JPH0637568B2 - イオン交換膜の製造方法 - Google Patents
イオン交換膜の製造方法Info
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- JPH0637568B2 JPH0637568B2 JP1292378A JP29237889A JPH0637568B2 JP H0637568 B2 JPH0637568 B2 JP H0637568B2 JP 1292378 A JP1292378 A JP 1292378A JP 29237889 A JP29237889 A JP 29237889A JP H0637568 B2 JPH0637568 B2 JP H0637568B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、基材によって補強されたイオン交換膜の製造
方法に関し、特に高温および有機溶剤に対して良好な耐
久性を有するイオン交換膜の製造方法に関する。
方法に関し、特に高温および有機溶剤に対して良好な耐
久性を有するイオン交換膜の製造方法に関する。
イオン交換膜の製造方法として、一般にイオン交換基の
導入に適した官能基を有するモノマー、架橋剤および重
合触媒を主たる成分とする混合溶液にポリ塩化ビニルの
微粉体を添加してなるペースト状物を、ポリ塩化ビニル
の織布などに塗布して重合した後、イオン交換基を導入
する方法(以下、単にペースト法ともいう)が広く用い
られている。この方法では、補強基材であるポリ塩化ビ
ニルの織布に対するモノマーの含浸およびグラフト重合
が適度であるため、得られるイオン交換膜のイオン交換
樹脂部と基材との接着性が良好であり、優れた電気化学
的性能と取扱い易さを有する。しかしながら、上記の製
造方法で得られたイオン交換膜は、ポリ塩化ビニルの基
材中にイオン交換樹脂が含浸され、イオン交換能を有す
るため、高温での使用において寸法変化が大きく、また
有機溶剤に対してポリ塩化ビニルそれ自体に由来する耐
久性のため限られた条件でしか使用できないなど本質的
な欠点を有している。
導入に適した官能基を有するモノマー、架橋剤および重
合触媒を主たる成分とする混合溶液にポリ塩化ビニルの
微粉体を添加してなるペースト状物を、ポリ塩化ビニル
の織布などに塗布して重合した後、イオン交換基を導入
する方法(以下、単にペースト法ともいう)が広く用い
られている。この方法では、補強基材であるポリ塩化ビ
ニルの織布に対するモノマーの含浸およびグラフト重合
が適度であるため、得られるイオン交換膜のイオン交換
樹脂部と基材との接着性が良好であり、優れた電気化学
的性能と取扱い易さを有する。しかしながら、上記の製
造方法で得られたイオン交換膜は、ポリ塩化ビニルの基
材中にイオン交換樹脂が含浸され、イオン交換能を有す
るため、高温での使用において寸法変化が大きく、また
有機溶剤に対してポリ塩化ビニルそれ自体に由来する耐
久性のため限られた条件でしか使用できないなど本質的
な欠点を有している。
これらの欠点を解決するために、イオン交換膜の補強基
材として、ポリ塩化ビニルの代りにポリオレフインをイ
オン交換樹脂との接着性を改良して用いる種々の方法が
提案されている。例えば、ポリオレフイン織布の表面を
塩素化して用いる方法(特公昭42−10609)、パ
ーオキサイド処理して用いる方法(特公昭44−192
53)、あるいは紫外線,放射線などを照射処理して用
いる方法などがある。しかしながら、これらポリオレフ
イン基材の表面処理方法は、繁雑であるため工業的でな
いばかりでなく、イオン交換樹脂との十分な接着性を得
ようとすれば、該基材の強度的性能を損う惧れがある。
また、ポリ塩化ビニルの織布中にポリオレフイン,無機
繊維を一部混織して用いる方法(特開昭63−4833
9)も提案されているが、それらポリオレイン,無機繊
維の接着不良性が残存し、さらにイオン交換樹脂の寸法
変化にポリオレフイン,無機繊維が追随し得ないために
イオン交換膜の表面平滑性が不十分である。
材として、ポリ塩化ビニルの代りにポリオレフインをイ
