JPH0636374Y2 - 流体制御弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、流体制御弁に関するものである。

［従来の技術］ 入口ポート１、出口ポート２、及びポート1,2を連通す
る流路中に弁座３を備えた弁本体４に、上記弁座３を出
口ポート２側から開閉するポペット弁体3a、該ポペット
弁体3aを駆動するピストン５で区画された弁本体側の圧
力室5aと呼吸室5b、及び該呼吸室に縮設され上記ポペッ
ト弁体3aを弁座３に当接させるシートスプリング６を備
えた駆動部７を、取付ボルト8,・・で組付け、圧力室5a
に給排されるパイロット流体の作用力とシートスプリン
グ６の付勢力の大小によって弁体3aが弁座３を開閉する
流体制御弁は、既に知られている（第２図参照）。

上記公知の流体制御弁は、通過流体の汚染に起因する弁
体等のメンテナンスやパイロットポートの位置変更など
のために、ユーザ等において駆動部７を弁本体４から分
離することが必要な場合がある。しかしながら、弁座３
を出口ポート２側から閉鎖する流体制御弁は、入口ポー
ト１からの流体圧に抗して弁座３を閉鎖させるシートス
プリング６の付勢力が大きいので、駆動部７を弁本体４
から分離すると、ピストン５がシートスプリング６の付
勢力で駆動部７から飛び出し、弁本体４や取付ボルト8,
・・等を損傷する事故が発生することがある。したがっ
て、この種の流体制御弁は、駆動部７の分離によるピス
トン５の飛び出し防止のために、駆動部７をサブアセン
ブリし、サブアセンブリした駆動部７を弁本体４に組付
けることが必要である。

従来は、第２図に示すように、駆動部７をタイロッドま
たはボルト9,・・で締付けることによりサブアセンブリ
しているが、タイロッド9,・・による駆動部７のサブア
センブリは、弁座３の開閉に伴うシートスプリング６の
衝撃力がタイロッド9,・・に作用するために、タイロッ
ド9,・・を太くしたり或いは高張力の素材を使用するこ
とが必要になり、制御弁全体が大形でコストも高くなる
という問題がある。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案が解決しようとする課題は、駆動部をサブアセン
ブリする止め輪に、弁座の開閉に伴うシートスプリング
の衝撃力が作用しないようにして、小型で安価な制御弁
を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本考案の流体制御弁は、入口
ポート、出口ポート、及び両ポートを連通する流路中に
弁座を備えた弁本体と、上記弁座を出口ポート側から開
閉するポペット弁体、カバー、該カバーに摺動可能に挿
入され上記ポペット弁体を駆動するピストン、該ピスト
ンで区画された弁本体側の圧力室と反対側の呼吸室、及
び該呼吸室に縮設され上記ポペット弁体を弁座に当接さ
せるシートスプリングを備え、かつ上記弁本体に組付け
られた駆動部とよりなり、上記圧力室に給排されるパイ
ロット流体の作用力と上記シートスプリングの付勢力の
大小によってポペット弁体が弁座を開閉する流体制御弁
において、上記駆動部を、上記カバーにおける、該駆動
部を弁本体に組付けたときにピストンとの間に間隙を有
する位置であって、かつ駆動部を弁本体から分離したと
きに上記ピストンに係止してピストンのカバーからの飛
出しを防止できる位置に取付けた止め輪によって、サブ
アセンブリしたことを特徴としている。

［作用］ 止め輪によってサブアセンブリした駆動部を弁本体に組
付けると、シートスプリングが若干圧縮されてピストン
と止め輪との間に間隙が生じる。したがって、弁座の開
閉に伴うシートスプリングの衝撃力が止め輪に作用しな
いので、止め輪の強度を、サブアセンブリ時のシートス
プリングの付勢力に対抗するだけの小さいものにするこ
とができる。

駆動部を弁本体から分離すると、ピストンが止め輪に係
止して、駆動部からの飛出しが防止される。

［実施例］ 第１図は本考案の実施例を示し、この流体制御弁は、弁
本体11と駆動部12で構成されている。

弁本体11は、入口ポート14、出口ポート15及びポート1
4,15間の流路中の弁座16を備え、該弁座16に対抗する開
口部は仕切板17によって閉鎖されており、駆動部12が取
付ボルト（図示省略）によって弁本体11に組付けられる
と、仕切板17のフランジ部が弁本体11と駆動部12のカバ
ー19間に挟持固定される。

