JPH0637922Y2 - 液体充填包装装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はカートン（容器）に液体をインライン方式で自
動的に充填、包装するための液体充填包装装置に係わ
り、特にそのうちの液体充填部の改良に関する。

（従来の技術及び課題） 上述の如き液体自動充填包装装置においては、所定本数
のカートンへの液体充填包装作業を完了したのち、最後
に充填装置部分に残留する充填液を回収、除去するとと
もに、充填装置の充填回路内外を十分に洗滌、滅菌し、
次の新らたな充填作業のための準備をおこない必要があ
る。

そのため、従来の液体充填包装装置においては充填包装
作業を終了したのち、残った充填液をある程度回収した
のち、最後に残った充填液は充填ノズルからそのまま装
置下方に流し出し、ついで洗浄液も同じく充填ノズルか
ら装置下方に流し、最終的に外部に放出されることがお
こなわれていた。

しかし、このように残留充填液及び洗浄液を充填ノズル
からそのまま装置下方に流し落した場合は、装置の他の
部所を汚染させることになり、そのため余計な新らたな
洗浄が必要となり好ましくない。

そのため、充填ノズルに排液用ノズルを接続させる方法
も考えられるが、その場合、排液用ノズル設置のため充
填装置内部の機構が複雑になり、装置内の洗浄をより困
難にさせるおそれがあり、そのための新らたな問題が提
起されることになる。

したがって、本考案は充填装置内部の機構が複雑となら
ず、洗浄効率の向上を図ることができる液体充填部の排
液機構を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記課題を解決するため、排液用ノズルアダプ
ターを液体充填部の無菌チャンバー側壁部から窓を介し
て挿脱自在に設け、上記窓の開閉機構を洗浄し易い構造
のものとした。

即ち、本考案は上記課題の解決手段として、底部を成
形、シールした液体充填用カートンをキャリアにて支
持、移送させつつ、該カートン頂部の仮折り、該カート
ン内外部の洗浄、殺菌、該カートン内への液体充填、該
カートン頂部の加熱及びヒートシールをインライン方式
で連続的におこなう液体充填包装装置において、 上記カートン内への液体充填部が、少なくとも充填ノズ
ル先端部を囲う無菌チャンバーと；該無菌チャンバーの
一側に設けられた窓部と；該窓部を介して挿脱自在に設
けられ、先端部が上記充填ノズル先端部と液密に嵌合
し、後端部が排液回路ユニットと接続するノズルアダプ
ターと；該窓部近傍の無菌チャンバー側壁部に設けら
れ、該窓部を開閉させるための開閉機構であって、該チ
ャンバー側壁の外側に突設された軸受けブロックと、該
軸受けブロック及び該チャンバー側壁に対し回動並びに
進退自在に貫挿された操作レバーと、該チャンバー内に
挿入された操作レバーの先端部に固定された密閉カバー
支持部と、該支持部の一側に設けられ上記窓部周囲に内
側から密着して該窓部を密閉させる密閉カバーと、該密
閉カバーが上記窓部を閉じた状態では密閉カバーを上記
窓部内側周囲と密着させ、上記窓部を開いた状態では密
封カバーを無菌チャンバー内壁面から離間させるガイド
機構とを有する窓部開閉機構と；を具備してなることを
特徴とする液体充填包装装置を提供するものである。

（作用） ノズルアダプターは充填装置内の残留充填液の排液又は
充填装置回路内の洗浄をおこなう場合に先端部が窓部を
介して無菌チャンバー内に挿入され、充填ノズル先端部
と液密に嵌合し、その他の場合は無菌チャンバー外に置
かれ、ノズルアダプター挿入用の窓部は密閉カバーで無
菌チャンバー内側から密閉される。

次に上記液体充填包装装置における液体充填部について
詳述する。

第１図はノズルアダプター101を無菌チャンバー50に装
着させた状態を示すものであって、無菌チャンバー50の
窓部102を介して先端部分が無菌チャンバー50内に挿入
され、その先端101aは充填ノズル103の下端部に液密に
嵌合されている。ノズルアダプター101の中間部は固定
板104に設けられた一対の固定部材105により固定され、
さらにノズルアダプター101の窓部挿入部分にはキャッ
プ106が嵌着されていて、窓部102の弾性リブ107にキャ
ップ106の縁部が圧接され外気が窓部102から無菌チャン
バー50内に侵入しないようになっている。なお、ノズル
アダプター101の基端は排液回路ユニット（図示しな
い）に接続されている。