オン交換樹脂との接着性を改良して用いる種々の方法が
提案されている。例えば、ポリオレフイン織布の表面を
塩素化して用いる方法(特公昭42−10609)、パ
ーオキサイド処理して用いる方法(特公昭44−192
53)、あるいは紫外線,放射線などを照射処理して用
いる方法などがある。しかしながら、これらポリオレフ
イン基材の表面処理方法は、繁雑であるため工業的でな
いばかりでなく、イオン交換樹脂との十分な接着性を得
ようとすれば、該基材の強度的性能を損う惧れがある。
また、ポリ塩化ビニルの織布中にポリオレフイン,無機
繊維を一部混織して用いる方法(特開昭63−4833
9)も提案されているが、それらポリオレイン,無機繊
維の接着不良性が残存し、さらにイオン交換樹脂の寸法
変化にポリオレフイン,無機繊維が追随し得ないために
イオン交換膜の表面平滑性が不十分である。
本発明者らは、上記したように従来技術の問題点を解決
して、高温および有機溶剤中の使用において良好な耐久
性を有するイオン交換膜を製造するために鋭意研究し
た。その結果、補強基材を用いるペースト法によるイオ
ン交換膜の製造において、特定したポリエチレンの微粉
体を増粘剤として調製したペースト状物とポリエチレン
製の布状基材とを用いることにより、目的とするイオン
交換膜を得て本発明を提供するに至ったものである。即
ち、本発明は、イオン交換基の導入に適した官能基を有
するモノマー、架橋剤および重合開始剤を主たる成分と
する混合物に粒径が10μm以下であるポリエチレン微
粉体を含有させたペースト状物を、ポリエチレン製の布
状基材に付着して重合した後、イオン交換基を導入する
ことを特徴とするイオン交換膜の製造方法である。
して、高温および有機溶剤中の使用において良好な耐久
性を有するイオン交換膜を製造するために鋭意研究し
た。その結果、補強基材を用いるペースト法によるイオ
ン交換膜の製造において、特定したポリエチレンの微粉
体を増粘剤として調製したペースト状物とポリエチレン
製の布状基材とを用いることにより、目的とするイオン
交換膜を得て本発明を提供するに至ったものである。即
ち、本発明は、イオン交換基の導入に適した官能基を有
するモノマー、架橋剤および重合開始剤を主たる成分と
する混合物に粒径が10μm以下であるポリエチレン微
粉体を含有させたペースト状物を、ポリエチレン製の布
状基材に付着して重合した後、イオン交換基を導入する
ことを特徴とするイオン交換膜の製造方法である。
本発明において用いられるイオン交換基の導入に適した
官能基を有するモノマーとしては、従来公知であるイオ
ン交換膜の製造において用いられるモノマーが特に制限
されず、例えばスチレン,ビニルトルエン,ビニルキシ
レン,α−メチルスチレン,アセナフチレン,ビニルナ
フタリン,α−ハロゲン化スチレン,α・β・β′−ト
リハロゲン化スチレン,クロルスチレンなどが挙げられ
る。特に陽イオン交換膜の場合には、α−ハロゲンビニ
ルスルホン酸、α・β・β′−ハロゲン化ビニルスルホ
ン酸,メタクリル酸,アクリル酸,スチレンスルホン
酸,ビニルスルホン酸,マレイン酸,イタコン酸,スチ
レンホスホニル酸,無水マレイン酸,ビニルリン酸な
ど、それらの塩類,エステル類などが用いられる。ま
た、陰イオン交換膜の場合には、ビニルピリジン,メチ
ルビニルピリジン,エチルビニルピリジン,ビニルピロ
リドン,ビニルカルバゾール,ビニルイミダゾール,ア
ミノスチレン,アルキルアミノスチレン,ジアルキルア
ミノスチレン,トリアルキルアミノスチレン,メチルビ
ニルケトン,クロルメチルスチレン,アクリル酸アミ
ド,アクリルアミド,オキシム,ビニルピロリドン,ス
チレン,ビニルスチレン,クロルメチルスチレンなどが
用いられる。
官能基を有するモノマーとしては、従来公知であるイオ
ン交換膜の製造において用いられるモノマーが特に制限
されず、例えばスチレン,ビニルトルエン,ビニルキシ
レン,α−メチルスチレン,アセナフチレン,ビニルナ
フタリン,α−ハロゲン化スチレン,α・β・β′−ト
リハロゲン化スチレン,クロルスチレンなどが挙げられ
る。特に陽イオン交換膜の場合には、α−ハロゲンビニ
ルスルホン酸、α・β・β′−ハロゲン化ビニルスルホ
