻取り原紙の紙管が比較的強くローリングセン
ターに契合していても、ローリングセンターからの巻取
り原紙の紙管の離脱が容易に行われる。そして、ローリ
ングセンターは略円錐形状に形成されているので、巻取
り原紙の紙管が該ローリングセンターから離脱するとき
には、紙管の内面上部がローリングセンターの上方の側
面に沿って徐々に下方に摺動する。このとき、ローリン
グセンターの軸線に対して巻取り原紙の紙管の軸線が次
第に下方にズレるが、前記プッシャープレートをローリ
ングセンターの少なくとも上方の側面に沿って移動させ
ることにより、プッシャープレートと巻取り原紙の端面
との当接位置を常に一定位置に保持し、巻取り原紙の端
面へのプッシャープレートの接触による巻取り原紙の傷
付き等を防止する。

（実施例） 以下、本考案による装置の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図において、10,10は前記エジェクターを示し、さ
らに11,11及び12,12は扇形形状の前記プッシャープレー
ト及び前記押圧装置であるシリンダーを示す。

また、第１図示の装置の他の構成部分は前記第４図示の
装置と同一である。

各シリンダ12は、第２図及び第３図示のように２個の連
結部14a,14aによって前記アーム１の先端部1aに連結さ
れた架台14に略三角形状のブラケット15及び基台16を介
して固定されている。

また前記プッシャープレート11には、連結部11aが該プ
レート11に垂直に延出しており、さらに該連結部11aは
前記シリンダー12のピストンロッドの先端に取着された
コ字形状の連結部材12aの溝部に連結ピン17によって貫
装されている。

さらに、該プッシャープレート11は下部に２本の案内杆
18,18の先端がボス部11bを介して連結されており、該案
内杆18,18及びシリンダー12はそれぞれ前後一対のブッ
シュ19,19及びシリンダーブラケット20によって前記ロ
ーリングセンター４の側面に沿うように傾斜して保持さ
れている。

該プッシャープレート11,11の連結部11a,11aと反対側の
面は前記一対のローリングセンター4,4の軸線方向と略
垂直に配設されているので、前記巻取り原紙Ａの紙管Ｂ
がローリングセンター4,4に嵌装されると、該巻取り原
紙Ａの両端面と略平行に対向する。

従って上記の装置によれば、装着した巻取り原紙Ａをロ
ーリングセンター4,4から取外す場合に、前記シリンダ
ー3,3によってアーム1,1を介して該ローリングセンター
4,4をそれぞれ巻取り原紙Ａから離間する方向に移動さ
せつつ、プッシャープレート11,11をシリンダー12,12に
よって巻取り原紙Ａに当接させ、さらにローリングセン
ター4,4の側面と平行に押圧することができる。

この為、該巻取り原紙Ａの紙管Ｂは従来に比して容易に
ローリングセンター4,4から離脱することができる。

（効果） 以上のことから明らかなように、本考案は、前記上エジ
ェクターを前記アームに備えたので、該アームと共に移
動するので各別の移動装置を要さずに、好適な位置決め
を自動的に行うことができ、しかも、ローリングセンタ
ーは略円錐形状であるので、該エジェクターのプッシャ
ープレートを、巻取り原紙及びその紙管に緩衝しない位
置に位置させておくことにより、内径が異なる他の紙管
を契合することができる。

また、前記巻取り原紙の取り外しは、前記アームに備え
た前記エジェクターによって行われるので、該アームを
はじめとする装置の損傷を防止することができる。前記
巻取り原紙をローリングセンターから取り外す場合に
は、前記プッシャープレートを前記押圧装置によって巻
取り原紙に向かって進出させて巻取り原紙の端面に当接
させ、前記ローリングセンターを後退させる。このと
き、前記プッシャープレートをローリングセンターの少
なくとも上方の側面に沿って移動させる。これにより、
巻取り原紙の紙管が比較的強くローリングセンターに契
合していても、ローリングセンター上において巻取り原
紙の荷重が最も多くかかる部分を押圧するので、ローリ
ングセンターからの巻取り原紙の紙管の離脱を容易に行
うことができ、更に、プッシャープレートと巻取り原紙
の端面との当接位置が常に一定位置に保持されるので、
巻取り原紙の端面へのプッシャープレートの接触による
巻取り原紙の傷付き等を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による装置の一実施例の部分的斜視図、
第２図は第１図示の装置における主要部の部分的側面
図、第３図は第２図示の主要部の部分斜視図、また第４
図は従来の装置の部分的斜視図である。 １……アーム 1a……アームの先端部 ２……回動軸 ４……ローリングセンター 10……エジェクター 12……押圧装置 Ａ……巻取り原紙 Ｂ……シリンダー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回動軸と、該回動軸と共に回動自在であ
   り、かつ摺動自在に取着された互いに平行な一対のアー
   ムと、該アームの先端部に固定され、それぞれの先端が
   前記回動軸と略平行に対向する略円錐形状のローリング
   センターとから成り、該ローリングセンターで巻取り原
   紙の紙管の両端を係合保持して該巻取り原紙を挿着する
   コルゲートマシンのミルロールスタンド装置において、 該ミルロールスタンド装置が、前記巻取り原紙の両端面
   と平行なプッシャープレートと、該プッシャープレート
   を該巻取り原紙の両端面側に前記ローリングセンターの
   少なくとも上方の側面に沿って押圧移動する押圧装置と
   を有するエジェクターを前記アームにそれぞれ備えたこ
   とを特徴とするコルゲートマシンのミルロールスタンド
   装置。