上記カバー19に形設したシリンダは、内部を摺動するピ
ストン20によって弁本体側の圧力室21と反対側の呼吸室
22に区画されており、圧力室21はパイロット通路23によ
ってパイロットポート24に、呼吸室22は呼吸ポート25に
それぞれ連通している。

一端がピストン20に固定されたロッド27は、上記仕切板
17を気密に貫通した他端にポペット弁体28がピンによっ
て取付けられており、圧力室21に給排されるパイロット
流体の作用力と呼吸室22内に縮設されたシートスプリン
グ29の付勢力の大小でピストン20が駆動することによ
り、弁体28が弁座16を開閉する。

上記カバー19には、駆動部12が弁本体11に組付けられた
ときに、シートスプリング29を若干圧縮してピストン20
との間に間隙を生ずる位置に凹溝30が形設されており、
該凹溝30に、ピストン20に係止して駆動部をサブアセン
ブリする止め輪31が取外し可能に嵌着されている。

次に、上記実施例の動作を説明する。

止め輪31によってサブアセンブリされた駆動部12は、図
示を省略している取付ボルトによって弁本体11に組付け
られる。

この状態で、電磁弁等のパイロット弁によって圧力室21
にパイロット流体を供給すると、ピストン20がシートス
プリング29の付勢力に抗して駆動することによりポペッ
ト弁体28が弁座16を開放し、圧力室21のパイロット流体
を外部に排出すると、シートスプリング29の付勢力によ
って弁体28が弁座16を閉鎖する。この場合、ピストン20
には、入口ポート14からの流体圧に抗して弁座16を閉鎖
するシートスプリング29の大きな付勢力が作用している
が、止め輪31は、駆動部12の弁本体11への組付けにより
ピストン20との間に間隙が形成されるので、弁座16の開
閉に伴なうシートスプリング29の衝撃力が作用しない。
したがって、止め輪31を太くしたり或いは高強度の素材
で形成したりする必要がない。

メンテナンス等によって、駆動部12を弁本体11から分離
する場合は、止め輪31によってピストン20の駆動部12外
への飛び出しが防止できる。したがって、止め輪31は、
駆動部12をサブアセンブリした時に作用するシートスプ
リング29の付勢力に対抗するだけの強度を有するもので
よい。

［考案の効果］ 本考案は、駆動部を、ピストンに係止してその飛び出し
を防止する止め輪によってサブアセンブリしたので、駆
動部を弁本体から分離するときの事故を防止することが
できる。

また、上記止め輪を、駆動部の弁本体への組付けとき
に、ピストンとの間に間隙を生ずる位置に設けたことに
より、止め輪にポペット弁体による弁座の開閉に伴なう
シートスプリングの衝撃力が作用しないので、止め輪を
小形でしかも低強度の材料を使用することができ、これ
によって、駆動部をサブアセンブリして事故を防止した
ものでありながら、制御弁を小形にできるばかりでな
く、安価なものにすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の縦断正面図、第２図は従来の
流体制御弁の半部縦断面図である。 11……弁本体、12……駆動部、 14……入口ポート、15……出口ポート、 16……弁座、20……ピストン、 21……圧力室、28……ポペット弁体、 29……シートスプリング、 31……止め輪。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 金子 訓久 埼玉県草加市稲荷６−19−１ エスエムシ ー株式会社草加工場内 (72)考案者 藤谷 秀次 埼玉県草加市稲荷６−19−１ エスエムシ ー株式会社草加工場内 (56)参考文献 特開 昭61−244971（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】入口ポート、出口ポート、及び両ポートを
   連通する流路中に弁座を備えた弁本体と、上記弁座を出
   口ポート側から開閉するポペット弁体、カバー、該カバ
   ーに摺動可能に挿入され上記ポペット弁体を駆動するピ
   ストン、該ピストンで区画された弁本体側の圧力室と反
   対側の呼吸室、及び該呼吸室に縮設され上記ポペット弁
   体を弁座に当接させるシートスプリングを備え、かつ上
   記弁本体に組付けられた駆動部とよりなり、上記圧力室
   に給排されるパイロット流体の作用力と上記シートスプ
   リングの付勢力の大小によってポペット弁体が弁座を開
   閉する流体制御弁において、 上記駆動部を、上記カバーにおける、該駆動部を弁本体
   に組付けたときにピストンとの間に間隙を有する位置で
   あって、かつ駆動部を弁本体から分離したときに上記ピ
   ストンに係止してピストンのカバーからの飛出しを防止
   できる位置に取付けた止め輪によって、サブアセンブリ
   した、ことを特徴とする流体制御弁。