JPH0636999B2 - ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ

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JPH0636999B2
JPH0636999B2 JP2191454A JP19145490A JPH0636999B2 JP H0636999 B2 JPH0636999 B2 JP H0636999B2 JP 2191454 A JP2191454 A JP 2191454A JP 19145490 A JP19145490 A JP 19145490A JP H0636999 B2 JPH0636999 B2 JP H0636999B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、TiOをフラックスの主成分とするガスシ
ールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関するもの
であって、特に狭開先溶接線に対する立向下進溶接のよ
うな非常に不安定な溶接環境に対しても十分安定した溶
接ビードを形成し、且つ溶着部の耐割れ性を改善するガ
スシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに係るも
のである。
(従来の技術) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに充填
されるフラックスとしては各種の成分系のものがある
が、中でもTiOをフラックスの主成分とするいわゆ
るルチール系フラックス入りワイヤは、CO雰囲気下
でもアークが安定なためスパッタ発生量が少なく、優れ
たビード形状を与える等の多くの利点を有していること
からあらゆる溶接姿勢への適用が可能であるとされてお
り、軟鋼や50キロ級高張力鋼の溶接を主体とする全姿勢
溶接に汎用されている。しかしながら垂直溶接線を溶接
するに当たっては立向下進溶接が能率的であり、フラッ
クス入りワイヤを使用するガスシールドアーク溶接にお
いても溶接環境の厳しさを克服して立向下進溶接を適用
することが望まれており、隅肉溶接を中心に実施されて
いる。
しかるに板継ぎのような狭開先溶接線の立向下進溶接は
その溶接環境がいっそう過酷である為、前記TiO
主成分とするいわゆるルチール系のような全姿勢用ワイ
ヤ使用しても、満足し得る結果を得ることができていな
かった最大の理由は、溶接中に溶融スラグが垂れ下がり
クレータに先行して覆い被されるというような現象が発
生し、アークが不安定になるだけでなく、スラグの巻き
込みや溶接割れ等溶接欠陥の発生が多くなり、それを補
修して健全な溶接部にしようとすれば多大の労力、時間
が必要となる。従って実用規模での実施が望まれている
にもかかわらず、狭開先溶接線のガスシールドアーク溶
接による立向下進溶接は実現されていないのが実情であ
る。
このような欠点を解消するために業界では種々の検討が
なされている。例えば特開昭57-72795号公報や、特開昭
61-132296号公報記載の技術などが知られている。すな
わち、前者には、フラックス率および充填フラックスの
スラグ剤、脱酸剤の添加量の範囲を規定することによ
り、立向下進溶接において充分なのど厚を有する溶接ビ
ードが安定した作業性向上を達成したことが開示され、
また後者には、TiO量とスラグ形成剤総量の比率お
よび炭素、Mn,Si量の添加量の範囲を規定すること
により、狭開先の立向下進溶接を含むあらゆる姿勢溶接
においても機械的性質のレベルアップが図られたことが
開示されている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、こうした事情に着目してなされたものであっ
て、上記狭開先溶接線の立向下進溶接を含むあらゆる姿
勢溶接においても作業性が良好であり、しかも耐割れ性
を向上することのできるガスシールドアーク溶接用フラ
ックス入りワイヤを提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 以上のような状況から、本発明者らは狭開先溶接線に対
する立向下進溶接のような非常に不安定な溶接環境に対
しても十分安定した溶接ビードを形成し、且つ溶接部の
耐割れ性改善について主としてルチールの種類の面から
鋭意研究を進めてきた。その結果、使用するルチールの
種類を限定することにより、狭開先等のシビアな条件下
においても作業性が良好であり、しかも耐割れ性を向上
させることを見出したものである。
すなわち本発明は、鋼製外皮中にルチールを主成分とす
るフラックスを充填してなるガスシールドアーク溶接用
フラックス入りワイヤにおいて、ルチール中に含まれる
SiOを1.0%以下、Bを0.10%以下としたル
チールをワイヤ全重量に対して3.5%〜6.0%含有するこ
とを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入
りワイヤを要旨とするものである。
(作 用) 以下に本発明ガスシールドアーク溶接用フラックス入り
ワイヤを上記構成とした理由につき詳細に説明する。
本発明者らは第1表に示す種類の異なるルチールを使用
した。そして第2表に示すフラックス成分を基本とし
て、ルチールをワイヤや全重量に対して5.3%添加し、
フラックス充填率12.0%で第1図(a)に示す断面形状の
1.2mmφフラックス入りワイヤを試作した。得られたそ
れぞれの試作ワイヤを用いて第3表に示す溶接条件のも
とで、第2図(a),(b)に示す形状の試験板で狭開先溶接
線の立向下進溶接を行い、アークの安定性、スラグの垂
れ状況と割れ率の関係を調査した。溶接は2層2パス溶
接で行なった。
その結果、第4表に示すとおり、狭開先溶接線に対する
立向下進溶接のような不安定な溶接環境に対しても十分
