JPH0637231U - ホイール反転移載装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンベヤ上を移送されるホイールを、高さの
異なるコンベヤ上に移載する装置であって、コンベヤの
破損、ホイールの傷つきが発生せず、しかもホイール移
載時における騒音の発生を防止する。 【構成】 フレーム２に設けられた一方の開口部の両側
部に配置されたガイドレール３に、移動ラック４を摺動
可能に配置し、上記開口部と反対側に設けられた他方の
開口部の両側部に、上記移動ラック４と対向して固定ラ
ック５を配置し、上記開口部間に、上記両ラックに噛み
合うピニオン７を備えた反転ボックス６を回転可能に配
置し、さらに上記移動ラック４をスプロケット12を介し
て上下に駆動する駆動手段を配置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ホイールの搬送工程において、高さの異なるコンベヤに、ホイール を反転させながら移載するホイール反転移載装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

工程間のホイールの搬送にコンベヤを使用しているホイール製造ラインでは、 必要に応じて搬送途中のコンベヤに段差を設けて作業高さを調整している。 また、ディスク表面を下向きにして溶接したホイールを、ディスク表面を上向 きにしたい場合、或いは、逆にホイールの検査等のために、ディスク表面が上向 きのホイールを、ディスク表面を下向きにしたい場合には、ホイールを反転させ ている。

【０００３】 従来、高さの異なるコンベヤ上へホイールを反転させながら移載する方法とし ては、図３に示すように、ホイールの排出側が開放された略Ｌ字状の枠体18と、 上記枠体18の下面に、開放された側で、かつ下方に向け配置された傾斜プレート 17とから形成されたホイール受け15と、上記ホイール受け15の開放された側に垂 直に配置されたガイド板16とにより移載装置を構成し、搬入側コンベヤ13上を送 られてきたホイールを上記移載装置のホイール受け15に落し込み、上記ホイール 受け15をガイド板16に沿って所定の位置まで上昇させる。ホイールはガイド板16 から外れることにより、ホイール受け15の下面に配置された傾斜プレート17によ って倒れて反転し、出口側に配置された搬出側コンベヤ14に移載されていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の技術では、入口側のコンベヤ13からコンベヤ13の下方に位置するホ イール受け15にホイールを落し込むため、ホイールやホイール受け15、ガイド板 16或いは、傾斜プレート17が傷ついたり、破損し易く、しかも出口側のコンベヤ 14上にホイールを倒して移載するため、コンベヤが破損したり、ホイールに傷が つくという問題点があった。更に、騒音も大きく、作業環境が劣悪となるという 問題点があった。

【０００５】 本考案は上記問題点を除去するためになされたものであり、騒音を低く抑えて 作業環境を良好にすると共に、ホイールや各装置に傷をつけず、限られたスペー スの中でホイールの搬送される高さを変えると同時に、ホイールの反転を行うホ イール反転移載装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ホイール搬送途中で高さの異なるコンベヤ上に、ホイールを反転さ せて移載する移載装置において、少なくともホイールが送り込まれるホイール送 入用開口部と、上記ホイール送入用開口部の反対側にホイールが送り出されるホ イール排出用開口部を有するフレームと、上記フレームの一方の開口部の両側部 に、摺動面がホイールの移送方向に向けて配置されたガイドレールと、上記ガイ ドレールに摺動可能に配置された移動ラックと、前記フレームの他方の開口部の 両側部に、上記移動ラックと対向して配置された固定ラックと、上記移動ラック と固定ラックに噛み合うピニオンを両側部に有し、かつホイールが送り込まれる 送入口とホイールの落下を防止するストッパーを有すると共に、上下面に回転可 能に配置された複数本のローラーを有する反転ボックスと、上記ガイドレールに 取付けた移動ラックに噛み合うスプロケットを装着した駆動手段とから構成され 、上記反転ボックスが一定の傾斜をもってピニオンを介してラックに回転可能に 配置したホイール反転移載装置を提供するものである。