ン酸,メタクリル酸,アクリル酸,スチレンスルホン
酸,ビニルスルホン酸,マレイン酸,イタコン酸,スチ
レンホスホニル酸,無水マレイン酸,ビニルリン酸な
ど、それらの塩類,エステル類などが用いられる。ま
た、陰イオン交換膜の場合には、ビニルピリジン,メチ
ルビニルピリジン,エチルビニルピリジン,ビニルピロ
リドン,ビニルカルバゾール,ビニルイミダゾール,ア
ミノスチレン,アルキルアミノスチレン,ジアルキルア
ミノスチレン,トリアルキルアミノスチレン,メチルビ
ニルケトン,クロルメチルスチレン,アクリル酸アミ
ド,アクリルアミド,オキシム,ビニルピロリドン,ス
チレン,ビニルスチレン,クロルメチルスチレンなどが
用いられる。
架橋剤としては、例えばm−,p−,o−ジビニルベン
ゼン,ジビニルスルホン,ブタジエン,クロロプレン,
イソブレン,トリビニルベンゼン類,ジビニルナフタリ
ン,ジアリルアミン,トリアリルアミン,ジビニルピリ
ジン類などのポリビニル化合物が用いられる。
ゼン,ジビニルスルホン,ブタジエン,クロロプレン,
イソブレン,トリビニルベンゼン類,ジビニルナフタリ
ン,ジアリルアミン,トリアリルアミン,ジビニルピリ
ジン類などのポリビニル化合物が用いられる。
上記したイオン交換基の導入に適した官能基を有するモ
ノマーであるモノビニル化合物および架橋剤であるポリ
ビニル化合物とともに、必要に応じて該ビニル化合物と
共重合可能なモノマーとして、例えばスチレン,アクリ
ロニトリル,エチルスチレン,ビニルクロライド,アク
ロレイン,メチルビニルケトン,無水マレイン酸,マレ
イン酸,その塩またはエステル類,イタコン酸,その塩
またはエステル類などが適宜用いられる。
ノマーであるモノビニル化合物および架橋剤であるポリ
ビニル化合物とともに、必要に応じて該ビニル化合物と
共重合可能なモノマーとして、例えばスチレン,アクリ
ロニトリル,エチルスチレン,ビニルクロライド,アク
ロレイン,メチルビニルケトン,無水マレイン酸,マレ
イン酸,その塩またはエステル類,イタコン酸,その塩
またはエステル類などが適宜用いられる。
重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイ
ド,クミルパーオキサイド,アゾイソブチロニトリルな
ど公知のラジカル重合触媒が用いられる。
ド,クミルパーオキサイド,アゾイソブチロニトリルな
ど公知のラジカル重合触媒が用いられる。
本発明においては、上記したイオン交換基の導入に適し
た官能基を有するモノマー、架橋剤および重合開始剤を
主たる成分とする混合物に、粒径が10μm以下である
球状のポリエチレン微粉体を添加して、ペースト状物を
調製することが極めて重要である。即ち、本発明によれ
ば、粒径が10μm以下である球状のポリエチレン微粉
体を用いることにより、所定のモノマー混合物に対して
一般に25〜200重量%の混合が可能であり、そして
補強材であるポリエチレン製の布状基材に均一に付着し
得る粘度および曳糸性を有するペースト状物を得ること
ができる。したがって、このような本発明のポリエチレ
ン微粉体を多量に含有したモノマーのペースト状物は、
ポリエチレン製の布状基材に均一に付着した後、重合に
より、ポリエチレン微粉体が海として、生成するイオン
交換樹脂部分が島として、いわゆる海島構造の組成を形
成し、その多量のポリエチレン微粉体により形成された
海構造の部分が、ポリエチレン製の基材と容易に熱融着
して、良好な接着性を示す。
た官能基を有するモノマー、架橋剤および重合開始剤を
主たる成分とする混合物に、粒径が10μm以下である
球状のポリエチレン微粉体を添加して、ペースト状物を
調製することが極めて重要である。即ち、本発明によれ
ば、粒径が10μm以下である球状のポリエチレン微粉
体を用いることにより、所定のモノマー混合物に対して
一般に25〜200重量%の混合が可能であり、そして
補強材であるポリエチレン製の布状基材に均一に付着し
得る粘度および曳糸性を有するペースト状物を得ること
ができる。したがって、このような本発明のポリエチレ
ン微粉体を多量に含有したモノマーのペースト状物は、
