JPH063789Y2 - ボトル包装箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ビール等の重量物の輸送に好適な包装箱に関
し、特に積圧や側方からの耐衝撃力を大とし、かつ運搬
時における手掛け穴の破損を確実に防止できるようにし
たボルト包装箱に係わる。

［従来技術］ ビール等の瓶詰品を輸送する容器としては、従来よりＡ
−１形の段ボール箱が使用されている。近年、このよう
な段ボール箱の原材料コストの節減のために原紙の紙質
を下げながら、輸送物流時の重圧或いは振動衝撃に対し
て十分に耐え、箱体の型崩れ破損を防止し、内容物の損
傷を防止できるようにした包装容器が要望されている。
このような容器の一つとして、箱体の４隅部に補強柱を
一体に設けたコーナー補強箱が存在する。このものは例
えば対向する一組の側板の両側部に袖板を延長し、箱体
の各隅部の内側に袖板を直角に折曲げて補強柱を形成し
たり、あるいは袖板を内側に向って筒状に折曲げて断面
３角形の柱を形成させ、箱の圧縮強度を向上させたもの
となっている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかるに、前記のように段ボール原紙の紙質を下げた場
合は、箱体側面の強度が劣化し、特に該側面に設けられ
ている手掛け穴の部分は、素材強度よりはるかに低いレ
ベルで破壊してしまうことが多い。

ここに於て本考案は上記した従来の問題点に鑑み、素材
（原紙）自体の強度は上げることなく、手掛け穴の部分
を強化したボルト包装箱を提案することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本考案は、方形の底板の４辺
に夫々側板を連設した上面開口形の箱体において、相対
する一組の側板のほぼ中央に手掛け穴を穿設し、かつ該
側板の両側に袖片、補強片及びその外方に接合片を順次
連設し、これらを内側に折曲げて接合片を側板内面に重
合貼着して前記手掛け穴の周縁を補強すると共に前記箱
の上面を、少なくとも両端縁に短寸の貼着片を付設した
箱上面と同形同大の蓋板でおおい、かつ前記貼着片を側
板外面に貼着して手掛け穴上部を補強するようにして成
ることを特徴とする。

［作用］ １枚のシートの折曲げ成形により箱内の４コーナーに柱
状の補強部が一体に形成され積重ね時の負荷に十分耐え
得る圧縮強さが与えられる。また、補強片に連設された
接合片を側板内面に貼着し、更に蓋板の両端に付設した
貼着片を側板外面に貼着して、これらにより手掛け穴上
部を三重構造としたので、運搬時、手掛け穴が内容物の
重量によって破壊されることがない。

［実施例］ 次に本考案の一実施例を図面に基づいて具体的に説明す
る。

第３図の展開図において、１は段ボールシートなどの厚
紙を材料として形成される方形の底板、２，２、３，３
は前記底板の４辺に連設される側板、４，４は前記一組
の側板２，２のほぼ中央に穿設した手掛け穴、５，５は
前記側板の両側に連設した袖片、６，６は袖片の外方に
連設した補強片、７，７は補強片の外方に連設した接合
片である。この接合片７は夫々一方の側板２のほぼ半幅
の大きさに形成して、組立時、第２〜３図のように、側
板２の内面に折重ねて接着し、該折重ねにより相対する
接合片の端縁相互間に、若干のスキ間ａを形成するよう
に形成する。なお、前記接合片７の端縁部には、手掛け
穴４に対応させて切欠８が形成される。

上記のような厚紙素材において、第２図に示すように両
端の側板２に対し袖片５を直角に折曲げ、更にこれに連
設する補強片６を内方に折曲げた後、接合片７を側板２
の内面に貼着して、側板２の両側に該側板の一部を壁面
とする３角柱状の補強柱ｂを形成する。このとき接合片
７を前述のように側板２の内面に接着することにより２
重構造にして手掛け穴４を補強する。次に、両側の側板
３を底板１に対して直角に折曲げ、この側板３の両端を
袖片５の外面に重合貼着して箱本体を組立てる。第２図
において符号10は前記箱本体内に挿入して使用する中仕
切であって、例えば第５図（イ）に示す縦仕切板11と同
図（ロ）に示す２枚の横仕切板12から構成されている。
縦仕切板11は箱本体を構成する側板２，２間に適合する
幅と深さをもつ矩形状厚紙よりなり、その両端に手掛け
穴４の切残し片が係合する溝13が形成され、また中央部
よりにその下側に抜け上部を残した切込み１４が形成さ
れている。横仕切板12は側板２とほぼ同形同大の厚紙よ
りなり前記縦仕切板11と直交するように組合せて使用さ
れるものであって（第２図参照）、このものに夫々その
中央部より上側に抜け下部を残した切込み15が形成さ
れ、この切込みの下方には両横仕切板12に連結する連結
帯16が設けられている。第２図に示すように、連結帯16
を下側にして横仕切板12を垂直に折曲げた後、その切込
み15内に縦仕切板11の切込み14を噛合せて中仕切10を構
成する。

なお縦仕切板11は、これを側板２の内面に重合貼着した
接合片７の端縁相互間に形成したスキ間ａに嵌入係合せ
しめると自立させることができるので、これにより中仕
切全体を位置決めすることができる。

符号20で示すものは箱上面をおおうことができる厚紙製
被覆部材であり、底板１と同形同大の蓋板21とその両端
に付設した比較的短寸の貼着片22及び両側に付設した比
較的長寸のフラップ23とから構成されている。なお、符
号24は蓋板の開破用のジッパー（ミシン孔）であり、貼
着片との境界線上並びに蓋体中央に設けられている。そ
してこの蓋体21は、貼着片22を側板２の外面に貼着して
手掛け穴４の上部を補強する。またフラップ23はこれを
蓋板21に対し直角に折曲げてその両端を袖片５の外面に
貼着すると、第１図に示すような組立完成状態の箱が得
られるものである。

［考案の効果］ 以上詳細に説明したうに本考案は、一枚の厚紙の折曲げ
によって箱内の４コーナーに柱状の補強部を一体に連続
して形成することができ、かつ前記補強柱の一部並びに
箱上面をおおう蓋板の一部によって手掛け穴の周縁を補
強できるため原材料コストを下げながら必要とされる圧
縮強さを維持させ、しかも運搬時における手掛け穴の破
損を確実に防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２図及び第
３図は箱の組立過程を示す斜視図、第４図は箱本体の展
開図、第５図は仕切板の展開図である。 １…底板、２，３…側板、４…手掛け穴 ５…袖片、６…補強片、７…接合片 ８…切欠き、10…中仕切、11…縦仕切板 12…横仕切板、13…溝 14,15…切込み 16…連結帯、20…被覆部材、21…蓋板 22…貼着片、23…フラップ、24…ジッパー。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】方形の底板の４辺に夫々側板を連設した上
   面開口形の箱体において、相対する一組の側板のほぼ中
   央に手掛け穴を穿設し、かつ該側板の両側に袖片、補強
   片及びその外方に接合片を順次連設し、これらを内側に
   折曲げて接合片を側板内面に重合貼着して前記手掛け穴
   の周縁を補強すると共に前記箱の上面を、少なくとも両
   端縁に短寸の貼着片を付設した箱上面と同形同大の蓋板
   でおおい、かつ前記貼着片を側板外面に貼着して手掛け
   穴上部を補強するようにして成ることを特徴とするボト
   ル包装箱。
2. 【請求項２】相対する接合片の端縁相互間に、縦仕切板
   を嵌入係止するスキ間を形成して成る請求項１記載のボ
   トル包装箱。