【０００７】

【作用】

ホイールがホイール反転移載装置の送入用開口部側に配置されたコンベヤから 反転ボックスに送られ、反転ボックス内に配置されたローラー上をころがり込む と、駆動モーターが動き、駆動モーターに連結されたギヤボックスに装着したス プロケットが回転し、上記スプロケットと噛み合ってガイドレールに配置された 移動ラックが上昇を始める。上記移動ラックの上昇に伴い、移動ラックと噛み合 う反転ボックスに固着したピニオンが、固定ラックに沿って回転しながら上方へ 移動し、同時に反転ボックスは半回転する。このようにして半回転した反転ボッ クスは排出用開口部側に配置されたコンベヤの高さに達し、反転ボックス内のホ イールは反転ボックスの回転により、天地が逆となり、反転ボックスから排出側 のコンベヤ上にころがり出る。反転ボックス内が空になると駆動モーターが逆回 転し、反転ボックスが上記と逆方向に半回転すると共に下降して元の位置に戻り 、次のホイールがころがり込むまで待機する。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

【０００９】 図１に示すように、フレーム２は４本の柱から形成されている。上記フレーム ２の四面は開放されており、ホイールが送り込まれるホイール入口側には、ホイ ール送入用開口部が形成され、上記ホイール送入用開口部の対面側の上方で、ホ イールが送り出されるホイール出口側には、ホイール排出用開口部が形成されて いる。なお、上記夫々の開口部はフレーム２の全面を開放して形成したが、各面 を覆い、必要な部分に形成することも可能である。

【００１０】 上記フレーム２のホイール送入用開口部の両側部には、ガイドレール３が上下 方向に配置されると共に、その摺動面がホイールの送入方向に向けられて固着さ れている。 また、上記ガイドレール３には、所要の長さを有する移動ラック４が上下方向 に摺動可能に取付けられている。

【００１１】 前記フレーム２のホイール排出用開口部の両側部には、上記移動ラック４と対 向して固定ラック５が固定配置されている。上記固定ラック５は移動ラック４よ り上方で、かつ下部が移動ラック４の最下位置における上部と互いに向い合うよ うに配置される。

【００１２】 さらに、前記フレーム２内には反転ボックス６が移動ラック４と固定ラック５ とにより上下移動可能に配置されている。上記反転ボックス６は一方にホイール を送り込む送入口と、その反対側にホイールの落下を防止するストッパー９を有 し、かつ上下面にホイールを搬入、搬出する複数本のローラー８を夫々回転可能 に軸支しており、また、両側面にピニオン７を固着している。

【００１３】 上記ピニオン７は前記移動ラック４と固定ラック５に夫々噛み合うよう配置さ れ、反転ボックス６はフレーム２にピニオン７を介して回転可能に支持される。 なお、反転ボックス６は最下位置において、図２に示すように、搬入側コンベ ヤ13の傾斜角度θと略同じ角度をもって配置される。

【００１４】 フレーム２の反転ボックス６の下方には、駆動手段としてＰＳモーター10とカ ップリングを介して連結されたギヤボックス11が配置され、上記ギヤボックス11 の出力軸に設けられたスプロケット12を介して移動ラック４を上下に駆動するよ うにしてホイール反転移載装置１を構成する。

【００１５】 なお、上記実施例において、駆動手段としてＰＳモーターを用いたが、正逆回 転可能なモーターを用いればよく、また、ギヤボックスを用いて一方の移動ラッ ク４を駆動したが、出力軸が２軸のものを用い、左右に配置された両方の移動ラ ック４を同時に駆動するか、或いは、ギヤボックスに替え、減速機を用いること も可能である。

【００１６】 さらに、搬入側コンベヤ及び搬出側コンベヤの傾斜角度θは５度〜８度位いと するのが好ましいが、３度〜１５度程度とすることができ、３度より小さいとホ イールが自重で移動せず、また１５度より大きいとホイールの移動速度が大きく なり危険である。