この窓部102の下部近傍には窓部開閉機構108が設けられ
ていて、上述の如きノズルアダプター101の装着状態に
おいては窓部開閉機構108は第１図又は第８図に示す如
く開放状態となる。この窓部開閉機構108は窓部102下方
の無菌チャンバー50の外側壁に固定、突設された軸受け
ブロック110と、この軸受けブロック110及び無菌チャン
バー側壁に対し回動並びに進退自在に貫挿された操作レ
バー111と、無菌チャンバー50内に挿入された操作レバ
ー111の先端部に固定された密閉カバー支持部112と、こ
の支持部112の一側に設けられ操作レバー111を介して適
宜回動して上記窓部102の周囲に内側から密着して窓部1
02を密閉させる密閉カバー113と、操作レバー111の動作
と連動し密閉カバー113が上記窓部102を閉じている状態
では密閉カバー113を窓部102の内側周囲と密着させ、上
記窓部102が開いている状態では密閉カバー113を無菌チ
ャンバー50内壁面から離間させるガイド機構とを有す
る。

このガイド機構としては種々の手段を採用し得るもの
で、例えば図示の如く、操作レバー111の一部にガイド
ピン114を突設させ、他方、軸受けブロック110に第７図
に示す如き斜行する案内溝115を設け、操作レバー111を
引いたときガイドピン114が案内溝115に沿って斜行し、
これによって操作レバー111を回転させるとともに、密
閉カバー支持部112及び密閉カバー113を所定角度（例え
ば90゜）回転させ、同時に密閉カバー113を無菌チャン
バー50の内側面に近づけ、最終的に第１図中２点鎖線又
は第６図に示す如く密閉カバー113を窓部102の周囲に密
着させるようにする。窓部102を開放させる場合は逆に
操作レバー111を無菌チャンバー50方向に押す。これに
より同様にしてガイドピン114の斜行を介して密閉カバ
ー113が逆方向に回動し、窓部102を開きながら無菌チャ
ンバー50の内壁面から次第に離間されることになる。第
８図は密閉カバー113の回動による変化を示しており、
密閉カバー113が２点鎖線で示す如く起立した状態のと
き窓部102は密閉カバー113により密閉され、密閉カバー
113が破線で示す如く90゜横倒しとなったとき窓部102が
完全に開口した状態となる。なお、密閉カバー113には
窓部102の開口形状に対応して弾性リブ116が環状に突設
されていて窓部102の周縁部と密着し気密性を保持し得
るようになっている。又、図示の実施例では密閉カバー
113と密閉カバー支持部112とは同一部材により一体的に
形成されていて相互に区別し難いが、弾性リブ116が突
設されている範囲を以って密閉カバー113と理解して差
支えない。このように密閉カバー113と密閉カバー支持
部112とを同一部材で構成することは洗浄性の点で好ま
しいが、洗浄性において問題がなければ密閉カバー支持
部112を密閉カバー113と別部材とし、これらを一体的に
結合させたものでもよい。なお、軸受けブロック110の
一側にロックピン117が設けられていて操作レバー111の
適当位置に設けられた穴118と嵌合して操作レバー111を
適当位置にてロックし得るようになっている。このロッ
ク機構についても他の任意の手段を採用してもよい。な
お、図中119は操作の便宜を図るためのハンドルであ
る。

次に、上記構成からなる液体充填包部の動作について説
明する。

カートンへの充填液の充填時においては窓部102は第６
図に示す如く密閉カバー113により内側から密閉されて
いて無菌チャンバー50内は無菌エアによる無菌状態に保
たれている。

所定本数のカートンへの充填液充填作業が終了した場
合、まずロックピン119を下方に引き操作レバー111との
ロックをはずし、ついてハンドル110を介して操作レバ
ー111を無菌チャンバー50方向に押す。これによりガイ
ドピン114の案内溝115に沿う斜行により操作レバー111
が自動的に回動される。これによって密閉カバー支持部
112及び密閉カバー113が横方向に倒れつつ無菌チャンバ
ー50内壁面から遠ざかる方向に移動する。操作レバー11
1を押し切った状態（即ちガイドピン114が案内溝115の
端部に当接した状態）において、密閉カバー支持部112
及び密閉カバー113は第１図に示す如く無菌チャンバー5
0の内壁面から可成り離間した状態に置かれるとともに
第８図に示す如く密閉カバー113が窓部102の斜め下方に
位置し窓部102をほぼ完全に開口させる。この状態にお
いて必要に応じロックピン119を操作シャフト111にロッ
クさせてもよい。

