JPH0637431U - 屋根板移動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工場やスーパーなどの建設工事現場の梁上な
どに於いて、Ｖ字状など、予め成形された大形の屋根板
を所定位置まで容易に移動させ、葺き上げ作業の安全性
と作業能率の向上を図る。 【構成】 屋根板をほぼワンタッチで把持できる掴持具
と、掴持具を懸架してガイドレール上を走行する走行ク
レーン、および門形フレームから構成し、それらを工事
現場で適宜組立て、使用出来るようにした事を特徴とし
ている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

Ｖ字状や波形状などの形状に成形した長尺の鋼板製屋根板を、工場やスーパー などの建設工事現場の梁上などに於いて、所定位置に移動させる移動装置に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

Ｖ字状や波形状など、鋼板製の屋根板は工場などで成形され、建設現場に送ら れてくるものが多いが、５０ｍ達する様な大形のものになると、建設現場に成形 機を持ち込んで成形する。成形されたそれらの屋根板は、数枚づつ重ね合わせて 一括し、クレーンを用いて梁などの上に揚げ、一定間隔で置いて行く。重ね合わ せたまま置かれた屋根板は、再度クレーンを用いるか、或いは多数の人手を頼り に１枚づつ移動させ、所定の位置に置いて固定していた。このクレーンによる移 動では、屋根板の形状に見合った適切な形状の保持具が無く、成形された屋根板 １枚毎にロープを結び、クレーンのフックにロープを掛けて移動させていた。ま た、多数の人手による移動では、１人／１ｍ程度の人手を要し、足場の悪い屋根 上では極めて危険な作業であった。一方、近年の屋根板の裏面には、グラスウー ルなどの断熱材が貼られていて、人手による移動では、それら断熱材の損傷が目 立ち、クレーンによる場合もロープを結ぶ迄に人手を要し、加えて、屋根板葺き 工事だけのために、長時間にわたってクレーン車を占有の許されない事が多かっ た。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

重ね合わせた屋根板から１枚の屋根板を選択的に持ち上げ、所定位置まで容易 に移動させる事の出来る屋根板移動装置を提供する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

屋根板をほぼワンタッチで把持出来る掴持具と、屋根板を把持した掴持具を引 き上げ、ガイドレール上を走行する走行クレーン、およびガイドレールを形成す る門形フレームから構成し、それらを工事現場で適宜組立て、使用出来るように して解決した。

【０００５】

【実施例】

図１〜図４は本考案による実施の一例で、図１は掴持具の概形を示す斜視図、 図２はＶ字状の屋根板を把持したときの状態を示す断面図である。図に於いて、 掴持具は、屋根板を挾持するＵ字状の挾持枠１・１'、連結桿２、フック３、およ び左右の挾持枠１・１'間に緩挿する緊締枠４から構成されている。５はＶ字状の 屋根板、６・６'は屋根板のエッジ部分である。

【０００６】 図３は走行クレーンを形成するランナーの斜視図で、角形パイプやＩ形鋼など によるガイドレールを挿通させ、該ガイドレールに従って、走行出来るようにな っている。７は滑車、８はフックで、ホイストを介して掴持具を懸装出来るよう になっている。図４は施工例を示す斜視図で、門形フレームの一方の支柱９が梁 上に、他方の支柱９' が屋根板上にある時の状態で示してある。１０はガイドレ ールで、ボルトによって支柱９・９'に螺着されている。

【０００７】

【作用】

掴持具と走行クレーン、および門形フレームは解体・組立てが容易なので、屋 根板移動装置自体の移動が極めて容易であり、移動後直ちに作業に取りかかる事 が出来る。積み重ねられた屋根板は、その１枚１枚の間隔が４〜８cm程度あり、 １mm程度の厚さなので、図２に示す如く、左右の挾持枠間に挿入させるのは極め て容易である。しかし、この状態で掴持具を持ち上げると、屋根板は左右両端を 内側にして湾曲し、掴持具から脱落してしまう。これを避けるため、屋根板の長 さ方向に沿って、図４に見られる如く、左右の挾持枠間に緊締枠４を挿入すると 、掴持具を持ち上げたとき、屋根板は挾持枠と緊締枠との間に挾まれ、緊締され て、脱落しなくなる。

【０００８】

【考案の効果】

試作の屋根板移動装置を試験的に試用し、次の効果を確認した。 クレーン車を用いた葺き上げ作業よりも作業がし易く、効率的、且つより安 価に作業を完了させる事が出来る。 多数の屋根板移動装置を用意すれば、複数箇所から同時に作業し始める事が 出来、短時日に作業を終了して、風雨などによる作業途上の損害を未然に防ぐ事 が出来る。 人手だけによる作業の１／１０の作業員で作業する事が出来、且つ１／２程 度の作業時間で、作業を完了させる事が出来る。 作業員を重労働から解放し、転落などによる事故を未然に防止する事が出来 る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る実施例で、屋根板移動装置を構成
する屋根板掴持具の一例を示す斜視図である。

【図２】掴持具で、Ｖ字状の屋根板を把持したときの状
態を示す断面図である。

【図３】走行クレーンを形成するランナーの斜視図であ
る。

【図４】施工例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１・１' 挾持枠 ２ 連結桿 ３ フック ４ 緊締枠 ５ Ｖ字状の屋根板 ６・６' 屋根板のエッジ部分 ７ 滑車 ８ フック ９・９' 支柱 １０ ガイドレール

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 解体・組立てが自在な門形フレームのガ
   イドレールにランナーを押動自在に取設し、ホイストを
   介して、挾持枠と緊締枠を有する掴持具を懸装してなる
   屋根板移動装置。
2. 【請求項２】 左右の挾持枠を連結桿で連結して固着
   し、その中央にフックを取着して、該挾持枠間に緊締枠
   を緩挿させてなる請求項１記載の掴持具。