【００１７】 また、上記移動ラック４の移動範囲はガイドレール３の上下部に設けたリミッ トスイッチ（図示せず）や近接センサー或いはフレーム２に配置した光電センサ ー（図示せず）等のセンサーにより、移動ラック４の上下位置を検出し、検出さ れた信号を駆動手段に入力信号として送り、この信号によりモーターを停止した り、駆動経路を断つことにより決められる。さらに、駆動手段の正逆運転は搬入 側コンベヤ、搬出側コンベヤ或いは反転ボックス６の上下に上記各種センサーを 配置することにより、駆動手段に信号を送り、この信号により運転、停止を行う ものである。

【００１８】 次に、上記のように構成されたホイール反転移載装置１の作用について説明す る。

【００１９】 図１及び図２に示すように、５度の傾斜θを設けた搬入側コンベヤ13上を移動 するホイールＷが５度の傾斜θをもって配した反転ボックス６内にころがり込み 、ストッパー９に当って止まると、ホイールの通過を検知してＰＳモーター10が 回転し、ＰＳモーター10に連結されたギヤボックス11に装着したスプロケット12 が回転する。

【００２０】 スプロケット12と噛み合うガイドレール３に配置した移動ラック４が上昇し、 上記移動ラック４と噛み合う反転ボックス６の両側部に固着したピニオン７が固 定ラック５との間で回転し、ピニオン７と共回りする反転ボックス６が回転しな がら上昇する。そして、上記反転ボックス６は半回転しながら搬出側コンベヤ14 の高さに達して止まる。

【００２１】 上記反転ボックス６の半回転によって天地逆となったホイールＷは反転ボック ス６のローラー８上を転がり、反転ボックス６からころがり出て５度の傾斜θを 設けた搬出側コンベヤ14に移載される。

【００２２】 ホイールＷがころがり出て、反転ボックス６内が空になったを検知すると、Ｐ Ｓモーター10が逆回転し、反転ボックス６が逆方向に半回転すると共に下降して 元の位置に戻り、次のホイールＷがころがり込むまで待機する。

【００２３】 尚、上記実施例では低いところから高いところへの反転移載を示したが、高い ところから低いところへの反転移載も可能である。

【００２４】

【考案の効果】

本考案は上記構成としたことにより、ホイールは落し込んだり、倒したりせず にスムーズに反転ボックスに出し入れできるため、コンベヤの破損やホイールの 傷つきを防止でき、騒音を低く抑えて、限られたスペースの中でホイールの移送 高さを変えることができると同時に、ホイールの反転移載が可能であるという優 れた実用的効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のホイール反転移載装置の一実施例を示
す側面図である。

【図２】本考案のホイール反転移載装置の作用を示す説
明図である。

【図３】従来例を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ホイール反転移載装置 ２ フレーム ３ ガイドレール ４ 移動ラック ５ 固定ラック ６ 反転ボックス ７ ピニオン ８ ローラー ９ ストッパー 10 ＰＳモーター 11 ギヤボックス 12 スプロケット 13 搬入側コンベヤ 14 搬出側コンベヤ 15 ホイール受け 16 ガイド板 17 傾斜プレート 18 枠体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホイール搬送途中で高さの異なるコンベ
   ヤ上に、ホイールを反転させて移載する移載装置におい
   て、少なくともホイールが送り込まれるホイール送入用
   開口部と、上記ホイール送入用開口部の反対側にホイー
   ルが送り出されるホイール排出用開口部を有するフレー
   ムと、上記フレームの一方の開口部の両側部に、摺動面
   がホイールの移送方向に向けて配置されたガイドレール
   と、上記ガイドレールに摺動可能に取付けられた移動ラ
   ックと、前記フレームの他方の開口部の両側部に、上記
   移動ラックと対向して配置された固定ラックと、上記移
   動ラックと固定ラックに噛み合うピニオンを両側に有
   し、かつホイールが送り込まれる送入口とホイールの落
   下を防止するストッパーを有すると共に、上下面に回転
   可能に配置された複数本のローラーを有する反転ボック
   スと、上記ガイドレールに取付けた移動ラックに噛み合
   うスプロケットを装着した駆動手段とから構成され、上
   記反転ボックスが一定の傾斜をもってピニオンを介して
   ラックに回転可能に配置されたことを特徴とするホイー
   ル反転移載装置。