次にノズルアダプター101の先端部を無菌チャンバー50
内に挿入し、充填ノズル103の下端と嵌着させる。つい
でキャップ106を弾性リブ106に圧着させた状態で窓部10
2に固定し、窓部102とノズルアダプター101との間の気
密性を保つ。同時にノズルアダプター101の中間部を固
定部材105で固定するとともに後端部を排液回路ユニッ
ト（図示しない）と接続する。

次に、充填ノズル103より上流部に残留する充填液をこ
のノズルアダプター101を介して回収する。そののち、
充填液回路（図示しない）に洗浄液を流しその排液をノ
ズルアダプター101および排液回路ユニットを介して外
部に排出させる。同時に、無菌チャンバー50内にも滅菌
洗浄用スチーム等を流し、無菌チャンバー内の滅菌、洗
浄をおこなう。この場合、密閉カバー支持部112及び密
閉カバー113は無菌チャンバー50の内壁面から十分に離
間させているので滅菌洗浄用スチーム等がこの間に十分
に行き亘り、密閉カバー支持部112及び密閉カバー113を
効率良く滅菌、洗浄することができる。

充填液充填部及び無菌チャンバー50内の滅菌洗浄処理が
終了したのちはノズルアダプター101の充填ノズル103と
の嵌合、キャップ106及び固定部材105の固定をそれぞれ
解除し、ノズルアダプター101を無菌チャンバー50から
取りはずす。

ついで、ロックピン119によるロックを解除したのち、
操作レバー111を引張る。これにより操作レバー111がガ
イドピン114と案内溝115との係合により自動的に回動
し、その結果、密閉カバー113が立ち上るとともに無菌
チャンバー50の内壁面に近づき、最終的に第６図に示す
如く窓部102が内側から密閉されることになる。最後に
ロックピン119により操作レバー111をロックし、次のカ
ートンへの液充填作業への準備が完了する。

（考案の効果） 本考案によればノズルアダプターを無菌チャンバー内に
外部から導入し、これを充填ノズル下端と接続し、残留
充填液及び洗浄液の回収をおこなうようにしたから、充
填作業後の洗浄処理等を効率良くおこなうことができ、
かつ充填部の内部機構の複雑化を回避することができ
た。さらにノズルアダプターの無菌チャンバー内への導
入用窓部の開閉機構も構造的に簡単で、かつ洗浄液で全
体的に露され易いようになっているから洗浄効率、無菌
チャンバー内の無菌性維持のうえで極めて好ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わる液体充填包装装置の充填装置部
分の断面図、第２図は液体充填包装装置の全体を示す斜
視図、第３図は第２図の装置を上から見たときの平面
図、第４図は第２図の装置の側面図、第５図はカートン
成形過程及び包装過程を模式的に示す斜視図、第６図は
第１図の装置において充填ノズルを除去したときの状態
を示す断面図、第７図は軸受けブロック部を拡大して示
す斜視図、第８図は第１図の装置を図中左側から見たと
きの側面図である。 101…ノズルアダプター、102…窓部、103…充填ノズ
ル、104…固定板、106…キャップ、107…弾性リブ、108
…窓部開閉機構、110…軸受けブロック、111…操作レバ
ー、113…密閉カバー、114…ガイドピン、115…案内
溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】底部を成形、シールした液体充填用カート
   ンをキャリアにて支持、移送させつつ、該カートン頂部
   の仮折り、該カートン内外部の洗浄、殺菌、該カートン
   内への液体充填、該カートン頂部の加熱及びヒートシー
   ルをインライン方式で連続的におこなう液体充填包装装
   置において、 上記カートン内への液体充填部が、少なくとも充填ノズ
   ル先端部を囲う無菌チャンバーと；該無菌チャンバーの
   一側に設けられた窓部と；該窓部を介して挿脱自在に設
   けられ、先端部が上記充填ノズル先端部と液密に嵌合
   し、後端部が排液回路ユニットと接続し得るノズルアダ
   プターと；該窓部近傍の無菌チャンバー側壁部に設けら
   れ、該窓部を開閉させるための開閉機構であって、該チ
   ャンバー側壁の外側に突設された軸受けブロックと、該
   軸受けブロック及び該チャンバー側壁に対し回動並びに
   進退自在に貫挿された操作レバーと、該チャンバー内に
   挿入された操作レバーの先端部に固定された密閉カバー
   支持部と、該支持部の一側に設けられ上記窓部周囲に内
   側から密着して該窓部を密閉させる密閉カバーと、該密
   閉カバーが上記窓部を閉じた状態では密閉カバーを上記
   窓部内側周囲と密着させ、上記窓部を開いた状態では密
   封カバーを無菌チャンバー内壁面から離間させるガイド
   機構とを有する窓部開閉機構と；を具備してなることを
   特徴とする液体充填包装装置。