ポリエチレン製の布状基材に均一に付着した後、重合に
より、ポリエチレン微粉体が海として、生成するイオン
交換樹脂部分が島として、いわゆる海島構造の組成を形
成し、その多量のポリエチレン微粉体により形成された
海構造の部分が、ポリエチレン製の基材と容易に熱融着
して、良好な接着性を示す。
また、本発明においては、ポリエチレン微粉体が、粒径
10μm以下である球状の微粒でペースト状物のモノマ
ー中に存在するために、該ペースト状物を同種のポリエ
チレン製の基材に付着して重合する場合にも、融点降下
によって重合温度が適度に設定できる利点がある。しか
しながら、好ましくは粒径10μm以下である球状のポ
リエチレン微粉体は、補強基材のポリエチレンよりも融
点の低い方が、重合温度の選定が容易である。具体的に
は、例えばペースト状物の増粘剤として低密度のポリエ
チレン微粉体(融点105℃)、補強基材として高密度
のポリエチレン(融点130℃)を用いることが好まし
い。
10μm以下である球状の微粒でペースト状物のモノマ
ー中に存在するために、該ペースト状物を同種のポリエ
チレン製の基材に付着して重合する場合にも、融点降下
によって重合温度が適度に設定できる利点がある。しか
しながら、好ましくは粒径10μm以下である球状のポ
リエチレン微粉体は、補強基材のポリエチレンよりも融
点の低い方が、重合温度の選定が容易である。具体的に
は、例えばペースト状物の増粘剤として低密度のポリエ
チレン微粉体(融点105℃)、補強基材として高密度
のポリエチレン(融点130℃)を用いることが好まし
い。
なお、上記したペースト状物の調製において、機械的粉
砕による形状が不均一な(球状でない)ポリエチレン微
粉体を用いた場合には、布状基材に付着して均一性を得
るために要求される適度な粘度と曳糸性が得られない。
そのため、このような不均一なポリエチレン微粉体とと
もに、モノマーに可溶性のゴム類を添加することによ
り、ペースト状物に要求される粘度と曳糸性を調整する
こともできるが、該ポリエチレン微粉体のモノマーに対
する含有割合を25重量%にすることが困難である。し
たがって、このようなモノマーのペースト状物を基材に
付着した後、重合して得られるイオン交換膜では、ポリ
エチレン微粉体による海構造が形成されず、基材との熱
融着による良好な接着が得られない結果となる。
砕による形状が不均一な(球状でない)ポリエチレン微
粉体を用いた場合には、布状基材に付着して均一性を得
るために要求される適度な粘度と曳糸性が得られない。
そのため、このような不均一なポリエチレン微粉体とと
もに、モノマーに可溶性のゴム類を添加することによ
り、ペースト状物に要求される粘度と曳糸性を調整する
こともできるが、該ポリエチレン微粉体のモノマーに対
する含有割合を25重量%にすることが困難である。し
たがって、このようなモノマーのペースト状物を基材に
付着した後、重合して得られるイオン交換膜では、ポリ
エチレン微粉体による海構造が形成されず、基材との熱
融着による良好な接着が得られない結果となる。
本発明において、補強材であるポリエチレン製の布状基
材としては、一般に例えば平織,綾織,畳織などの織布
が用いられるが、そのほか不織布,網,多孔性シートな
ども用いることができる。このような織布の単糸は、モ
ノフイラメント,マルチフイラメントであってもよく、
また縦糸および横糸の密度は小さい方が得られるイオン
交換膜の電気抵抗を小さくできるが、糸ずれによる織の
保持が難かしいために、一般に10〜200メッシュが
好ましい。なお、メッシュの小さい織布は、単糸の交点
を部分融着するなどの工夫をすれば、10メッシュ以下
でもよく、例えば芯部分をポリプロピレンおよび鞘部分
をポリエチレンとする複合フイラメントにより、交点の
ポリエチレン部分を融着すれば、メッシュが小さい織布
の織を十分に保持して用いることができる。
材としては、一般に例えば平織,綾織,畳織などの織布
が用いられるが、そのほか不織布,網,多孔性シートな
ども用いることができる。このような織布の単糸は、モ
ノフイラメント,マルチフイラメントであってもよく、
