JPH0636497U - 便器蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 糞尿臭の排出機能を有する便器蓋を提供す
る。 【構成】 便器の開口部を覆う形状を有する便器蓋１の
下面全面に、複数の排気用吸引孔６を穿設した合成樹脂
製板体４を張設して便器蓋１と板体４間に排気用空間５
を形成し、便器蓋１には排気管７を連設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は便器蓋に関し、特に、排臭機能を有する便器蓋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

便所は、狭い限られた空間であるため、そこで発生した不快な糞尿臭はこもり がちである。自己の臭気はあまり意識しないものであるが、他人の糞尿臭は非常 に不愉快なものである。 近年、一戸建て住宅、集合住宅等は建物全体の気密性がよく、このため便所内 で発生した糞尿臭が他の室内に漏れることがないよう、換気が行われている。

【０００３】 一般的には、便所の天井と外壁間に排気管を設置し、排気管には換気扇を設け 、換気扇を回すことによって便所内の換気および排臭作業をおこなっている。 まこ、ごく一部では水洗便器の水洗用給水孔を排気孔として使用し、給水孔を 通して排臭している。 更に、便所内に芳香剤を設置し、この香りによって悪臭を脱臭することが行わ れている。 更にまた、便器の側面に脱臭機器を取り付け、用便中に排臭するものが提供さ れている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

換気扇による排臭は、空気の数倍の比重を有する臭気主成分を、便器から離れ た場所で吸引、排気することに無理があり、便器内には悪臭がこもり、短時間で の排出はできないものであった。従って、後続の使用者の不快感をなくすには不 十分なものであった。

【０００５】 給水孔を通して排出する場合には、水洗給水時には排気フアンを停止しないと 、給水管内の減圧により給水孔からの給水が弱くなり、洗浄能力が低下する不便 があった。特に、用便後、直ちに便器蓋を閉じた場合、便所内の排気効率が急激 に低下し、短時間内の後続使用時に悪臭が残りがちである。

【０００６】 芳香剤による場合には、便所内に入った時、芳香剤特有の良い香りがするが、 用便後、便所内には芳香剤と糞尿臭とが混ざり合った臭いがし、脱臭効率が悪く 、次の使用者には不快感を与えるものである。

【０００７】 便器に設置した脱臭機器の場合、既設の便器に簡単に取り付けられる利点があ るが、高価な点および男性の小便がかかって不潔である、という問題点を有して いた。

【０００８】 図４は従来の洋式便器を示すものであり、、陶製便器Ａの楕円形状上縁部Ｂに 、上縁部Ｂと同形状とした便座Ｃが設置される。この便座Ｃは、後方の基部を便 器Ａに回動可能に軸で連結し、便座Ｃの下面数カ所に突設したスペーサーＤによ って便器Ａの上縁部Ｂに水平状に載るようになっている。

【０００９】 更に、便座Ｃの上方には、便器Ａの開口部を覆うことのできる形状をした便器 蓋Ｅが、その下面数カ所に突設した突起体Ｆを介して載せられる。この便器蓋Ｅ も後方の基部が便器Ａに回動可能に連結してあり、常態では便器Ａを閉じており 、使用の都度、蓋Ｅを開くようになっている。

【００１０】 従って、便器蓋Ｅは、単に、便器Ａを閉じるか開くかの機能しか有しないもの である。 本考案は、上記する従来の便所内の換気や脱臭手段および便器の構造等に鑑み 、悪臭源に最も近い箇所で排臭を行うよう、排臭機能を有する便器蓋を提供する ことを目的とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために本考案は、便器蓋１の下面全面に、複数の排気用 吸引孔６を穿設した合成樹脂製板体４を張設して便器蓋１と板体４間に排気用空 間５を形成し、便器蓋１には排気管７を連設してある。 また、本考案は、便器蓋１の平面部９に複数の排気用吸引孔１０を穿設すると ともに平面部９上には、全ての吸引孔１０を覆う吸引ホッパー１１を設置し、ホ ッパー１１には排気管７を接続してある。

【００１２】

【実施例】

以下、図面に従って本考案便器蓋について説明する。 図１は本考案便器蓋を示すものであり、この便器蓋１は、便座２の楕円形状に そって下面数カ所に突設した突起体３により便座２上に載り、便器の開口面全体 を覆うことは従来と同様である。本考案便器蓋１においては、便器蓋１自体に排 気構造を設けたことを特徴とする。