安定した溶接ビードを形成し、溶着部の耐割れ性を確保
するには、ルチールの種類が最も大きく影響することを
見出した。
特にルチール中に含まれるSiOを1.0%以下、B
を0.10%以下としたのは第4表から明白なとおり、
アーク状態が安定し、スラグ垂れ落ちが極めて少なく、
安定した溶接ビードを形成し溶着部の耐割れ性が向上す
るためである。すなわち充填フラックスの主成分である
ルチールの種を規定することにより、立向下進溶接にお
いて安定したアークが維持され、スラグの凝固速度と表
面張力を高め、融合不良やスラグの介在物が著しく減少
し、健全なる溶着部の耐割れ性が向上したと考えられ
る。
ルチール中のSiOが1.0%を超える場合において
は、下進溶接において安定したアークが持続せず良好な
ビード形成が得られなくなると共に量産試作における伸
線加工時に問題が認められた。またルチール中のB
が0.10%を超える場合においては、第3図に示すよう
に溶接割れの発生率が急激に上昇した。
更に前記ルチールの種類と添加量の関係を詳細に調査す
るために、第1表に示すルチール中のSiOが1.0%
以下もの、Bが0.10%以下のルチールのものを用
い、配合比率を変えて、フラックス充填率12.0%で第1
図の(a)に示す断面形状の1.2mmφのフラックス入りワイ
ヤを試作し前記と同様の試験を行った結果、ルチール中
のSiOが1.0%以下で、Bが0.10%以下で、
配合比率がワイヤ全重量に対して3.5%〜6.0%であれば
良好な結果が得られることを確認することができた。
すなわち、ルチールをワイヤ全重量に対して3.5%未満
の添加では、アークの安定効果が充分発揮されないため
立向下進溶接において安定したアークが持続せず良好な
溶接を持続することができない欠点がある。6.0%を超
えて添加するとアークは安定であるがスラグの粘性が低
下しすぎるため、下進溶接ではスラグが先行、落下し、
ビード保持効果を失ない溶接ビードを開先内に留めるこ
とが不可能となる。
以上のような理由により、本発明におけるルチールの種
類および添加量の範囲を前記のように定めたものであ
る。
また、前記フラックス組成として使用されるルチール以
外の充填フラックスとしては、 アーク安定剤として NaO,KO,KTiO,KSIF,Na
F,MgF スラグ形成剤として TiO,SiO,ZrO,MgO,Al
Fe,FeO 脱酸剤として Mn,Al,Mg,Ti,Zr 合金剤として Ni,Mo,Cr 等を任意に添加する。
また、使用する外皮金属としては通常軟鋼をもちいる
が、特に外皮組成重量%でOを0.02%以下、Cを0.08%
以下にすることによりさらにアークの安定性を改善する
ことが可能となる。
(実施例) 本発明の効果を実施例によって更に具体的に説明する。
第6表には第1表に示す種類の異なるルチールと他のフ
ラックス成分との組合せにより、フラックスを充填し、
第1図の(b)に示す断面形状1.2mmφのフラックス入りワ
イヤNo.1〜No.21を試作した。
これらの試作ワイヤを用いて表5に示す溶接条件のもと
で第2図に示す試験板で狭開先溶接線の立向下進溶接を
行いアークの安定性、スラグ、メタルの垂れ性、耐割れ
性、および総合評価を示す。
No.1〜No.11は本発明に係る最も好ましい本発明例を示
したものであり、アークの安定性、スラグ、メタルの垂
れ性、耐割れ性とも良好であった。
No.12〜No.21は比較例を示すもので、No.12,No.13はル
チール中に含まれるSiOおよびBは本発明の
規定を充足するが、いずれもルチール量が上限を超えて
いるため、アークの安定は良好であるがスラグが先行
し、溶接ビードを開先内に留めることが不可能な結果と
なって耐割れ性が劣る。
No.14はルチール中のSiO成分が本発明例を外れる
比較例で耐割れ性は良好であるがアークの安定性、スラ
グの垂れ性でやや劣る。
No.15〜No.18はルチール中のSiOおよびB
分が本発明例を外れる比較例であり、No.15はアークの
安定、スラグの垂れ性でやや劣る。No.16,No.17,No.1
8はアークの安定性、スラグの垂れ性、耐割れ性のいず
れも極めて劣る例である。
No.19はルチール中のB成分が本発明を外れる比
較例であり、アークの安定性、スラグの垂れ性ともやや
劣る。
No.20,No.21はルチール中のSiOおよびB
有量は本発明の規定を充足するがNo.20はルチール量が
少ないため耐割れ性は良好であるが、立向下進溶接で安
定したアークが持続せず実用的でない。
No.21はルチール含有量が多いため、アークは安定し、
スパッタ量は極めて少なくなるがスラグが先行、落下し
耐割れ性が不良である。
(発明の効果) 以上説明したように本発明のフラックス入りワイヤを用
いてガスシールドアーク溶接を行うことにより、狭開先
等のシビアな条件下においても作業性が良好で、しかも
溶着部の耐割れ性を向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は本発明のガスシールドアーク溶接用フ
ラックス入りワイヤの形状を示す断面図、第2図は開先
形状を示す説明図であって(a)は正面斜視図、(b)は側面
図であり、第3図はルチール中に含有するB量と
割れ率の関係を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼製外皮中にルチールを主成分とするフラ
    ックスを充填してなるガスシールドアーク溶接用フラッ
    クス入りワイヤにおいて、ルチール中に含まれるSiO
    を1.0%以下、Bを0.10%以下としたルチール
    をワイヤ全重量に対して3.5%〜6.0%含有することを特
    徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイ
    ヤ。
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