また縦糸および横糸の密度は小さい方が得られるイオン
交換膜の電気抵抗を小さくできるが、糸ずれによる織の
保持が難かしいために、一般に10〜200メッシュが
好ましい。なお、メッシュの小さい織布は、単糸の交点
を部分融着するなどの工夫をすれば、10メッシュ以下
でもよく、例えば芯部分をポリプロピレンおよび鞘部分
をポリエチレンとする複合フイラメントにより、交点の
ポリエチレン部分を融着すれば、メッシュが小さい織布
の織を十分に保持して用いることができる。
本発明の調製したペースト状物を用いて、ポリエチレン
製の布状基材に付着した後、重合してイオン交換膜を得
る方法は、従来のペースト法によるイオン交換膜の製法
が特に制限なく採用される。このペースト状物を布状基
材に付着する方法は、例えば塗布または浸漬による手段
が一般的である。重合して得られる膜状高分子は、これ
を公知の例えばスルホン化,クロルスルホン化,クロロ
メチル化およびアミノ化,第4級アンモニウム塩素化,
第4級ピリジニウム塩素化,ホスホニウム化,スルホニ
ウム化,加水分解などの処理により所望のイオン交換基
を導入して、陽イオン交換膜または陰イオン交換膜とす
ることができる。
製の布状基材に付着した後、重合してイオン交換膜を得
る方法は、従来のペースト法によるイオン交換膜の製法
が特に制限なく採用される。このペースト状物を布状基
材に付着する方法は、例えば塗布または浸漬による手段
が一般的である。重合して得られる膜状高分子は、これ
を公知の例えばスルホン化,クロルスルホン化,クロロ
メチル化およびアミノ化,第4級アンモニウム塩素化,
第4級ピリジニウム塩素化,ホスホニウム化,スルホニ
ウム化,加水分解などの処理により所望のイオン交換基
を導入して、陽イオン交換膜または陰イオン交換膜とす
ることができる。
以上に説明したように、本発明は、従来のペースト法に
よるイオン交換膜の製造方法において、モノマーのペー
スト状物を調製する増粘剤として粒径が10μm以下で
ある球状のポリエチレン微粉体を用いるとともに、補強
材としてポリエチレン製の布状基材を用いることによ
り、該基材とイオン交換樹脂との接着性を良好にして、
特に高温および有機溶剤に対して優れた耐久性を有する
イオン交換膜を得るものである。
よるイオン交換膜の製造方法において、モノマーのペー
スト状物を調製する増粘剤として粒径が10μm以下で
ある球状のポリエチレン微粉体を用いるとともに、補強
材としてポリエチレン製の布状基材を用いることによ
り、該基材とイオン交換樹脂との接着性を良好にして、
特に高温および有機溶剤に対して優れた耐久性を有する
イオン交換膜を得るものである。
即ち、本発明により得られるイオン交換膜は、イオン交
換樹脂部に多量のポリエチレンが存在するとともに、補
強材がポリエチレン製の基材であるため、ポリ塩化ビニ
ル製のそれに比べて必然的に高温おび有機溶剤に耐久性
を有し、また該ポリエチレンの基材中にイオン交換樹脂
の含浸が防止されるため、イオン交換能に伴う高温にお
ける寸法変化が極めて小さい。さらに前記したように、
本発明の得られるイオン交換膜では、イオン交換樹脂部
分が均一な海・島構造の組成を形成するために寸法安定
性を有し、また該海構造を形成するポリエチレンが同物
質であるポリエチレン製の基材と熱融着によって良好な
接着性が達成される。したがって、本発明によれば、基
材などに何ら活性化処理を施すことなく、実質的に耐久
性に優れたイオン交換膜を得ることができる。
換樹脂部に多量のポリエチレンが存在するとともに、補
強材がポリエチレン製の基材であるため、ポリ塩化ビニ
ル製のそれに比べて必然的に高温おび有機溶剤に耐久性
を有し、また該ポリエチレンの基材中にイオン交換樹脂
の含浸が防止されるため、イオン交換能に伴う高温にお
ける寸法変化が極めて小さい。さらに前記したように、
本発明の得られるイオン交換膜では、イオン交換樹脂部
分が均一な海・島構造の組成を形成するために寸法安定
性を有し、また該海構造を形成するポリエチレンが同物
質であるポリエチレン製の基材と熱融着によって良好な
接着性が達成される。したがって、本発明によれば、基
材などに何ら活性化処理を施すことなく、実質的に耐久