【００１３】 次に、図２に従って本考案便器蓋の一実施例について説明する。 図２は、図１のＡ−Ａ線にそった便器蓋１の断面であり、便器蓋１の下面全面 に合成樹脂製板体４を張設し、便器蓋１と板体４との間に排気用空間５を形成す る。 板体４の全面には整列状態であるいはランダム状態で排気用の吸引孔６を複数 穿設し、便器蓋１の適当箇所には排気管７を連設しておく。この排気管７は、直 接、外壁に接続して排気フアン（図示せず）を設けるか、便所用の既設の換気扇 に接続しておく。

【００１４】 上記の構成において、便所の使用中、便器蓋１は開いて便座２に腰掛けた使用 者の背後に立てられた状態であるが、用便中、排気フアンあるいは換気扇を作動 させておけば、糞尿等の悪臭は板体４に形成した複数の吸引孔６から空間５内に 吸引され、更に、排気管７を通して外部に排出されることになる。各吸引孔６は 、悪臭の発生源に最も近いので、悪臭は直接外部に排気可能である。

【００１５】 尚、便器蓋１は便器に対して回動可能であるから、少なくとも回動可能な範囲 内で、排気管７はフレキシブル状としておくと便利である。また、板体４は、数 カ所を支持体８で便器蓋１の内面に連結しておけば、たるむことなく張設状態を 維持することができる。 使用後、便器蓋１は閉じられるが、便器を閉じている状態でも換気を続けてお けば排臭に有効である。

【００１６】 図３は本考案便器蓋の他の実施例を示し、前記実施例と同じ部分は同じ符号を 使用している。 本実施例においては、便器蓋１の平面部９に排気用の吸引孔１０を複数穿設し 、平面部９上には、全ての吸引孔１０を覆うことのできる吸引ホッパー１１を設 置し、このホッパー１１には排気管７を接続したことを特徴としている。

【００１７】 本実施例は上記の構成としたことにより、用便中、悪臭は吸引孔１０から吸引 され、排気管７を通して外部に排出される。 本実施例の場合も、用便中だけでなく便器を閉じている時も換気を行うように してもよい。

【００１８】

【考案の効果】

以上、説明した本考案によれば、糞尿臭等の悪臭の発生源に最も近い箇所であ る便器蓋に排臭構造を形成したことにより、用便中から常に排気するので臭気が 室内に拡散、残留することがなく、短時間で脱臭が可能である。従って、用便後 、他の人がすぐに入ってきても悪臭による不愉快な思いをすることがなく、快適 に使用することができるものである。 便器蓋による悪臭の排気と、既設の換気扇とによる排気とを併用して行えば更 に効果的である。

【００１９】 便器蓋は、便器に対して回動可能に軸連結してあるが、取付け、取り外しが可 能であるので、既設の便器に本考案便器蓋を取り付け、既設の換気扇に排気パイ プを接続するだけで使用可能であるから経済的である。

【００２０】 便器蓋は、使用後、便器を閉じるものであるから、用便後直ぐに便器を閉じれ ば便器内の換気を直接に行うことができ、排臭にはきわめて効果的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案便器蓋の平面図である。

【図２】本考案便器蓋の一実施例を示すＡ−Ａ線断面図
である。

【図３】本考案便器蓋の他の実施例を示すＡ−Ａ線断面
図である。

【図４】従来の便器全体の正面図である。

【符号の説明】

１ 便器蓋 ２ 便座 ３ 突起体 ４ 板体 ５ 排気用空間 ６ 吸引孔 ７ 排気管 ８ 支持体 ９ 平面部 １０ 吸引孔 １１ ホッパー

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【手続補正書】

【提出日】平成５年３月２７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図 １】

【図 ２】

【図 ４】

【図 ３】

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 便器の開口部を覆う形状を有し、便器に
   回動可能に設置した便器蓋において、便器蓋１の下面全
   面に、複数の排気用吸引孔６を穿設した合成樹脂製板体
   ４を張設して便器蓋１と板体４間に排気用空間５を形成
   し、便器蓋１には排気管７を連設して成ることを特徴と
   する便器蓋。
2. 【請求項２】 便器の開口部を覆う形状を有し、便器に
   回動可能に設置した便器蓋において、便器蓋１の平面部
   ９に複数の排気用吸引孔１０を穿設するとともに平面部
   ９上には、全ての吸引孔１０を覆う吸引ホッパー１１を
   設置し、ホッパー１１には排気管７を接続して成ること
   を特徴とする便器蓋。