性に優れたイオン交換膜を得ることができる。
以下、本発明を更に具体的に説明するため、実施例を示
すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 スチレン70重量部,ジビニルベンゼン10重量部,ベ
ンジルパーオキサイド1重量部,NBR1重量部および
平均粒径9μmである球状の低密度ポリエチレン微粉末
(商品名:ミクロセンFN−500)100重量部を加
えてペースト状物を得た。次いで、このペースト状物を
補強材とする高密度ポリエチレン製の200メッシュ織
布(商品名:ニップ強力網,NBC工業製)に塗布し、
ビニロンフイルムを剥離材として被覆した後、ペースト
法による重合を105℃,5時間行った。得られた膜状
高分子体を60℃,6時間で濃硫酸によりスルホン化し
て陽イオン交換膜を得た。この得られた陽イオン交換膜
の電気抵抗は、10Ω・cm2であった。
ンジルパーオキサイド1重量部,NBR1重量部および
平均粒径9μmである球状の低密度ポリエチレン微粉末
(商品名:ミクロセンFN−500)100重量部を加
えてペースト状物を得た。次いで、このペースト状物を
補強材とする高密度ポリエチレン製の200メッシュ織
布(商品名:ニップ強力網,NBC工業製)に塗布し、
ビニロンフイルムを剥離材として被覆した後、ペースト
法による重合を105℃,5時間行った。得られた膜状
高分子体を60℃,6時間で濃硫酸によりスルホン化し
て陽イオン交換膜を得た。この得られた陽イオン交換膜
の電気抵抗は、10Ω・cm2であった。
実施例2 クロルメチルスチレン70重量部,ジビニルベンゼン1
5重量部,ベンジルパーオキサイド2重量部およびNB
Rゴム2重量部に、融点110℃であり、平均粒径7μ
の球状である低密度ポリエチレン微粉末(商品名:フロ
ービーズLE−1080)70重量部を加えてペースト
状物を得た。次いで、このペースト状物を補強材である
高密度ポリエチレン製の100目の平織布(商品名:ニ
ップ強力網)に塗布し、テトロンフイルムを剥離剤とし
て被覆した後、105℃,8時間で重合した。
5重量部,ベンジルパーオキサイド2重量部およびNB
Rゴム2重量部に、融点110℃であり、平均粒径7μ
の球状である低密度ポリエチレン微粉末(商品名:フロ
ービーズLE−1080)70重量部を加えてペースト
状物を得た。次いで、このペースト状物を補強材である
高密度ポリエチレン製の100目の平織布(商品名:ニ
ップ強力網)に塗布し、テトロンフイルムを剥離剤とし
て被覆した後、105℃,8時間で重合した。
得られた膜状高分子重合体をトリメチルアミン10重量
%およびアセトン20重量%水溶液でアミノ化反応を行
い、陰イオン交換膜を得た。得られた陰イオン交換膜の
電気抵抗は、6.2Ω・cm2であった。
%およびアセトン20重量%水溶液でアミノ化反応を行
い、陰イオン交換膜を得た。得られた陰イオン交換膜の
電気抵抗は、6.2Ω・cm2であった。
実施例3 実施例1と2で得られたイオン交換膜について、それぞ
れ高温における性能変化および有機溶剤中での変化をテ
ストした。高温テストは、水中での煮沸および冷却をそ
れぞれ2時間,5回くり返し実施した。有機溶剤のテス
トは、ジオキサン50重量%の水溶液中に1週間浸漬し
て測定した。テスト評価は、0.N−NaC中の電気抵
抗の変化と拡散定数の変化で求めた。拡散定数(U)は、
4N−NaC/純水,25℃の条件で測定して、次式
により求めた。
れ高温における性能変化および有機溶剤中での変化をテ
ストした。高温テストは、水中での煮沸および冷却をそ
れぞれ2時間,5回くり返し実施した。有機溶剤のテス
トは、ジオキサン50重量%の水溶液中に1週間浸漬し
て測定した。テスト評価は、0.N−NaC中の電気抵
抗の変化と拡散定数の変化で求めた。拡散定数(U)は、
4N−NaC/純水,25℃の条件で測定して、次式
により求めた。
式中、 m:透過したNaC量(eq) S:膜面積(cm2) t:時間(hr) △C:濃度差(mo/) なお、比較のために、実施例1および2におけるポリエ
チレン微粉体とポリエチレン製の織布の代りに、ポリ塩
化ビニル微粉体とポリ塩化ビニル製の織布を用いて、製
造された市販のイオン交換膜であるネオセプタCH−4
5T(商品名:徳山曹達社製の陽イオン交換膜)とネオ
セプタACH−45T(商品名:徳山曹達社製の陰イオ
ン交換膜)を用いて同様テストした。
チレン微粉体とポリエチレン製の織布の代りに、ポリ塩
化ビニル微粉体とポリ塩化ビニル製の織布を用いて、製
造された市販のイオン交換膜であるネオセプタCH−4
5T(商品名:徳山曹達社製の陽イオン交換膜)とネオ
セプタACH−45T(商品名:徳山曹達社製の陰イオ
ン交換膜)を用いて同様テストした。
それらのテスト結果を併せて第1表に示す。
Claims (1)
- 【請求項1】イオン交換基の導入に適した官能基を有す
るモノマー、架橋剤および重合開始剤を主たる成分とす
る混合物に粒径が10μm以下であるポリエチレン微粉
体を含有させたペースト状物を、ポリエチレン製の布状
基材に付着して重合した後、イオン交換基を導入するこ
とを特徴とするイオン交換膜の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1292378A JPH0637568B2 (ja) | 1989-11-13 | 1989-11-13 | イオン交換膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1292378A JPH0637568B2 (ja) | 1989-11-13 | 1989-11-13 | イオン交換膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03153740A JPH03153740A (ja) | 1991-07-01 |
JPH0637568B2 true JPH0637568B2 (ja) | 1994-05-18 |
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ID=17781022
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP1292378A Expired - Fee Related JPH0637568B2 (ja) | 1989-11-13 | 1989-11-13 | イオン交換膜の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JPH0637568B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP4119601A4 (en) | 2020-03-27 | 2023-08-30 | Astom Corporation | ANION EXCHANGE MEMBRANE AND METHOD FOR THE PRODUCTION |
-
1989
- 1989-11-13 JP JP1292378A patent/JPH0637568B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6302151B1 (ja) * | 2016-09-06 | 2018-03-28 | 株式会社アストム | イオン交換膜 |
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US11511237B2 (en) | 2016-09-06 | 2022-11-29 | Astom Corporation | Ion-exchange membrane |
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Publication number | Publication date |
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JPH03153740A (ja) | 1991-07-01 |
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